転生したけど後悔はしていない   作:HA.KO3

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第9話 トーナメントで戦うけど後悔はしていない

 

 

 

「貴様が三葉 帝だな?」

 

流れるような銀髪に小柄で端正な顔立ち、そしてその洋人形のような可愛らしい顔に似つかわしくない鋭い目つきと無骨な眼帯。ドイツ代表候補生ラウラ・ボーデヴィッヒである。

 

「はい、そうですよ?」

 

「月末のトーナメント…私と組め…」

 

会って早々にラウラは三葉にパートナーになれと言ってきた。

 

「どうして僕なんですか?」

 

「本来ならば誰でも良かったのだがな、織斑 一夏と同じ男子である貴様と組んで、奴との違いを見定める。そんなところだ」

 

「良いですよ?」

 

「そうか、一つ言っておく、貴様は何もするな邪魔になるだけだ」

 

「嫌です」

 

 

「何?」

 

ラウラは三葉をキッと睨みつける。

 

「パートナーを組むことは認めますけど、邪魔になるっていうのは聞き捨てなりません。アリーナに行きましょうか。模擬戦をしてどっちが強いか認めさせましょう」

 

「言うじゃないか、訓練機の使用許可はしているんだろうな?」

 

「ええ、バッチリですよ」

 

その言葉を聞いてラウラは不敵な笑みを浮かべる。

 

「学園の備品を壊すのは気が引けるが…良いだろう」

 

二人はアリーナに向かって歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、何故だ!!何故この私が…」

 

「負けたんでしょうね?」

 

地に伏し、息を荒げながら理解できないといった表情を浮かべるラウラを見下ろし、ラウラの砲弾が当たり、地面が抉れたアリーナを見渡す三葉。

睨みつけるラウラの眼には憎しみが篭っている。

 

「約束通りトーナメントでは僕の言うことを聞いてもらいますよ?」

 

「くっ!私はまだ…負けていない!!」

 

ラウラはプラズマの手刀を横薙ぎに振ろうとするが…

 

ガンッ!

 

だが、三葉に腹を蹴られ壁に激突する。

 

「がはっ!」

 

「勝負はつきました。どうです?地に這いつくばって相手を見上げる気分は…」

 

「くそっ。分かった…貴様の言うとおりにしてやる」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

「ねえ帝?思ったんだけどこれから帝はデュノア社に所属するんだよね?」

 

部屋のベットで三葉がゴロゴロしているとシャルロットが思い出したように言う。

 

「そう…ですね…そういう事になりますね…」

 

「そっか…て事は三葉と僕は同じ所属…いつか恋に……そしたら…んな事や………事も…」

 

どこか遠い目をしたシャルロットに三葉は、

 

「シャル?シャル〜?おーい」

 

「わぁ!?!?ど、どうしたの?!」

 

「どうしたはこっちのセリフです。急に天井見上げて笑い出すからどうしたものかと思いましたよ…」

 

「ご、ごめん…。そういえば帝ってトーナメントのパートナーは決まってる?大丈夫なの?」

 

「大丈夫ですよ?」

 

「そっか…」

 

「でも、いよいよ明日ですね…トーナメント…」

 

「うん。頑張ってね?帝?」

 

「わかっています。シャルも…もし当たったら全力で来てください。そうしないと疑われますから…」

 

「わかってる…」

 

「じゃあ…

 

 

 

そろそろ寝ましょう…そう言おうとしたところでーーーー

 

 

「あ、あのね?帝…その…えっとね?一緒に…

 

 

 

 

 

 

 

寝ても良い?」

 

 

 

 

 

「え?」

 

「あ、えっと、その…嫌なら良いんだけど…ダメ…かな?」

 

こんな美少女にこんな言葉を投げかけられれば誰だっていう事を聞いてしまうだろう。

 

 

「…………」

 

「………」////

 

 

結局三葉はシャルロットに押し切られてしまい、一緒に寝る事に…。

そして今、三葉の心臓は極限状態だろう。三葉とて、年頃の男子、何も無いというわけでは無いのだ…。

 

「スースースースー…」

 

シャルルは三葉のとても大きい背中に安心感を抱きながら寝てしまった。

 

「ドキドキドキドキ」

 

