ワドルディが見つけた、古びた一冊の本には…何もなかった。
色も…絵も…文字すらも。
「おかしいなぁ…。」
ワドルディは…その絵本を部屋へと持ち帰っていった。
デデデの悲鳴が響いた少し後…ワドルディ達の詰め所では…
青いバンダナを巻いたワドルディが、小さな机に何かを置いた。
それは…何もない、まっさらな本。
中のページも同様に、まっさらな状態だった。
「この本…一体どんな目的で…??」
光に透かしても何もない。軽く擦っても…パサパサと振っても…何も出てこなかった。
「へんだなぁ…明日、大王様に聞いてみよう!」
ワドルディはそう思いつつ、眠りについた。
~危険な訪問者~
デデデを驚かせ…メタナイトに要警戒された、この影…今はどこか、暗い場所に潜んでいた。
『全く…この世界は本当に…平和ボケしている者と戦闘慣れしている者の差が激しい…。』
ブツクサと文句を言いつつ、一つしかない目を閉じていた。
『しかし…奴等がこの世界にいると知れば…動かぬ訳にもいかないからな…。』
僅かに、目を開けた。
…その目は、紅。笑っている様にも見える。
果たして“彼”は…どこにいるのか…??
~次の日のデデデ城~
広い広いホールには…朝早くから数人の者達が集まっていた。
まず…
「本当に…昨夜は何も無かったので?」
と問い詰めるメタナイトと…
「何も無かった!何度も何度も……しつこいぞ」
問い詰められているデデデと…
「大王様…何かあったんですか??」
どこか困ったような顔のワドルディである。そこへ…
「皆~!!!!このカケラどこかで…」
と、元気にカービィが入ってきた。
手に持っているのは…キラキラと光っているカケラ。
「あ。」
「それは…!?」
「???」
メタナイトと大王、二人の声が、重なる。
そして…一歩踏み出したワドルディの手の本から…カケラが落ちた。
「あれ??これって…同じ?」
メタナイトとデデデは顔を見合わせ…部屋へと戻っていった。
そして戻ってきた時には、二人とも同じようなカケラを持っていた。
「これって…偶然?」
「いや…恐らく、何者かが置いていったのだろう。」
「何のために…??」
「わからんな…」
皆で考え込んだ。
「とりあえず…並べる?」
「そうだな…並べるか。」
メタナイトはこの後、後悔する事になったが…この時は、何も思っていなかった。
………若干の疑惑はあったが。
メタナイト一人が考えている内に、カービィ達は並べていった。
一つ…また一つ、と。
そして地面に置かれていたのは…一枚の、大きな鏡。
それを見て、カービィが叫んだ。
「これって…あの時の鏡!?」
その言葉を聞いたからかはわからないが…鏡の表面が、グニャリと歪んだ。
次第に渦を巻いていく。
まるで…皆を吸い込もうとしているかの様に。
「な…何これ!?」
「近くの柱に捕まるんだ!!」
「………。」
だが……デデデが何故か、鏡に飛び込んだ。
「陛下!?」
それに慌てたメタナイトも、一緒に飛び込んでいく。
「メタナイト!?」
「手が…滑って…!!」
ワドルディも吸い込まれていく。そしてとうとう…
「うわぁぁぁぁ!!!!」
カービィも、吸い込まれてしまった。
四人を吸い込んだ鏡は…静かに、その場から消え失せた。
最初から…何も無かった状態で。
「陛下!!どこに!?」
「………!?(メタナイト…!?ついてきたのか!)」
「わぁぁぁぁぁぁ……」
「目が回るよぉぉぉぉぉ……」
「(ワドルディにカービィまで…!?巻き込んだか…)…スマン三人とも…。」