IS 星海と共に   作:郭尭

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第十五話

 

 

  最強の兵器、ISの最高速度は如何程か。機動力に秀でた万能兵器たるISの機動力は意外と遅く、同時代の戦闘機の最高速に若干ながら遅れる機体が多い。

  だがそれでもISと戦闘機ならISが優位に立つことが多い。それは戦闘機の「最高速」とは出せるというだけであり、パイロットにかかるGや構造上の都合により、その音速以上での戦闘が非常に困難なのである。

 

  だがISならば、操縦者の技量さえ充分ならば最高速度で戦闘を行うことができる。

 

  つまりISと戦闘機、「戦っている最中はISの方が速い」のである。

 

  だがもし、戦闘機がISと同等の機能を有せばどうか。重力の鎖を絶つPIC、絶対的な防御力、そして理不尽なまでの破壊力。

 

  これらの機能をもった戦闘機があれば、それは一部に於いてISを凌駕し得るポテンシャルを発揮するのではなかろうか。そう考えた一部の技術者はISコアを航空機に搭載しようと考えた。しかしコアは人の形からある程度以上逸脱した物には反応しなかった。

 

  だが今、一つだけ例外が存在する。それがイタリア空軍所属、セレーナ・ウルバーニの専用機『テンペスタ・カルド』だった。

 

  元より高い機動力を持った機体だった。それが専用機特有の進化を二度経た結果生まれた姿。かなり簡素とは言え、(若干歪な)人型のISに戦闘機染みた形態への変形機構。

 

  テンペスタのワン・オフ・アビリティ、『ラ・レオネッサ・アーラ(雌獅子の翼)』である。

 

 

  『先行してきたか……強気なわけね。ま、割と正解かな』

 

 

 

  好戦的な声色で呟くセレーナ。機械の下での呟きは通信をオンにしていないため誰かに伝わることもない。ISとして所か、戦闘機としても常識はずれの速度で直進するテンペスタ。

 

  対して敢えて二機の傷ついたラファールを見逃したドイツの三機。一機は直接ではないが見覚えはある。難敵であるのは確定。

 

  随伴する二機に覚えはない。故に予想がつく。

 

 

  『ドイツの第三世代。やってみるか!』

 

 

  充分な距離を持って加速したテンペスタは、ヴルカーンへ向けて弾丸の如く飛翔する。そして正面から見て歪な×の字となる翼の空気を切る部分、前縁部分が僅かに展開する。そしてそこから現われるプラズマの刃。

 

 

  『触れると切れるぞ!』

 

 

  一瞬バーニアが止まったかのようにアフターバーナーが弱まる。そして次の瞬間爆発のように炎を吹かす。

 

  イグニッション・ブースト、バーニアから放出されるエネルギーを一度取り込み、一気に放出することにより高い加速力と速度を手に入れるテクニックである。更にスピードを上げたテンペスタは受けるも避けるも困難な斬撃と化す。

 

  もし相手が普通のISなら……否、せめて『シュヴァルツィア・シュヴァイク』がいなければ速さに任せ一瞬の接触で三機を突破していたかも知れない。

 

  二機のシュヴァイクがそれぞれテンペスタへ向けて手をかざす。そしてテンペスタと三機の距離が目視可能なものになったその瞬間――

 

 

  『なんっ!?』

 

 

  急激な失速。

 

  それも機関の不調などではない。まるでブレーキを掛けた車のように、強制的な制止力が働いたとしか思えない不自然な減速。

 

  AIC。アクティブ・イナーシャル・キャンセラー。ドイツの第三世代機に搭載されている特殊兵装である。

 

  ISが重力を無視した機動を行うための装備、パッシブ・イナーシャル・キャンセラーの発展系とも言える装備で、本来自機にのみ効果を発揮するそれを対象の動きを止める為に使うものである。使用者に高度な集中力が求められ、多大な負担を強いるが、その効果は絶大である。

 

  独力での脱出は非常に困難であり、第三者の介入が望めない、つまり一対一の状況では対象は無類の強さを誇る。

 

  今の所の脱出方法は二つ。味方の救援か、強引に出力任せに振り切るか、である。

 

  だがそんな二機の『AIC』を持ってしても、トップスピードのテンペスタを止めるには至らない。それも二機掛かりでこの結果、クラリッサたちからしても衝撃的なものであったが。

