灰燼の禿鷲   作:SUNRISE

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スーパー手抜きターイム

更新が遅れに遅れて申し訳ございません!
此度専門学校へ進学いたしましてそのゴタゴタでネット環境構築が遅れ、結果として3ヶ月以上開いてしまいました。

そのため更新を急がせようと碌に構成を練っていないので生暖かい目で見守ってください・・・(アレ?いつもこんなじゃね?)


大深度戦争

side:香月 夕呼

 

 帝都より南下して約百km、紀伊半島の山中から入り組んだ海岸まで長く伸びる形で彼らの基地はあった。噂どおり、自己完結可能な充実した設備を保有しているのは見て取れた。

 異世界もしくは平行世界から来た傭兵たちが、僅かな数でBETAの大群数十万をことごとく一掃しているとの噂は予てから耳にしていた。

 平行世界云々に関しては私の専門分野であり(とは言っても眉唾として吐き捨てられるのが関の山だが)、そのような存在が実際に現れたともなれば尋ねない手はなかった。

 しかしながら、BETAの帝都来襲と彼らの出現による猛烈な反抗によって、国連の現地調査員だった私は各国からの追求を受け多忙を極めていたために直接出向く機会がなく、故に半月もの間を空けてようやく彼らの下へ出向くことができた。

 

「なるほど。純粋に科学者として、イレギュラーたる我々に興味があると。」

 

 傭兵とは思えないほど身形を整えた男がそう嘯く。リーダーとの面会を所望したところ生憎今は依頼で出向いており、代わりに出てきたのが彼だった。

 交渉や取引、情報の処理と管理を一括に行う内務長だそうで、荒くれと巨大組織相手に交渉を取り持ってきただけあって雰囲気だけでも此方が気圧されてしまうほどだった。

 

「構いませんよ。ただし、報酬は指定させていただきますが。」

「幾らでも構いません。背に腹は代えられませんから。」

「それほど大層なものではありませんがね。」

 

 彼が提示してきたのは国連とのパイプだった。おそらく暫定世界一であろう技術力とそれに裏付けられた武力であれば誰もが欲しがるのは当然だろう。それを商品としている彼らにとって確実な利益になることは明らかだ。

 この場合帝国の人間であれば自国の優位性を得る為に却下、もしくは制限付きの下許可という判断が下るだろうが、私は純粋な学者としてここに来ているのでそのようなことは加味しないでおく。そもそも前々から私の学問を誰も理解してはくれなかったし、魔女と言われ遠ざけられているのだから今更知ったことではない。それ以前に私の所属は国連だ。世界のために使えるものは使う。

 

「その程度でよろしいのでしたらこちらとしても助かります。それで、リーダーとも一度会ってみたいのですが。」

「今は福岡にいます。時間が宜しければ物資輸送の折に同伴させましょう。」

 

 

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side:篁 唯依

 

 耳を砕くかのような爆裂音と共に、ハイヴの地表構造物が吹き飛ぶ。発射から着弾までのラグタイムはほぼないに等しかった。

 この砲撃を行った四足のACには、先ほどまで重光線級のレーザーが雨あられと降り注いでいたにもかかわらず大きな損傷は見受けられなかった。また、左の背に取り付けられたタービンエンジンが生み出す超絶的な回転数によって超高周波が発生し、漏れ出たスパークが一部の設備を作動不良にさせていた。

 

『進軍開始!』

 

 傭兵部隊から声が上がり、その声と合わせて下半身が戦車になったAC(以降タンク型)がその両手に持つ巨大な榴弾砲を放つ。その砲撃を皮切りに二脚のAC(二脚型)が図体に似合わない速度で山を回りこんでいく。

 

「ホワイトファング隊!出るぞ!」

『『『応!』』』

 

 私達も部隊に声を上げ戦術機を立ち上げて飛翔する。山を回りこんでみれば、すでにACは遥かに先を進んでいた。

 

「速い・・・500km/hを雄に超えてる・・・」

 

 彼らが言うには軽量機でも50トンほどとMBT(主力戦車)並みに重いにもかかわらず、遥かに軽い戦術機を置いてけぼりにするほど高速で飛翔していた。最も重い機体でも戦術機とほぼ同じ速度で飛翔できるそうで、いったいどれほどのブースター出力を持つのか甚だ疑問である。

 

 光線級が降り注ぐ砲弾を迎撃するために光条を放つが、最初の核砲撃によって光線級は大幅に消滅しているため迎撃しきれず(或いはタンク型の放った砲弾そのものが強固すぎて効果が無く)榴弾が着弾する。その瞬間にありえないほどの爆圧から突撃級や要撃級、戦車級が粉みじんに砕け、肉塊が空高くまで飛び上がっている様子が網膜に投影された。散布界は前線から光線級のいるであろう地点まで続いているため、おそらく重光線級は跡形もなくなっているだろう。

