キミが使った方が――有利に、戦えるのに。
ノイズの様な音が、異常な空間へ響く。
そのノイズの源である…O-3.Eは、黒い触手や球を操り、カービィを少しずつ追い込む。
カービィは何とか避け、シークはただワープスターの上でたたずんでいた。
何故かワープスターは…同じ場所から、動こうとしなかった。
近付こうにも、シークには操り方が、分からなかった。
「どうしたのです?星の戦士ともあろう方が…そのような体で?」
O-3.Eはニヤリと笑う。
カービィは、慣れない浮遊戦でヘトヘトになっていた。
武器はソードだ。
――まさに、危機一髪。
O-3.Eが、何度目かの球体を放った。
カービィはそれら全てを壊しながら、高度を落とさない様に浮く。
O-3.Eは、また嗤う。
そう――何かを思いついた、と言う顔をして…。
「貴方様に、邪魔をされてはいけませんからね」
シークとワープスターを、転送し損ねた“三人”の後ろへと吹き飛ばした。
「シーク!!!」
カービィの意識がわずかに、0-3.Eから逸れる。
それを見逃さず、0-3.Eは――
「…まだ、つかぬのか!?」
「近付いている筈なのですが…!」
「……結界でも張られているのかもな。」
『やりかねんな……面倒な奴だ』
いつまでも、同じ場所をループしていた。
「く…こうしている間にもカービィは…!」
デデデ大王が、ややはがみしながらフワフワと進む。
「焦ってはいけません……が……」
メタナイトが言いながら、焦りを抑える様に拳を握り締めた。
「…どうにかして破れぬか…。
ダークメタナイトがややぼやいた。
「あの時…倒した時に、封印されたままでは無かったのか?」
ダークメタナイトの言葉を聞いたデデデ大王が疑問を口にした。
「…“
その言葉に苦笑しながら、ダークメタナイトは答えた。
二人はそれに苦笑を返しながら…
「うわっ!」
カービィの方を見た。
そこでは、カービィが今にも下へ落ちそうだった。
「カービィ!」
「……間に合わない…!」
「く…くそお!」
O-3.Eが、止めを刺そうと触手を振り下ろす。
全てが、ゆっくりとして見えた。
少しずつ、カービィに触手が迫る。
だが、その動きは止まった。
メタナイト達の背後…何かを、驚いた様に凝視している。
メタナイト達は振り向きかけて…何かが高速ですれ違うのに気付いた。
ワープスターだ。
だが、誰も乗っていない。
結界に高速でぶつかったワープスターは、決壊をいとも簡単に破壊した。
そして、カービィを救うと…ふわり、と浮いた。
カービィが、バッと後ろを振り向く。
飛行している三人も横に並びながら、僅かに後ろを見た。
時は僅かに戻る。
シークは、傷の辺りを押さえていた。
吹き飛ばされた時に、開いてしまったのだ。
ドロリ…と見えない血が流れ落ちる。
安静にしていれば直ぐふさがるであろう傷だった。
だが、彼はジッとしている訳にはいかなかった。
あの飛んでいる全員を見つめ、目を細めた。
シークの眼には、緻密に組まれた結界が見えていた。
そして、その結界の脆い部分も。
ワープスターを何とか進ませようとした時…
「カービィ!」
メタナイトの声が聞こえた。
そちらを見ると、カービィが今にも落ちそうになっていた。
そして、O-3.Eが不気味に笑いながら止めを刺そうとしていた。
シークは…僅かに笑った後、ワープスターの端に立った。
小さく、言葉を漏らす。
それは何処か…祈りにも似ていた。
「ボクに構うなワープスター…!君の主人を…カービィを…助けろ!」
言いながら…最後の力で、強く…強く蹴り出す。
ワープスターはシークの元を離れ、一直線に結界の弱点へと飛んだ。
シークはそれを見ながら、下へと落ちた。
落ちて…堕ちて……
「シーク!!!」
シークは僅かにほほ笑みを返し、闇へと消えていった。
0-3.Eは、知らない。
転送し損ねたのはもう一人いたことに。
とある人物の、奥深くで、気配を完全に殺して潜んで隠れていたことに。
そしてその一人が、シークへと一直線に向かったことに。