転生したけど後悔はしていない   作:HA.KO3

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第17話 転生したけど後悔はしていない

 

 

 

 

 

11年前

 

 

 

 

 

 

「父さん早く早く!」

 

無邪気に笑う幼い少年。

 

「こらこらあんまり走ると転ぶぞ?」

 

それを見て心配しながら近づく男性。

 

「うふふ…あなた、いいじゃありませんか。子供は元気なくらいがちょうど良いんですよ?」

 

その二人の後ろで優しげに微笑む美しい女性。

恐らくはこの二人が夫婦ではしゃいでいる少年がその子供であろう事は想像に難くない。

 

「それもそうだが…」

 

「ふふ…()〜?そろそろお弁当を食べましょう?」

 

「は〜い!!」

 

 

コスモスの花畑でその家族は楽しげに笑う。

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

「帝?今日は楽しかったか?」

 

 

車の中で少年…三葉 帝の父が運転をしながら後部座席の帝に問い掛ける。

 

 

「うん!!」

 

 

まるでひまわりの様な元気な笑顔に二人はこの休日を過ごせて良かった、そう思った。

 

 

 

 

この時だけは…

 

 

 

 

「あなた!!!!」

 

「なっ!?!!?」

 

 

 

 

ブォォォォォォ!!!!

 

 

ドンッ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

「これが父の最期でした…。トラックとの衝突事故…後部座席にいた僕と母は無事でしたが、父はトラックとぶつかった時に…。

母もその時の怪我が元で亡くなりました。だけど…僕は…僕だけは無傷だった。

 

軽傷どころか傷すら無かった」

 

「ああ…知ってるよ。

 

 

それが特典だからな…。

 

 

人類という概念を越えた存在になる。何もそれは肉体に限った話じゃあない。

 

ーーーー運ーーーー

 

それが【異才】だったんだ。

ま、才能で片付けられるもんじゃないんだけどよぉ?

なあ、前世の記臆は覚えてるか?」

 

 

 

前世の記臆…懐かしく、暖かい、優しい記臆、三葉は今なら思い出せる。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

『三葉また学年一位かよ!』

 

『ほんとスゲェよな』

 

周りが褒め称える中で、件の少年は頬を掻きながら照れ臭そうに笑う。

 

『たまたまだよ…今回はヤマが当たっただけで…』

 

『謙遜すんなよ!我らが委員長!!』

 

バン!と肩を叩かれ賞賛の声をかけられながら、少年は照れ隠しに少し俯向く。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

『優勝したのは、〇〇高校です』

 

ワーーー!!

 

歓声が鳴り響き、壇上に一人の少年が立ち、トロフィーをもらう。少年は満面の笑みを浮かべている。

 

『やったな!!さっすが帝だぜ!この調子で全国大会も勝ち抜こうぜ!!』

 

『うん!!』

 

 

ーーーーーーーー

 

 

『あの…三葉先輩!!私…先輩のことがずっと前から好きでした!

私と付き合って下さい!!』

 

制服を着た可愛らしい少女が手紙を渡しながら帝に告白をする。

 

『へ、返事は今度で良いので!!』

 

帝が手紙を受け取ると少女は走って何処かへ行ってしまった。

 

『ちくしょー!やっぱ帝かよ!!』

 

『まあ、あいつには何やっても勝てねぇしな…』

 

『あああ!!俺も彼女欲しい!』

 

 

ーーーーーーーー

 

 

『じゃーなー、帝!!』

 

『じゃーねー』

 

手を振りながら歩いていく帝。

 

『帝!!!!危ないっ!!!!』

 

『え?』

 

上を向くと、自分に鉄の雨が降って来た。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

目を閉じれば思い出す。今世の記臆と共に閉ざされていた平々凡々な楽しかった記臆が、沸々と蘇る。

 

「あの…」

 

「あ?なんだよ?」

 

「君は誰なんですか?」

 

「言ったろ?俺はお前…三葉 帝だよ…」

 

「…もしかして…特典で記憶を消す前の僕、ってことですか?」

 

「…ま、そんなとこだ」

 

「あの…どうして記憶を消したんですか?」

 

「知らねえ方が良いと思うがな…。まあ、話してやるよ、事の始まりからな…」

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

ある日、俺は死んだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

真っ暗な部屋

 

正面には白いドアが1つ

 

体は動かせるのにそこに体がないという不思議な感覚。なのに何故か違和感は感じられない。

 

(なんだ?ここ…ま、あのドアにでも入ってみるか…)

 

ガチャ ギイィ

 

ドアの向こうは真っ白な空間で、違うところといえば中心に気だるげな表情でボサボサの髪、どこにでありそうな机と、これまたどこにでもありそうな椅子に座り、何やら履歴書のような書類に目を通している中年の男がいた。

 

「あ、もう来たんだ。初めまして(・・・・・)

君は…三葉 帝君…で良いんだよね?」

 

(お前誰だ?つかここどこ?)