 

 

  『あ、やっべ』

 

 

  「狙える」

 

 

  だがヴルカーンを駆るクリスチーネは冷静だった。不測のことは起こる。すぐさま対処できるかが重要だ。IS操縦者として軍務に就いて四年余、国際情勢も比較的穏やかだったこともあり実戦経験こそないが、それでも感情をさて置いて行動できるだけのキャリアはあった。

 

  右腕に装着された連装ゲルリッヒ砲をゆっくりと迫ってくるテンペスタに向ける。そして発射。爆音と共に砲身から吐き出される砲弾。砲身により表面を削られた砲弾は、劣化ウラン弾が熱でより鋭く変形するかの如く、攻撃的にその形を変えていた。

 

  そして正確に狙いがつけられたその砲撃を、止まりこそしないが自由の利かないテンペスタは……

 

 

  『こなくそっ!』

 

 

  戦闘機の形を作っていたパーツをばらけさせ、砲弾は空を貫いた。仰向けの状態で自由落下を始めようとしているセレーナを掠るように。

 

  動けない筈のセレーナのテンペスタが何故攻撃を回避できたのか、それにはAICについて説明が必要だろう。

 

  AICを極端に大雑把に解説すれば、接触した対象の動きを止めるフィールドを創りだすということである。このフィールドに囚われれば自力での脱出は基本的に非常に困難。だがこのフィールドを維持するには非常に高度な演算処理が必要であり、結果操縦者の脳に対する負担が大きすぎ、とても実用可能なレベルには至らなかった。

 

  その解決策として示されたのがフィールドの体積の縮小である。平面に近い面や、紐状のを複数展開などといった形で有効範囲を可能な限り維持して。そういう意味でセレーナは幸運だった。フィールドのひもに絡め捕られたパーツが、脱着可能なものだったのだから。

 

  機首とウィング、そして前部装甲の一部からなるパーツ群から仰向けの体勢で吐き出されるISらしい歪な人型。

 

  シンプルな緩い曲線で構築されたシルエット。戦闘機形態でメインバーニアとなっていた脚部横のバーニアが両肩の横に移動しアンロックユニットとなる。

 

 

  「さて、テンペスタのパーツ返せよ」

 

 

  テンペスタの左手に現れるサブマシンガン。ISサイズのそれは通常のものとは比較にならない火力を持つ。もっともIS相手には瞬間火力が不足がちな威力であるが。

 

  それでもシールドエネルギーを削られることを嫌い、適当にばら撒かれた銃弾を避けるためにドイツ機が動き出す。同時にAICによる拘束も解ける。そしてそのパーツは自由落下せずに、独自に浮力を持ってテンペスタに向かって飛んでいく。

 

  主翼が背中に直角に近い角度で接続し、アンロックユニットのバーニアが後ろから合体、一体型のバックパックとなる。。小型バーニアと一体となっている尾翼が脹脛に。本体を覆っていた装甲が改めて装甲の上から更に合体し、鋭角的な外見へと変わる。

 

  そして最後に機首部分になっていたパーツが右腕を覆い隠すように合体、後部に小型バーニアを覗かせた細長いシールド状の装備となる。右腕のマニピュレーターとしての機能を犠牲に、テンペスタの変形が完了する。

 

 

  「バーニア位置の変更……トップスピードは落ちる筈だが……」

 

 

  変形したテンペスタを目の当たりにし、クラリッサは外見からある程度の情報を読み取る。

 

  バーニアの位置と方向が拡散した分、加速やトップスピードが低下していることは推測できた。だが、だからこそ小回りの利く動きができるようになった、とも推測できる。

 

 

  「手数で押し潰す、近づかせるな」

 

 

  結局は火力と数の優位で押し潰す。クラリッサたちのシュヴァイクならまだしも、ヴルカーンは近接戦闘能力に乏しい。逆にテンペスタはセレーナという優秀な操縦者がいたとは言え、嘗てブリュンヒルデと互角に殴り合いを演じた機体である。懐に潜り込まれれば後は容易に想像できる。

 

