織斑一夏はプロデューサー   作:めっさん

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#3 若者は集い、足を運ぶ

突然だが、俺、舞音刹那(織斑一夏)には兄がいる。……いや、『いた』といった方がいいだろうな。

 

兄の名前は織斑一秋。俺なんかよりもずっとかっこよくて、俺の憧れだった。

 

俺より4歳年上だけど、いつも一緒に遊んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――そんな楽しい日々は、そう続かなかった。よく一緒に遊んでいた篠ノ之箒の姉、束さんがISを開発、発表したその後、千冬や周りの人間は俺たち兄弟を苛め、見下した。『千冬さんはああまでできるのに、お前たちは使えない、役に立たない、存在価値がない』と。いやまぁ、姉さんに関しては、ずっといじめてきてたんだけどね。

 

 

 

それから数ヵ月後――――――兄も俺を虐めるようになった。

 

暴力に次ぐ暴力。俺の姿は見ることすら苦痛なほどだった。殴られ、蹴られ……普通の人間なら自殺をしててもおかしくはなかった。

 

でも俺は自殺できなかった。いや、したくなかったんだ。俺をいじめるときの兄の表情が、理解できなかった。

 

俺と同じように見下されたのが嫌だとかでもなく、ただ八つ当たりの対象にしたって訳でもなく、とてもすまなさそうにして暴力を振るっていたのだ。

 

兄の真意がわかるまでは、死んでも死にきれない―――――――――そう誓って、俺は生き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんななか小学6年の頃に、俺は誘拐されたのだ。亡国企業によって。

 

 

 

 

 

 

亡国企業の面々が反抗声明を挙げているとき、俺はようやく死ねるのか、と思った。最後まで兄貴のことが頭から離れなかったけど、仕方ないか……

 

でも俺は、また死ねなかった。

 

倉庫の壁を突き破ってきた俺と同じくらいの子ども―――まぁ、五反田 弾なんだが。弾が亡国企業の奴等と、生身で戦い退けたのだ。

 

俺もこれぐらい強かったら、あんなことにはならなかったのかな………そう思っていると、弾は俺に向かって

 

「あんたは強いな。」

 

はじめは理解できなかった。こんなボロボロの俺が? こんな惨めな俺が? こんなどうしょうもない誰からも見てくれない俺が? って。

 

でも――――――

 

「あんたは俺にはない強さがある。それがある限り、死ぬことはないし、俺が死なせはしないから。」

 

ふと自分の頬に熱いナニカが流れるのに気づくと、あぁ、俺はこいつと共に生きていくべきなんだと言葉じゃない、心で理解した。

 

 

 

 

 

 

 

そして―――――――――俺は過去の自分と決別するために、織斑一夏を捨てた。

 

 

 

