【凍結】Infinite Stratos ~ The Accomplice of Black 作:餌屋
俺がめでたく教員として採用されてから1時間ほど経った頃。
俺は寮の部屋割りを調整してもらうよう頼みに行くという千冬と別れ、一人校舎の屋上にやってきていた。
これからの活動の拠点となる学園を見渡し、どこか感慨深い物を感じる。
「遂にここまで来たか・・・」
「何が来たんですか?」
「っ!?」
突然後ろから声を掛けられ驚いた俺は思わず臨戦態勢に入る。
声を掛けてきた相手に鋭い視線をやり、ようやく知り合いだと気付いた。
「まさか声を掛けただけで思いっきり殺意を向けられるとは思いませんでしたよ、黒崎先生」
「・・・気配を消したまま声を掛けてきたくせに良く言う。久し振りだな刀n、いや今は楯無だったか」
「ええ。17代目更識楯無になりました。その節はどうもお世話になりました」
・・・まさか。
「・・・あのぉ〜、楯無さん?」
「何か?」
「・・・いやぁ〜、俺の勘違いなのかもしんないっすけど〜」
「は・い・?」
「・・・もしかしなくても怒ってます?」
「当たり前よ!!」
さっきもこの下りやった気がするな。
「何を言わず急に姿を消して・・・その後も私達が接触しようとしてもことごとく逃げ続け・・・」
「親父さん・・・怒ってた?」
「『今度会ったら殺してやる』って言ってたわ」
「暗部超こええ!!」
といった具合に超怖いこの女子生徒こそIS学園最強の生徒会長であり、日本という国の裏仕事を請け負う暗部「更識家」の17代目当主、更識楯無だ。ちなみに楯無の名は御察しの通り襲名制で本名は別にある。
2年生という歳でこの世界の酸いも甘いも知っている。
「・・・それで?一体今度は何を企んでいるの?」
「どいつもこいつも俺を何だと思ってんだ・・・どうせ理由は聞いてるんだろ?そのまんま、ちょっと今までの生活にうんざりしてな」
「だとしてもそれだけの理由であなたが教師なんて、納得できないわ」
ん〜、思ったより粘るなあ。
「はぁ、もし俺が何か企んでるとして?お前はどうするつもりだ?」
「・・・もしあなたがこの学園に、生徒に、日本に害を与えるなら」
楯無は俺を独特な殺意を込めた目で睨みつけながら宣言する。
「あなたを絶対許さない。更識の名にかけて必ず倒す」
「・・・ふっ」
俺が思わず笑みをこぼすと楯無は馬鹿にされたと感じたのか怒った顔をする。
「私は本気よ?」
「ああ、いや。馬鹿にしたんじゃなくてな。あんなにヤンチャだった女の子が成長したなあと」
「ヤ、ヤンチャって・・・私そんな風にしか見られてなかったの(小声」
「ん?何だ?」
「な、何でもないです!」
楯無は顔を真っ赤にして頭を両手を横に振る。
「?よく分からんが、まあ良いか」
(相変わらず鈍いんだから・・・)
「まあ、心配すんな。お前の心配するような事にはならないよう気をつけるし・・・もし何かやればお前が俺を倒してくれるんだろ?」
「っ・・・もう、子供扱いしてっ」
「いやいや、充分良い女になったよ。それじゃあまあ、これからよろしく頼むわ楯無会長」
「あっ・・・」
そう言って俺は更識の頭を撫で、その場から立ち去ろうと動く。
「刀奈・・・」
「・・・えっ」
思わぬ言葉を聞き、思わず立ち止まり楯無に顔を向ける。
「・・・刀奈で、良い。昔みたいに」
「・・・お前、それって」
「か、勘違いしないで!あなたに楯無って呼ばれるのが違和感があるだけよ!!」
「・・・分かったよ。んじゃあまたな、刀奈」
思わぬ展開に一瞬動揺したが、俺はそのままその場から立ち去った。
「・・・馬鹿」
こうして俺の学園生活が始まった。
俺の計画が。
俺の、願いを叶える戦いが。
以上第3話如何でしたでしょうか。
この物語のヒロインの一人は更識楯無(刀奈)となります。
まだヒロインはいます・・・まあ大体ご想像はついているかと思いますが。
ヒロインとの過去ストーリーはいずれ描きます。
というわけで三ヶ日連続更新はこれで最後となります。
次回から原作軸突入します。
是非ご期待ください。
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※1月4日に章管理機能を使用し始めました。
その為プロローグ3話のタイトルを少し変更しました。
また誤植など一部を修正しました。