5つの波動を持つ男   作:DYNA

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母の願

~冬馬サイド~

 この歪んでしまった魔法少女リリカルなのはの物語の結末はどうなるんだろ?

あの3バカ変態トリオが改悪してしまった世界で俺は人生を謳歌しないといけない。

初めは、隼人・武・ランボ・了平・雲雀達と仲良く暮らせていけたらいいなって思ってた。

でも、そうはいかないらしい。駄狐の警告が本当なら俺の命を狙ってるヤツがいる。

ソイツはロキという男らしいが、俺には全然心当たりなんかねぇ・・・。

 

 駄狐が接触してきてから1時間後、一旦俺の家のリビングに皆が集まってる。

高町が巻き込まれたこともあり、駄狐との戦いのことをフェイトとアルフ様+淫獣にも話した。

 

 勿論、駄狐の正体が俺と同じ転生者であるとかは一切話してない。

話しても仕方がないことだし、同じ転生者同士で殺し合いになる場合もあるなんて言えない。

転生者同士の戦いで高町やフェイト、アルフ様+淫獣が危険な目に遭うのなんて、まっぴらだ。

 

 今回の件で俺は考えさせられていた。

ただ変態達にストーカー行為を止めさせれば全てが良くなるってタカをくくってた。

本来のリリカルなのはの物語に軌道修正したつもりでも、俺の望んだ結果じゃない。

俺が無闇に原作介入したせいで、高町が人質に取られるっていう事態に繋がったんじゃないのか?

俺は何がしたかったんだろう・・・? 事態を悪くしただけじゃねぇのか・・・?

 

「ちょっといいかい?」

「なに、アルフ様?」

「アイツらを匣から出してやらないのかい?」

「あー・・・」

 

 リビングのテーブルに突っ伏していた俺に、ソファーに座ってるアルフ様から質問された。

アルフが座っているソファーには、高町とフェイトも座っている。

 

「出せなくはないんだけど、疲れてるからな・・・。少しダルい・・・」

「どういうことなの?」

 

 今度は、俺が突っ伏してるテーブルの上にいる淫獣から質問される。

 

「俺の切り札に等しい技を使ったせいだよ。淫獣」

「淫獣!? ボクには、ユーノ・スクライアっていう立派な名前が・・・」

「そうか。ユーノ・淫獣・スクライア」

「意地でもボクのことを淫獣って呼ぶ気!?」

 

 あぁもう・・・淫獣が俺の額をペシペシ叩いてくるからウザいわぁ・・・。

駄狐にライダーキックされた後頭部がまだ痛いんだから、もうちょい労ってよ。

赤竜巻の矢(トルネード・フレイムアロー)で、死ぬ気の炎をかなり消耗してんだから・・・。

それに空気読まないシリアスブレイカーに振り回されたから、正直かなり疲れてんだよ。

明日の朝には気力も全快して、死ぬ気の炎を問題なく出せるはずなんだけどさー・・・。

 

「・・・寺嶋君、聞きたいことがあるんだけど?」

 

 高町が重々しい雰囲気を醸し出してる。俺も真剣にならなきゃと思った。

 

「俺の・・・・・スリーサイズ?」

「そんなのちっ・・・・・・・・・・・とも興味ないから!」

「そりゃ悪ぅござんした」

 

 なんか眠い・・・。まだGの弓矢(アーチェリー)を使いこなせてない証拠かな・・・。

 

「・・・・・・命を狙われてるって・・・・・ホントなの?」

「えっ!? それどういうことなの!?」

 

 高町が言った言葉にフェイトが動揺している。

 

「あのバカの言ったことを真に受けるなよ。そんなワケないだろ?」

 

 たくっ・・・あんの駄狐め。こういう状況になるのを狙ってたなら恨むぞ。

 

「アンタ、本当に命を・・・・?」

「いらん心配しないでよ、アルフ様。全部嘘ってヤツだよ」

 

 もし、駄狐の狙いが俺の命だったら・・・・俺は間違いなく死んでたな。

駄狐の目的は俺との接触だけだったとは考えにくい。アイツは、霧のボンゴレリングを奪ったと言った。それはつまり、俺の嵐のボンゴレリングや匣を狙ってた可能性に繋がるんだ。

