5つの波動を持つ男   作:DYNA

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阿修羅 降臨す

~冬馬サイド~ 

 俺のケツの痛みが限界を越えようとしていたので、了平に晴の炎を当ててもらっている。

気絶しているフェイトは隼人達に任せ、俺は部屋でお尻を出してベッドに横になっている。

雲雀め・・・・お尻を噛み殺すのが当たり前になる前に対抗策を何か考えなくては・・・。

 

「ガァ♪」(極限に治癒完了だ♪)

「あぅ!? お尻を叩くな!!」

 

 ペチン♪と良い音を奏で、俺のお尻は完治した。

ちなみに、了平から晴の炎を照射されている最中にバカのために救急車を携帯で呼んだ。

赤炎の矢(フレイムアロー)を喰らって気絶しなかったから命が危険とかはないはず・・・。

ていうか、雲雀が噛み殺してしまったから当分は入院生活を余儀なくされるはずだ。

綺麗なナースに看病されるのを期待して、皺くちゃババァのナースでしたというオチを全力で所望します。

 

「ぴゅい?」(終わった?)

「どしたん 武?」

 

 あの戦闘で舞い上がった埃とか服に付いてるのに気付いた俺は黒のジャージに着替えていた。

すると、武が心配そうな声で俺の部屋に入り、何もかけていないハンガーに停まる。

 

「ガァ?」(どうしたのだ?)

「ぴゅい」(あの子が起きそうだぜ)

 

 えっと・・・? フェイトが起きるかもしれないから来てくれ?

・・・・・・・・俺のことをどう説明したもんかね? とりあえず、あのバカ共と同類じゃないということを絶対に理解してもらわないとな・・・。

 

「どう?」

「にょん」(問題ない)

 

 俺が治療を受けている間、フェイトのことは隼人に一任した。

原作通りの瓜の性格だったら、とてもじゃないが任せられない。

自分がリーダーである責任を感じているらしく、甘えてこなくなったのは寂しい。

でも、猫じゃらしをフリフリしてムズムズする隼人の姿を見るのが最近の楽しみだった。

 

「モォ」(グレープジュース飲みたい) 

「ランボ、じゃれついてくるなよ」

 

 ランボが俺が買ってきたグレープジュースのペットボトルを食わえて、頭をスリスリしてくる。勿論ランボがしてほしいことを察した俺は、ペットボトルを開けてあげた。

 

「モォ♪」(ありがとだもんね♪)

「ゆっくり飲むんだぞ」

 

 当然だが、コイツらはペットボトルを開けることが出来ない。

唯一開けられるのは了平くらいなもので、ふと視線を移すと自分のポカリと雲雀のお茶のペットボトルを開けて飲んでいた。雲雀はペットボトルで飲むのは難しいから、了平に小皿に移してもらっている。

 

「ぴゅい」(俺達も頼むぜ)

「にょん」(そうだな) 

 

 武と隼人が早く三矢サイダーを開けてくれと催促してくる。

待ってくれよ。そんなに急かさなくても三矢サイダーは逃げな・・・・

 

「にょおん!!?」(うわっぷ!!?)

 

 俺が三矢サイダーのペットボトルを開けると、隼人の顔に三矢サイダーがかかってしまった。

そういえば、3回は地面に落下させたし、走って逃げてきたから炭酸が抜けてても何もおかしくないか。あはははははははははは♪

 

「にょっ!?」(なに笑ってやがんだ!?)

「猫パンチ!!?」

 

 俺が反省していないことがバレた。隼人から手加減抜きの猫パンチを受け取る。

 

「んぅ・・・・・?」

「あ・・・・」

 

 俺達がバカをやってる最中にフェイトが目を覚ました。

俺の家のリビングを見渡したあと、各々で自由にしているアニマルズを見る。

最後にオカマ座りで床にヘタりこんでいる俺と目が合った。

 

「・・・・・・・・・・・ども?」

「こ、こんにちは・・・・」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・なんか変な空気になってる。

 

「ぴゅい」(とりあえずお茶を御馳走しようぜ) 

 

 武が取手がある軽いコップを俺に渡してくる。

なるほど。とりあえずお茶を御馳走してやれってことだな。

 

「まだ横になっててくれ。お茶を出すから」

「あ、すいません!」

「気にしなくていいって! その・・・・・俺が君を気絶させたんだし・・・・」

 

 そう言うと、フェイトが自分の額に右手を添えた。

なんで自分がソファーの上で寝ているのかを思い出し、顔を俯かせている。

やっぱ、俺のことを軽蔑とかしてんのかな・・・・・?

