あれから数時間後、とある宿の一室。
恵はベットで熟睡しており、それを俺達が見守っている、という状況だ。
「結局、あいつらは何に操られてたんだろうな…」
「それが分からないとどうしようもないわね」
「サイバー攻撃なら逆探知すれば分かるんだけどな…」
と、そこまで言って気が付いた。
希もなんとなく察したようだ。
「そうだ!あいつらって魔法で操られてたのか!?」
「私じゃ魔力を逆探知するのは不可能よ」
「そうか……」
「私は魔法そこまで得意じゃないから。けど、恵なら出来るかもね」
「魔力のした方向を探ればいいの?」
いつの間にか、恵が目覚めていた。
そしてそのまま、恵は東を指差した。
「向こう。向こうの方に何かいる…凄いのが」
それだけ言って、恵はまた寝息を立て始めた。
「東に何があるのかしら?」
「『腐敗の洞窟』だ」
「知ってるの?」
俺はその問いに静かに頷く。
『腐敗の洞窟』。その名の通り、内部が腐敗している洞窟だ。
どうやら、内部には有毒性のガスが漂っており、立入禁止にされているはずだ。
「有毒性のガス……ねえ」
「この世界を作った代償とも言われてるけどな」
「内部にいるとしたら、神話上の怪物でしょうね」
「どうしてそうなる?」
「言ったでしょ。この世界は先代の
「ギリシャ神話上のものは、この世界では力を得やすいということか?」
「そういうことね。怪物は…何かしら?死者を操るということは、冥界の怪物かしらね?」
「地獄の番犬ケルベロスとかか?」
「無いとも言い切れないわ。もしかしたらあいつらの影響で暴走してるのか…も…」
そこまで言って希も寝息を立て始めた。
相当疲れていたようだ。
俺も瞼が重い。
突入は明日でいいだろう。
そう思った時にはもう俺は眠ってしまっていた。
翌日。腐敗の洞窟前
「さて、ここまで来たが問題は有毒ガスをどうするかだな」
「それなら心配無いわ。『毒』は『水』の派生属性。雷で簡単に消し飛ぶはずよ」
「それは良いことを聞いた」
剣先に魔力を集中し、洞窟に向って雷を飛ばす。
すると、爆発と共にガス特有の刺激が消える。
「これで大丈夫そうだな。行くぞ!」
「ん~まだ眠い…」
「しっかりしてくれ恵」
恵は俺達が叩き起こすまで全く目を覚まさなかった。
相当な魔力を使ったのだろう。
だからといって置いていくわけにも行かない。
「魔法は加減しろよ」
「眠くてそんなに使えないわよ…」
「しっかりしてくれ生徒会長…」
俺はそうボヤいてから、剣に雷を纏わせる。
そして、二人を見てから、洞窟に足を踏み入れた。