当の三葉は背中に当たる豊満な2つの果実に気が入ってしまい。寝るどころでは無かった。

 

 

 

 

 

次の日、初めて三葉はトレーニングに遅れた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

学年別トーナメント 当日

 

更衣室から一夏、シャルロット、三葉はモニターでアリーナの状態を眺めていた。

 

「すっげえ、人多いなぁ…」

 

「そうですね…」

 

一夏とシャルロットは三葉のペアの相手を知らない。対戦相手が誰かもわからない。試合直前に対戦表は発表されるようだ。

 

「お、対戦表が出た…ぞ…」

 

そのには、

 

 

一回戦

織斑 一夏 シャルル・デュノア ペア

 

VS

 

三葉 帝 ラウラ・ボーデヴィッヒ ペア

 

「…!?」

 

一夏は三葉を見る。

 

「帝!お前ボーデヴィッヒと組んでたのか!?」

 

一夏はその理由を問いただそうとするが、

 

 

「一夏…全力で来てください。その全力…粉砕します」

 

「っ!?!?」

 

いつもの帝の目では無い。朗らかな目で、優しそうに微笑む三葉の目ではなく、鋭く、獲物に飛びつかんとする鷹のようだ。

 

プシュゥゥウ

 

三葉は更衣室を出て、どこかへ行ってしまう。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

「織斑先生…ありがとうございます。すいません無茶を言って」

 

「かまわん、事情が事情だからな」

 

「それと、一夏のことですが…」

 

「分かっている。あれでもあいつは男だ。あいつの事も…お前に任せる事にするよ」

 

「ありがとうございます」

 

 

そう言って、三葉はアリーナのピットに移動する。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

Aピット

 

 

「ラウラさん、分かってますね?貴女はシャルと戦ってください」

 

「……………分かった」

 

ラウラは渋々、その命令に了承する。

 

三葉が纏うは学園の訓練機である。

『打鉄』

周りは専用機という中、彼だけが訓練機で挑む、それなのにその顔は、他の三人よりも引き締まった顔をしていた。

 

 

ピットが開き、アリーナへと飛翔する二人。

 

 

◇◆◇◆

 

 

アリーナ中央

 

 

「帝、訓練機だからって手加減しないぜ」

 

「むしろ手加減できるとでも思ってるんですか?」

 

 

開幕のブザーが…

 

 

 

 

ビイィィィィィィィィ!!!

 

 

今鳴る。

 

 

「行くぞ!!」

 

一夏は雪片を構え、三葉に突撃しようとしたところで、

 

 

 

 

 

 

俺は(・・)…お前が攻撃をしてくるのをどれだけ待っていれば(・・・・・・)良いんだ?」

 

 

 

 

ドゴォォォォン!!!

 

 

「一夏!!!!!」

 

シャルロットが吹き飛んだ一夏に呼び掛ける。

 

 

ガキィン!

 

「どこを見ている。貴様の相手は私だ!!!」

 

ラウラがいきなり詰め寄り、シャルロットの動きを封じる。

 

 

 

「立て…一夏…」

 

 

無動瞬間加速(ノーモーション・イグニッション・ブースト)

 

ISに搭載されているPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)物体の慣性をなくしたかのような現象をおこす装置、それを完全マニュアル制御することで行える瞬間加速(イグニッション・ブースト)の上位技能である。

一定の姿勢を維持しながら、aからbの地点に高速移動をし、PICで完全停止するという高等テクニック。

聞くだけなら簡単そうにも見えるが、かなり難しい技能である。その理由は瞬間加速(イグニッション・ブースト)中は多大なGが掛かるため、その姿勢の制御が至難の技であり、その上PICをマニュアル操作しなければならない。この技能を使えるのは国家代表くらいなら誰でも使えるが、代表候補生では習得できている者など数えるほどしか居ない。

この技能を使い、三葉は一夏の目の前に突然現れ、腹に正拳突きをかましたのだ。

 

「ぐぅ、げほっげほっ」

 

腹に入った拳の衝撃は凄まじく、たった一撃で立つことすら困難になる。

 

「一夏…お前はなんのために戦う?勝利のためか?名声のためか?なんとなくか?」

 

ゆっくりと近づく三葉の口調はいつもの穏やかなものではない。その声は鋭く、優しさとはかけ離れたものであった。

 

