オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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PHASE-47「虚無の申し子 バンシィノルン 後編」

 

 

M1アストレイ部隊を全滅させた翔真とマルス、だが

二人の駆るバンシィノルン、エクシェスの前方から

ある一機のMSが接近していた。

 

「照合、HI-νガンダムか。とういう事はカスタム機」

 

翔真はモニターに映る機体を見てそう呟く。

二機に迫る機体、その正体は改修を施されたHi-ν

ガンダムヴレイブであり改修後はHi-νガンダム

リベレーターへとカスタムされた機体である。

パイロットはもちろん和馬である。

 

リベレーターはビームサーベルを抜き瞬時に

バンシィノルンの右腕を切断する。

 

「(動きが速い!ヴレイブの時とはかなり違う。

油断しきっていた!)」

 

あまりの早さに翔真が驚いている中、リベレーター

から通信が入る。

 

『今すぐに投降しろ、翔真』

 

「やはりアンタだったか、和馬さん」

 

『俺はお前とは戦いたくない。投降すれば命は

助かる!だから!』

 

「ッ・・・・・・・そっちから攻撃をしといてよく言う」

 

『違う!』

 

「だったら何が違うんです?貴方達が俺と戦う意思

が無くても俺に刃を向けたなら敵だ、例えアンタだろ

うとね!」

 

バンシィノルンの切断後の右腕にはエメラルド色の

結晶に覆われ一瞬にして砕け散る。そこには破壊され

たはずの右腕とビームマグナムが復元されていた。

 

「「再生した!?」」

 

普通MSが再生能力を持つはずもない。バンシィノルン

の驚異的な力に驚くマルスと和馬。

 

「これ以上敵とくどくど話すつもりはない!」

 

バンシィはビームサーベルを抜くとリベレーター

に斬り掛かる。

 

「やっぱりそうなるのかよ!」

 

バンシィのサイコフレームは緑色に輝き機体全身

オーラが纏われる。だがリベレーターにもNT-Dが

ある為にリベレーターも強制的にデストロイモード

となる。

 

「NT-Dだと!だとしても!」

 

「くっそ!なんつうシステムだ!意識を乗っ取ろうと

しやがる。翔真に一夏はこんな危険なシステムを使って

いたのか!」

 

互いの機体は輝きを放ち続ける。そして翔真はある

事を和馬に問う。

 

「アンタ達は何の為に戦う!」

 

[何!?]

 

「軍の命令か?それとも自分の成績の為か?」

 

[なわけあるかァ!俺は・・・・・・俺達は醜い戦いを

終わらせる為に戦っているんだ!この手で何千人

という人達を救って来た!翔真、お前がもし今迷って

いるのなら・・・・・・俺が助けてやる!]

 

「助けてやる・・・・・・・か、アンタ達はそうやって

幾つもの命を救って来たもしれない、けど・・・・・・・・

俺には救えなかった、恋をした女性(明日菜)を、

自分を慕ってくれた女性(クー子)を、何千人という

命すらを救えなかった・・・・・・・・軽々しく!助けるという

言葉を使うなァァァァァァ!!!!」

 

 

バンシィノルンのサイコフレームは緑から青へと

変わる。

 

 

近くではエクシェスが二機の凄まじい戦いに動きを

止めていた。その光景をモニターで見ていたマルスは

ただ黙るしかなかった。一瞬だが翔真の叫びが頭の

中に響いた、普段は救いようのないスケベである

彼の普段見せない怒りにマルスは自然と悲しみが

胸で広がるのを感じる。

 

「(どうして・・・・・だろ、悲しくないのに胸が痛む・・・・・・・)」

 

 

『何処を見ているの!』

 

 

突然通信から女性の声が響き、5秒後にガンダムタイプのMSがエクシェスに斬りに掛かる。

 

「ッ!」

 

エクシェスは紙一重で交わした。だがマルスの

頭の中で白いイナズマが駆け抜ける。

 

 

「(あのガンダムタイプに乗っているパイロット、

僕は知っているような気がする。誰なんだ)」

 

エクシェスに襲い掛かったのはギンガ専用に改修

され蒼いカラーに染められたガンダムレギルス。

パイロットはギンガ・ナカジマである。

 

 

そしてギンガもまたマルスと同じで頭の中で白い

イナズマが駆け抜ける。

 

「(誰?貴方は・・・・・・・・誰!)」

 

 

レギルスからビットが放たれる。今のエクシェスは

アメイジング・ウェポンバインダー装備、つまり

簡単に言えばエクシェス版のアヴァランチユニット

と言った方が分かるだろ。バーニアを全開にして

エクシェスはビットを避ける。

 

マルスは機体を加速させる時でも頭の中で白い

イナズマが何度も駆け抜ける。

 

「(この感じ・・・・・・・僕は本当に知っているのか?)」

 

今は迷っていても仕方ない。マルスは戦闘に集中

してビットを交わし続けレギルスに近付く。グラムが

降り下ろされようとしていた瞬間、ギンガは即座に

反応してビームサーベルを展開してグラムを退ける。

 

「「((このパイロット・・・・・強い))」」

 

 

マルス、ギンガの考えが一致する。エクシェスと

レギルスが白熱の戦いを繰り広げる中でディアーチェ

から通信が入る。

 

[聞こえるか!翔真、マルスよ!]

 

「ディアーチェさん」

 

 

エクシェスの後方にはクアンタを担いだフリーダムが

近付いていた。

 

[小鴉(はやて)から預かった物だ!翔真!]

 

ディアーチェからの報告を聞いた翔真はリベレーター

との戦闘を中止してフリーダム、エクシェスの前に

ゆっくりと近付く。

 

 

「クアンタは貰っていく。俺達の任務はこれで

終わりだ」

 

 

「ッ!?待て!」

 

 

和馬が呼び止めた時には遅くバンシィノルン達は

消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻ってISの世界。ザフト最高評議会議長

プレシア・テスタロッサは今ザフト本部にある

議長室で不敵に笑みをこぼしていた。

 

 

 

「綾崎翔真、マルス・レディーレ、織斑一夏、

篠ノ之箒・・・・・・・・貴方達がいずれ世界を・・・・・

フフフフ・・・・・アハハハハハ!!」

 

 

 

プレシアの思惑通りにある計画は順調に進められて

いた。まるで神になったように気分が上々のプレシア。

 

 

 

 

 

さらに言えば

後に地球圏統一連合とザフトが手を組む事はまだ

誰も知らない。

 

 


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