-7月31日-
~AC輸送機パイロット side~
「ミラージュ1よりタワー、08Rにて離陸準備よし。」
『タワーよりミラージュ1、了解。滑走路に異常なし、離陸を許可する。』
「ミラージュ1よりタワー。離陸許可を了解。」
上空では護衛の戦闘機が待機し、今か今かと待ちわびている。
エンジンの回転数を上げ、轟音が航空基地に轟く。
その巨体が前進を始め、直に離陸速度へ達した。
内部に100トンクラスの重ACを4機搭載しているにも関わらず、凄まじい加速性能である
大柄な機体のテイルロンと主翼端のエレボンが稼動し、機体を浮かせる。主翼の剛健さも伺い知れる。
一昔前の航空機であれば、数十トンも積めば離陸できないモノであったが。この大型AC輸送航空機は、洗練された航空力学や設計理論とAC開発までに蓄積された素材技術、ノウハウを余す事無く投入している。
そのため、搭載されているターボファンエンジンはコンプレッサー内温度が数万度にまで達し、比推力、推力重量比を大幅に引き上げている。
主翼に関しても異常なまでの剛健性を見せ、最大積載600トンという莫大な積載能力を実現している。
『タワーよりミラージュ1、京都へ急行。ミラージュ2以下は順次急行する。』
「ミラージュ1了解。」
異世界での初以来は陥落目前の都市防衛。もしくは撤退の殿。
どう考えても捨て駒だ。時間稼ぎ程度とでも思っているのだろうか。
先行してミラージュ1とミラージュ2、つまり俺の運んでいる部隊が後続のミラージュ2,3,4の部隊と共に前線を構築する。
ミラージュ1~4にはタンク型ACが1中隊づつ、計16機が投入される。
さらに後続のミラージュ5,6に四脚型ACが4機と2機、ミラージュ6には補給物資も積まれている。
これらは後衛部隊で、四脚2機づつが中隊2つとセットになることで1大隊となる。
つまり先述のタンク型16機と4機で2大隊になる。
残りの2機の四脚はさらに後続の混成二脚大隊(主に中量二脚と重量二脚で構成される)の後衛を務める。
この混成二脚大隊は前線で生き延びている味方の撤退援護だ。ヘリによってミラージュと同時進行で輸送されるが、速度が航空機と比べて遅いので後続となる。
各ACの装備はさまざまだが、総じて言えることは総弾数の多い武器だということだ。追加弾倉を装備しているものも居る。
「ミラージュ1、京都上空へ到達。ACを投下する。各ACは衝撃に備えよ。」
機体後部のハッチが開いて、ACが順次投下される。それなりの高度から投下されるため、機体にはパラシュートユニットが装備されている。
光学装置による被ロックを知らせるアラートが鳴る。例の光線級とやらか。
直後、コンソールに攻撃を受けている表示がされるが、損害は軽微だった。
この機体にはそれを予期して対TE装甲モジュールを取り付けていた。よって影響はごく軽微に収まったのだ。
尚、ACもそれらを予期して低高度でのパラシュート開傘がプログラミングされている。
さすがにパラシュートに装甲はなされていないのでレーザーなど受けようものなら大穴が開いてしまうからだ。
「AC投下完了。戦域を離脱する。」
~帝国陸軍 side~
「増援はまだか!このままじゃ押し切られるぞ!」
『残弾残り僅か!撤退を進言します!』
「このままどこへ退けというのだ!」
耐える事無く湧き出るBETA共を相手に、突撃砲のトリガーを引き続ける。
しかし不意に、その砲身が火を噴かなくなる。
「弾切れか!補給は!?」
『補給基地からの通信は途絶えています!・・・っ弾が切れました!』
長刀は長引く戦闘ですでに折ってしまっているため、戦闘を続行する術はない。とは言っても、この物量で長刀など自殺願望のようなものだが。
「っ・・・このまま帝都を落とされるなら・・・いっそ死んだほうがマシだ・・・」
『そんなことを言わないでください!私は、私達は生きるんです!』
絶望に打ちひしがれて、目の前に迫る突撃級を虚ろに睨み付ける。その時だった。
『あれ!増援ですか!?』
「・・・?」
声に導かれて、遥か上空を見据えた。望遠してそれをよく見てみると、大きな航空機のようだった。
「オイオイ・・・正気かよ。」
BETAには光線級と呼ばれる正確無比、防御不能なレーザーを撃つモノがいる。その射程は衛星軌道を遥かに越え、大気圏内であれば地平線を除いて狙撃不能なモノはない。
その航空機は、瞬く間にレーザーを真に受けてしまった。頼みの綱も途切れたかに思えた・・・が。
「ウソだろ!?なんだあれは!」
そこにはほぼ無傷で悠々と空を飛ぶ航空機が健在だった。それから投下された物体も、レーザー照射を受けているが大したダメージにはなっていなかった。
程なくして、その物体は低高度でパラシュートを開いて減速、地表近くでパラシュートを外して派手な音と共に立ちふさがった。いや、立ちふさがったのか?
