【凍結】Infinite Stratos ~ The Accomplice of Black   作:餌屋

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第2話: 小さな龍と破天荒兎

 

 

次の日、鈴が学園にやって来た。

 

「よっ」

「げっ」

 

俺が校門前で出迎えると鈴は失礼極まりない態度を見せる。

 

「てめえ教師に対して『げっ』とはなんだ」

「・・・本当にIS学園の教師なのね」

 

こいつスルーしやがった。

 

「まあな。取り敢えず早速職員室に案内する。そこから先は担任に任せてるから」

「りょーかい。それで?あんた何で教師なんてしてんのよ?柄じゃないでしょ」

「本当失礼だな!ったく変わんねえなその態度」

「良いじゃない別に。今更でしょ?」

「千冬の前で同じ事やってみてから言えよ」

「無理。千冬さんだけは絶対無理」

「即答か!」

 

初めて会った時から鈴はずっとこの調子なのである。

まあ、怖がられたり避けられたりするよりかはマシだろうけどな。

親近感はかなり高い。悪友的な。

 

「それで?あたしのクラスってどこなの?」

「2組だな」

「ふ、ふ〜ん・・・」

 

鈴はどこか顔を赤らめつつ、俺に何か聞こうとする素振りを見せている。

分かりやすいなあ。

 

「・・・言っとくが一夏は1組。クラス違うからな」

「何ですってえっ!?」

 

俺が聞きたいであろう事を先んじて教えると鈴は耳をつんざくほどの叫び声を上げた。

 

「うるせえな!」

「ちょっと!何であたしと一夏が一緒じゃないのよ!!虐め!?そうなのね!あんたが私に意地悪してるんでしょう!!」

「おい襟元を掴むな頭を揺らすな苦しい気持ち悪いHA☆NA☆SE!」

 

気が動転しているのか俺に詰め寄ってくる鈴。

目がどこか死にかけているのは気のせいだろうか。

 

「大体俺の一存で決まるわけねえだろ!クラス毎のレベル差を開けないためだ。1組には既に代表候補生がいるしな」

「くっ・・・まさか一夏の事だからその候補生にまた朴念仁かましてるんじゃ・・・」

「ああ、それは無さそうだぞ。切磋琢磨する良いクラスメイトって感じだ」

 

1人小学生の頃から一夏にゾッコンがいるがな。

 

「ああもう!とにかく早く一夏に会っておかなきゃ!!」

「お、おい鈴!?」

 

そうして鈴は俺の制止を聞かずにクラスの方へ走り去っていった。

 

 

「・・・よし千冬にチクろう」

 

生意気ガール許すまじ。慈悲はない。

 

 

***

 

 

その後、俺は千冬と2組の担任に事の次第を伝え、烈火の如く怒りに燃える千冬と若干引き気味の2組担任を送り出して地下のラボに向かった。

 

「さーって、昨日の続きでもすっかなぁ〜・・・・・・」

 

ここ数ヶ月ずっと取り掛かってる作業の続きに取り掛かろうとラボに足を踏み入れた瞬間、僅かな侵入者の気配に気づき静かに臨戦態勢を整える・・・つもりだったのだが。

 

「・・・束、隠れてないで出てこい」

「あっちゃあ〜、流石みーくん気がつかれたか」

 

突然、天井の排気口が開いたと思ったらそこから兎耳を付けたおとぎ話のアリスが降りてきた。

 

こいつこそ、天才にして天災、宇宙一の破天荒兎でIS生みの親の篠ノ之束その人である。

 

「お前よく入ってこれたな」

「ふふーん!凡人たちの警備システムなんて束さんにとってはゴミ同然だよ!!」

「流石、特級指名手配者・・・」

 

いかんせん俺や束の立ち位置は国際的最重要人物という事で非常に面倒くさい。

例えば俺の場合各国のエージェントが俺の力を得て自国の力を強めようと考え、接触する為探し回っている。

それが煩わしい事もあって、俺は偶に各国からの依頼を程よく受け技術提供しているのだ。

 

 

そして束の場合、俺よりやばい。

 

