オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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PHASE-103「和解と3機のゼータ 2」

 

 

「任務・・・でありますか」

 

『ああ。完成した機体を翔真君達の元に届けて欲しいんだよ』

 

《世界の盆栽》という本を読みながら、ショウマ・バジーナはイヤホン越しから

ドクターDの指示を受ける。内容はそれぞれに特化した3機のゼータガンダムを

輸送して欲しいとのこと。しかし、今現在バジーナはザフトに身を置いている。

易々とミネルバから出る訳にはいかない。

 

「ま、ドクターの指示なら仕方がないか・・・よし」

 

とある連絡先に電話。すると数秒でその主は出る。

 

『はいはい!ショウマさん!・・・もしかして任務ですか!?』

 

「ああ。今からある指示ポイントを送る。"響"・・・君に

ある任務を託す。大丈夫かな?」

 

《任せてくださいッ!なんでもやっちゃいますよ!》

 

「そう言って貰えると頼もしいな」

 

響と呼ばれた少女はテキパキとバジーナの指示に従い、機体を受け取りに

ドクターDの元へ。一方でニックは数週間、フォン・スパークとハナヨと共に

地方を渡り歩き、ザフトの裏側を知る。

 

《が、ガンダム!?》

 

《たかが1機のガンダムに!》

 

「民間人を戦わせる軍人がいるか!人の弱味に漬け込んで

汚い手段を使って・・・お前ら、それでも軍人かッ!!」

 

《黙れ!お前だって、結局何の目的の為に戦っていやがる!?

大体なァ!こいつら貧相民は、俺達ザフトがいなきゃおまんまの

食い上げなんだよ。そいつを分かれッ!》

 

 

ニックはフォンとハナヨの手によって取り戻された愛機 ガンダムDXで

ザフト軍と戦っていた。紛争地域で、金に困った貧相な民間人をMSの

パイロットとして戦わされているのを目撃したニックは、ザフト軍MS

ゾノやグーンを相手に戦っていた。

 

「(ちきしょう・・・何処に行っても、犠牲になるのは

戦いとは無縁の民間人なんだ・・・!)」

 

 

ガンダムDXは満月をバックに、ハイパービームソードを華麗に抜刀する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔真はヴィヴィオをツバサに任せて、大東と互いの状況について話し合う。

二人はお酒を片手に戦いやこの世界について出来る限り話し合った。

 

 

「ふぅ・・・ま、今更昔の事を掘り返しても仕方ない。

翔真君・・・・・確かに、君の言う事は分かる。だが君のやり方は

間違っている。ソレスタルビーイングと同じようなやり方では

新たに争いを生むだけなんだよ」

 

「今となっては・・・後悔もしています。でも・・・でも、この世界が

争いに満ちていくことだけは嫌なんです。束や・・・シャルや、真耶が

育ったこの世界だけは絶対に守りたいんです・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「俺や、明日菜が・・・この世界を変えてしまった。半端な気持ちで

モビルスーツを生み出して、箒達もガンダムに乗って・・・訳わかんねーよ。

もう・・・ダメなのかな」

 

 

翔真も精一杯だった。変わってしまった世界・・・それはまさしくC.E 73年の

事件を再現したような状況に陥ってしまったIS世界。自身の存在で生まれた

クローンや箒達ザフトの存在・・・翔真はもはやどうしていいか分からなかった。

そんな翔真に、大東は彼の肩に手を置く。

 

 

「わたしが若い頃・・・ある人に言われたことがあったんだ。彼はね

世界に失望したと。誰も彼もが真実や本質を見失っている・・・・・・

誰も変わろうとしない世界を、自分は見限ったと。だが翔真・・・

君には対話する為の力が備わっているじゃないか」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「人は争う生き物だ。それは紛れもない事実さ・・・・・・けどね、

人は分かり合える。純粋種の君とクアンタなら、奇跡を起こせる・・・」

 

「お、大東さん・・・!?」

 

「ッ!」

 

話の途中で、大東は手を滑らせ、グラスを割り床に倒れ込む。翔真と

シュテルは大東を起き上がらせる。

 

「大丈夫なんですか!」

 

「だ、大丈夫さ・・・いや~、最近頭痛が酷くてね・・・」

 

「大東さん・・・貴方は」

 

 

脳量子で何かを感じ取った翔真だったが・・・

 

「本当に・・・何でもないんだ・・・」

 

「・・・・・・」

 

「翔真。明日、わたしに付いて来てくれるかい?」

 

「明日ですか・・・」

 

「今はこんな状況だ。ま、仲直りといこうかな・・・」

 

 

冷や汗を拭い、大東は再びカウンター席に戻る。翔真は脳量子で

大東自身の変化を感じ取り、なんとも言えない気持ちで隣の席に

座り直す。

 

 

 

 

 

 

 

 


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