【凍結】Infinite Stratos ~ The Accomplice of Black   作:餌屋

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第3章
第1話: IS委員会


 

緊急速報です。

黒崎湊さんが、IS委員会に呼び出されたとの事です。

早速現場へ中継を繋いでみましょう。

現場の黒崎湊さ~ん。

 

はい、こちら現場の黒崎湊です。

今現在、私は東京都庁横のIS委員会本部の大会議場前通路にいます。

今ここで私は中から入ってOKの合図を貰うのを待っている最中で・・・

 

 

 

もう現実逃避は止めておこう。

むなしくなってきた。

 

何故俺が委員会に呼び出されたか。

 

この間のISを動かした一件が原因だ。

 

 

やはりというかなんというか。

 

あの混乱の中でもゴーレムに続いて出てきた黒いISを目撃した学内の人間は少なからずいた。

その為仕方なく、俺と千冬は学園上層部に黒いISには俺が乗っており、大事にしたくない。協力をしてくれ、と懇切丁寧にお願いした。

また十蔵さんも色々と動いてくれたのだが・・・

 

こともあろうに表向きの理事長であるお飾りクソババアが独断専行でその日の内に委員会へその旨を報告してしまった。

勿論委員会は大混乱。事実確認の為の事情聴取という事で急遽呼び出された訳だ。

 

「大丈夫ですか?黒崎君」

 

俺の隣に座っていた十蔵さんが俺にいつもの通り温和な笑みを浮かべつつ声をかけてくる。

十蔵さんも事情聴取に呼ばれた一人だった。

 

「ああ、大丈夫っすよ。いや、いつまで待たせんのかなーとね」

 

正直大丈夫ではない。

 

こうも早く委員会にバレて呼び出されるなんて予定にはなかったし、場合によってはこちらのカードを色々切らないといけなくなるかも知れない。

本当に束は余計な事をしてくれた。

 

 

・・・まあ、元々タイミングを見て俺がISを動かせる事をばらし委員会の動きを伺う、という予定だったので早まっただけっちゃあだけなのだが。

 

正直、釘は刺しておいたが束は信用出来なくなってきたし、また何かやらかさない保証なんてどこにもない。

こちらはこちらで計画の修正も・・・

 

「お待たせしました。お入りください」

 

そこまで思考が行き着いた所、会議場の中からスーツ姿の女性が俺達を呼びに来た。

 

「やっとか」

「それじゃあ、行くとしましょうか」

 

 

***

 

 

大会議場の中はとにかく広かったのだが、緊急の会議だからなのか中央最前列で円を作るように座っている10名ほどしかいない為、少し寂しさを感じた。

ちなみに、当然ながら全員女性で委員会理事。ようはIS第一のこの世で一番偉い奴らだ。こいつらの前では かのアメリカ大統領も頭が上がらないとか。

 

しかし全員そこそこ歳を食っている。

若い、美人がいるなんて期待しちゃいけない。

要は全員文字通り『女尊男卑』を体現しているクソ野郎だ。

 

「轡木十蔵理事長、黒崎湊博士。発言者席へ」

 

俺と十蔵さんは変に反抗する事も無く指示通り円の中央にある椅子へ座る。

 

どう説明したら良いのだろうか。

 

エ○ァでゼー○のおっさん達がモノリスで会議している所のど真ん中にいるゲン○ウ的な状態だ。

 

気に食わん。

 

 

「さて・・・黒崎博士、あなたがISを動かせる、更にその操縦技術はかなり高いレベルにあるという報告が上がってきています。間違いありませんか?」

 

理事の一人・・・というか委員会の理事長、トップが俺に問いかけてくる。

な~にが間違いありませんか?だ。知ってるくせに。いちいち態度が気に食わん。

 

「間違いありませんねえ」

「そして轡木理事長。あなたはその事を知っていながら報告を上げず、独断で彼を学園に雇用した。間違いありませんか?」

「いやあ、独断で雇用した事は間違いありませんが・・・」

「が、何ですか?」

「私は黒崎君がISを使える事を知りませんでした。何故知っていたという事になっているのでしょう?」

「あなたは、学園での報告会で彼がISを使える事に何も驚かず、外部に漏れないよう隠蔽工作を行おうとした。そう聞いています。知らなかった、というならこれはどういう事ですか?」

「私はただ、黒崎君がISを動かせてもおかしくはないと思っただけです。篠ノ之束博士の盟友でISの共同開発者。そして織斑千冬の元専属コーチだったのですから。むしろ誰も想像していなかったというのが信じられませんねえ」

 

ちなみに俺は十蔵さんに『俺はISを動かせる』と言った事は一度も無い。

示唆する話は数え切れないくらい言ってきたが。

 