「ゴホッゴホッ…」

 

一夏はやっとの思いで立ち上がり、

 

「俺は…俺は守りたいんだ!!」

 

「誰を?何を?」

 

三葉は一夏の少し手前で立ち止まり、一夏の答えに対してさらに質問する。

 

「俺は強くない。だから、だから今は…!千冬姉の名前を守り抜くんだ!」

 

雪片を握り、三葉の方を向き直る。

 

 

 

「そんなに弱いのにか?」

 

 

 

「??!??!!??!??!」

 

 

一夏が気付いた時には三葉はすでに一夏の目の前に居た。

 

(いつの間に!??!いや…いつ動いた!!)

 

「見えたか?捉えられたか?お前はこれすら捉えられんのに…

 

 

何を守るつもりだ!!!!」

 

 

ドゴンッ!!!

 

 

三葉の拳が再び一夏の腹にめり込む。絶対防御が発動するが、それでも軽減できたのは致命傷にならないレベルまで。

 

ドォォォォン!!!

 

一夏は吹き飛び地面を跳ねながら壁に激突する。

その過程で一夏は握っていた 雪片弐型を手放してしまう。

 

カランッカランッ

 

金属の甲高い音を立てて転がる雪片二型。

 

「オエェ…げほっげほっ」

 

腹に伝わる衝撃でついに吐いてしまう一夏。

 

 

 

「なぁ一夏…俺はお前が何をしたいのか分からないよ…。

 

鈴のような闘志も無い。

 

セシリアのような野心も無い。

 

他の生徒みたいな夢も無い。

 

シャルのような強い思いも無い。

 

お前だけだ…お前だけがこの学園で、ただなんとなく闘って、なんとなくISに乗ってる。

 

悔しくなかったか?セシリアに負けて…。

 

歯がゆくなかったか?鈴の攻撃をただ避けるしかできなくて…。

 

負けたのに、何故…お前は死ぬほど悔しがらない?

 

何故お前は強くなろうとしない?

 

そんなに弱くて守れるほど『織斑 千冬』(世界最強)の名は小さいのか?

 

今のお前に守られなければならぬほど…その“名”は脆いのか?」

 

 

「……」

 

 

「強くなろうとしない奴に、俺と闘う資格は無い」

 

三葉は振り返りラウラとシャルロットの方へと動き出す。

 

 

「待てよ…」

 

 

その言葉に三葉は立ち止まり再度振り返る。

 

「確かにお前が言う通り、俺は千冬姉の名前を守らないくらい弱いのかもしれない。いや、弱いんだ!だけど、それでも…そこまで言われて黙ってられるほど、

 

 

腐ってもいねぇ!!!」

 

 

雪片を拾い上げ、強く握りながら構える一夏の瞳には、明らかな【闘志】と【覇気】が宿っていた。

その瞳を見て、三葉の闘志は膨れあがり、その表情はまさに獲物を見つけた虎であった。

 

 

 

 

「…そうだ一夏!!何も考えるな!!余計なことなど忘れろ!!目の前に居る敵だけに集中しろ!!勝利を渇望しろ!!ただ…

 

 

 

 

 

 

「「倒すためだけに!!!!」」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

〜ラウラ視点〜

 

 

 

 

 

何故だ?何故私はこんな事をしている。

何のために此処に来た?

 

それは尊敬する人を呼び戻すため。

 

何ために戦いに来た?

 

それは尊敬する人の名を汚した男を倒すため。

 

それなのに、何故私はこんな事をしている。あの男に負け、教官からは突き離された。

 

『ーー願うか……?汝、自らの変革を望むか……?より強い力を欲するか……?』

 

言うまでも無い。それを…力を得られるなら、私などーー空っぽの私など、何から何までくれてやる!

だから、力を…比類無き最強を、唯一無二の絶対をーー私によこせ!!

 

 

 

 

Mind Condition・・・・・Uplift.

 

Certification ・・・・・・Clear.

 

 

《Valkyrie Trace System 》・・・・・boot.

 

 

 

 

 

 

 

「ああああああっ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと三葉の戦闘シーンです。

今日柔道の授業で受け身とってて隣の人の踵が私の頭に落ちてきました。すんごい痛かったです。
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