転生したけど後悔はしていない   作:HA.KO3

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第2話 代表候補生と会ったけど後悔はしていない

「はぁ、憂鬱ですわ」

 

セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生である。

他の人間より頭ひとつ抜きん出た才能で国家代表候補生にまで上り詰め、専用機を与えられるまでに至った。もちろんその過程でなんの努力もしてこなかったと言えば、それはない。むしろ他の人間よりも努力していただろうことは専用機を与えられていることからもよく分かる。セシリアはイギリスの名家の生まれであり、その上才色兼備というまさにエリートだ。

そんな彼女が、何故このように憂鬱な顔をしているかというと、

 

「確かに私が悪かったとは思いますが、まさか放送で呼び出されるとは…」

 

彼女は実質女にしか動かせない『IS』を動かすことができる希少な男子、“織斑 一夏”との口論の件で呼び出されたのだ。織斑は世界でも希少な男子IS操縦者であり、ブリュンヒルデ 織斑 千冬の弟である。そんなことから、セシリアは彼に少しだけ期待していたのだ。もしかしたら、他の男とは違うかもしれない。しかし、その期待はことごとく裏切られた。いくら自分がISを動かせることを知らなかったとはいえ、入学前に渡された資料を見ないだけではなく、挙げ句の果て“捨てた”などと、呆れてものも言えない。そして頭に血が上り、日本のことを侮辱してしまった。

 

そのような経緯で、セシリアからしたらそんな織斑がクラス代表などとふざけているにも程がある。織斑 一夏がクラス代表になるなどと認めたくはなかった。本来ならば、クラス代表など彼女にとってはどうでもよかったのだが、織斑には任せられない上、そんな織斑を面白半分で推薦するクラスメイトたちにも任せる気は起きなかった。

確かに日本を侮辱したことは悪かったとは思う、勢いとはいえIS先進国である日本を侮辱したとなれば、国際問題に発展しかねないのだ。だが、それでも自分の祖国を馬鹿にされたのであれば黙ってはいられない。

そんなこんなで、お互いが国と国、相手と相手を侮辱するという、なんともまぁくだらない子供の喧嘩に発展したのだ。

 

「はあ、どうしてあんなことを言ったのでしょう。しかし、クラスの方々には明日きちんと謝っておきませんと…」

 

ふと窓を見ると、外は薄暗く、星がちらほら見えている。そして、この時間にはすでに閉まっていて電気も消えているはずのジムに明かりがついていることに気づく。

IS学園は、世界的な競技大会である『モンド・グロッソ』に出る人材を育成する場所でもあるため、ジムをはじめとした道場や様々なトレーニング施設が充実してある。学園の外に出れば大型ショッピングモールもあるため、かなり充実した環境になっているようだ。

 

(点検でもしているのでしょうか?)

 

そんなことを考えていると、自分がいつの間にか職員室の前に着いていたことに気がついた。

 

「失礼します。一年一組、セシリア・オルコットです」

 

職員室に入ると一年一組の担任である織斑 千冬と副担任である山田 真耶が居た。

 

「来たな。オルコット、まぁ座れ」

 

「はい、失礼します」

 

千冬に命じられ、千冬の正面にある椅子に腰掛ける。

 

「さて、何故呼ばれたか分かるな?」

 

「はい、昼間の件…でよろしいでしょうか?」

 

「ああ、今回は不問とするが、代表候補生ともあろうものがしていい態度ではないのは、十分に理解できるな?」

 

「はい、感情に身を任せ、勢いのままに言ってはならないことを言ってしまったと思っています」

 

「そうか、分かっているなら構わん。ではこれからどうすればいいかも、分かるな?」

 

「わかっております…。クラスメイトの方々には明日、キチンと謝るつもりですわ。織斑さん…弟さんには明日謝っても締まりがないので模擬戦が終わってから、ということでよろしいでしょうか…」

 

「ああ、それで構わん。分かったのなら今回のところはこれくらいでいいだろう。時間を取らせた、今日はゆっくりと休むといい」

 

「はい、ありがとうございます。先生方、本当に申し訳ありませんでした」

 

そう言ってセシリアは深々と頭を下げた。

 

「ああ」

 

「では、失礼します。あ、織斑先生」

 

「なんだ?まだ何かあるのか?」

 

「あの…ジムの方の明かりが点いていたので、少し気になりまして」

 