 

~~~~

 

 

「舞音、お前のISだが準備まで時間がかかる。」

 

「はぁ?」

 

三時間目の始めに、そんなことを言われた。いやごめん。全然頭がついてかないんだけど。

 

「予備機がない。だから、少し待て。学園で専用機を用意するようだ。」

 

「……はぁ。」

 

確かに事前に読んでいた教科書のうちに、IS専用機について書かれてたことを思い出す。あれ、でもあれって確か…………

 

「織斑先生、篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか……?」

 

まあ、妥当な考えだろうな。めったに無い名字だし、

 

「そうだ、篠ノ之はあいつの妹だ。」

 

おいこら。なに普通にぶっちゃけてんの、あの人! そんなこと言ったら、

 

「「「キャァァァァ!」」」

ほぉら、大音響。これだから俺は恐れてたのに。言わない方も悪いか。

 

 

 

 

 

 

専用機、確かに手にはいるもんだとは思っていた。世界で一人だけと言われている男性操縦者だから。。だけれど、今回の場合はどうにも引っ掛かるものがある。

 

「安心しましたわ。まさか訓練機で戦うなんてことになるかと思いましたけど、まあフェアじゃありませんものね。」

 

はい出ました、オルコットさん。

 

「? 何をいってるんだ? 俺は今回用意される専用機は使わないぜ?」

 

「なっ……馬鹿にしていますの!? それとも専用機なんてなくてもこの私に勝てると!?」

 

「そういうんじゃない。まぁ、昨日の俺の台詞と、今日の織斑先生の発言内容をよく思い出したら、至極簡単なことだ。」

 

「とっ……ともかく、覚悟してなさい!!」

 

靴音を大きくたてて帰っていく。……普通に考えりゃあ、こうなることはわかるはずなんだが。

 

「大丈夫なん? あんなこと言うて。」

 

「いいんだよ、前k……ミク。それより、明日はシンデレラプロジェクト全員で顔合わせだから、忘れんじゃねぇよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、まずはシンデレラガールズ事務所本部の隣の部屋、ブリーフィングルームでスタッフ同士での挨拶ということになった。

 

現在本部にはシンデレラプロジェクトに選ばれている子達全員がいる。

 

一方、こっちの部屋では……

 

「あれ、弾に数馬? お前らもメンバーなのか? 弾に至っては、これ以上仕事したら死ぬんじゃねぇの?」

 

「俺を誰だと思ってんだよ刹那。まだまだ働き足りねぇぜ。」

 

「弾の『働き足りない』は『動き足りない』だろうが。」

 

数馬の鋭いツッコミも健在である。

 

 

 

五反田 弾と御手洗 数馬は俺が中学の時からの友人であり、ここ346プロの同僚でもある。中学から仕事をしていた……というとこはスルーしてほしいが、俺のことをよく知っている、頼れる親友だ。

 

弾についてあと少し話しておくと、俺が誘拐されたとき、助けてくれたのだ。しかも、武器もなにも持たずに素手だけで、ISに乗ってた誘拐犯をボコボコにしていた。

 

幸か不幸か、誘拐犯は無事に逃げたのだがまぁ、ISはなにも知らなかった自分でも、これ以上は使い物にならないとわかるほどだった。

 

――――――以上、五反田 弾の伝説である。

 

 

ガチャリ、部屋のドアが開く。

 

「あー、揃ってるぅ? じゃ、ま。改めて、346プロ社長やってまーす、桐生 つかさでぇす。よろ~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ、なんで誰もしゃべんないの!? マジ不安なんだけど!」

 

「なぁ刹那。あいつって、アイドルじゃなかったか?」

 

「あー、そういや、社長見たことあるのは、俺だけか。確かに桐生 つかさはアイドルとして活動しているけど、本来の仕事は346の社長だぞ?」

 

突然部屋に入ってきたのは、社長である桐生さんだ。見た目はそこいらにいるギャルとなんら遜色ないが、凄腕の仕事人だ。

 

「皆さんお揃いですね。私、プロデューサーのサポートをさせていただく千川 ちひろです。あっ、舞音さんはまた、よろしくお願いしますね。」

 

このシンデレラプロジェクト以前、いわゆる、346プロの他のアイドルを担当していたときも、ちひろさんにはお世話になっていたのである。

 

いやほんと助かったんだよ? 中学校に通いつつプロデュース活動してたら、ほんと体持たないから。

 

ふと隣を見ると、数馬が震えている。

 

「(おい刹那! お前あの緑の伝説と知り合いなのかよ!)」

 

「(どういうことだよ、つかそんな名前はじめて聞いたわ!)」

 

いったいちひろさんは何をしたら伝説になるのやら。やっぱ、スで始まってリで終わるあの飲み物のせいなのか……

 

さらに詳しく説明すると、アイドルが歌う歌は、ほとんど俺たち3人で準備している。作詞は俺、舞音 刹那が、作曲は弾が、あまり作業はないけれど振り付けは数馬が考えている。

 

なお、ここでよくこんな紹介して間違われるので、捕捉すると、一から考えてるわけではなく、専属の作詞作曲者と一緒に考えているのであしからず。

 

「えーっと、今は別の仕事でいなくなっちゃったけど、いちおー武内チャンがメンバー集めてくれたから、廊下とかであったら、お礼しといてよねー。じゃーうちは今から作業あるんであとのことはよろ~。」

 

なんとも社長とは思えない発言を残し、桐生さんは部屋を出ていった。

 

「えーっと、じゃあ私たちはアイドルのところに行きましょう。」

 

 

 

 




めっさんです。

色々指摘いただき感謝極まりないです。




……他に書くことがないので、でわ。
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