2022年5月
《ナーヴギア》と呼ばれる、新たなゲームハードの誕生により、ついに完全なる《仮想現実》への接続ーーー《完全ダイブ》が実現された。
《ナーヴギア》のインターフェイスはたった一つ、頭から顔を覆う流線型のヘッドギアだ。
その内側には無数の信号素子が埋め込まれ、それらが発生させる電磁波によって、ギアはユーザーの脳そのものと直接接続する。
ユーザーは己の目や耳ではなく、脳の視覚野や聴覚野にダイレクトに与えられる情報を見ることや聞くことができるのだ。
《ナーヴギア》は視覚・聴覚に加え触覚や味覚・嗅覚。
いわゆる五感の全てにアクセスできる。
そしてユーザーに仮想の五感情報を与えるだけでなく脳から体に向けて出力される命令を遮断・回収する。
ギアが延髄部で肉体への命令信号を回収し《仮想体》を動かすだのデジタル信号に変換することで現実の体への命令を停止させ仮想空間での活動をかのうにしている。
《完全ダイブ》ーーそれはまさしく完全の名に相応しい現実との完璧までの隔離だった。
『自分がゲームの中に入る』という体験に夢中になったコアゲーマーたちがネット対応ゲームーー《MMORPG》の誕生を待ち望むようになったのも当然の流れだったのだろう。
そしてそんな時俺が見たテレビで発表されたこと、それが《VRMMORPG》という世界初のゲームジャンルを冠したタイトルだった。
それが《ソードアート・オンライン 》。
俺は静かに雑誌を閉じる。
俺はテレビを見た日に妹と一緒にβテストに応募し、運がいいことに二人とも当選した。
そしてβテスト期間、俺はあの世界の虜になっていた。
この二ヶ月間、俺はずっとこの日が待ち遠しくて仕方なかった。
そしてついに!
この日がやってきた!
もう一度あの世界で戦えると思うとワクワクするし、この日の為に現実世界の仕事もあらかた終わらせたからログインしまくれる!
「クロム、そろそろ始めんぞ!」
「うん!」
俺とクロムはナーヴギアを被り正式サービスの開始時間を待つ。
後、1分。
「クロム、武器や前で待ち合わせな。咲夜とメアも来る予定だから」
「はい!」
咲夜は俺に仕えるメイドで、メアは一応仕事仲間に分類される。
他にも仕事仲間は四人程居るが今は関係無いから説明はしないでおこう。
そろそろか。
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「「リンクスタート!!」」
こうして俺とクロムは剣の世界へと再び旅立つのであった。
この後、剣の世界で起きる事件を俺達は未だ知るすべもなく。
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