万年ドベは隊長様   作:落ち葉崩し

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1話 2つの顔

ザシュッ

 

闇夜の木の葉の里からさほど離れていない森の中。

 

たくさんの死体が転がっている。

 

中央に立っている少年は狐の面をしており、その服には返り血がまったくついていない。

 

周りに倒れている人間の数は15人。

 

それだけの人数の人間を倒したにもかかわらず彼には返り血も、さらには傷一つ見られない。

 

そして彼は倒れた1人が持っている大きな巻物を手に取るとその巻物を背負い木の上に移動した。

 

そして死体を見下ろし印を結ぶ。印が結び終わる術が発動すると死体がすべて黒炎に包まれる。

 

そしてその少年は木の葉の里に帰っていく。

 

 

 

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シュタッ

 

少年が降り立つは火影の部屋であった。

 

椅子に座るほか下が向き直るとその少年はひざまずき報告する。

 

「秘伝の巻物を盗んだ抜け忍の集団はすべて討伐し、排除しました。巻物も無事持ち帰りましたのでご確認ください」

 

そう言うと立ち上がり火影に巻物を渡す。

 

「うむ、確かに。これで今回の任務は終了だ。次の任務を依頼したいのだがよいか?」

 

3代目火影であるヒルゼンの言葉に少年はうなずく。

 

「最近木の葉の里にクーデターを起こそうとしているものがおる。それが木の葉の大名の一族だということが報告に上がってきておる。その大名の一族を1人残らず殲滅してほしいのじゃ。彼らはすでに武器も揃えいつでも動き出すことが可能じゃがやつらは時を待っておる。それが来週開かれる木の葉隠れ開国祭のときに行われるという。それまでにこのリストのものをすべて暗殺するのじゃ。いいな?」

 

「御意、明日よりすぐに任務に取り掛かります」

 

ヒルゼンの言葉に了承すると少年は部屋から消え去る。

 

そして建物の外に現れると彼は闇の中に消えていった。

 

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「今日は下忍の方の任務か。めんどくせぇけど火影様の命令だしなぁ」

 

部屋の中で優雅に朝ごはんのパンとベーコンエッグ、サラダを食べながらなるとは呟く。

 

「あっちの任務だと仕様もない演技もしないといけねぇし、なんか雑魚のガキどもとの友達ごっこもしねぇといけねぇし、極めつけには好きでもないでこっぱちに好かれるようにアピールしないといけねぇしホントめんドくせえぜ」

 

ナルトは呟きながらも食事を確り取っている。それは任務中は兵糧丸のみの食事なので取れるときはまともなものをとりたいのだ。

 

そして時間が近づいてくるにつれて憂鬱な気分になるのを押さえてナルトは部屋を出る。ナルトの姿で外に出るときは里の嫌われ者で成績どべのバカな下忍なのである。

 

 

 

集合場所に到着すると今日は俺が最後だった。

 

「おはよう!でも今日はカカシ先生がいるってばよ!遅刻してこないなんて今日は雨が降るってばよ?」

 

俺は能天気な考えを適当に連ねながら会話をすることにしている。このあほみたいな口調もその一環である。

 

「俺が遅刻しないだけでそんな言い草はひどくない?ナルト」

 

そういいながら俺に微笑み駆ける男は俺の元部下のカカシ。こいつは俺の正体を知っている。

 

「いつも遅刻してくる先生が悪いってばよ」

 

そういう俺に手厳しいと微笑むカカシ。コイツの遅刻癖は暗部のときから折り紙つきで未だに直っていないようだった。

 

「ま、ナルトが言いたいこともわかるがそろそろしゃべってないで任務に行くぞ。俺は暇じゃないんだ」

 

すかした口調でサスケが言うがむしろ俺はお前より暇がないぞ。とは口が避けても言えねぇ。重要機密事項だからだ。

 

「そうよ、ナルト。あんたがもう少し早く来てくれてればもう今頃は任務開始できてたんだから」

 

そういうのはでこっぱじゃなくてサクラ。この女はサスケに好かれるためなら何でもやりそうな女。こんなのを口説かないといけないのは実はこの状態の中で一番つらい。

 

「ごめんね、サクラちゃん、俺ってば朝から修行してて遅れちゃって」

 

嘘ではない。暗部の養成所で俺は次期暗部入隊が確定している新入りを鍛えている。こいつが実は俺と同じ下忍の少年なんだけどまぁ体術も忍術も幻術もぱっとしない。でも戦術眼だけは暗部の中でも5本の指に入るやつで俺はコイツに期待しているから毎朝修行に付き合ってやっている。

 

「まぁまぁ、それじゃぁ今日の任務も皆頑張ろうか」

 

カカシの言葉を合図に歩き出した。

 

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「今日の任務はBランク任務だ。昨日この森の中ででかいゴリラが現れたそうだ。そいつはかなり凶暴で近づいた人を襲うらしい。だから今回はそのゴリラの討伐が任務だ。殺してもかまわないそうだから修行の成果を存分に発揮しろ!」