「ああ、そのことか…。もうひとりの男性操縦者のことは知っているな?」

 

「はい」

 

確か、格闘技において無敗。若干15歳でジュニアボクシング世界大会優勝、空手全国大会2連覇、他多数の実績を残し、幾つかの格闘技でプロ入りが確定していて、その業界では知らない人間はいないとされている。

あだ名が『帝王』とも呼ばれ、100年に一人の逸材とも呼ばれた、正に天才。

だが、セシリアはこの男子にも期待していなかった。織斑 一夏が“アレ”なのだから、もう一人の男も碌なものではないだろうと…勝手に決めつけていたのだ。

 

「その男性操縦者がどうかなされたのですか?」

 

「なに、ジムを使っているのはその男子、というだけだ…」

 

「?時間外のジムの使用は禁止ではないのですか?」

 

「あいつは今のトレーニング時間では足りないらしくてな。本来なら許可できないのだが…奴はスポーツ選手だ。お前たちのように候補生ならともかく、奴はプロ入り確定の人間。今月末には試合もあるらしくてな…そこまでは縛り付ける訳にはいかないということで、こちらが決めた数時間だけという条件で特別に許してある」

 

セシリアは少しだけ怒りを覚えた。いくら貴重な男性操縦者だからといってここまで融通されて良いのかと、しかし

 

「言ったはずだぞオルコット…奴には事情があるから許したのだ。そうでなければ許可など出さん」

 

「私達とは違うと…織斑先生は仰るのですね?では、その男子と私と、どう違うというのですか!」

 

千冬は目をつむり、なにか考えたかと思うと、

 

「山田君、すまないが少し出てくる。ついて来い、オルコット」

 

そう言って千冬は立ち上がり、山田に笑顔で見送られながら職員室を出る。セシリアも慌てて後を追った。

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

職員室を出て、トレーニングの出来るジムへと向かう二人。ジムに近づいてくると、

 

 

ダムッダムッ

 

 

という音が聞こえてくるのが分かった。最初はなんの音かわからないセシリア。それは近づくにつれ、さらに大きくなる。そして、ジムの中に入った瞬間、その音がなんの音か理解した。

 

 

ダムッ!ダムッ!

 

 

もう一人の男性操縦者がサンドバッグに向けて拳を打ち込む音であった。

 

流れるような少し長めの黒髪を後ろで束ねていて、美形というには言葉が足りないくらいな端整な凛々しい顔立ち、しかし、整いすぎているというわけでもなく、自然な顔の整い方だ。

そんな優男にも見える彼が、ゆうに100キロはあろうかというサンドバッグを、まるでブランコのように前後に揺らす。そして、返ってくるサンドバッグは遠心力で吹き飛ばす毎に打ち込むことが困難になってゆく。しかし、それを当たり前のように弾き返し続ける青年。その異様な光景に、セシリアは息を飲んだ。

 

「美しい…」

 

その言葉が本人に届かなかったのは不幸中の幸いとでも言えば良いのか、青年は気にせずサンドバッグへの打ち込みを続ける。

滝のように汗を流し、上着すら羽織らず、ただひたすらにサンドバッグに拳を打ち込む青年。

彼から発せられる、空気が震えるほどの威圧感は…まさに強者の醸し出す、オーラとも呼ぶべきものであった。

半裸になっている上半身は、まるで彫刻のように綺麗で、無駄のない筋肉をしており、見ていて飽きることはないだろう。

 

ポタ ポタ

 

何故だか分からないが、セシリアは涙を流していたことに気がつく。

 

(え?!どうして?!)

 

だが、それはすぐに理解できた。

 

(ああ、そうか、同じなんだ。この人も。世間では天才と持て囃されて、期待されて、挫折できないプレッシャーを受けて、自分がしてきた努力を『才能』のひと言で片付けられて…。それでも尚、腐ることなく努力し続けるこの人の生き様に、どうしようもなく感化されたのですね)

 

涙は止めどなく溢れる。

 

「分かったか?オルコット…何故私が時間外トレーニングの許可を出したのかが」

 

「……はい」

 

今なら分かる、この方は誰よりも努力していて、誰よりも進もうと足掻いてきたのだということが。そしてひとつの頂に立ったにもかかわらず、己を高め続けている。

それを候補生というだけで慢心し、胡坐を掻いていた自分の恥ずかしさを知った。セシリアは上を向き、そんなことを考えていた。

 

ドゴンッ!!

