織斑一夏はプロデューサー   作:めっさん

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#6 得意分野と不得意分野、あと誤解

俺が拾われてから大きく変わったことが二つほどあった。ひとつは小学生だけれども、傭兵として働き始めたこと。

もうひとつは、自分が人間とはかけ離れてしまった存在にあることが自覚してしまったことだ。

 

俺を拾ってくれた人は会社の社長だった。なんでも、小さい頃はわかんなかったけど、強化外骨格……EOSとは別のものを開発していて、それの資金調達に、物騒な戦場を駆け回る人を探していたらしい。

 

今となっては、小学生をそんなところへ送るのはイカれていると思うが、……いや、世間体的にまずいよな。まぁ、当時の俺は二つ返事で了解した。

 

いきる意味をなくしてしまってたからな。

 

そんなわけで俺は中東アジアやアメリカ、はたまたアフリカ南部、あらゆる戦場で戦い続けた。施設基地の破壊、情報の抜き取り、対象の護衛――――――とうてい子供の仕事じゃないってわかってた。

 

俺が殺さなきゃならない人間ですら、どこか手を抜いた感じでかかってきた。

 

それが、俺が初めて感じた『怒り』だったのかもしれない。

 

 

年齢的に俺が小学五年の頃、初めて死んだと思った。そのときはエジプトでの戦いだった。目標はテロリストの鎮圧、しかしIS持ちが3人という無茶苦茶な戦いだった。

 

実際内容としてはテロリストの中にはISはないと知らされていたが、恐らくは隠し通してたのだろうな。

 

仲間も死んで、俺一人になったとき俺はなにもできなかった。俺だって普通の子供だった。

 

 

 

 

 

―――――――――嗚呼、こんなところで。

 

 

 

 

 

 

響くISの発砲音。―――いつまでたっても俺に弾が当たっていない。どんだけ狙うの下手なんだよ―――そう思って目を開けた。

 

 

 

 

 

 

信じられない光景だった。俺の目の前には、何故か空中で停止していた多数の銃弾があったのだから―――

 

 

 

