オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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取り敢えず、今年最後の更新です。少しお早いですがよいお年を!


PHASE-97「交差する者達 Ⅲ」

 

 

背後から鳴り響いた銃声と衝撃でアインハルトは固く目を瞑った。

しかし痛みは感じない。代わりに生暖かいナニカが彼女の頬に落ちる。

アインハルトはそっと目を開けた・・・・

 

「マルス・・・・さん・・・?」

 

「・・・・」

 

視界に入ったのは自分を守るように立つマルス。血にまみれた手を見て

アインハルトは顔に頬に落ちたナニカが血だという事を悟った。慌てて

傷口を止めようとしたが、アインハルトは固まる。

 

「(これは・・・・)」

 

「(まさか・・・・アインハルトッ!!)」

 

ツバサはまずいという表情を浮かべた。しかしアインハルトは目の当たりに

してしまった。色取りどりの配線から生まれる火花と血に染まる金属的な

フレームが顔をのぞかせている。顔を俯かせるマルスの赤いメッシュを除き

艶のある黒髪が白へと染まる。同時にアインハルトの脳裏にイメージが過る。

 

・・・・うぐ・・・・ッ!・・・・

 

 

血塗れになった老人、女性、そして自分と年は変わらないであろう女の子と

小さい女の子を前に泣きじゃくる小さな男の子の姿・・・・アインハルトはその

男の子がマルスだと分かった。

 

 

「・・・・消えろ」

 

「「「・・・・!?」」」

 

冷酷な口調でそう告げたマルス。次の瞬間テロリスト達の懐に飛び込んで

一瞬の内に仕留めてゆく。血の雨を降らしながら、蹂躙してゆくその姿に

人質達の多くは悲鳴を上げる。

 

「ダメッ!マルス・・・・ダメッ!」

 

ソーナの悲しい声がマルスを引き留めようとする。だが今のマルスにそんな

余裕はない。タイミングを見計らい、箒達はすぐさまザフトの暗躍部隊に助けられ

会場から姿を消していた。ツバサは縄をほどこうとするが、なかなか上手くいかない。

 

「(来いエクシェス・・・・!俺はここにいる・・・・ここにいるぞ!)」

 

場所は変わりトレミー。誰も搭乗していないはずのエクシェスが勝手に動き始める。

束やシャル、ティアナが何事なのかと、急いでMSハンガーへやって来た。

 

「シャルちゃん!急いでハッチ開けてッ!じゃないと・・・・」

 

束がそう言い掛けた時、エクシェスの周りに魔法陣が出現した。魔法陣は

エクシェスを呑み込み姿を消した。束はただならぬ雰囲気を察した。同時に

ある存在を確認した。

 

「シー君?・・・・まさか!」

 

「どうしたの束さん?」

 

「シャルちゃん、今すぐラスベガスまで行ってくれる?」

 

「え・・・・?」

 

「シー君がいる。シー君が帰って来たの!」

 

「ッ!」

 

「ジャスティスを・・・・シー君に届けて。ティアナちゃん、ハッチを開けて」

 

「はいッ!」

 

束はハンガーに納められた紅い機体・・・・ジャスティスを見てそう言った。

シャルロットはすぐに行動を開始した。パイロットスーツに着替える。

ジャスティスに乗り込み機体を稼働させる。

 

「(そう言えば久しぶりだねジャスティス。また、力を貸してね)」

 

語り掛けるようにシャルロットはそう心の中で呟いた。ジャスティスは

応えるようにデュエルアイを光らせた。そしてカタパルトデッキへと移動し

ジャスティスガンダムは発進準備になる。

 

《システムオールグリーン、ジャスティス発進どうぞ!》

 

「ジャスティス、シャルロット・デュノア発進するよ!」

 

 

トレミーから出撃するジャスティス。ジャスティスは再びIS世界を舞う。

一方でテロリスト達を仕留めたマルスの元に、天井を突き破りエクシェスが

姿を現した。ツバサは機体が来る前に縄をほどき人質を解放して、外に出ていた。

 

「ツバサッ!」

 

「マルス・・・・まさか君は。くそっ!」

 

「マルス・・・・さん・・・・」

 

「一体どうしちまったんだよ・・・・マルス」

 

「(まさか兄貴・・・・記憶が戻ったのか!?)」

 

ツバサとクリスはすぐさま自分達の機体へと走る。人込みを掻き分けながら

ツバサはバルバトスに急ぐ。ふと上空を見上げる・・・・すると、真紅の機体が

ジェガンを相手に戦っていた。真紅の機体は次々と迫り来るMSを撃墜してゆく。

 

「(なんだあのガンダムは・・・・)」

 

 

別の空域。3機のグフイグナイデッドを連れて、レジェンドはラスベガスに

到着する。レジェンドを操る湊はコンソールを操作して、状況を確認する。

 

 

「(どうやら目的は達成したようですね。ならば)」

 

 

レジェンドはそのまま戦闘区域に移動を開始する。プレシアの指示通りに

計画は進んでいた。だが、湊はある者の存在に気付いた。

 

「(このプレッシャーは・・・・綾崎翔真・・・・)」

 

計画は順調だ。だが、ここで邪魔される訳にはいかない。気配を辿りながら

湊はレジェンドと共に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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