その形状は上半身こそ人型だが、下半身はキャタピラを持った車両だった。そしてなによりも、戦術機の1/3ほどしか大きさがなかった。
『待たせたな。これより、殲滅する。』
~ACパイロット side~
『ミラージュ1、京都上空へ到達。ACを投下する。各ACは衝撃に備えよ。』
その声と共にヘルメットのバイザーを下げる。バイザーには格納庫の映像が映っている。ACの光学センサーによる映像だろう。
ヘルメットにはHMD装置が付けられており、表示ラグの少ないアナログ端子が接続されている。そこに各パーツの光学センサーから得られた情報を表示しているのだ。これによって上下左右360度の視界を確保している。
投下台のロックが外れ、レールを伝って後ろ向きに進んでいく。宙に浮く感覚と共に、機体が戦場の空へ投げ出された。
目の前では輸送機がレーザーを受けていた。光線の先を視線で伝っていくと、目を向けた方向から自分目掛けてレーザーが飛来する。
光速など認識不可能なため、当然真に受けてしまうがこれと言った支障はなく、APがごくごく僅かに減った程度だった。
眼下には化け物の大群が押し寄せ、今にも轢き殺されそうな人型が必死に砲撃を加えていた。
不意に重力を受け、パラシュートが開傘される。地表までもうすぐだ。
パラシュートユニットがパージされて、重力の赴くままにその大重量をちょうど足元にいた化け物に叩きつける。肉が爆ぜ、赤い血が撒き散らされた。
『待たせたな。これより、殲滅する。』
隊長の渋い声が無線から聞こえた。見渡せば近くには戦術機、その向かい側には大量の化け物がいる。
「・・・悪趣味・・・」
操縦桿のトリガーを引き、オートキャノンが豪快に火を噴く。
それは一撃で化け物の甲殻を貫き。膜と鳴った砲弾が押し寄せる大群を根こそぎ蹴散らしていく。
着弾するごとに血が撒き散らされ、地面は爆ぜて化け物をひっくり返す。
それでもトリガーは引き続ける。凶悪無比な砲撃を絶え間なく叩き込む。
「・・・これでだいたい終わった?」
トリガーを離してスキャンモードで周りを見渡す、リコンを射出して入念に索敵する。
周りは突撃級や要撃級と呼ばれたモノの残骸と赤く塗られた地面、そして大量のクレーターだけが残っていた。
遠くでは大型輸送機が同じようにタンク型を投下していた。
『遅れて申し訳ない。これより光線級を撃滅する。』
味方からの通信、それと共に轟音が後ろから聴こえた。
一筋の線を描くように砲弾が飛んでいく。放物線を描いて飛んでいくそれはやがて地面に着弾し、巨大な砂柱をあげた。
さらに大型ヘリが上空を通過し、ロケットをばら撒きながら係留していた二脚のACを投下した。
他にも、高速で飛行する攻撃機が自由落下爆弾を投下したり、機銃で
「壮観・・・」
そう呟いた。あまりにも過剰ではなかろうか。油断は禁物だけれど、オーバーキルが過ぎた気がする。
『光線級ならびに要塞級の全滅を確認。第一、第二大隊は前線を押し上げてください。』
オートキャノンの残弾はいまだ有り余っている。衰えることの無い大群を前に見据えてその体躯を前進させた。
~帝国斯衛軍 side~
これは夢ではなかろうか。
あの傭兵どもなど、烏合の衆に過ぎんと思っていたのだが・・・
レーザーを受けても意に介さず、瞬く間に突撃級を真正面から粉砕し、挙句光線級や要塞級までをも吹き飛ばしてしまった。
「何者だ・・・貴様ら・・・」
大型AC輸送機は創作です。通常出撃ではRIJINらしきモノから投下されたりしますがそれとは別にC-130みたいな感じのから投下されるのっていいよなーと。
このチームはかなりの規模を持っています。そのため軍のような小隊から全軍(旅団クラス)まであります。↓詳細
小隊:AC1機~2機、歩兵4人小隊3つ、大型ヘリが1~2機
中隊:小隊二つ分、大型輸送機1機と護衛、駆逐艦以下艦船、MT10機
大隊:中隊二つと後方支援型AC2機、中規模の航空戦力、巡洋艦以下艦船、MT30機
連隊:大隊二つ、大規模航空戦力、大規模海上戦力、MT60機
全軍(旅団):連隊二つ、航空・海上戦力全軍
支援型、防衛型は使い勝手が悪いためなかなか出さない。足も遅いので主戦場では的になる。そのため、基本は野営陣地などの防衛に使われる。
また、AC単独での行動もよくある。
ちなみに支援型とか防衛型はMTじゃなくてACらしいですね。しかし私は区別するためにMTとします。