 

「た・・・・・」

「た?」

「・・・・・助けてくれてありがとうございました!」

「えっ!?」

 

 お、怒ってないの? 俺が親切に雲雀を届けようとした君にトドメを刺したんだぞ?

 

「私、本当に困ってたんです! あの子と二人の変な子に追いかけ回されてたから・・・」

「えっと・・・・あの剣とか槍とか俺に向けて撃ってきた子のこと?」

 

 そう確認すると、フェイトが無言で首を縦に振る。

何をしたの? あの3バカトリオは? 大人だったら刑務所確定だな。

 

「あのさ?」

「はい・・・」

「まずは互いに自己紹介しない? 俺は寺嶋 冬馬。冬馬でいいよ」

「トーマ?」

 

 なんかイントネーションが変な気がするけど、まぁいいか。

 

「気になってると思うけど、コイツらは俺の家族同然の仲間だ。

猫が隼人で、燕が武、牛がランボ、カンガルーが了平、ハリネズミが雲雀。

ただの動物じゃないから君が言ってた"使い魔"っていう認識でいいと思う」

「・・・・・見たことない。地球独特の魔法技術なの?」

「ま、まぁそんな感じ。一握りのヤツしか使えない特別・・・みたいな?」

 

 うわぁ・・・・、我ながら苦しい言い訳だ。相撲大会だって誤魔化す気持ちが分かったかも。

 

「きゅ?」(誰が使い魔だって?)

「に、睨むのやめてくれませんか?」

 

 なんで噛み殺す準備をしようとしてるの? 使い魔ってのが気にくわなかった?

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうしたの?」

 

 なんかフェイトが黙ったまま俯いている。時折俺の顔をチラ見してるけど・・・

 

「一つだけ確認させて。トーマは私のことをどこまで知ってるの?」

「・・・・・はい?」

「大事なことなの!! トーマは私のことをどこまで知ってるの!?」

 

 な、なんか恐いんだけど、こんな必死な感じの女の子は前世でも見たことないぞ。

どこまで知ってるのか・・・・。水樹奈々さんが声優してて、今でも大人気な魔法少女だろ?

そして、二次小説ではオリ主のお嫁さんになってたり、なのはと百合関係、酷いときはヤンデレ化してオリ主のお腹を刺したり・・・・・・。とにかく皆に愛されてるのは確かだよ?

 

 こんな情報をフェイトに言えるワケないじゃん・・・・・・・・・。

 

「ねぇ、トーマは・・・・」

「知りません」

「え?」

「俺は君を知らない」

「本当に? 嘘じゃない?」

「俺は君のことを何も知らないし、話してくれないと分かるワケない」

「じゃあ、なんで私の名前を呼んだの?」

「呼んだ? いつ?」

「変な子が攻撃しようとしてきたとき、フェイトってハッキリ・・・」

「それはアイツが何度も君の名前を呼んでたからだよ。本当に知らなかったんだ」

「信じていいの? トーマも私のことを言い当ててくる人じゃないよね?」

 

 これで察してしまった。

おそらくあの3バカトリオが初めて接触したときにフェイトのプロフィールを全て言い当てたな? しかも、その3バカトリオが自分のことを追いかけ回してくるから、俺も自分のことを何か知ってるんじゃないかと警戒したのか・・・・・。あれ? 目から汗が・・・・・。

 

「な、なんで泣いてるの!?」

「君が・・・フェイトがすげぇ苦労してると思ったら・・・ぐす・・・」

 

 同情するよ・・・。あの3バカトリオにプライベートを無茶苦茶にされたんだな・・・・。

 

「と、とにかく俺は何も知らないし、フェイトの名字すら知らないから」

 

 嘘をつくことを赦してほしい。俺は・・・・あんな奴等と同類と思われたくないんだ!!!