 

「ここは…まぁ正確には違うんだけど転生する部屋…とでも思ってくれていいよ。君は前世で条件をクリアしたからここを通って、記憶を洗浄せずに転生することになってるんだ…。というより君、死んだことは覚えてるかい?」

 

(ああ、覚えてるぜ?)

 

「そっか…。んじゃまあ、君は転生するにあたって、二つ特典を選んで貰うんだけど…」

 

(そんなん良いよ。あのドア通りゃ良いの?)

 

“彼”は青いドアを指差す。

 

「いや、先に特典を選んでもらわなきゃ…」

 

(じゃあ、適当に一つ選んどいてくんね?あと一つは空けといて)

 

「え?でも特典を選べるのはここでしか出来ないんだよ?」

 

(あー良いよ良いよ。んじゃ、

 

またな(・・・)

 

ガチャ ギィ

 

 

“彼”は知っていた。転生する条件を…そのために人生を費やしてきた“彼”だからこそ…その条件がなんなのかを理解していた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

ガチャ ギィ

 

(よお、また会ったな(・・・・・・)

 

「まさか本当に来るなんてね…条件が毎回違ったらどうするつもりだったんだい?」

 

(そん時ゃそん時だ…俺の人生そこまでってこったろ?)

 

「君…狂ってるね…」

 

(あんな条件クリアしてんだ…狂ってない方がおかしいだろ…)

 

不敵に…嘲笑う様に…“彼”は男を見る。

 

(じゃあな…)

 

“彼”は男の横を通り、また(・・)…特典を選ばずにドアを開く。

 

「君は本当に…狂ってるよ…」

 

バタンッ!

 

しかし、“彼”の横顔は冷たく、そして…切なかった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

ガチャ ギィ

 

「…やぁ…」

 

もう何度目かもわからない…この部屋を訪れる“彼”は…本当に狂っている…毎回条件をクリアしてここを訪れる彼に、男は一種の恐怖を抱いていた。

 

 

(…………)

 

「?どうしたんだい?」

 

(…………)

 

“彼”はなにも言わずにドアを通っていってしまった。

今思えばあの時からかもしれない“彼”が壊れたのは…それとも最初から壊れていたのかもしれない。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ガチャ ギィ

 

 

「また会ったね…まぁ、もう何度目か分からないけど?」

 

 

(……………あなたは…俺を……知っている(・・・・・)んですか?)

 

 

 

……………。

 

 

 

「……………………………君は死んだんだ…覚えてるかい?」

 

(………はい。覚えています…俺は…

 

 

 

 

 

 

自分を殺した…)

 

 

 

 

 

「……………君は特典を選んで次の人生を歩まなきゃならない」

 

(……特典?)

 

「君は今までの自分を忘れたいかい?」

 

その問いに“彼”は…

 

(できるんですか?!)

 

「……ああ、特典に…記憶の消去というものがある…」

 

(お願いします!

この記憶を消してください!!こんなのもう嫌だ!!)

 

「…………」

 

(もう…もう俺は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界を殺したくない(・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

「世界を殺すこと…それが転生の条件だ…」

 

「世界を…殺す…」

 

それは、余りに深い業…

 

「方法はなんでも良い。星を壊すでも、パンデミックでも、核戦争でも、環境汚染でも、なんでも良い。だから転生者は少ないんだ…」

 

それは、余りに悲惨…

 

「……」

 

「俺は何度も世界を壊した」

 

それは余りに残酷…

 

だが、それは人が背負うには深すぎた

 

「耐えられなくなった俺は記憶を抑え込んだ。でも、世界を殺したっていう記憶だけは…まるで刻まれたみたいに決して頭から離れることはなかった」

 

故に消した…。もう思い出さないために…。もう繰り返さないために…もう、殺さないために…。

 

「…世界を殺し続ける…それが俺の使命だった…」

 

「使命?」

 

「世界はバランスを保たなきゃならない…増えすぎた世界を救済して(殺して)…皿の上から世界がこぼれないように調整すんのが俺の使命だ…」

 

自分の掌を見てその手を強く握る“彼”。

 

「誰がそんなことを…」

 

決めたのか…。

 

「さぁな…子供の頃には俺は自分が何をすんのか気が付いてた…誰がそんな使命与えたなのかなんて知ったこっちゃねぇし、知りたくもねえ…」

 