 

 生き残った突撃級が猛進しているが、彼らはその両手に持ったブレードや砲で避けるまでも無いと言わんばかりに真正面から撃滅していく。

 彼らが切り開いた穴に機体を滑り込ませて、要撃級以下のソフトスキンを殲滅していく。

 途中で関節が逆になった機体が離脱、急上昇する。あれほどの砲撃であるため脅威はごく僅かだが、それでも光線級の殲滅は確実とは言い難い。

 当然、その機体に光条が突き刺さった。

 

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side:グレイ・ジョン

 

 独特の作動音とともに刃が展開され、対象を斬り裂く。三大勢力や財団の技術を以ってしても解析できない金属によってできたその刃は、折れることすら論外として欠けることすらないという訳の分からない強度を誇っていた。

 

 無論その刃にとって突撃級の外殻などバター同然のようで、斬った感覚すらないままに正面から斬り伏せていく。展開した後に一度刃を格納する必要があり、再展開まで時間がかかるのが欠点ではあるがその間はブーストチャージで埋めるようにした。

 

 自分は物理ブレードMURAKUMO mdl.1を両手に、肩にはVTF(近接信管ミサイル)を、両ハンガーに軽量プラズマガンFUJINAMI mdl.2を担いでいる。

 マギーは高レートガトリングAM/GGA-107と長射程パルスマシンガンAU16 Kitty、肩部にHV(高速)KEミサイルSL/KMB-118H、そしてハンガーにMOONLIGHTを引っさげている。

 他は両手にMURAKUMOのみを携えた軽量二脚を駆る砕雲、最大容量を誇る重ガトリングAM/GGA-206と対TEシールドAMAGOROMO mdl.2を両手両ハンガーに装備し、KEロケットを肩に収めた重量逆関節を駆るリュドミラだ。

 

 砕雲は生粋のブレード使いとして有名で、その技量とストイックかつ誠実な人柄から彼を崇拝する人間もいるとかいないとか。密集した状態で近接戦闘が主となりそうだったために白羽の矢が立ったわけだ。

 リュドミラは言動からは想像ができない堅実な思考の持ち主で、作戦内容や戦況によって武装やフレームアセンを変えることがよくある。飛び抜けた戦闘能力こそ保持し得ないが常に最適解を携えるために依頼成功率が高い。今回は高所から制圧火力をばら撒き大まかな進路を確保する役目だ。重量逆関節は対TE特性において全脚部中最低ではあるが、そのためにTEシールドを装備している。

 

『砲撃の効果確認。重光線級の排除を確認した。押し込め。』

「1-4は行動開始。1-3は一度引け。支援大隊は帝国の連中を支援してやれ。こっちは対応できる。」

 

 リュドミラが侵攻部隊より離脱し、逆関節の特徴である跳躍ブースターと強靭なアクチュエーターを同時に作動させる。比較的高高度に到達したところで高度を維持しつつガトリングをばら撒く。時折生き残った光線級がレーザーを放っているが、我々からしてみれば蚊ほどの威力しかなかった上、対TEシールドによって阻まれているため無傷だ。

 

『道は開けたよー。けど光線級がまだ邪魔かもねー。』

『先鋒は任せろ。』

『1-2、1-3を援護する。』

『S2、指定地点に砲撃お願いー。』

『S1了解した。』

「俺はほったらかしか?」

『貴方なら一人でどうとでもなるでしょう。』

 

 

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side:香月 夕子

 

「・・・すごい」

 

 あの会談から1週間、今眼前には有り得ない光景が広がっている。

 戦術機の膝ほどしかない小さな戦術機が、真正面から突撃級を弾き、切り伏せ、吹き飛ばしている。

 艦隊支援砲撃を鼻で笑うような砲撃の嵐を4機で実現し、四足の狙撃砲は一撃で要塞級を撃ち抜いた。

 

「・・・どうやらリーダーは作戦に参加しているようです。内部の詳細な探索殲滅を含めてあと3、4時間程度でしょうか。」

 

 そう語りかけてくる参報の声は私の耳には入ってこない。

 

 これなら・・・この力があるならば人類は勝てる!

