ただ、ここに墜落した時に、この姿になっただけで…。
暗い洞窟の中、カービィ達は睨みあっていた。
…突然、男が笑う。
「何で…君ってそんなにお人よしなんだろうね?」
「なんでって……何でだろう?」
カービィは首を傾げた。
…恐らく、彼(?)の人柄なのだろう。
「ねぇ、何で?」
「さぁね。僕にも分からないさ。」
先程までの様に、彼は普通に喋っている。
…片手に下げた剣が、こちらへ向けられていなかった場合なのだが。
シークは会話には参加しない。
…参加できない、の方が正しいが。
「…無駄話はもう良いよね?」
若干疲れた様に男は言った。
「…うん。」
カービィも若干疲れている。
シークは…ほんの少し体力を回復したのか、壁を伝って立ち上がっていた。
「そう言えば君は、僕等に体が無い理由を知ってるかい?」
突然、何の脈絡も無しに男が訪ねた。
「…そう言う…種族だから…?」
カービィは自信なさげだ。
「アハハッ、違うよ!これはただの外見さ!僕等は――」
突然シークが斬りかかった。
言葉の先を言わせない様に…必死に。
男は余裕の表情でかわしながら、言った。
「僕等は“マター一族”何だからさ。」
時間が泊まった様な錯覚の中、カービィが首をかしげながら聞いた。
「………ダークマターの仲間…って事…?」
「そうさ。君達の星を散々責めた一族が僕達さ!」
男は嬉々とした声で語っている。
だが、シークは少しさびしげに見えた。
それを見ながら、カービィは昔の事を思い出していた。
“ゼロ”の襲来…“02”の襲撃……。
確かに、色々あった。
何度か倒されもした。
でも……
「僕はね、もう怒ってないんだ。」
「……憎くは無いのか?」
「ん~とね…最初は驚いたし、怒ったりもしたんだ。でもね……」
カービィは言いながら、顔をあげた。
「僕、許す事にしたんだ!」
笑っていた。
カービィは笑いながら、語る。
「だってマター達も、生きてるんだからさ。」
「生きてるから…って、何が言いたい?裏切られた!とか感じただろ?」
「…確かにデデデが乗っ取られたり、マホロアがあんな姿になってビックリしたけど…」
カービィは呟く。
恐らくは、その時の事を思い出している。
「でもね、彼等が乗っ取ったのは星を獲る為じゃないと思うんだ。」
カービィは笑っている。
シークは僅かに首をかしげていた。
「彼等が乗っ取ったのは――光にあこがれてるから、じゃないかな?だったら、説明が出来るんだ!デデデもマホロアも…二人共、光の下で育ったんだし。」
カービィは静かに笑っていた。
何かを思い出したのだろうか?
「それにさ、一族だったら…乗っ取らなくても侵略できるんでしょ?」
カービィが尋ねる様に、シークを見た。
シークは小さく頷いた。
一族は闇で生き、いつも光にあこがれていた。
一番最初の祖が旅していた時に見つけたのが、光あふれるポップスターだった。
だが祖は(当時は)異質な姿だった為に、とある
しかし王冠に入れられる寸前に、情報が一族全体に伝わった。
だから長年、一族は光あふれるそこを狙っていた。
…何度失敗しても、諦めずに。
「…言いたい事は、それだけかい?」
男が小さく言った。
良く見ると肩が震えている気がする。
泣いているのだろうか?
「うん。一応はね。」
「君の考えは良く分かったよカービィ。…こっちへ来てくれないか?」
小さく呟かれた言葉。
カービィは素直に近付いて――
「やっぱり君はお人よしだね、カービィ!!」
男が、剣を振り上げた。
「ほら、出口だよ!頑張って~!」
呑気そうに影は言う。
表情はとても必至だ。
「い、いつまで続いてるんでしょう!?」
「恐らく、もうすぐだ!」
再び彼等が出会うまで、後少し。