オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」 作:どこかのシャルロッ党
綾崎翔真はその世界から姿を消した。誰からも感謝されず、誰からも必要とされない翔真は愛する妻達と子供達と共に世界から消えた・・・月日は流れて6年経った世界は平和だった。しかし今でもプレシア派の反乱部隊は生存しており、プリベンターも手を焼いていた・・・そんな中、織斑千冬は休暇届けを出し家へ帰っていた。
「あら、どうしたの千冬?帰ってくるなんて珍しいわね」
「しばらくの間休めと言われてな・・・涼子、あの子はどうした?」
「友達の家へお泊まりに行ったわ。でも早いわね・・・時が経つのも」
「そうだな・・・」
千冬は今現在、トレミーで共に戦った仲間 御門涼子と一緒に住んでいた・・・涼子はあの戦いの最中、アレスの子を身籠っていた。終戦後に子供は生まれ、すくすくと育っていた。
「今でも分からないのよね?・・・マルスのこと」
「プリベンターでも色々とやっているが・・・見付からない」
「そう・・・でも千冬、貴女は一夏君を・・・」
「・・・・・・一夏なら安心に暮らしている・・・翔真からそう聞いてる。私は結局アイツに何も話せないまま別れてしまった」
「千冬・・・」
「でも、一夏が何処かで暮らしているのなら私は気にしないさ」
「何処行くの?」
「たまには外で食ってくる・・・そういう気分なんだ」
寒さも一段と厳しくなりコートを羽織った千冬は外へ――――しばらく適当に歩いているとある一軒の中華料理屋が見えた。
「中華か・・・たまにはいいか」
店へ入る。客は賑わっており厨房では赤い髪の男性が料理を作っており、席では二人の女性が注文を聞いていた。
「へい、いっらしゃい!お客様・・・」
「久しぶりだな・・・"五反田"」
「千冬さん!?」
「「・・・!?」」
「五反田妹、布仏姉も久しぶりだな」
店が落ち着いた頃、千冬は座敷へと案内されていた。テーブルには餃子や炒飯など中華料理な並んでいた。千冬の前にはアレックスの名を捨てた五反田 弾と、妹の蘭、そして布仏 虚が座っている。
「阿頼耶識による後遺症は治ったのだな」
「時間は掛かりましたけどね・・・千冬さん」
「なんだ?」
「一夏と・・・翔真は?」
「アイツ等は今でも戦っているさ・・・私達の知らないところでな」
それを聞き、弾は下へ俯く・・・終戦後に自分が利用されていたことを知り、一時期は生きる希望を無くして自暴自棄になっていたが虚と蘭のサポートで今では店を開くまでになっていた。ミッドチルダから提供された医療技術により弾は阿頼耶識による後遺症は完治していた。
「千冬さん・・・弾君を・・・助けて頂きありがとうございます」
「私からも感謝します!ほら、おにぃも頭下げて!」
「いでで!?引っ張るなって蘭!?」
「―――相変わらずだな」
弾達としばらく話した千冬は店を後に・・・すると意外な人物達がいた。
「あら、千冬じゃない?」
「ほんまだにゃ~」
「・・・!?スコール!?それにお前は・・・速波か!?」
千冬の前にいたのはスコールと、死んだはずの速波隼人がいた。場所を公園へと変えた三人は久々の再会を喜んでいた。
「じゃあ、綾崎が秘密裏に?」
「ああ。翔やんのおかげで洗脳が解けて、スコールと再会したのさ」
「隼人は生きてた・・・それだけで嬉しかった・・・」
「それより千冬さん、翔やんと一夏は?」
「・・・アイツ等は平和を維持する為に今でも戦ってる」
「そうか・・・俺も力になりてーがもう体はボロボロだからな・・・」
「速波、お前はもう十分に戦ったんだ・・・しばらくは休め馬鹿者」
二人と別れて、千冬は一人歩く――――――そして秘かに誓う。必ずこの平和を守ると・・・
一方で大東達は一段落していた。翔真から頼まれたIS世界のサポートと復興に力を貸したGspirits隊も当面の間は解散することになった・・・ちなみにディートリッヒは結局大東の説得により戻って来た。ディアーチェ達やクアットロに泣き付かれたのは言う間でもない。
「オイスバル!?ちょっと待て・・・ちょ!?ナターシャ!?」
「ニックさんはこれからわ・た・し!とデートするんです!邪魔しないでくれますかナターシャさん!」
「あら、スバルちゃんにはまだデートなんて早いわよ♪」
「なんですとー!?」
「いだだだだ!?腕もげるもげる!」
ニックは以前から仲良くしていたスバルから猛アタックを受けていたが、ニックを追いかけて来たナターシャはニックを諦めきれずに彼女も猛アタックをしていた。場所は変わり高層マンションの一室・・・そこには和馬とギンガが暮らしていた。
「大丈夫なのかギンガ?無理なら俺がやるから休んでろって」
「もう、カズったら心配しすぎだよ?」
「そりゃ心配だってするさ・・・だってお前の中には子供がいるんだから」
二人にとって念願の子供があと少しで生まれる・・・ギンガは大きいお腹を撫でながら幸せを感じていた・・・だが和馬は何処か浮かない表情だった。
「どうしたのカズ?」
「いや・・・アレス・ルセディス君について考えてた・・・」
「確かその子って今でも行方不明なんでしょ?・・・あの事件の被害者だったんだよね」
「ああ。それだけが俺の心残りだ・・・・・・あん時に救ってやれたら、あの子はプレシア・テスタロッサに利用されることはなかったんだ・・・」
「カズ・・・」
「必ず探す・・・必ずな」
和馬がそう言っていた頃――――――大東はリディと酒を飲んでいた。
「お疲れ様、アナタ・・・」
「ありがとうリディ・・・なんだか初めてのような気がするね・・・君と飲むのは」
「そうよね~・・・色々あったけどお疲れ様」
「ああ・・・染みるね~」
「ふふっ、飲み過ぎはダメよ?」
「分かってるさ・・・明日も早いからね」
「また捜索に?アレス・ルセディス君を・・・探す為に」
リディの問いに大東は頷く・・・事件で何一つとしてトラブルが起きなければアレスという少年は家族を失わずに済んだはずだ。
「・・・やり遂げねばならぬのさ・・・今度こそ間違えないさ。確かにあの戦いで数多くのことを学んだ・・・」
翔真達はもういない・・・二つの世界は後の世代へと託されてゆく。長きに渡る戦いはこれからも続くのかもしれない。だが・・・そうはさせまいと、そんな火種などは駆逐する者達はまた姿を現す。
「綾崎翔真、デスティニーガンダム!目標を駆逐する!」
平和に向けて歩きだす世界を乱さないよう・・・静かに世界の歪みを正す為に機械天使は舞い降りる。そして青年は誰にも知られないように戦場を駆け抜ける―――――。
完。
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