オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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PHASE-147「約束された世界」

 

ジェネレーションシステム・・・それを破壊したことで大規模な変化は起こった。翔真はフェネクスの力を借りてIS世界とは別にもう1つの世界を造り上げた・・・そこはMSやISもない新しい世界。

 

「じゃあ行って来まーす!」

 

「行ってくるねお姉ちゃん!」

 

「一夏君、簪ちゃんも行ってらっしゃい!」

 

 

更識の屋敷・・・過去に更識家に養子に取られた織斑一夏は簪と楯無と幸せに暮らしていた。

 

 

「あ、一夏君だ!ほら箒!」

 

「な!?ま、待て吹雪!まだ心の準備が!」

 

「お、箒に吹雪じゃないか!」

 

「おはよう二人共」

 

 

一夏と簪の前に学校のクラスメートである箒と吹雪が現れる。特に箒は一夏に好意を寄せており彼を前にするとドキドキしてしまっていた。だが一夏の周りにはまだまだライバルが多い。

 

「一夏さーん!」

 

「何してんのよあんた達!早くしないと学校に遅刻するわよ」

 

「早くしろ嫁!」

 

「わ、分かったって!じゃあ『一夏はっけーん♥️』メガーヌさん!?」

 

 

更に一夏の背後から一人の女性、メガーヌ・アルピーノが現れる。傍らには彼女の娘 ルーテシア・アルピーノがニコニコしながら見つめていた。一夏や他の皆にはあの日から始まった戦いの記憶は無くなっていた・・・一夏達はあの辛い世界から新たなに造られた世界で元気に過ごしていた―――――――

 

 

「このやり方が間違ってるのは分かってるさ・・・けど、俺や明日菜のせいでこうなっちまったからさ・・・だからせめてもの償いさ。けど良かったのか?束、シャル、真耶」

 

「束さんはシー君と一緒じゃなきゃやだ・・・それに、シー君を一人にはさせないよ」

 

「翔真は一人にしたらまた無茶するからね。ボク等がちゃんと付いてないと」

 

「そうですよ翔真君!・・・それでは、行きましょうか♪」

 

「ああ・・・一夏・・・皆・・・元気でな」

 

 

 

翔真達は一夏達の姿を見届けた後・・・金色の不死鳥が空へ上がり、そのまま何処かへと去っていった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

『――――こ・・・こ・・・は』

 

「ようやく気付いたか」

 

『・・・キャ・・・ロ・・・ル』

 

「かろうじて生きていたな・・・全く・・・無茶しやがって」

 

 

 

何処かの医療施設―――――アレス・ルセディスは目を覚ました。しかしベッドの周りには沢山な医療機器があり、それから伸びるケーブル複数に繋がれたアレス・・・思うように喋ることが出来ず、名前を呼ぶだけで精一杯だった。

 

 

『たた・・・か・・・い・・・は』

 

「戦いは終わった・・・ソレスタルビーイングが勝ったさ」

 

『ま・・・け・・・た・・・のか・・・』

 

「お前は利用されてただけだった・・・」

 

『・・・・・・』

 

「あの後、オレはプレシア・テスタロッサについて調べた。奴は・・・奴は自分の利益の為にお前を利用してた・・・数々のMSを生み出し、純粋種であるお前の力が欲しいが為に・・・」

 

 

 

アレス・・・いや記憶を失っていた頃のアレスことマルスと関わりのあった女性"キャロル・マールス・ディーンハイム"は怒りに身体を震わせながらそう告げた。アレスは何も言わずただ天井を見上げた。

 

 

「キャロル!ま・・・アレスさんが目覚めたのですね!?」

 

「ああ・・・エルフナイン、そいつは」

 

「はい・・・こちらへ」

 

 

キャロルを幼くしたような容姿をもつ"エルフナイン"はある客人を招いていた。それは黒のビジネススーツに身を包んだルウェンだった。

 

 

「久しぶりだな・・・アレス・ルセディス」

 

『ル・・・ウェン』

 

「・・・・・・今日はお前に話すことがあって来た。教授、席を外してもらっていいか」

 

「・・・かまわないが・・・もし余計なことすれば・・・分かってるだろうな?」

 

「ああ」

 

キャロルはエルフナインと共に部屋から出て、ルウェンは椅子へ腰を卸した。

 

 

『わ・・・ら、いに・・・来たのか・・・』

 

「別に、ただお前に知らせたいことがあったんだ・・・あの戦いから半年が過ぎた」

 

『そんなに・・・経って・・・』

 

「ノーヴェ、クリス、御門は無事に出産したぞ・・・お前の子を」

 

『・・・!』

 

「せめてそれだけを伝えたかったんだ。アレス・・・お前が過去にやって来たことは許されないことだ。だが復讐を遂げたところで・・・何かがある訳じゃない」

 

『・・・・・・調べた・・・のか』

 

「ああ。気持ちは分からなくもない・・・けど、そんなことしてもご家族は喜ばないぞ・・・」

 

 

ルウェンは花束を添えてそのまま部屋を出た――――取り残されたアレスはただ一人声を押し殺し泣いた・・・今までやってきたことが崩れ去り、何もかも分からなくった少年の心は誰にも知られずやがて闇へと消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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