「貴方達には、
断られるか、頭のおかしい人と思われるか…下手したらもっと酷いことになって、この人達を使者に出来なくなるかもしれない……。
そうなったら全てが終わり。覚悟を決めなくちゃ…
「……その前に、その災厄はどういう形でこの世に現れてるんだ?」
「人に宿ってるの。そしてその人達が災害を引き起こしてる…それがあいつら、『カタストロフィ』よ」
「カタストロフィ…破滅みたいな意味だな」
「ギリシャ語で破滅よ」
「質問2つ目、何故ギリシャの神だけなんだ?日本にも神話はあるぜ?」
「日本の神は力が強すぎて、人間の方が保たないの。北欧神話とかなら使者もいるらしいけど」
「最後の質問。そいつらは何処にいる?」
「……
「空想世界に入るには、確かライセンスが要るわ」
「それプラス、手に入れられるのは偉い人達だけだ」
「その点は心配要らないわ」
私は真っ直ぐに秋風空を指差す。
「持ってるでしょ?ライセンス」
「何でもお見通しって訳だな…」
俺は制服の内ポケットからライセンスを取り出す。
これは数ヶ月前に政府のお偉いさんから貰った。
というか、作ってもらった。
「それじゃ、俺はその使者とやらになってやるよ。元々犯人探しを依頼されてたしな」
「「「え!?」」」
三人の声が重なる。
輝、恵、転校生の声だ。……おい、1つ足りんぞ。
雫に目を向けると、体育座りで寝ていた。
「起きろ雫」
「むにゃ?あ、私も使者になってあげてもいいよ~」
「何だ聞いてたのか」
「ねえねえ、神先…いや、希ちゃん。神の使者って言うけど、それぞれが神の力を貰えるってこと?そうなら私は誰になるの?」
「え、えっと……」
「お前は軽いな…」
「だって……希ちゃんが屋上に呼ばなかったら、私達も死んじゃってたんだよ?命の恩人じゃん!」
「それもそうだな…じゃあ俺も希って呼ばせて貰うわ」
「いや、ちょっと……」
「お前ら二人は?」
俺は輝と恵に向き直る。
「やるよ、俺も。このままじゃ終われないしな」
「そう言われたら私もやるしかないじゃない…」
「え…こんなあっさりで良いのかしら…」
「それじゃ、そういう事だ希」
「ねえねえこれ見て皆!」
困惑する希の横で、雫が無邪気に槍を振り回している。
その槍の先から水が吹き出している。
「水が出せるよ!凄くない?この槍!」
「嘘でしょ…こんな早く…!?」
「水…ギリシャ神話の神では…」
「武器が槍だしポセイドンじゃないか?」
「そう!それだ!」
「それよりも私頭痛いんだけど…ちょっと座ってるね」
「で、俺達は?」
「えっと…貴方は…」
「名前で良いよ。是が非でも協力しなきゃいけねえんだから」
「分かった。恵はアテナ、輝はアポロン、そして空は……」
一呼吸置いて希は続けた。
「全知全能の最高神、ゼウスよ」
中々話が進まない……
次回から本格的にファンタジーになる予定