 

~~~~~

 

 

俺が弾につれてこられたのは、会社だった。『有澤重工』、近くに立て掛けてある木の看板にそうかかれている。

 

「なぁ、なんでここにつれてこられたんだ?」

 

「ここで、お前の専用機が造られたからだ。あーあと、ここ俺の家みたいなもんだから。オーイ、社長~。」

 

1分後、作業着を着たいかにも社員みたいな社長が来た。

 

「弾か、ということは、そいつが例の少年か。よろしく、舞音君。私がここの社長を勤めている有澤 隆文だ。君の得物はもう完成している。あとは装備だけだ。こちらにきたまえ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作業場を通り抜けて、少し開けた場所にそれはあった。

 

「これが君のとりあえずの専用機、『覇桜』だ。」

 

両足はかなり頑丈そうな見た目で、いや、両足だけじゃない。頭部を除くすべてが強固な鎧で包まれている。

 

近くの机には頭につけるスカウターのようなものがおいてある。

 

「……とりあえずとはどういうことですか?」

 

この質問には、何故か弾が答えた。

 

「ごめん、これはISじゃない。」

 

……What? ISじゃないってどういうこと、いや、それじゃあこれはなんだ!? まさか―――

 

「これはACだ。」

 

「あれ? EOSじゃないのか?」

 

「EOSだったら、お前は使いたいか?」

 

素早く首を横にふる。理由は簡単。EOSはISとは違って絶対防御がない。つまり、簡単に死ぬことができる。

 

「ACはISとは違って絶対防御がない。その点はEOSと同じだけど、装甲の固さはEOSの比じゃない。しかもオルコット対策でビームコーティングもしてある。ヘッドショットだけ避ければいい。」

 

「ヘッドショットきたら死ぬじゃんか!」

 

事態はEOSとなにも変わってなかった。

 

「それは俺が守る。それとも素直に学園のIS使ってナノマシン埋め込まれたいか?」

 

AC使うしか選択肢がねぇ!

 

そして、そのまま操縦練習することになった。にしても、俺って結構ハードな人生送ってんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま社長と弾に連れられて有澤重工地下施設射撃訓練所。そこで俺は覇桜を纏っている。

 

「刹那は確か、剣道をしてたといってたよな?」

 

「一応な。最近また振り始めたけど、たぶんなまってはないはず。」

 

「装備に刀はつけておくとして、問題は射撃だから。銃なんて使ったこともないだろ。」

 

普通は使わねぇよ! ―――ここでそんなツッコミをしても意味ないだろう。

 

「とりあえず、マシンガンと、ライフル、それにグレネードランチャーそれからキャノン砲をためしうちしてもらう。……あっ、ゴム弾打ちだからな。」

 

武器をもってようやくわかるけど、1個1個が重い。ISと違い補助機構はあっても直接的に重力がかかっているからなのか。それとも『人を殺すことのできる武器』からくる重さなのか。

 

俺にはぼんやりとしか区別はつかないが、とりあえず今は練習あるのみだろう。早速手に持ったライフルを的に向けて構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「刹那、これはひどくないか……?」

 

「……自分でもそう思う。」

 

結果はボロボロだった。ライフル、ランチャーは余裕で的をはずし、マシンガンですら1発も的の中心に当たらなかった。

 

キャノン砲ですら的にかするかその程度。正直自分でもわかる、これはアカンと。

 

「な、なんかごめん。弾、それに社長。」

 

「いいって。社長、こいつの装備だけど、とりあえず実体剣は持たせといて。あと物理シールドと、重火器は適当にお願いする。」

 

「任せておけ。当たらなくとも問題ない兵器を積んでおいてやる。」

 

これは感謝感激ものだな。ここまで準備してくれて、勝たなきゃ申し訳ない。

 

なんとしてでも勝って、いい報告ができるようにしないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練とかそんなことしていたらもう昼の3時を過ぎてしまっていた。この時間、事務所にいるのは書類作業をしているプロデューサーか仕事の入っていないアイドルしかいない。……あ、あと事務員か。

 

すると廊下の向こうから見知った顔をした人が歩いてきた。

 

「……ヒスイ先輩、お久し振りですね~。もうかえってきたんすか? 仕事の方は成功しました?」

 

「あっ、刹那君、それに弾君も。もちろん大成功だよ。……大体察するけど、数馬君は?」

 

「今は武内先輩とシンデレラプロジェクトのPV作成の相談中。」

 

目の前の男性はやっぱりか、といった感じで苦笑いしている。

 

竜風(たつかぜ) ヒスイ先輩。346プロのプロデューサーの一人で、佐久間さん、ありす、片桐さんの担当をしている。ヒスイ先輩が今までに仕事で失敗をしたところを俺たちは見たことがないので、憧れでもある。(プライベートで失敗してないとは言ってない(笑))

 

「そういえば、武内チャンシンデレラプロジェクトの方に移ったんだっけ?」

 

「あーはい。一応自分達もですけど、武内先輩がメインですね。」

 

「お陰さんで、城ヶ崎さんも担当するはめになったからね。ま、うれしい限りだけどさ。」

 

あぁ、そうか。それまで武内先輩がもってたアイドルは他のプロデューサーに移るからか。にしても、そうまでするならもっと人員増やしゃあいいのに……

せめてそろそろマネージャーとか…………

 

「じゃあ今から社長のところに報告いってくるから。」

 

「「はい、お疲れ様です。」」

 

 

 

 

 

にしても、俺たちがもっていたアイドルは誰が担当することになったんだろ。

 

「さぁ? 少なくとも俺は知ってるけど。」

 

「なぁ、ナチュラルに俺の心の中を読むのは辞めような? …………つかしってんのなら教えてくれてもいいんじゃ。」

 

そんなことを言ってると、また廊下の向こうから見知った顔をした――――――俺がもっていたアイドル、北条 加蓮が走ってきた。目に涙をうかべて……涙?

 

ドカッ

 

抱きついてきた。

 

「…………ど、どうした? 加蓮、こんな廊下の真ん中で……」

 

「それはこっちのセリフだよ! なんで、なんでここを出ていっちゃうのさ! 私をトップアイドルにしてくれるって、ずっといてくれるって言ったじゃん!? なんで…………なんで…………っ」

 

ん? なんで俺が辞めることになってんだ?

 

「な、なぁ加蓮。俺は別にここをやめないぞ?」

 

「じゃあ、なんで私の担当が変わったの……?」

 

「いや、俺は別の仕事が増えたから、そもそも加蓮を見捨てる気はないから。」

 

「で、でも玄道さんが『刹那だったら、辞めたぞ? たぶんまだこの辺りにいると思うから、最後に挨拶くらい―――』って……」

 

わざとらしい言い方をしやがった、玄道先輩め……説教の時間だ!

 

「たぶん、辞めたぞ? の前に『個別での担当を』が入ると思うし、確かに忙しくなるかもしれないから今までよりは会えないけど…………弾? 何ニヤニヤしてんだよ。」

 

「いやいや、べぇつにぃぃぃ? ただずいぶんと情熱的な愛の告白が聞こえたもんだから?」

 

すると、加蓮が顔を真っ赤にしている。いやでも、ここまで人間の顔って赤くなるもんなのか……

 

「わ、わ……忘れてぇぇぇぇぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

その日、事務所に一人のアイドルの叫び声がこだました。

 

 

 

 

 

 




お久し振りですね~。
いやほんとすいません。待っててくれた人がいるかどうかは別として謝ります。

でも、悪いのはアニクラなんです!イベントなんです!イベントなんで(ry



ともかく、一ヶ月ぐらい空いてるので、話がずれてる可能性も微レ存。1話から見た方が話がわかっていいのではと。(という宣伝)

久々浮上なので、はじめましてのかたもいるかと思いますので、遅くなりましたが、「閲覧ありがとうございます!」


でもってまた書きためるので、しばらくは失踪します。長文失礼しました。
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