オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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PHASE-94「蘇る悪魔の騎士」

 

あの日から僕は『俺』になった。楽しかったあの日常が嘘のように砕かれた。

数発の弾丸がじいちゃん、母さん、妹のハーティ、姉のノインの身体を貫く。

目の前で起きた光景が・・・嘘で欲しいと願った。だが現実は・・・・残酷で、

あまりにも酷かった。《アイツ》らの判断が間違っていなければ、家族が

死ぬことはなかった・・・・さあ、変われ・・・・マルス・レディーレ・・・・お前は

もう死んだ。俺は全てを取り戻した・・・・目的を思い出した・・・・そう・・・・

俺は《アレス・ルセディス》なのだから・・・・奴等に復讐を果たす為なら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例え、命に変えても――――――やり遂げないとならないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――数年前。

 

 

 

 

 

新歴75年。クラナガン南部に位置する次世代エネルギー開発研究所で事件は

起きた。いつものように研究所に訪れていたアレスだったが、突如として

顔を覆面で隠し、武装した男達が研究所をジャック。

 

 

『俺たちをテロリスト?そのような要求に屈しないだと?ふざけやがって!』

 

『くそッ!俺たちの要求を飲まないとは!何を考えてやがる』

 

 

要求に応じなかった苛立ちから椅子を蹴り飛ばす男。この武装集団はかつて

綾崎翔真・Gspirits隊たちとの戦いにより敗れ、今は残党の集まりでしかない

地球蒼生軍だ。彼等は様々な悪行を繰り返しており、Gspirits隊や管理局が

行方を追っていた。この研究所を制圧し、職員100人余りを人質に取っていた。

制圧してから数時間が経過。既に半日は経過していた・・・研究所の外には管理局

地上本部提督『大東貫一』やニック、和馬達 Gspirits隊の姿があった。

 

 

武装集団のリーダー格の男は人質解放の条件として、捕らえられ、投獄された

地球蒼生軍の上層部のメンバーやその他者達の解放を要求する。本来ならば、

このようなジャックなど容易く、すぐに解決するだろうと思われた・・・・・・・

しかしこの研究所は鉄壁の守りに加えて、独立したセキュリティーが完備され

まさしく要塞と化していた。Gspirits隊はどう突入するか、考えていた。

そんな中で武装集団から人質解放条件が出され、逃走経路や大東貫一の即時

地上本部提督退陣の追加条件も出された。もしこの条件を飲まなければ人質を

一人づつ射殺するという通告もあった。そして内部のLIVE映像が映し出される。

 

 

『どうするんだ提督!?・・・・なに!?何故提督ではない

貴方が指揮を取るんだ!副指揮官』

 

『提督は少しお疲れなのだよ。だからわたしが変わったのだよ。もう少しで

セキュリティーロックが解除される。彼等の条件を簡単に飲めば・・・・

最悪の事態は免れない』

 

 

何故大東ではなく、副指揮官が現場の指揮を取っているのか、ニックは謎だった。

せっかく手に入れた平和を砕かれる訳にはいかない。場に沈黙が流れる中、

セキュリティーのロックが解除。待機していた魔導師達と兵士達は突入の

準備に掛かり、副指揮官は武装集団に『テロリストのいかなる要求にも屈しない』

その言葉を告げた。だが・・・・悲劇は起こってしまった。武装集団は報道機関に

研究所内部のLIVE映像を配信。要求を飲まなかったとして五人の人質が前に

差し出され、男は銃を構えて発泡。

 

 

老人――三十代前半の女性――十四歳の少女――九歳の少女が次々と撃たれた。

少年・・・・アレスにも銃口が向けられる。殺されたのはアレスの家族だった・・・

血だまりが出来る中で、アレスは目の前の光景を受け入れられなかった。

 

『恨むなら奴等を恨めよ小僧。心配するな・・・・寂しくないように

こいつらの後を追わせてやる。あばよ』

 

『動くなッ!』

 

『なに!?・・・・くっそォォォォォ』

 

 

あと一歩のところでニック達が突入した。武装集団は捕まり連行され、

殺された人質の身柄も回収された。だが・・・・アレスは心に大きな傷を負った。

 

 

『(どうして・・・・じいちゃんや母さんや・・・・ノイン姉やハーティが・・・・

死ななきゃいけなかった!?・・・・アイツ等の突入が早かったら・・・・・・・)』

 

 

 

 

そこから全てを思い出した。エクシェスという剣を手に入れたことと

義妹クリスとの出会いやあの世界で戦った記憶・・・・アレスは思い出した。

 

 

 

「・・・・貴様等雑魚を相手にしてる暇はない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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