 

凄まじい轟音が鳴り響き、何事かと目を向けると、吊るされていたサンドバッグがフックから外れ、数メートル向こうに吹き飛んでいた。

そこでようやく二人の存在に気づいたのか、青年は二人を見て、

 

「あれ?織斑先生?それと…」

 

少しだけ息が荒い、あのような過激な打ち込みで少ししか荒れることのない呼吸。

 

「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットだ。今度一組の織斑 一夏とクラス代表の座をかけて勝負することになっている」

 

「そうなんですか…。すいませんこんな格好で、その上何もお構いできませんで。えっと、自分は、三葉(みつば) (みかど)といいます」

 

えらく下から姿勢である。

 

「い、いえお構いなく。一年一組のセシリア・オルコットですわ。えと、その…このトレーニングは毎日やっているのですか?」

 

話す言葉が見つからず、唐突な質問になってしまい、図々しいと思われたかもしれないとセシリアは後悔した。だが、三葉は笑顔で、

 

「この打ち込みのことなら毎日ですよ。メニューは他にもあるんですが……だいたい終わっちゃってて、あとはシャドーくらいしか残ってないんです」

 

シャドーとはいわゆるシャドーボクシングのことだろう。

 

「そ、そうなんですの。では、その……終わるまで見ていても構いませんか?」

 

「ええ、良いですよ?」

 

そう言ってパーカーを羽織り、フードを被って仮想敵とのスパーリングを始める三葉。

パーカーを羽織った時、セシリアが若干物欲しそうな顔をしたのを千冬は見逃さず、後で弄るネタにされたのは言うまでもない。

 

シュッ、シュッ、シュッ

 

シュッシュッシュッシュッ

 

シュシュシュシュシュシュシュ

 

段々とペースが速くなり、拳が見えなくなるくらいスピードまで上がってきた。ブレる拳の軌跡がフック、ジャブ、ストレート、アッパーと、様々な形を作り上げていく様は、まるで一つの芸術であった。

 

「よく見てみろセシリア、奴の足運びを」

 

そう言われて彼の足を見てみると、何故だか違和感を覚えた。

 

「奴の足運びはボクシングのような軽いフットワークではない、一撃一撃が必殺となるための腰の入った武道の足運びだ。本来なら足を隠さないボクシングにおいて、その足運びは致命的な弱点にもなりうる。だが、それでも奴は無敗を誇っている。何故かわかるか?」

 

「………申し訳ありません。分からないです」

 

少し考えたが、やはりわからなかった。

 

「一撃で沈められるからだ。奴は事実、ボクシング世界大会で一撃KOで何度も勝利している。あの拳を受けて立ってられるのは、ヘビー級王者くらいだろう。そして立っていても、あの目にも止まらぬ早さで大砲のような一撃がガトリング張りの早さで飛んでくるだろうな」

 

セシリアは千冬の説明を聞いてどれだけ三葉がすごいのか分からなかった。世界という舞台で闘う歴戦の猛者達を、たったの一撃で倒す拳、それを持つ三葉はどれだけすごいのだろう…そんなことを思っていた。

 

シュシュシュシュシュシュシュ!!

 

まるでワルツのような流れる足運び、美しい軌跡を作って飛んでいく拳、セシリアはそんな姿に目を奪われた。

 

 

 

 

数十分後にはシャドーボクシングも終わり、三葉は大粒の汗を額に滲ませていた。

 

「終わりました」

 

そう言って三葉は二人に向かって声をかけた。

 

「ああ、シャワーでも浴びてこい。後片付けは私がやっておく」

 

「え?でも…」

 

「いいと言っている。正直ウチのクラスの者が、お前のおかげで成長できたようだからな」

 

そう言ってセシリアは顔を赤くして顔を背ける。

三葉は少しだけ微笑んで…

 

「わかりました。ではお願いしてもよろしいですか?」

 

「ああ、お前もいきなり環境が変わって疲れただろう?今日はゆっくり休め…」

 

「はい、ではまた明日」

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

三葉が制服を着て、廊下に出ると、先程の金髪の美少女が三葉のことを待っていた。

 

「あれ?オルコットさん?」

 

名前を呼ぶと、少し顔を赤らめながらこちらを見るセシリアに三葉は笑顔で対応した。

 

