蒼き鋼のアルペジオ  孤高の反逆者   作:amamamama

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第一話

「敵巡洋艦、ミサイル来ます!」

 

「対艦ミサイル、クラインフィールドによりダメージが通りません!」

 

「デコイを前に、撤退までの時間を稼ぐんだ!」

 

「無理です!間に合いません」

 

日本海軍の艦隊が散開していく。現段階の技術力では霧の艦隊にダメージを与えることが出来ない。

 

敵はナガラ級2隻、巡洋艦クラス2隻でこのザマだ。

 

爆音が響いた。日本海軍の駆逐艦にミサイルが被弾したのだ。

 

「ゆうぎり被弾!戦闘不能です!」

 

「あさぎり、てるつきは隊員の救助を、せとかぜとまいかぜ、みねかぜは僚艦を護衛しろ」

 

「ミサイル第二射来ます!」

 

「CIWS、オートに設定!」

 

「ダメです!数が多すぎて対処できません!」

 

2隻のナガラから多数のミサイルが発射される。現状の戦力ですべて撃ち落とすのは不可能に思われた。

 

CIWSや対空ミサイルが日本海軍の軍艦から発射されるが弾幕は薄い。

 

「ミサイル1時の方向から多数!防御できません!」

 

「これまでか・・・」

 

誰もが最悪の事態を予想した時、周りが爆炎に包まれた。

 

爆発音と共に艦内が激しく揺さぶられる。

 

「各員、区画のチェックを!」

 

艦長が無線で呼びかけた。直後それぞれの担当から被害の報告が寄せられた。

 

「3番スパイレーダーの故障!」

 

「無線アンテナ破損」

 

「1番イルミネーターレーダー応答ありません」

 

破損や機能不能が報告されたのは外部に露出している一部の装備のみでだった。

「機関に異常ありません、航行は可能です!」

 

機関などの重要な箇所はほぼ無傷に等しい、ミサイルが直撃していない証拠だった。

 

「CIC艦橋。ミ、ミサイルは消滅・・・しました」

 

CICからの連絡が入る。砲雷長自身も何が起こったのか理解できていない様子だ。

 

「艦長!」

 

見張り員が叫ぶ。指差した方を双眼鏡で覗き込んだ。

 

「これは・・・」

 

前方に見えていたナガラ級巡洋艦。こちらからは機銃弾1発当てられなかった相手が被弾していた。

 

魚雷が当たったのだろうか、側面は大きく損傷しており穴が開いている。

 

直後ナガラ2隻は爆発、残骸は海へと沈んでいった。

 

「この戦闘能力・・・例のイ号401潜水艦か?」

 

「いえ、イ401は2日前佐賀県鹿島沖で目撃されています、霧の機関でもこの横須賀までたどり着くのは不可能です」

 

副長の声に眉をひそめる艦長

 

「だとすれば一体誰が・・・」

 

 

 

 

 

 

「敵巡洋艦2隻の撃沈を確認、周辺海域に敵艦なし」

 

「了解した」

 

俺は艦長席に深く腰掛けた。艦橋内はモニターやタッチパネル式の入力機器など、外見に似つかわしくない近代的な装備だった。

 

「潜水して海域を離脱しろ、進路を青ヶ島へ」

 

「了解、機関全速前進、隔壁に異常なし、潜航します」

 

青ヶ島は俺達が拠点にしている沖合の孤島だ。ナノマテリアルが地下に埋蔵されており、補給や修理はここで行っている。

 

喫水線がどんどん上がっていく、霧の軍艦は水上艦でも潜水することができる。しかし使う武装が限られるため普通はしない。

 

「日本海軍に我々の姿を見せないのはなぜだ?協力を申し出れば霧に対抗できるのに」

 

自動航行に切り替え一段落ついたオウミが尋ねる。

 

「アイツらの硬い頭はメンツと自分たちのメシの事しか考えていないからな、協力を申し出たところでこの艦は軍に接収される。国防を自軍以外に任せるなんてとんだ恥さらしだからな」

 

「なるほど・・・」

 

「俺はこの艦から降りれない、降りたら死ぬからな」

 

俺の体はこの霧の戦艦オウミから供給されるナノマテリアルで生きながらえている。今のところナノマテリアルを使用出来るのは霧のみ、俺の体がその制御から外れると俺は生命を維持できなくなる。

 

「たしかにそうだな、しかしずっと隠し通しておくのも不可能だろう」

 

「オウミの言うとおりだ、いずれはバレる。まぁその時はその時だ、なんとしても守る必要がある」

 

「その時は協力しよう、私も隆起以外を艦長に置くつもりはない」

 

「そう言ってもらえると心強いな」

 

青ヶ島まで残り僅かの距離になった時、ソナーに水上艦の反応があった。

 

「ソナーに感あり」

 

「この海域じゃ間違いなく敵だな・・・」

 

「このままだと青ヶ島の拠点が相手に感知されてしまうがどうする?」

 

「ここでやり過ごす、機関停止だ」

 

「了解、機関停止」

 

機関が停止し艦内を静寂が支配した。バラストを調節しゆっくりと着底させる。

 

「敵艦隊11時の方向」

 

反応がどんどん大きくなる。張り詰めた空気が艦橋内に流れた。敵はどんどん近づいてくる。

 

「敵艦隊直上で停止」

 

ソナーやレーダーの情報を表示する画面上で敵艦のアイコンが中心で停止した。

 

「なぜ止まった?」

 

「偶然だろう、この辺りは現在台風の強風域との境目で波も荒い、見つかることはないはずだ」

 

俺は嫌な予感がした。本当に偶然だろうか・・・

 

コーン!

 

突如甲高い音が艦内に響く。

 

「機関始動、浮上しろ!あの野郎ピンカーを打ちやがった!」

 

俺達の居場所が見つかった以上戦闘は避けられないだろう。だとすると武装を最大限活かせる海面に出るしか無い。

 

「緊急浮上、バラスト開放!」

 

艦か浮上し始める、しかしこの辺りは深い、海面に出るまでかなりの時間がかかる。

 

「なぜこの海域に俺達が居ると分かったんだ・・・」

 

俺は画面上に表示された敵艦のアイコンを睨みながら呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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