もしそれが神という存在ならば、あまりに残酷であろう。あまりに非情であろう。世界を殺さなければならない“彼”に、

 

 

 

 

感情を与えるなど…。

 

 

 

 

「それが…僕の使命…」

 

「違ぇよ。それは俺の使命だ…お前の使命は他にあんだろ?」

 

「え?」

 

「世界を救え…それがお前の使命だ…」

 

「……」

 

 

“彼”が不意に目線を横に向ける…。そこには、

 

あの時と(・・・・)同じドアがあった。

 

「行け…待ってる奴らがいんだろ?お前にしか出来ねえ救済が…あそこにあんだろ?」

 

 

 

 

「……うん」

 

 

 

 

帝はゆっくりと白いドアを開ける。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

そこにはあの男が居た。

帝とは反対を向き、こちらを見ようとしない。

 

「どうして僕は転生したんですか?世界を殺していないのに…」

 

「…君は…いや“彼”は…世界を殺しすぎた…。その罪は…魂にまで染み付いてしまった…」

 

それは…決して消えることのない罪…

 

「君は…後悔しているかい?また転生したことを…悔やんでいるかい?転生させた僕を…恨んでいるかい?」

 

 

男はこちらを向かず、ただ、震えている。

 

 

「……恨んでいません。たくさん悲しいこともあったけど…悔しいこともあったけど…あなたのことを恨んだことなんて一度だってありません。今だってそうです…」

 

帝は上を向き…仲間のことを思いだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「転生したけど……後悔は…していません…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうか…」

 

 

男は泣いた…

 

声を殺して…

 

男は嘆いた…

 

あの日の己を…

 

何故なら男もまた、“彼”を止められなかった業を背負っていたから…

その業という重みが…今、降ろされたから…

 

帝の横に青いドアが現れる。

 

「これを…」

 

帝はそっと、男の横に花束を置く。

 

カサ…

 

 

「これは…彼岸花…」

 

「ええ、なぜかこの部屋に入る時に持ってました。

貴方はリコリスの花言葉を知っていますか?…」

 

「…確か、情熱、独立、再会、転生、あきらめ、悲しい思い出だったかな…?」

 

 

花束を見て少しだけ微笑んだ男に、三葉は、

 

「他に…

 

 

 

 

 

 

『また会う日を楽しみに』って言う花言葉があるんですよ?」

 

 

 

 

 

「………」

 

その言葉を聞いた男は、

 

 

「ふふ…ははは…そうだね…また…また会おう!……三葉 帝君…」

 

 

 

「ええ、また…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コイツ!! 本当に暴走してるの!? シャルロット!スイッチ!!」

 

「任せて」

 

専用機持ち達は銀の福音の光弾の雨を避けながら、徐々にエネルギーを削っていくが、決定打に欠け、戦闘開始から数時間が経過しても倒せずにいる。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

箒が福音に紅椿の両刀で斬りつけるが、

 

 

ガキンッ!!

 

 

その2本を同時に掴まれ、身動きができなくなってしまった。

 

「箒!」

 

「箒さん!!」

 

「箒!武器を捨てて離脱しろ!!」

 

だが福音はそれをさせない為に刀を寄せて羽根にエネルギーを溜める。

 

「くっ!はぁぁぁぁ!!」

 

刀を離し、離脱せずに脚部分の展開装甲をブレードとして展開して、福音の片翼を斬り落とす。

 

キンッ!

 

金属の切れる音が響き、福音は逆さまに海へと落下する。

 

 

ドボォォン!!

 

 

ラウラが箒に近寄り、

 

「箒、無事か?」

 

「私は…大丈夫だ」

 

 

 

 

ドオオオオオォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

海の水が山のように巻き上げられ、一部には旋風が水を巻き込みながら吹いている。そして水の山の中心には銀の福音の姿があった。だが、先程までとは明らかに違う。銀の翼はなく、代わりにあるのは機械的ではない白銀の翼であった。

 

 

「まずい!セカンド・シフトだ!」

 

全員が構え、更に強くなった銀の福音を警戒する。だが、既に全員のエネルギーは底をつき、弾薬も雀の涙程しかない。

 

 

ブオッ!

 

 

福音は先程までよりも断然速いスピードで箒達に近付き、羽を広げる。

 

 

キュウゥゥゥウ!!

 

 

翼と翼の間でエネルギーが収束し、一本の巨大なビームとなって放たれる。

 

ドオオオォォン!!!

 

「ぐぁっ!!」

 

箒は刀でガードするが圧倒的な質量に押され、小さな小島に落ちて行く。

 

「箒さん!!」

 

セシリアが叫びながら近寄ろうとするが、福音がそれを許すはずもなく、光の翼を広げ高速で近寄ってくる福音から、高速飛行しながら後退する。

 

カッ!!