 

「本当に大丈夫なんだよね?」

 

 高町が真剣な眼差しで俺の顔を見てくる。

そういえば、高町の親父さんは、高町が小さい頃に死にかけていたんだっけ・・・。

 

「・・・・・・・・大丈夫。俺には隼人、武、ランボ、了平、雲雀がついてるからな」

「そうだね。アンタが簡単にくたばるとは思わないし」

「トーマはゴキブリ並みの生命力だもんね?」

「あの・・・フェイトさん? 素直に喜べないんだけど・・・」

 

 フェイトは本当によく笑うようになった。

出会った当初は変態達の影に怯えて、何処か暗い雰囲気があったし、少し目が病んでたし・・・。

それが冗談を言えるまでになるとは驚きだよ。あとゴキブリ並みの生命力ってなに?

フェイト、お前は俺をゴキブリだと思ってんの?

 

「ねぇ、寺嶋君」

「なんだよ?」

「布団って何処にあるの?」

「あぁ、それなら客間の襖に・・・って、なんでだ?」

「今日は、寺嶋君の家にお泊まりしようかなーって」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

 

「そうだね。じゃあ、私とアルフも泊まろうかな」

「なんでそういう流れになってんだよ!?」

 

 なんで高町は俺の家に泊まろうとしてんの!?

それにフェイトも便乗しようとしてきてるし、意味不明すぎるわ!!

 

「べ、別に泊まる必要はねぇんじゃねぇの?」

「駄目だよ! 寺嶋君、命を狙われてるんでしょ!?」

「真に受けるなって言ったろうが!?」

「トーマにはお世話になったし、トーマの命は私達が!」

「護衛とかいいから! とにかく俺は大丈夫だから!」

 

 なに考えてんだよ? 俺にそこまでかまわなくてもいいだろうに・・・・。

 

「お母さんに寺嶋君の家に泊まるって、もう言ってるから遅いの!」

 

 ・・・・・・・・・今、この田村ゆかりボイスはなんて言った?

 

「お母さんも許してくれたし、今日は泊まるからね?」

「お前は何を考えとるんじゃァアアアアアア!!?」

「そ、そこまで怒るの!?」

 

 俺は高町が仕出かしたことに震えが止まらない。

お母さんが許可を出したから問題ない? 違うぞ・・・断じて違うぞ!!

高町(兄)が俺の家にやってくるかもしれねぇじゃねぇか!!?

 

「いいか!? お前の兄貴は不可能を可能にするタイプの手遅れなシスコンだ!

そんなヤツが俺の家を血眼になって探してるかもしれないんだぞ!?」

「お、お兄ちゃんもそこまでは・・・」

「いーや! お前の兄貴は絶対俺の家を探してる! お前の体臭を辿ってやってくるかも・・・」

「ト、トーマ・・・私は、なのはのお兄ちゃんに会ったけど、悪い人じゃ・・・・」

「言ってなかったか!? 海鳴温泉で5時間も俺を追いかけ回したのは高町の兄貴なんだよ!!」

「ふぇ!? そんなに追いかけ回してたの!?」

「あぁ! 5時間もデッドチェイスした俺だから分かる! ヤツは必ずここに・・・・」

『ピンポーン♪』

「来たァアアアアアア!?」

 

 今日は厄日か!? 俺の後ろに疫病神でもいるの!? お、俺の命日は今日だったのか・・・。

 

「トーマ・・・だ、大丈夫なの?」

「フフフフフ・・・・・・。おじいちゃん、もうすぐ逢えるからね?」

「気をしっかりもって!?」

『ピンポーン♪』

 

 どうしよう・・・。赤炎の矢(フレイムアロー)を100発撃ち込めば殺せるのかな?

に、二次小説でも高町(兄)の戦闘力はヤヴァイことになってるケースが多い。

この歪んだ世界でも、それは例外じゃねぇ・・・。 と、とにかく玄関さえ開けなければ・・・・ 

 

『キィ・・・・バタン!』

 

 は、入ってきたァ!? 鍵かけなかったの誰だ!? 俺だよ!!