 

「はじめてだよ。マトモな男の子に会えたのは・・・・・」

「マトモじゃないだろ? 俺の力のこととか気になってるはずだ」

「うん・・・・・。だから、私のお願いを聞いてほしいの」

「お願い?」

 

 俺がそう聞き返すと、フェイトは真剣な顔で俺の顔を見つめている。

 

「私はフェイト。フェイト・テスタロッサ。この地球の外の世界から来たの」

 

 フェイトは話してくれた。

自分が魔導師という存在であること。ジュエルシードを集めなきゃいけないこと。

フェイトの母親であるプレシアのことは話してくれなかったけど、寂しい眼をしてた。

 

「トーマにジュエルシードの回収を手伝ってほしいの。

あの変t・・・・ううん、あの変な子達が邪魔しないようにしてくれれば・・・」

 

 フェイトさん・・・もう変態って素直に言っていいんだよ?

あの変態達は君の予想を遥かに越えた伝説の超変態人なんだから・・・・。

 

 それにしても、やっぱりこういう流れになってしまったか。

フェイトがオレん家に訪ねてきた時点でうっすら覚悟してたけど、俺も原作介入しないといけない流れになってる。そもそも原作なんてもう崩壊しているだろうな。あの変態達が介入したことによって、物語に変化が生じているはずだ。最悪、変態達が予想もしてなかった結末が待ってることだってありえる。例えば、ジュエルシードが大暴走して地球が終わるとか・・・・・な?

 

「無理にとは言わない! でも、私にはやらなきゃいけないことが・・・・・」

 

 俺は周りにいるアイツらに視線で尋ねてみる。

すると、助けてやろうぜ?っていう視線で俺のことを全員が見てた。

恨むぞ。この野郎共・・・・・・・・。

 

「・・・・・・・分かった。協力する」

「え!?」

「だけど、俺の出来る範囲でだ。俺の力がどこまで通用するか分からないからな」

 

 あのギルガメッシュの力を退けられたのは運が味方してくれたに過ぎない。

もし、アイツが冷静で傲ることなく、俺と戦っていたら・・・・多分、俺は負ける。

そもそも、天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)は防げる代物じゃない。

あの戦いは・・・・・・・・運がよかっただけだ・・・・・・・。

 

「トーマ?」

「・・・・なんでもない」 

 

 くそ・・・。他の二人はどんな能力を使うんだ? 俺に勝ち目があるn・・・・・・・・。

 

「にょおん」(よっと)

「うぉ!? こら! 人が真剣に悩んでるときに頭に乗るなよ!!」

 

 隼人が人が真剣に頭を悩ませている最中にイタズラしてきた。

お前はそんなことをやるヤツじゃないのに・・・・。

 

「にょん」(俺達を頼れよ)

「・・・・・隼人?」

「にょおん」(冬馬を一人で戦わせたりなんてしない。俺達が背中を護ってやる)

 

 は、隼人・・・俺が一人じゃないって言いたいのか?

俺が悩んでるのを見抜いて励ましてくれてるのか?

 

「にょん♪」(冬馬、生身じゃ弱いもん♪)

「何その見下した顔? バカにしてる? バカにしてないって言って!!」

 

 隼人、いつから人を見下す子になっちゃったの・・・? パパは悲しいよ・・・・。

 

「ハハハ・・・・」

 

 ほらぁ、フェイトもどう対応していいか困ってるだろうが・・・・。

あ! そういえば、アルフっていうフェイトの使い魔は今何をしてるんだ?

それとなく聞いてみるか・・・・・。

 

「えっと、フェイトの使い魔ってヤツは何を?」

「実は、変t・・・んん! 二人の変な子に追われてたから二手に・・・・・」

で、でも、さっき上手く撒いたって念話が!!」

 

 変なことを聞いてごめんなさい・・・・いやマジで・・・・。

アルフさん、俺の知らないところで戦っていたんだね?

ゴメンね? アイツらが手遅れな変態で・・・。

 

「アルフさん・・・だったかな? その人に挨拶したいんだけど・・・」

 

 せめて、日本人のおもてなしの心でアルフさんに休んでもらおう。

あの変態達の尻拭いをするのは癪だけど、申し訳ない気分だからな。

 

「実は、もうアルフはここに向かってるの。もうすぐ・・・・」

『ピンポーン♪』

 

 噂をすればなんとやら・・・、今こそ日本人のおもてなしの心を披露せねば!!

 

「どうも! おまちしてm・・・・・・・・」

「男がフェイトに触るなァアアアアアアアア!!」

 

 ゾーンって知ってる?

