薄暗い洞窟のなか…良く似た二人は睨み合う。
先程まで余裕だった男は、冷や汗を浮かべながらシークを見つめていた。
…仮面を被っているので表情は分からないが。
二人はまるで鏡の様に構えると、同じ様に相手に向かって行った。
何もかも同じ様に。
足の運びも、剣の持ち方も。
ただ違うのは色のみ。
「……君の事は怪しいとは思ってたんだ。」
シークがつぶやいた。
それは唯一近くにいたカービィにのみ聞こえた言葉。
次に男が言った言葉は、シークにははっきりと聞き取れていた。
「弟を自らの手で消しながら…良く言うね?」
動きが止まったシークを、男は吹き飛ばした。
他の仲間が男を囲んだ隙に、カービィは抜け出した。
「シーク!」
壁に若干めり込んだシークに、カービィが駆けよる。
穴から、頭に軽く手をあてたシークが出てきた。
血の様なモノが軽く流れている。
「あいたた……なんでだろう、こんなに強かったかな…」
シークは軽く頭をかきながら、ボンヤリと考えている。
「大丈夫?」
「ん?う~ん…大丈夫……さ…?」
カービィの疑問に、シークは首をかしげながら答えた。
男はカービィの後ろから叫んだ。
「騙されないで“兄さん”!そいつが首謀者だ!助けて!」
それを聞いたシークは、姿を消した。
「な、何言ってるんですか!?」
ワドルディは少し慌てた。
いきなり大声を出されたからである。
「…!気を付けろ!」
「何かくるぞ!」
ダークメタナイトとメタナイトは瞬時に警告を飛ばし、気配に向かって剣を構えた。
数秒程経って現われたのは…先程消えた、シークであった。
「お、脅かさないでくださいよ…」
ワドルディが安堵しながら近付く。
ウィズが咄嗟に
「近付いちゃダメだ!」
というのと、メタナイトが
「離れろ!」
というのはほぼ同時だった。
その声に紛れ、シークの言葉は聞こえてはいなかった。
「弟から離れろ、貴様等」
カービィはシークの動きを、茫然と見つめていた。
男の近くから、どんどん弾き飛ばされていく。
何故かデデデに対しては一瞬躊躇したものの、結局は弾き飛ばしていた。
男はそれを見ながら、笑っていた。
突然カービィの近くに現われると、まだ笑いながら言う。
「なんで彼がああなったと思う?」
「君のせい…でしょ?」
「フフフ…ちょっと違うんだよね~」
そして天井を見つめた後……弾かれるウィズ達を見ながら言った。
「ボクが持ってる剣さ。あれで斬られれば斬った本人以外が敵に見える。」
そして、カービィに言った。
「君を斬って、斬り合いさせるのも…面白いよね!」
そして振りおろそうとして…動きが止まった。
驚くカービィの近くに…右手が浮いていた。
その手はまるでアルティーを威嚇する様に音符の弾を放つと、カービィを掴んで離れさせた。
「…やっぱりやるなぁ」
男は呟いて、ユックリと後を追った。
暗い
暗い
誰か
誰か
私を
私を…
武器・“男”の剣(正式名称・???)
能力・斬られた者は斬った剣の所持者以外を敵とみなす。
その他に、一番深く暗い闇の記憶を呼び覚ますとされる。
深く暗い闇の記憶とは、主に深い悲しみに堕ちた記憶や、強い怒りを抱いた時の記憶である。