fateの世界観にふんわり影響を受けて、やんわり書いていきます。
奇跡の願望器を求め魔術師が競い合う戦い、それが聖杯戦争。
しかし、聖杯を手にいれた者はいないとされている。そればかりか魔術師の質は聖杯戦争が起きる度に低下していっていた。
聖杯が求める優秀な魔術師達が殺し合いをするのだから、生き残れる者はほとんど居なかった。
遂には魔術師という概念は崩壊したと言っても過言ではない程、魔術師達の力は衰退したのである。
最後に聖杯が出現してから50年の月日が経った。
そんなタイミングで令呪が手に現れた魔術師が数名いた。
だが、過去の魔術師と比べると余りにも実力不足であったが聖杯を求める者に機会を与えてしまったのだ。
魔術協会の介入や監督役の不在という前代未聞の聖杯戦争が始まろうとしている。
ここ冬木市で再び。
冬木市の市役所の一室から此度の聖杯戦争は始まりの狼煙を上げる事になった。
トントンと扉をノックする音が聞こえた。
「朝倉か……入ってもいいぞ」
そう言った瞬間扉を開け全身迷彩服着用の男が一人で部屋に入って来る。
「間桐市長、サーヴァントの召喚は無事に終わられましたか?」
「ああ、今終わったところだ」
魔方陣の中心に男が仁王立ちしている。
彼が召喚された英霊なのは明白だが、あまり聖杯戦争の準備をしていなかった。間桐家はかつてはかなりの力を持った魔術師の家系だったらしい。
しかし、私自身は魔術師としての力は一備わっていない。召喚してなんとか魔力を供給する事ぐらいしか出来ない欠陥魔術師だ。
聖杯を手に入れる為に英霊を召喚したのではなく、サーヴァントの力を使う予定だけで呼び出した。
「ふん、貴様が俺のマスターか?」
問いかけてきた男は、身長は百八十センチ程でカジュアルスーツだが裸足であった。サングラスをかけていて表情は分からないが、声は渋い印象を受ける。
「そうだとも、早速だが質問を1ついいかね?」
すかさず、了承の旨を伝え質問に移ろうとした。
「別に良いが全てを聞いて解決したいと目論んでいるなら、市長としては全くもって不合格だ。魔術師としては評価するにも値しないがな」
そう言いながら英霊は、窓に近付きブラインドシャッターの隙間に指を入れ、隙間から外の景色を眺めているような行動をとる。その姿に哀愁を感じてしまった。
「貴方のサーヴァントとしてのクラスが知りたい」
「いきなり真名を聞かなかっただけでも、幾分かはましだと思うか。俺は全てのクラスであり、どのクラスでもないて事だな」
「どういうことだ?」
サーヴァントにはぐはかされてると思ったが、とにかく真意が知りたいので質問を続けた。
「今回の聖杯はだいぶ悩んでるみたいだ。俺がどのクラスかも決めてない。自分で言うのも嫌なのだが、俺の知名度からすると本来聖杯戦争に呼ばれるはずはない。お前は聖遺物を用意せずに役所を祭壇に模したと言う一点で、俺を呼び出しに成功したとだけは理解出来るが納得はしていない」
そう言い残して、サーヴァントは霊体化して部屋から立ち去った様だ。
「市長今回の聖杯戦争は、決着を着けないとはどういうことでありますか?」
「ああ、その事か……いや恐らく私の考えが正しければ魔術師同士の殺し合いに発展する可能性が低いと見立てて要るのだよ」
「そんな事があり得るのですか?」
「あのサーヴァントが言った事が本当なら、まだ七人のマスターは揃ってない。私の手に令呪が現れて半年過ぎて召喚したにも関わらず、まだクラスの決まってないサーヴァントが応じたのだからな」
「それはわかりますが、聖杯戦争が始まらないぐらい魔術師が不足してるとは思えません。質を問わず七人用意するのが聖杯と聞いています」
「サーヴァントの召喚方法が分からない魔術師ばかりが選ばれた可能性もある、聖杯を求めるが肝心の所が欠陥してると……」
「それでは市長、本当に戦いには参加しないのですか?」
「ああ、私の目的は別にある。その為に彼を呼んだのだ」
まだクラスが決まっていないと言っているサーヴァントと未熟なマスターが今回の聖杯戦争における一組目の参加者になった。
次話はランサー召喚の予定です