 

「お、俺は、逃げるから後は頼んだ!」

「ま、窓から!? ま、待って!? お兄ちゃんは私が抑えてみせるから!!」

 

 俺は窓から逃げようと、既に右足を窓の淵に乗せて外に飛び出る体勢になってた。

でも、高町が俺を引き留めようとして、俺のズボンの裾を引っ張ったから・・・。

 

「うぉわぁ!?」

 

 俺はバランスを崩し、後ろに転んだ。

後ろには高町がいたから巻き込むワケにもいかず、俺は体を捻らせて高町を避けたけど、結局逃げられなかったという現実が俺を恐怖のドン底に陥れる。そして、高町(兄)がリビングに近づいてくる足音が死神の足音のように聞こえてしまった。

 

「ご、ごめんなさい!! い、命だけはァ・・・・」

 

 心からの言葉というヤツだった。

俺は土下座で出迎える用意をし、死にたくないから命乞いをしていた。

でも、殺される1歩手前まではボコられるだろうと諦めてる・・・。

 

「・・・・・・なにをしてるの?」

「ど、どうか命だけ・・・・・は?」

 

 俺は様子がおかしいことに気付いた。

リビングに高町(兄)が侵入してきたと思い、必死に命乞いをしようとしたら、女の声が聞こえた。スッと俺が顔を上げると、紫のドレスを着た巨乳の女が俺のことを見下ろしていた。

・・・・・・・誰だ?

 

「母さん・・・・・・」 

 

 フェイトが俺の目の前にいる女をそう呼んだ。・・・・・・まさか!?

 

「フェイト、久しぶりね」

「ど、どうして・・・」

「話があってきたのよ。そこの坊やにね?」

 

 間違いない。この人はフェイトの母親のプレシア・テスタロッサだ。

俺と高町を交互に見たあと、フェイトのことを見つめてる。

だが、俺は言わなきゃいけない事項を発見したぜ。

なんで俺の家に来たとかを考えるのは後回しだ。

くそ・・・。緊張してきたぞ・・・。

 

「フェイト・・・・」

「・・・・ちょっといいですか?」

「・・・・・・・・なにかしら?」

 

 フェイトに話しかけたプレシアの言葉を遮って、俺は話しかける。

俺のことをゴミ虫でも見るかのような目で見てくるけど、言わせてもらおうか!!

 

「・・・靴を・・・脱いでください」

 

 土足でプレシアが俺の家に来るとか想像出来るワケない。

 

~フェイトサイド~

 トーマと二人きりで母さんが話をしたいということで、トーマが客間に母さんを案内した。

中で何を話してるのかを私となのはとアルフとユーノが聞く耳を立ててみたけど、母さんの魔法で客間は完全に隔離状態になってしまっていた。

 

「もう30分だよ。何を話してるのかな?」

「母さん・・・」

 

 なのはの言う通り、もうかれこれ30分は経過していた。

すぐに話は終わるって、母さんは言ってたのに・・・。

そもそも母さんは、なんでトーマと話がしたいだなんて・・・。

 

「あの鬼ババ、アイツに何か・・・」

「アルフ、滅多なこと言わないで・・・」

「待たせたわね」

「あ・・・」

 

 やっと母さんが中から出てきた。

トーマも一緒に出てきたけど、少し様子がおかしい気がした。

 

「帰るわ。フェイト、はやくジュエルシードを頑張って集めてちょうだいね?」

「えっ?」

「聞こえなかったかしら? 頑張りなさいって言ったの」

 

 母さんが私のことを励ましてくれた?

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 トーマ・・・どうしたんだろう。やっぱり様子がおかしいよ。

 

「坊や、分かってるとは思うけど・・・・」

「あぁ・・・」

「寺嶋君?」

 

 いったい何を話してたんだろう?