「あの…少しお話しよろしいでしょうか…」

 

「…歩きながらでいいなら」

 

その瞬間、セシリアの顔がぱあっと明るくなった。

 

校舎の廊下で、セシリアは三葉の横を歩いていた。近くで見れば見る程端整な顔立ち。吸い込まれそうなほど美しい夜空のような黒い瞳。

セシリアが三葉に見惚れていると、三葉が切り出した。

 

「それで、話ってなんです?」

 

その言葉に我に返ったように質問をし始めるセシリア。

格闘技のこと、プロがどんなことをするのか、いろいろなことを聞いた。自分達が体験したことのない、世界を舞台とした戦いについても。

ここには世界を舞台にしたことのある教師や生徒は数少ない。いずれ自分も世界を舞台に戦うのだから、その話には大いに興味があったようだ。

 

「三葉さん…三葉さんはどうしてそこまで強さを求めるのですか?あなたは十分強いと思うのですが…」

 

セシリアの質問に三葉が立ち止まり、一緒にセシリアも立ち止まる。

 

「僕にはやりたいことがあるんです」

 

「やりたいこと?」

 

 

俺は(・・)

 

 

歴史に名を残したい

 

 

自分の名を残して、男は凄いと、劣った存在なんかじゃないって世界に轟かせたいんです」

 

あまりにも大きな目標。

 

例えば、IS開発者である篠ノ之 束 彼女は数十年…はたまた数百年以上先でようやく発展できるかできないかわからない程先の技術を、たったの一人で全てのソースを確立し、世界を改変した。まさに歴史に名を残した人物である。

 

「歴史…」

 

セシリアにはその言葉の意味を、重みを、想像することができなかった。世界中の男性の期待を背負おうと戦わなければならない。それは女尊男卑の思想を持つ数十億人の女性を敵に回すということでもある。

 

「ええ、今の世界は男性を虐げて、陥れて、そんなのおかしいじゃないですか。そんなの悲しいじゃないですか…。だから、男でも世界最強になれるって、男とか女とか、そんなの関係ないんだって、世界に証明したいんです。そのためにちゃんと訓練機を借りて放課後練習しているんですよ?」

 

三葉のトレーニングが遅いのはこういう理由があったからだ。普段やっているトレーニングに加え、ISの訓練をしなければならない。専用機ならいざ知らず、訓練機は時間が決まっていて、他のトレーニングの時間が減ることになる。それが困るから千冬に頼み込み、トレーニングをできるようにしてもらったのだ。

 

頬を掻きながら照れ臭そうに話す三葉の姿にセシリアはどきっとした。しかし、その目標はあまりに大きな目標である。現在世界最強…『ブリュンヒルデ』の称号を持つ織斑 千冬がいる以上、つまりは彼女を越えて世界最強(・・・・)になるということだ。

 

「すごいんですのね…三葉さんは…」

 

「そんなことないですよ。ISの訓練もうまくいかないことばかりで…」

 

「では、私でよければ…一緒に…その、訓練しませんこと?」

 

その瞬間、三葉の顔が明るくなる。

 

「本当ですか?!

いや〜やっぱり一人じゃできないことが多いですから。代表候補生に教えてもらえるなんて光栄です!!」

 

えらく下から姿勢である。

 

「そういえば三組の代表は三葉さんなんですわよね?」

 

「ええ、三組には代表候補生も居ませんし、格闘技で実績を残してる僕が一番適任だろうということで任されました。だけど、選ばれたからには何が何でも勝ちます!」

 

必然的に三葉はクラス代表になったのには理由がある。IS学園の生徒は三葉を含め代表候補生以外のほとんどの人間がISに乗ったのもつい最近である素人だ。その上代表候補生やISの登場経験が入学前から300時間を超えているものなど片手で足りる程度しか居ない。それならば、格闘技の世界大会で優勝経験の多い三葉が代表になるのは必然であった。

 

「あ、でもオルコットさんがクラス代表になったらどうしましょう…」

 

セシリアがクラス代表になった場合、クラスリーグマッチで戦うことになるだろう。そうなればセシリアの行為は、まさに敵に塩を送るということである。

 

「そんなの関係ありませんわ。ここは学び舎…生徒同士でも学び合うことも重要なことですわ。誰も文句は言いませんわよ」

 

というか、絶対に言わせないというのが彼女の本音であろう。

 

