側頭部への蹴りが迫る中考える。
1発くらい貰っておいてやったほうがいいものかどうかだ。
図に乗らせるのは良くないが自信を無くさせてもいけない。なら1発くらいは受けてやるか。
俺はその蹴りに対して右手でガードする構えを見せると案の定サスケは狙いを変えその蹴りが右わき腹に突き刺さる。
痛くはないが一応演技だけはしておくか。痛がらねぇとおかしいしな。
「ってぇー、いきなり速くなりやがって。写輪眼ってやつか。本気だな…サスケ。ドベの俺相手によ」
一旦下り様子を見ながらさらに挑発的に言う。サスケの写輪眼はやはりニ巴であり、本当の写輪眼ではない。まぁ開眼しているだけマシなのだが。
「はっ、てめぇ程度に本気出す羽目になるとは思わなかったぜ。だがもうお前は俺についてこれない!」
サスケは駆け出し飛び上がると印を結び炎を吐いた。
「火遁・鳳仙火の術!」
いくつもの火の玉が俺に向かって飛んでくる。
その火が俺を包む。その光景を見てサスケがたたみかけてくる。
「うぉぉぉーー!!」
そのまま着地と同時に駆け出し印を結び手裏剣を投げる。
「火遁・火炎手裏剣!」
火遁の炎を纏った手裏剣が俺に向かって飛んでいく。
それを木の上から眺めていた。
そう、火だるまになっているのは俺の影分身なのだ。それを近くの木の上から見つめていたがあれは完全に殺してもいいという考えの攻撃でもあった。
あれをもし本当にドベのレベルでしかない忍に対して攻撃したなら多分良くて大怪我、悪くて死に至るだろう。
お前は仲間をその手で殺してもいいと思ってるのか?うちはサスケ。
そんな奴と友達にはなれねぇよ。じっちゃん。
サスケが勝ち誇ったように叫ぶ。
「調子に乗ってるからこうなるんだよ!お前程度が俺にかなうはずないだろ!」
その声に俺はそろそろ決着をつけるために音もさせずに飛び上がりサスケの方に着地する。
重さも感じさせる間もなく顔面に蹴りを叩き込む。
声を上げる間もなく次の攻撃に移る。
滑るように転がるサスケの腹に右足がめり込む。サスケはたまらず悶絶するがまだ俺の攻撃は止まらない。
サスケから離れ印を結び術を発動させるとサスケの周りに風が発生する。
「風遁・翔風塵」
その風がサスケの体を錐揉みしながら上空に打ち上げる。追い打ちをかけるためにサスケ目掛けて飛び上がるがその前にサスケを何者かが抱えてそこから離れる。
「ナルト、やりすぎ」
カカシは地に着地してナルトを見上げていう。
「だってよ、そいつ俺のこと殺そうとしてたぜ?あんなんじゃまったく効きもしないし死にもしねぇけどよ。仲間を大切にできないやつだ。お仕置きも含めてるんだよ」
カカシの横に着地すると気絶するサスケを指差しながら少し信じられないというニュアンスを込めて言ってのける。
「かなり加減したからな。まぁ今日の夜には起きるだろうけと。それまでついててやってね。来週にはおっさんから新刊が俺に届くと思うから取りに来てね」
踵を返し歩いて行っ出ると後ろから声がかかる。
「ナルト、明日から修行するんでしょ?サスケの。どうやるつもり?」
「関と同じメニューやらせる。影分身の俺を講師にして」
カカシは普通に言ってのけるナルトを心の中で鬼と思った。なぜならシカマルがこなしている修行は暗部向けのものであり、体力は毎日限界に追い込まれるだろう。さらに組手となると、サスケは毎日休まることはないだろう。
カカシはため息を吐くとそのまま意識のないサスケを抱えて木の葉病院へ走る。
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はぁ、明日からは任務と修行が山詰めだ。めんどくせぇ。
俺もそろそろ休みが欲しいよ。温泉とか行きたい。
そんなことを考えながら歩いているとかとから曲がってきたピンクと金髪が声をかけてくる。
「ナルト、サスケくん知らない?今日は休みだからご飯でも誘おうかと思ったんだけど」
「私も私も、サスケくん誘いたくて探してるんだけど見つからなくて」
サクラといのは近づいてくるなりサスケサスケとうるさい。だが面倒なので本当のことを教えておくことにした。
「今多分病院だってばよ。カカシ先生が付き添ってるからさ、悪りぃけど俺急ぎの用があるからこれで」
そそくさと2人の前から立ち去る。触らぬ神に祟りなしというからだ。
「病院ってなんでそんなとこにいるのよ!何があったか説明しなさいよ!」
サクラの声が後ろから聞こえるが聞こえない振りを決め込む。面倒に巻き込まれたくない。ただその一心で。
「そんなことどうだっていいわ!病院に行きましょう、サクラ!」
いのは走り始めたようでサクラもそれに続いて走り出した。
これで平穏な夕方からの休みを満喫できるぞー!
と思ったのもつかの間。
目の前に現れたのはキバ、シカマル、チョウジ、シノ、ヒナタに紅、アスマの7人。
「お、ナルト!いいところに来たぜ!今から焼肉でもどうだ!行くとこなんだよ!」
「ま、めんどくせぇけどアスマと紅先生のおごりだからな。行こうぜ、ナルト」
「そうだよ、みんなで食べたらおいしいしね!」
キバとシカマル、チョウジが近寄りキバが肩を組みながら話してくる。
シカマルとチョウジは俺の前で立ち止まり誘ってくれていた。
「ナルト、よかったら来なさい。アスマのおごりよ」
「そうだぞ、遠慮すんな」
紅は優しく微笑み聞いてくる。正直面倒臭いが、紅には昔から世話を焼いてもらっており断りづらい。それにアスマにもお世話になっていて、アスマに至っては俺の正体も知っている。そんな2人に誘われては断れないものだ。
「わかったってばよ!ご馳走になるぜ!アスマ先生!」
みんなに気づかれないようにアスマに近づき、ポケットにカードを入れる。
多分この人数の支払いくらいならカードに入ってるお金だけで足りるだろう。前回の暗部の任務で稼いだお金が入っているから。
小声でアスマにのみ聞こえる声で耳打ちする。
「こないだの任務の給金が入ってるからそれで払っていいってばよ。先生には昔からお世話になってるからね」
その言葉にアスマは頷くと笑顔を向けた。
「じゃぁしゅっぱーつ!」
腹を空かせたチョウジを先頭にキバたちも続く。俺は紅先生とアスマ先生に挟まれて歩く。その紅の隣にはヒナタが同じように歩いていた。
そしてその日アスマは帰ってから心の中で呟いていた。
『ナルトに払ってもらっておいてよかった』と。
誰も遠慮することがなかったため、会計はとんでもない値段になっていたが、みんなの前で格好をつけることができたのだから。
「ナルト、ありがとな」
暗い部屋の中アスマは呟くのだった。