さっきからトーマは俯いて、私やなのはのことを見ようとしてない。

 

「アナタ、フェイトの親友みたいね?」

「あ・・・私、高町なのはって言います」

「これからもフェイトを支えてあげてちょうだい。世間知らずなところがあるから」

 

 そう恥ずかしいことをなのはに伝える母さん。それを聞いたなのはは笑顔になる。

 

「勿論です♪ フェイトちゃんは私の親友ですから」

「そう。じゃあ、フェイトの側にいてあげてね?」

「ちょっと待ちなよ!!」

 

 そのまま帰ろうとした母さんをアルフが引き留めた。

 

「アンタ! 今までフェイトにやってきたことをチャラにする気じゃないだろうね!?」

「・・・・・・ここにはもう用がないから帰るわ。使い魔の躾はちゃんとしておきなさい」

「あ、母さん・・・・」

 

 母さんは振り向きもしないまま、トーマの家から出ていってしまった。

あんなに優しかった母さんは久し振りだ。母さんが私に優しくしてくれた。

それだけで私はなんだか嬉しくなってしまった。

 

「あんの鬼ババ・・・」

「さーて! 俺もジュエルシード集めに協力するからよろしくぅ♪」

 

 アルフの不機嫌そうな言葉を遮って、トーマが明るい声で協力するって言ってきた。

 

「え!? い、今まではあんなに嫌がってたのに!?」

「いやぁ~♪ 綺麗なお姉さんからの頼み事は断れない!・・・みたいな?」

「寺嶋君、オハナシしようか?」

「マジで勘弁してください」

 

 いったい母さんと何を話してたんだろう?

今のトーマは、無理して笑ってるみたいに見えるんだ。

 

~冬馬サイド~

 俺は高町に平謝りしながら、プレシアと話したことを思い出している。

 

「単刀直入に言うわ。坊やは転生者でしょ」

「ぶーーーーーーーーーっ!!?」

 

 座布団に座ってお茶を飲んでいた俺は、口に含んでいたお茶を全てプレシアに吹きかけていた。

プレシアは小さい魔法陣で俺のお茶吹き攻撃を全て防いでいたけどな。

 

「な、何のことかな~♪」

「家庭教師ヒットマンリボーン。週刊少年ジャンプという漫画週刊誌に連載していたそうね?」

「なんでそこまで知ってんだよ!?」

「あのフザけた狐の娘よ」

 

 俺は、これまでにないほどの殺意を覚えた。

人がせっかく隠してきた秘密をアッサリとバラしていた駄狐に・・・・。

 

「あんの駄狐がァ・・・」

「怒る気持ちは共感してあげるけど、まず私の話を聞きなさい」

「そもそもアンタはなんで俺の家に来たんだよ? 俺に何の用だ?」

「伝言を頼まれたからよ」

「はぁ?」

「あの娘から全部聞いたわ。私達のことがアニメになってるんでしょう?」

「仮にそうだとして、なんでアンタは信じようと思ってんだ?

そんなデタラメな話は普通は信じないだろ」

「・・・・最初は信じてなかったわよ。でも、私の抱えてる不治の病をあの娘が言い当ててきた」

「・・・・・・・・・・・・」

「その沈黙は・・・坊やも私の病気のことを知ってると肯定してもいい?」

「どこまで知っ・・・いや、アイツはどこまで話した?」

「全部よ。これから起こること全部・・・。私の最期のことも・・・」

 

 俺は、本当にあの駄狐の目的が分からなくなった。

何がしたいのか? 何が目的で転生者のことをバラしたのか? 俺に・・・何をさせたい?

 

「そういえば、変態達がフェイトをつけ狙ってたでしょ?」

「・・・・・・・・・・」

「坊やの他にも転生者がいたけれど、本当に殺意しか覚えなかったわ・・・。

私の娘に何をしたのかを知ってるわよね。アノ変態共ガァ・・・・」

 

 俺は前世を含めた今までの人生を振り返っても、あの恐怖を味わったことがなかった。

震えが止まらなかった。アルフ様や高町(兄)とは比べようもないくらいのプレッシャー・・・。

本当にこんな化物がこの世に存在してもいいのか?と、俺は感じたんだ。

 

「全てを見ていたわ。私の可愛いフェイトが震える様を・・・・・手の届かない私の城からね。

可愛いフェイトにストーカーを繰り返した挙げ句、下着ニマデ手ヲ出シヤガッテェ・・・・」

「た、助けて神様ーーーーーー!!!?」

 