「あ、そういえばオルコットさんはもう夕食は食べましたか?よかったら一緒に「是非!」…」

 

セシリアの身を乗り出す勢いに、さすがの三葉も気圧される。

 

『一年一組、織斑君、至急職員室まで来てください。繰り返します。一年一組、織斑君、至急職員室まで来てください』

 

「これってなんの放送なんですか?」

 

「聞かないでくださいまし」

 

自分の汚点とも呼べる行動で呼び出される一夏に少し申し訳なく思うと同時に、三葉が隣にいる状況で呼び出される一夏を少し恨めしく思った。

 

 

そして二人は食堂に足を運ぶ。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「ん?オルコットか…」

 

「篠ノ之さん…」

 

二人が食堂に入ると丁度、箒がトレイを返却し、食堂を出るところだった。

 

「あの…本日は度重なる非礼、誠に申し訳ありませんでした」

 

いきなり謝られて箒は少し驚いたが、これが本当のセシリア・オルコットなのだろうと納得し、

 

「いや、ちゃんと謝ってくれるのならばこちらも糾弾などしないさ。これからはクラスメイトとして仲良くしていこう」

 

そう言って右手を差し出す箒。

 

「はいっ!」

 

笑顔で手を握り、握手を交わす二人。

ちなみに三葉は事情が分からず完全に自分要らない子状態である。

 

「ん?オルコット、そっちは…確かもう一人の…」

 

「セシリアで構いませんわ?こちらは…」

 

セシリアが紹介しようとすると三葉はそれを手で遮り、

 

「いいよ、オルコットさん。初めまして、もう一人の男性操縦者、三葉 帝と言います」

 

「ああ、篠ノ之 箒という。これからよろしく頼む」

 

「では篠ノ之さん、わたくし達はこれで」

 

「ああ」

 

そう言って二人は食券を購入し、カウンターへと向かう。

 

 

 

唐突だが、三葉はよく食べる。それも他の男子に

比べて圧倒的に食べる。

セシリア:洋食セット

 

三葉 :カツ丼、日替わり和食セット、大盛り牛タンカレー

 

三葉の1日の運動量は凄まじい。サンドバッグの打ち込みだって運動量にしたら全体のメニューの八分の一程度であるが、普通の人間からしたらかなりの運動量であることには変わりない。

 

「三葉さん、よく食べますわね…」

 

「はい!ここの料理はどれも美味しいですからお箸も進みます!」もぐもぐ

 

セシリアが三分の一食べている間に

 

 

カツ丼完食

 

 

「そういえば、三葉さんには専用機がないのですよね?」

 

「はい、なんでも織斑さんにISが与えられたのはデータ収集的な意味合いもあるらしく、僕には今の所与えられるか検討中らしいです」もぐもぐ

 

 

日替わり和食セット完食

 

 

「三葉さんの方が圧倒的に強いでしょうに…変な話ですわね?」

 

それは大分失礼であろうが、事実でもあるためなぜかと言われれば疑問ではあるのだ。

 

「彼の方が先に見つかりましたし…先に見つかった方に専用機を与えた方が世間体も良いのではないですか?それに織斑さんは織斑 千冬先生の弟ですし」もぐもぐ

 

「理解は出来ますが…納得はできませんわね…」

 

 

三葉牛タンカレー完食

続けてセシリアも洋食セット完食

 

 

「ふぅ。では、寮に戻りましょうか…」

 

「そうですわね…」

 

 

 

 

2人が寮の前に着くと、セシリアが、

 

「あの、三葉さんの部屋は何号室なんですの?」

 

「え?確か、2015号室で1人部屋のはずですよ?」

 

「2015号室ですわね?ではまた明日…三葉さん…」

 

「?はい、ではオルコットさん…また明日」

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

セシリアは自室に戻ると、いきなりベットに突っ伏した。

 

「三葉さん…」

 

顔は赤くなっていて、心臓の鼓動は通常よりも圧倒的に早く、彼の名前を呼ぶだけで胸が締め付けられる。その横顔はまさに恋する乙女であった。たったの数時間しか一緒にいなかったが、それでもセシリアが三葉に恋するには十分過ぎる時間であった。

 

「早く明日にならないかしら…。早く会いたいですわ…」

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

一方三葉

 

「zzzzzz」スピー、スピー

 

恋する乙女の気持ちも知らず、

 

 

爆睡中

 






※加筆修正しました

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