 

だが、セシリアは福音に背後を取られ、光の翼によって包まれてしまった。

 

「くっ、あぁぁあ!」

 

「セシリア!!!」

 

シャルロットと簪がセシリアを救出しようとするが、それを福音は良しとせず、エネルギーの雨を降らせるべく飛翔する。

 

 

ドドドドドドドドド!!!!

 

 

光弾の流星雨が降り注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

会いたい

 

会いたい

 

一夏に…会いたい

 

 

 

 

 

 

「箒…」

 

 

箒が目を開けると、そこには一夏がいた。様変わりした白式を見に纏い、優しげに微笑む一夏の姿があった。

 

「……一夏……?…一夏!!!!」

 

「ああ、俺だ。随分と待たせちまったな」

 

「すまない…一夏…私では…お前を…皆んなを…守れなかった…すまない…」

 

 

最も愛しい人がそのそこに居た。

 

 

 

 

 

「そんなことないぜ、箒がいてくれたからこそ、ここまで持ちこたえることが出来た。それは間違いなく箒の力だ」

 

「一夏…」

 

 

純白の装甲を見に纏い、一本の刀を掲げ、精悍な眼差しで空を見つめる、その姿は、間違いなくーーーー

 

 

 

 

 

「だから……」

 

 

ーーーーーーーー英雄ーーーーーーーー

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

「…まったく…随分とまぁ派手にやってくれましたね…銀の福音…」

 

彼女達は、その声を聞いた瞬間、胸の内の熱い思いを抑えられなかった。今すぐ泣き出したくなる衝動に駆られた。

なぜならその声は、彼女達のよく知る、ある男の声だったから。

真っ白な機体に紅のラインの入った美しい機体に身を包み、鮮やかな白銀の大剣を手に彼女達の前に現れたーーーー

 

「皆さん…よく…持ちこたえてくれました…

 

 

 

だから…」

 

 

 

ーーーーーーーー帝王ーーーーーーーー

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

「「ここから先は任せろ!!!!」」

 

 

帝王と英雄は立ち上がる。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

福音は翼を広げてエネルギー弾をばら撒き、二人がこちらに来ないように迎撃するがそれも無駄に終わる。

 

一夏はエネルギー弾の間を縫うようにして移動し、確実に距離詰めている。

一方三葉は大剣を振り回し、向かい来るエネルギー弾を全て吹き飛ばしている。

 

「くらえ!!!」

 

一夏は左手の特殊武装からビームを放つ。

 

ヒュゥン!

 

だが、福音はその砲撃をギリギリでかわし翼からエネルギー弾を一夏に向かって放とうとする。

 

「どっちを見てるんですか?」

 

だが、横から三葉に妨害され、大剣によって片方の翼を切り落とされる。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

今度は一夏の零落白夜が、銀の福音を斬りつける。

 

ブンッ!

 

だが雪片は空を切り、福音はその一撃を紙一重で避け、上へと昇る。

 

「落ちろ!!!!」

 

しかし、その先には大剣を構える三葉の姿があった。

 

ギィィィン!!!!

 

福音はその大剣を片翼で受け止め、押し返そうとするが…

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

三葉の圧倒的な膂力の前に押し返され、再度一夏のいる方向へと押し戻される。

 

「今度こそおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

一夏は福音がこちらに吹き飛ばされてくるのと同時に瞬間加速(イグニッション・ブースト)を行う。

空気を切り裂き、音を置き去りにして福音に詰め寄る。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!落ぉぉぉぉちろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

一夏が零落白夜の刃を福音の体に突き立てる。

 

 

キンッ!!!!

 

 

雪片のエネルギーの刃が、銀の装甲を通過し、その装甲は淡い光の粒子となって消え去る。

装甲が消え去るとアーマーを失ってISスーツのみになった操縦者が海へと落下する。

 

 

「おっと…」

 

 

だが、それを間一髪で一夏が抱きとめる。

 

「ふぅ……やっと終わった……」

 

一夏のその言葉に共鳴するように他の専用機持ち達もオペレートしていた真耶や千冬も安堵の溜息を吐いた。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

世界は知るだろう。

 

これが英雄と帝王の物語の始まりだと、

 

物語は始まったばかりだと、

 

儚い希望は、

 

優しい夢は、

 

悲しい思い出は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紡がれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ご愛読してくださった皆様!
誠にありがとうございました!これからも作者の作品を読んでくださるととても嬉しいです。
では、また会いましょう。主に番外編とかで…!
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