金髪碧眼の少年は、目の前に存在している青い一つ目の巨人のようなものををまじまじと見つめていた。
黒いローブのような物を羽織り、すらりと伸びた白めの腕からは、特殊な鉱石から作られた青い刃をもつ剣がその姿を覗かせる。
年齢は10歳に届くか届かないかといったところだろう。身なりや容姿から見ても、何処かの国の王子であることは容易に想像できた。
「……さて、では王となる者は誰だ?」
「俺だ」
一つ目の巨人の問いに、少年は即答する。少年の回りを取り囲んでいる50名ほどの部下たちは、巨人の姿をみて思わず息を忍ばせていたが、この少年だけは違った。
「貴様が?」
「ああ」
「………ふむ、なるほど。何者にも縛られず、何色にも染まらぬ大きな器。だが貴様は王として、既に十分な力も得ているだろう?我輩の力を得て何をするつもりだ?」
少年は一つ目の巨人を睨む。その質問に答えるには少々時間がかかったようだ。
ゆっくりとした動作で、剣を巨人に向けた。
「さあな?………正直なところ、確かに俺は十分な力を持ってる。欲張りだと言われても文句は言えない。だが、俺が本来求めているのはここにある金銀財宝だ」
「………何?」
一つ目の巨人は、意表を突かれたかのように目を見開いた。
「貴様が欲するのは、力以上に富であると申すか」
予想外の答えに一つ目の巨人は思わず頬をゆるませる。口角が上がったということはそれなりに気に入った答えだったのだろう。
「そうだ。だから………お前が選べ。俺の力となるか、財宝を置いて消えるか…………」
「ここで俺に殺されるか」
「………そうか。貴様は我輩をも掌握しようとするか。なるほど、予想以上に大きい逸脱した王の器だ」
一つ目の巨人は顔の表情を濁らせるが、直ぐに少年へ厳しい眼差しを向ける。
「まだ幼いが、十分だろう。気に入った!貴様を王の器として認めてやろう!」
「そうか。ならいい」
少年は剣を鞘に納め、巨人に背中を向ける。
少年はは直ぐ様一つ目の巨人に背を向け、部下たちのいる出前のところへと戻る。
そんな姿を一つ目の巨人は遠目で見つめている訳だが、小さな体の少年は既に一つ目の巨人にも負けないような風格を持っており、とてもではないが子供だとは信じがたかった。
「貴様、名はなんという?」
「名前を名乗るときは自分からだろ」
「……それもそうだな。我輩は虚無と絶望より作られし精霊、アトラスである」
それを聞くと、アトラスに背を向けていた少年は体ごとアトラスへと向き直り、大きな体を見上げた。
「シルノート・イークスだ」
イージス国の皇子、シルノートイークスが二つ目の金属器を手にいれたことは、この日のうちに国中へと知れわたることとなった。
キャラ紹介
名前
シルノート・イークス
概要
イージス国の皇子。現在8歳だが、ジンにも屈しない強い風格をもち、かなり気が強い。
武器に長剣を持っており、6歳の時にヤンバラの民から
二人のジンを宿しており、一人は8歳で攻略した迷宮のジン、虚無と絶望の精霊・アトラス。
一人は5歳で攻略した迷宮のジン、堕落と狂愛の精霊・ゾロスター。既に全身魔装も可能。
容姿
金髪碧眼の、いかにもといった皇子のような顔立ちで、普段は黒いローブに身を包んでいる。
イージス国について。
50年ほど前に大陸の南方に建国された独立国。規模は大きく、人口も年々増加中。シルノートの父が現国王をしている。気温が高いことが特徴。
地下都市というものがあり、鉱産資源が豊富にとれる。近年は品種改良された質のいい作物の農耕や放牧も行われており、毎年豊作。
貿易には、鉱産資源や食料品を主なものとしている。