ISコアの製造方法は生みの親である束しか知らないとされ、限られたごく少ないコアしか各国に配布されなかった。

その為、世界中の国や組織が更なる追加コアを製造させようと犯罪者を追うかの如く探し回っている。

そして時には武力行使も辞さない事がある・・・誰かの命を犠牲にしてでも束を捕まえようとするのだ。

 

それを束は、追っ手に死人を出さず追い払ったり逃げ果せているのだ。

 

こう見えて、実は千冬よりも人間辞めているのでは無いかと思う事がある。

 

「それで?今日はどうしたんだよ」

「いやーみーくんが入れ込んでる奴を見せて貰おうとね!」

「何だそんな事かよ・・・昼までには帰れよ。千冬にバレたら後が面倒だ」

「・・・そうだねちーちゃんは好きだけど愛が怖いね」

 

束は死んだ目をして震えだす。

世界最「強」は世界最「恐」だからな俺たちにとって。

 

 

 

お、今俺上手いこと言ったんじゃね?

 

「さあ!早く見せて見せて〜」

「・・・あいよ」

 

俺は右手首のブレスレットのスイッチを入れ、空間モニターとキーボードを呼び出す。

 

コードがモニターに流れ出すのを束は滅多に見せない真剣な顔でじっと見つめる。

 

「へえ・・・面白いね」

「だろ?」

 

おっし、エンターキーをッターンッ!!

 

と、隣部屋のISハンガーから一機のISが運ばれてくる。

 

「これがみーくん完全オリジナルISかあ・・・」

「おう。『コアから武装まで全部黒崎湊製』の完全オリジナルIS、『黒炎(こくえん)プロトタイプ』だ」

 

俺たちの目の前にあるIS『黒炎-プロトタイプ』は、光沢のある黒色をメインカラーとし、端々に真紅のラインがあしらわれている。

 

そして特徴的なのはその左手に当たる部分。

人間大より大きめで鋭いかぎ爪のような指になっている。

 

「これがこの前話した輻射波動機構だ。これは試作品だけどな」

 

輻射波動。

高周波を短いサイクルで対象に照射することで爆発、膨張させて破壊するという物。

要は電子レンジの強力な物だ。

俺が新開発した名実共に最新技術である。

 

「仕様予定書じゃあバリアみたいなのを張れるって書いてたけど」

「輻射障壁の事だな。それは今後改造を施す予定だ。まあ今でも左腕で簡易版を張れるようになってる」

「へえ・・・それで?これのお披露目はいつになるのかな??」

「よっぽどの事が無い限り、当分無いな」

 

俺がそう答えると、束は頬を膨らませて抗議してきた。

 

「えー!何で何で!こんな凄い偉業出さなきゃ勿体無いじゃーん!」

「お前なあ・・・まだ『ISコアは篠ノ之束にしか作れない』って設定を崩す段階じゃねえのは分かるだろ?情報を小出しにしていき、然るべき時明らかにする。忘れたか?」

「でもでもぉ!それを隠したとしても別にこの子や武装を凡人達に見せるのは良いでしょ!」

「この機体が狙われるだけだ。そういう面倒事は当分御免なの」

 

俺が適当にあしらっていると束はようやく諦めてくれたようで腰に手をあて拗ねたような顔をする。

 

「もう!・・・よっぽどの事が無い限り出さないんだね!ようし分かったよその言葉忘れちゃダメだぜい!」

 

前言撤回。

 

すぐに顔が邪悪な笑みに染まった束は入り口から外へ走って飛び出していった。

 

 

 

「・・・やべえ。あいつ本気にさせちまった」

 

絶対やると言い切れる。あいつは近い内によっぽどの事を起こす。

 

俺は誰もくなったラボで自分の甘さに後悔し、これから起きるであろう面倒事を思い一人頭える羽目になってしまったのだった。

 




はい。第2話です。

遂に...遂に「オリジナルIS」タグを回収できました!!



設定だけ!

黒炎の出番は少し先になります。
ちなみにお分かりかと思いますが、黒炎はコードギアスの紅蓮のカラーリングを黒メインにして左手に輻射波動が付いているイメージです。
ロスカラに出てきた月下先行試作型をイメージしていただけると多少分かりやすいかと思います。
ちなみに燃費は中々に悪い予定です。

それではまた次回!
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