六畳一間に魔王と勇者   作:ゲキガンガー

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すみません。誠に個人的事情ではありますが、同人の方で取り掛からなければならない原稿ができたため、この作品は駆け足ではありますができるだけ早く終わらせます。
放っておくと未完のまま終わってしまう可能性がある為。

今しばらくお付き合い頂ければ幸いです。


第三章「魔王城現る」④

「くっ」

 魔力をつかえない魔王は早速苦境に陥っていた。

 まず最初に現れたのはガーゴイルだった。よく石造に化けているモンスターだ。

 普段なら何て事のないモンスターも今の魔王にとってはいかんともしがたい難敵となる。

 瞬く間に窮地に陥った。

「く、……これまでか」

「ふふふふ……なんてざまかしら。何か策でもあるのかと思ってきたら、なんて無様なのかしら。お姉さま。くすくすくす」

「貴様は――レヴィアタンか」

 嘲笑と共に現れたのはレヴィアタンだった。

「無策で突っ込んでくるなんて……頭がどうかしているんじゃないですの? お姉さま」

「ふん。わざわざ余の前に現れてくるとは。これこそが余の策だとは思わんか? 無策を演じて油断を誘う」

「まさか……そんなわけがないでしょう。そんなもの見苦しい言い訳ですわ」

 そういって、嘲笑をする。

「まったく、私たちがヒントを与えたではないですか。この世界には確かに魔素は存在しない。しかし、奪えばいいのです。人間の命を。てっきり、あなたも同じ事をしてくると踏んでいたのですか。見当違いですね」

「ふん。見当違いだったか。そいつは残念じゃったな」

「ええ。随分と甘くなられた様子」

「……そうか、余は甘くなったか」

「ええ。甘いですわ、お姉さま。そんな甘いお姉様はやはり魔王には相応しくありません。魔王の座はお姉様ではなく、やはりこの私、レヴィアタンにふさわしい」

「ぐっ」

「このような下級モンスターにやられるなどかつての魔王の名折れ。私――新たな魔王であるこの私、レヴィアタン自らの手で介錯してさしあげますわ」

 そういったレヴィアタンの手は突如、剣のような形状となる。鋭利な刃物そのものになった。

「――さて、最後に言い残す事はありませんか?」

「――そうじゃのう。もっとゴロゴロしてネトゲ三昧の生活を送りたかった」

「ふっ。元魔王にしてはさえない台詞ですわね。安心していってください。あなたを始末した後、この世界もユグドラシルも私が掌握し、真の支配者、真の魔王になってさしあげます」

 そういって、魔王は剣を降り下ろそうとした。

 ――と。

 キィン。

 という甲高い音がした。

「……なんともお約束な展開じゃの」

 あきれたような口調で言った。レヴィアタンの刃を突如現れた勇者は受け止めた。その手には聖剣エクスカリバーがしっかりと握られている。

 

「……なんとか間に合ったか。無事か? 魔王」

「無事に見えるか? 見えたら眼科にいけ」

「……その通りだな」

 そうって勇者は笑う。

「貴様は、勇者……なぜです? なぜ敵であった魔王を庇うのです?」

「……さぁ、なぜだろうな」

「ちっ。ベルゼブブのはず、対策はしているといったのに、どういう低落ですか。あの役立たずめ。いったいどこで何をやっているのです。どうでもいい時はいて、必要な時いないなんて、従者としてなんたる愚劣さ」

「御託はいい。さっさと始めようぜ」

 勇者の力は完全に戻っている。そう、今なら魔王といえども遅れを取りはしないだろう。

 こうして、最後にして最大の闘いが始まった。

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