 

 そう確信した・・・いや、確信せざるを得なかった私は、彼らのすべてを余すことなく知るために目を見開いて、五感のすべてをその対象に注ぎ込んだ。

 

 何なら今までのすべてを捨てても良い。もとより下らぬ愛国心擬きと勢力争いなど関わること御免被りたかったくらいだ。

 

「貴方方は・・・いったい何者です・・・」

「故も知れぬ傭兵、とでも言っておきましょう。おや、どうやら作戦も佳境に入ったようです。」

 

 

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side:グレイ・ジョン

 

『大きな熱源反応だ。ハイヴを突き破ってきてるのか?』

『予測進路を送ります。』

「後退して少し様子を見よう。Saは後退の支援と予測地点の警戒を。」

『Sa了解。』

 

 ハイヴ突入直前になってオペレーターから通達される。

 戦略的には、イレギュラー要素というものは何が起こるのか分からないために基本的には戦況がどうであれ撤退するのが吉とされる。

 だが、今の状況は少し妙だ。想定していたよりも数が少ない。

 

『かなり大きいぞ!注意しろ!』

 

 そう通信が流れるや否やその巨体の一角が構造物の瓦礫ごと地表を突き破ってくる。その体表は生まれたばかりとも形容できるようなものだったが、要塞級よりも頭一つほど大きい。

 そして、光線級のそれをそのまま大きくしたような巨大な瞳が特徴的だった。

 

「レーザーに注意しろ、帝国軍、米軍は周囲の相当を願う。アイツの相手は俺達でやる。」

『正気か!?あんなものどうやって相手するつもりだ!』

「デカブツ相手は慣れてる。Saは身を隠せ、四脚では狙われると堪える。Sbは奴を中心として砲弾を叩き込め。でかい分よく当たるだろう。」

『リュドミラは軍の支援を。守り切れなくてもいいから貴女は下がって。盾持ちでもきつそうよ。砕雲は私が援護するから吶喊して。』

 

 そう判断するのに時間はかからなかった。特徴的な瞳は紛うことなく光線級のそれを大きくしたものだろう。大きい分出力も上がっているはずだ。

 対TE性能の低い4脚とリュドミラは後退させ、代わりにハウザーで奴を重点的に狙うことにした。

 

『散布界調整完了、砲撃開始します!』

 

 その声の後に爆轟が遠くから響く、その瞬間に24発の超大型砲弾と大量のロケットが飛来するのが僅かに見える。

 そのうち数発の砲弾が空中で四散した。どうやら目の前のデカブツが迎撃しているらしい。かなり必死なようで俺たちには注意が行っていないようだ。

 その隙にマギーがガトリングとパルスマシンガンを放ち、砕雲が両手のMURAKUMOを展開させて要塞級のような細い脚を一刀の下に切断していった。

 マギーの機体を足場に跳躍し、倒れ掛かったデカブツの瞳にMURAKUMOを突き刺す。奴は咄嗟に隔膜を閉じるが、もともと不完全だったのもあって容易に貫き、粘膜を破壊した。

 引き抜くと同時に跳躍、散布界から離れる。しかし、生き残っていたもうひとつの瞳がこちらに向けられていた。

 回避は不可能と悟り、咄嗟に腕を構え防御態勢を取った。

 

 

 

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side:篁 唯衣

 

 巨大な光線級の太い光条が彼の機体を飲み込んだ。さすがにあの規模では到底生き残ってはいないだろうと誰もが思ったであろう。

 その直後に降り注ぐ巨大な砲弾とロケット群により、巨大な光線級は火の玉に飲み込まれ、弾け飛び、赤い霧を生み出した。

 

 「・・・っ!」

 

 注意が削がれたことにより目の前で弱弱しく蠢く要撃級に対して無防備な姿を晒してしまった。彼ら傭兵達によって数が大幅に減っているとは言え、油断は死に繋がる。

 

『帝国各機!油断するな!まだハイヴ内部は攻略できていない!』

「敵は少ないぞ!押し込め!」

『嘘だろう・・・あいつ生きてるぞ!』

 

 一人の衛士がそう声を上げ、ざわざわと伝播していく。

 巨大な敵がいた場所では彼の機体が多少の外傷こそあれど当たり前のようにBETAを屠っていた。

 

『へ、これよりハイヴ内へ吶喊する。周囲警戒を怠るなよ。』

『あ、あぁ。そっちこそ。』

 

 あまりに異常な光景に、オペレーターは狼狽する。

 私も開いた口が閉まらなかった。

 

『呆けている暇があるなら戦え。我らは雇われにすぎんのだぞ。』

「・・・っ彼奴等の息ももう続かん!気概のあるものは我に続けぇ!」

『おぉぉぉぉぉおおおおおお!』

 

剣士を思わせる老練の声に気を取り直し、声を張り上げた。

もはや見渡す限りには飛び散った肉片と血に染められ、閑散とした平原のみ。そこに佇む瓦礫の山めがけ、全速で吶喊した。




艦これイベントで忙しい(小声)
はっ俺は何を・・
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