 俺は、あんな化物と一緒の部屋に居たくない一心で客間の障子に手を伸ばしていた。

だが、結界を張られていたため、外界とは通じておらず、客間の障子は開かなかった。

 

「ドコヘ行ク気ナノ?」

「ひぃ!?」

「話ハ終ワッテナイデショ?」 

「奴等を丑の刻参りっていう日本古来の呪いでブッ殺しておくんで、殺さないで!!?」

「殺す? 何を言ってるの?」

 

 このとき、プレシアの様子が元に戻っていた。だけど・・・

 

「アナタヲ殺シテモ、変態ハ滅ビナイデショウガァ!!!」

「助けてーーー!? 高町ィ!! フェイトォ!! ごごがら俺を逃がじでェーーーー!!?」

 

 アイツらが外で聞く耳を立てていると踏んだ俺は、泣きながら必死に助けを求めた。

でも、プレシアが眼で「元の位置に座れ・・・」と、語ってきたから戻る選択しかなかった。

 

「フゥ・・・・少し感情が抑えられなくなったわ」

 

 やっと落ち着いてくれたプレシアだったが、俺から話しかけようとかは一切思わなかった。

 

「それにしても、死ぬ気の炎って凄いわね。霧の炎だったかしら?」

「?」

「分からない? あの娘が霧の幻覚で私の病気を騙してるのよ」

「それって・・・」

「でも、霧の幻覚の延命措置も長くは保たないみたいだけど・・・・」

 

 愛想笑いを浮かべるプレシアに俺はかける言葉が見つからなかった。

 

「私はもうじき死ぬわ。残念ながらね?」

「他の転生者の力のこともアイツは話してるはずだ! アイツらの力があれば・・・」

「そうね。でも、期待は出来ないみたい」

「なんでだ? アイツらの力なら・・・」

「もうじき無くなるそうよ。あの変態達の力は・・・」

「はぁ!?」

 

 俺は、プレシアの言ったことが信じられなかった。

 

「正確には、奪われるって言った方が正しいかしら」

「どういうことだ?」

「敵がいるってことよ。それも狡猾なヤツがね」

「・・・・・・アイツは俺に何をさせようとしてるんですか?」

「あの娘は、何かの計画に坊やを組み込んでることは確かね・・・。

内容までは教えてくれなかったけど、坊やには期待してるみたいよ?」

「駄狐の掌の上ってことかよ・・・」

 

 気に入らなかった。全部最初から決まってたみたいで腹が立った。

 

「アイツは、今何処にいるんですか?」

「知らないわ。あの娘とは協力関係にあるとは言い難いの。伝言も頼まれてるし・・・」

「伝言?」

「ちゃんと原作介入しないと、本当に高町なのはを殺すって・・・」

「・・・・・・・・・人質かよ・・・・・」

 

 霧の幻覚を見破るのは至難だ。

あのときはアイツの策が甘かっただけで、次も返り討ちに出来るか分からない。

それにアイツの実力なら簡単に高町を誰にも気付かれずに殺せるはずだ。

俺も高町を護りきれる自信なんてない。

 

「伝言は以上よ。私は帰らせてもらうわ」

「アイツに会ったら伝えてくれません? くたばれって・・・」

「伝えておくわ。会えたら・・・ね?」

「・・・・・・帰ったらどうするんですか?」

「・・・・・・私に出来る最善のことをやるだけよ」

「最善のこと?」

「・・・・・・これに関しては坊やには関係ないわ。坊やは坊やの心配をしなさい」

「その・・・・・せめて、フェイトに優しくしてやってくれませんか?

フェイト、高町と友達になって明るくなったけど、やっぱり・・・・・・」

「いらない心配よ。フェイトには幸せになってほしい・・・。アリシアの分まで・・・」

 

 こうして、突然過ぎた俺とプレシアの邂逅は幕を閉じた。

俺は、高町とフェイト達に一人で考えたいことがあるからと無理矢理帰ってもらった。

これからどうなるんだ?という不安に胸を締め付けられながら、俺は眠った・・・。

 

 だが翌日、俺の事情など知ったことかと言いたげにジュエルシードが発動したんだ・・・。

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