「屁理屈を・・・」

「正直に言ったらどうなの!」

「大体私達に伝わらないようにしようとした時点で論外です!」

「一体何を考えて・・・」

 

「うるせえなババア共」

 

十蔵さんの話に他の理事があれこれ言い出した時、俺は声を荒げて遮った。

俺のあんまりな言い方に文句も忘れて理事達は全員言葉を失っている。

構いやしない。俺は立ち上がり周りを囲む理事達に向かって話を続ける。

 

「こっちはこの後予定があるんだ。ぐだぐだ話さずハッキリ言ったらどうなんだ?『黒崎湊をクビにして委員会にISセットで引き渡せ』ってよ」

「っ・・・」

 

周りの理事達が『何故分かった!?』と言いたげな表情を見せる。

分からないと思ってるのが信じられん。

隣の十蔵さんは笑みを崩さず、黙ったままだ。

理事長は俺の反撃に面食らったようだが、気を取り直しこちらに話しかけてきた。

 

「それでは・・・黒崎博士、今すぐ学園を辞め我々に協力して頂けますね?」

「断る」

「何故?」

「どうせお前らの目的は俺の技術と束の居場所、それと男がISを動かせる原因を調べる、だろ?これ以上男がIS動かせたらお前ら困るもんなあ」

「ふふ、何を根拠に・・・」

「別に良いんだぜ?『色々』バラしても」

「・・・」

「・・・大体、IS学園は教師も外部干渉が許されないのが原則なんだ。まずここに呼び出されてる事自体不本意なんだよ。特記事項第20項。知らねえとは言わせねえぞ」

 

 

特記事項第20項。

 

本学園における教職員は学園との契約期間中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意が無い場合、それらの外的介入は原則として許可されない物とする。

ただし、出向扱いの非常勤講師に関してはこの限りでは無い。

 

特記事項第21項では生徒を守るこの規則。きちんと教職員を守る物もあるのだ。

 

「くっ・・・」

 

まさかこのような事に使われるとは思わなかったのだろう。

どこか悔やむ顔を見せる委員長。

 

「まあ安心しろ。俺にISコアは作れない」

 

まあ嘘だが。

 

「男がISを動かせる原因は俺にも分からんし、俺のこの自作ISも学園に所有権があるISコアを使っているから渡す理由が無いしどこにも」

 

嘘だ。学園のコアはそういう風に十蔵さんと話しているだけで手を付けていない。

 

「さて、話は終わっただろうから俺達は帰らせて貰う。まあ、これまで通り、ビジネスとして仲良くやりましょうや」

「待ちなさい!せめて束博士の居場所を」

「知らない」

 

勿論嘘だ。

 

 

***

 

 

「いやあ私は必要なかったかも知れませんねえ」

 

会議場から出ると十蔵さんが未だ笑みを崩さずそう言った。

 

「いやいや、側にいて貰えるだけで安心出来ましたよ」

「またまた・・・褒めても何も出ませんよ」

「あちゃあ、残念っす」

「さて・・・私は学園に戻りますが黒崎君は用事があるんでしたか?」

「ええ。今日彼女が日本に着くそうなので出迎えに」

「ああ、そういえばそうでした。大事な転校生です。よろしくお願いしますね」

「ういっす」

 

 

***

 

 

成田国際空港。

 

俺は十蔵さんと別れ、ある女の子を出迎えにやって来た。

本人からのメールで今日着くと聞いていたのだ。

 

いつ以来か・・・まさか俺を追って転校してくるとは。

勿論国の意向もあるのだろうけれども。

 

入国審査ゲートから乗客が次々出てくる。

 

「お・・・」

 

俺の目線の先に待ち合わせの相手がいた。

小さな鞄・・・俺が買ってあげた奴だ・・・片手にいつも通りの軍服姿できょろきょろとあたりを見渡している。

軍服姿は非常に浮いており周りから視線を受けまくっているが全く気にしていないようだ。

 

「おーいこっちだ」

 

俺が手を振りつつ声をかけると、それに気づいた彼女は俺の方を向き満面の笑みを浮かべる。

 

「父様!」

 

 

彼女の名は、ラウラ・ボーデヴィッヒ。

 

明日よりIS学園の学生となる転校生で。

ドイツ軍IS配備特殊部隊「シュヴァルツェ・ハーゼ」隊長で少佐で。

千冬の教え子で。

 

 

 

形式上ではあるが俺の義理の「娘」だ。

 

 




ラウラのパパになりたい人生だったのでこうなりました。

第3章開幕です。
早速IS委員会のきな臭さが出てきました。
元々原作でも十分きな臭い所だと思っていましたので。
果たして本作でどうきな臭いのかは追々・・・

あぁ~ラウラはやっぱり可愛いのお~

それではまた次回。
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