 

カカシの言葉に俺はめんどくさいがうなずく。サスケとサクラもうなずき任務をスタートした。

 

「あしひっぱんなよ?ウスラトンカチ」

 

サスケが生意気にも言って来るので俺はサスケに勝負を持ちかけてやる。

 

「よぉしサスケ!今日こそがまんなんねぇ!どっちが先にゴリラを倒すか勝負だ!敗者は先に倒した方の言うことを何でも聞く。この勝負にげねぇよな?サスケェ」

 

自分でも思う。安い挑発だと。そしてカカシがとめにこないのを見るとどうでもよいのかもしれない。

 

「はんっ、お前なんかに負ける気はしねぇ。いいぜ、その話乗ってやる」

 

そしてその安い挑発に乗ってくるサスケに心の中で笑みがこぼれる。こいつは今から探してゴリラを倒さないといけないが俺は多重影分身ですでに見つけてあるため一瞬で殺すこともできる。

 

「じゃぁ今からスタートだ。ゴリラを討伐したら発煙弾を飛ばして知らせる。いいな?」

 

サスケのセリフにうなずき俺は走り出す。サスケは俺と逆方向に走り出した。念のためサスケにも自分の影分身をつけさせておく。

 

 

 

 

「お、いたいた」

 

俺は木の実をむさぼるゴリラを早々に見つけ出すと一瞬で間合いをつめゴリラの人中に拳をめり込ませる。すると一瞬でゴリラは倒れた。

 

そして戦闘をしたかのように見せかけるため俺は地面にわざと転がり服を汚しクナイで頬に少しだけ傷をつけた。

 

そして少しの間ゴリラを隠し休憩する。木の下に結界をはり、ゴリラを入れ見えなくするとその中で持ってきていた任務の暗殺目標の人間について頭に入れる。そして30分がたった頃結界を解除し発煙弾を打ち上げる。

 

そしてそこにサスケとサクラ、それにカカシも集まってきた。

 

「ナルト、お手柄だね。さすがは俺の教え子」

 

お前が俺の教え子だっての。とは口には出さないが後でカカシには地獄の特訓つけてやる。

 

「ちっ、俺の探した方にいれば」

 

言い訳をするサスケだがお前は写輪眼がちゃんと使えればこの勝負に引き分けくらいにはできたかもしれないんだから実力不足だ。

 

「サスケくん、たまたまナルトが探した方にいただけよ。だから落ち込まないで」

 

サスケに気に入られようと必死でサスケに話しかけるでこっぱち。お前はまず恋よりももっと修行しろ。

 

 

そんなことを考えながら俺はにんまり笑うと悪魔が笑ったような顔になった。

 

その顔を見たサスケはぎくりと反応をよこした。コイツばっくれる気だったな?

 

「で、サスケくん、賭けのバツゲームだけどこれから語尾にごわすをつけて1週間過ごすか、これから1週間俺のことをナルト様って呼ぶのどっちがいい?選ばしてやるってばよ」

 

 

サスケに究極の屈辱とも言える2択を突きつける。

 

「ちょっとナルト、あんた調子に乗りすぎよ!」

 

サクラがこっちに向かって腕を振るいながら近づいてくる。それを俺は待ったくいに返さず口を開く。

 

「サクラちゃん?これは正当な賭けだってばよ?それに殴られても俺ってばサスケにバツゲームやらせるから意味ないってばよ」

 

俺の言葉にムキになってあーだこーだ言って来るサクラを完全に無視してサスケに目を向ける。

 

「このウスラトンカチが。今度は絶対に俺が勝ってバツゲームやらしてやる…でごわす…」

 

サスケが諦めたかのように語尾にごわすをつけて話す。

 

「はっははは!おお、次も勝って次はもっとひどい語尾にしてやるってばよ。あ、誰と話すときもちゃんとつけてるかあとから聞いてまわって確認するからな!」

 

そういうとサスケは悔しそうに唇を噛みにらみつけてくるがまったく気にならない。

 

「そこまでにしとこう。俺は火影様に報告してから帰るからお前らも今日はもう帰っていいぞ。あ、サスケ。お疲れ様」

 

カカシも少し楽しそうにサスケに挨拶をすると返事を待つ。俺もそれに便乗してサスケに近寄る。

 

「お疲れ様でごわす…」

 

小さな声でカカシに挨拶して踵を返したサスケ。そのままそこを走り去る。

 

「まってよサスケくーん!!」

 

サクラはそれを追いかけて走っていく。今はそっとしておいた方が傷は浅いのに。バカな女。

 

「で、カカシ君は報告終わったら養成所ね。ちょっとイラっとしたから修行つけてやる」

 

そう告げるとカカシの顔は青色を通り越して紫色になっていた。ちょっとキモい。

 

それを尻目に俺は家とは別にもう1つ用意されている隠れ家に向けて走り始めた。

 

この俺が暗部と悟られぬように里の奥に作られた隠れ家へとひた走った。

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