黒子のバスケを読んだとき、ゾーンを説明する描写があった。

なんでもスポーツ選手が視る世界がゆっくりに視えるとか視えないとかのアレ。

アルフをもてなしてあげようと思い、玄関を開けたんだけど、阿修羅がいたんだ。

それで阿修羅が拳を振り上げて俺の顔面目掛けて殴りかかってきてるワケよ。

もう世界がスローモーションだから、余計に恐いんだ。

 

 こんな未来が待っていたなら・・・・・最期にプリンを食べておけばよかったなぁ・・・ 

 

「ぐほッ!?」

 

 顔の骨の芯に伝わる衝撃。顔が歪んでいく感覚。要約すると滅茶苦茶痛い!!?

 

「ア、アルh・・・・」

「まだまだァ!!」

 

 フェイトが止めようとして差し向けた右手をパン!と弾き、アルフが俺に馬乗りになる。

綺麗なお姉さんに馬乗りにされるのは嬉しいはずなんだけど、阿修羅に取り憑かれてるから恐怖しか湧いてこない。だ、誰か・・・・俺を助けt・・・・・・・・・・。

 

「変態は絶滅しろォ!!!」

 

 な、なるほど・・・・アイツらの撒いた種を俺が回収しているのか・・・・。

今、アルフという阿修羅にマウントポジションを取られ、マウントパンチを浴びている。

俺の顔は左右に動いて忙しい。右頬にパンチがくれば左に、左頬にパンチがくれば右へ。

・・・・・・・視界がブレブレだから、もうマトモに思考がまとまらなk・・・・。

 

「アルフ! トーマは変な子だけど、変態じゃないから!!?」

「変態男は滅殺じゃァアアアアアアアア!!」

 

 ど、どうしよう・・・・。トーマが白目を剥いて動かなくなっちゃったよ・・・。

 

「ガァ!!」(極限にやめんか!!)

「離せぇええええ!! フェイトに手を出す変態はァアアアアアアアア!!」

「にょん!」(ランボ!)

「モォ!」(もう運んでるもんね!)

 

 トーマの使い魔達がトーマを救出してる。

カンガルーの了平がアルフを後ろから羽交い締めにし、猫の隼人が威嚇している。

その隙に牛のランボがトーマのジャージの襟をくわえて運んでくる。

そして、トーマをうつ伏せの状態で私のところに置いた。

 

「ぴゅーい!!」(雨の鎮静で大人しくしてもらうぜ!!)

 

 燕の武から出された水の飛沫がアルフにかかると、興奮していたアルフが大人しくなる。

でも、眠ってしまう最後のときまでトーマを殴ろうとしていた・・・。

 

「トーマ!? しっかりして!!」

 

 私は気絶したトーマに呼びかける。でも、起きてくれない。

 

「きゅ・・・」(世話のかかる・・・)

 

 必死にトーマの意識を取り戻そうと頑張っていたけど、ハリネズミの雲雀が気絶しているトーマのお尻に自分の背中の針を刺した。・・・・・・けっこうな数の鋭い針を・・・・

 

「ギャァアアアアアアアア!!!?」

「トーマ!!」

 

 what's happen !? ここはオレの家でオレの名前は寺嶋 冬馬!!

 

「お、俺はいったい・・・・」

 

 慌てて辺りを確認してみると、アルフが玄関で倒れていた。

状況から察するに、武が雨の炎の鎮静で大人しくしてくれたんだろう。

 

「ごめんなさい。私の使い魔が・・・」

「いや、アルフさんは被害者だよ」

 

 あんの3バカ変態トリオめ・・・。この報いは受けさせてやる・・・。

アルフがバーサーカーになってしまう程にストレスを抱えていたなんて・・・。

 

「・・・・・うへへへへへ♪ もう食べられないよ・・・・」

「・・・・・・・えい!」

「痛い!?」

 

 なんか幸せそうな夢を見ていたからデコピンしちゃった♪

さて、原作介入することになったけど、どうしたもんかね?

学校で変態二人の弁当に下剤でも仕込むか?

 

「・・・・・・・お・と・こ・・・・・・・・?」

 

 身の危険を感じた俺は、家から外へダッシュで逃げていた。

でも、追いかけてきた阿修羅に捕まり、拷問されて気を失った・・・・・・・。

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