だからそれまで………消えるなよ?
前回ワープスターに乗った場所の…結構前。
二人は“ミラン”を倒し、新たな場所へと向かっていた。
どんどんと奥へ進み、見つけた大砲へ、乗り込んだ。
そこでも、襲い掛かってくる相手をかわして、倒して、進む。
…そして…もう一つの、大砲部屋を抜けた先に…マスターハンドがいた。
しかし……これまでのボスたちのように、様子がおかしい。
黒っぽい。まるで――“あの事件の時”の様だった。
「……。」
「マスター!!どうしたの!?」
「…除…」
「…え?」
一瞬聞こえた嫌な単語。
カービィは信じられない、と言う風に頭を振ったが…マスターは繰り返した。
「この遺跡に侵入したモノ…排除する。」
信じられない様な言葉。
…問答無用で戦ってくるマスターに…カービィは呆然としながらも、戦って…倒した。
マスターは………何も言わずに、何処かへと消えた。
「何で…こんな事…」
カービィはほんの少し、涙を浮かべた。
シークは僅かに困った様に…しかし、力強く言った。
「……カービィ…早く、アイツを倒そう。そうしたら皆、元に戻るよ…。」
その言葉に、カービィは…泣きながら、頷いた。
そして扉を抜けると…そこは…荒野だった。
「どういう…構造なんだろう…。」
カービィはまだ落ち込んではいたが…どうにか、少しだけ明るさを取り戻していた。
そして少し進んで…前回はシャドウが出てきた所に差し掛かったが…何も…誰も、出てくることはなかった。
ほんの少しの寂しさを覚えながら、カービィは扉をくぐり抜けた。
回復アイテムを取りながら進んで…鏡の向こうに進むと……いた。
全ての元凶であり…シャドウを動けなくした男。
「アルティー…また会えたな!!」
ニヤリ、と笑った気配を見せて、シークが言った。そしてカービィに囁いた。
「………(カービィ…ここにクラッシュのコピーの元がある。今からコピーしてくれ)」
「!!(直ぐに使うの??)」
「………(いや、僕が合図したら使ってくれ!!頼んだ!!)」
会話が終わるのを待っていたかのように…“アルティー”が剣を抜き、斬りかかって来た。
シークはそれを軽くいなし、切り返す。
アルティーはもう一本、最初に持っていたものよりやや短い剣を抜き、それを防いだ。
シークは予想してなかった、というようにたたらを踏み、後ずさる。
それを、アルティーは踊るような動きで回転を加えた斬撃で追いかける。
何度も、それを繰り返して、鍔迫り合いとなった時…
「今だ!!」
シークが叫んだ。
アルティーが意図に気付いた時には既に遅く…カービィは既に、クラッシュを発動させていた…。
――体が吹き飛ぶってこういう事なのか…。手も足も体も頭も全て持って行かれた…。
――痛い…でもまだ動ける。少しだけ“秘密”はばれてしまったけど…
――まだ、肝心な事はばれていない!!
カービィは、茫然と立ち尽くしていた。
目の前で…それが、例え敵だとしてもバラバラになってしまったのだ。
アルティーに起こった惨劇は…酷いものだった。
手と足…それに頭と体が…全て吹き飛んでいたのだ。
シークはどうしてか無傷で、カービィの隣に降り立った。
「カービィ…大丈夫か?」
「う、うん…でも………あの人、大丈夫…なの??」
「無事だったら危険だとおもうなぁ。……。………!!!危ない!!」
突然叫んだシークに突き飛ばされたカービィは…吹き飛んだはずの、あり得ないモノを見て硬直した。
丁度カービィの目に映ったのは…手だった。
マスターよりも小さい手。それが音符の形の弾を放っていた。
ほんの少し離れた場所では、足がユラリと立ちあがった。
そして……頭とマントが、一緒に浮き上がる。
マントの中には………何も無かった。
何かがあるであろう空間には……本当に、何も無い。
音符の弾を吸い込みつつ、もう片方の手の剣の攻撃を避けた。
何度も繰り返して、避けて、吸い込んで、吐き出して……ようやく、倒した。
どこか引きつった様な仮面の表を見せつつ…アルティーは何処かへと去って行った。
逃げ出したのだ。
「…勝った…?」
「逃げられてしまった……だから、完全とは言えないね…それに、鏡の封印を解かないと…。」
二人が見上げる場所には…僅かに濁った色の…青い水晶が、浮かんでいた。
――やっぱり、体は無いけど…痛いモノは痛いな。
―無茶はせぬ様にな?
――……御免、無理かもしれないよ。