  クリスチーネはヴルカーンのチェーンガンを起動させる。攻撃範囲の狭さと単発毎の威力に難があるが、その分密度の高い弾幕を展開できる代物である。時間毎の火力だと寧ろ牽制で済まない威力を誇る。

 

  ヴルカーンによる面制圧に、高い瞬発力を活かし範囲の外の位置を維持するセレーナ。シュヴァイク二機もレールカノンによる攻撃を行うが、連射速度に欠ける固定型の砲撃兵器ではテンペスタを捉えきれない。

 

  だがセレーナの側から見ても容易な状況ではない。テンペスタは余り頑丈な機体ではない。瞬発力を活かして相手の懐に潜り込み、タコ殴るのが基本的な戦い方である。そしてドイツ機の攻撃はある程度の余裕を持って回避することができているが、相手が上手くフォーメーションを組んでいる為、近づく切欠が掴めずにいる。

 

 

  「上手いな……無理矢理押し込むか」

 

 

  時間はセレーナの敵である。この場以外でも数の優位は欧州連合軍にある。早くに突破せねば搖動の別部隊が包囲、撃破の憂き目を見る。その結果この場に投入される機体は更に増えることになる。ならば無理矢理にゴリ押すのが正解だろう。

 

  判断を下せば、後は早かった。まずは最も技量の低い敵。格闘戦型のIS操縦者にとっては必須ともいえるテクニック、イグニッション・ブースト。操縦者の肉体に多大な負担を掛けながらも、一時的な超加速を得ることができる。

 

  効果は単純だが、タイミングが噛み合えば絶対的な威力を発揮する。方向転換はなくとも緩急の変化だけで相手の視界から消えることは充分可能なのだ。ハイパーセンサーによる360度の視界が、操縦者の慣れの都合上、『理論上の360度』でしかない限りは。

 

  ドイツ機の弾幕を掻い潜り、奇襲的にクラリッサの方のツヴァイクに肉薄する。咄嗟にクラリッサは両腕のプラズマ手刀を起動、腕から伸びた光の刃を振り上げセレーナを迎撃しようとする。だが次に瞬間ウィングに接続されているバーニアがスライドしながら反転、クラリッサに向く。

 

 

  「はい、残念っ」

 

 

  「なに!?」

 

 

 プラズマ手刀の間合いの直前での、後方へのイグニッション・ブースト。慣性と一部のバーニアが使用されていない為、突進の際より速度は落ちているが、それでもこの場にいる敵全員の意識を置き去りにすることに成功する。ギシリとアバラに響く鈍い痛み。それを表情に出さず勢いのまま反転、飛び込んだ先はもう一機のシュヴァイク。右半身を上、左半身を下という横向きの姿勢で突っ込む。

 

  そして肩目掛けて右腕での縦ラリアット。相手の右肩に引っ掛けるような一撃は相手を半回転させると同時に、セレーナもそこを軸に半回転。そして体勢を崩したシュヴァイクに体を預けるようにタックル。更に右腕と一体化したシールドを押し付け視線と左腕を封じる。

 

  繰り返すが、ISのハイパーセンサーは操縦者に360度の視界を齎す。だが、慣れの問題により、それを完璧に扱える人間は殆どいない。故に意識の切り替えが完了するまでの僅か数瞬だけだが、セレーナの動きは相手の死角に隠れる。そして量子化する時間を惜しみ、左手に持ったサブマシンガンを投棄、同時に現れる電磁式パイルバンカー。

 

 

  「まずは……」

 

 

  意図的に左右のバーニアに出力を生み出し、右腕で相手を押して距離を生み、勢いよく体を振りながらの左のバンカーのストレート。パイルバンカーの杭が伸びきった瞬間に当てるというシビアなタイミングで打ち込まれた一撃は更に間合いを生み出す。

 

 

  「一つ、墜ちろ!」

 

 

  シールドの小型バーニアが作動、アフターバーナーの轟音と共に更なるイグニッション・ブースト。直線スピードと捻りが絶妙に加えられた右ロングフックが相手の脇腹に突き刺さる。

 

  『超硬い物で、超速くぶん殴れば、超痛いよね!』という、セレーナの思考を具現化した、単純至極の一撃。だがシンプルではあるがこそ、その威力は絶大である。タックルから始まった僅か三回の攻撃、特に最後の一撃は一気にシールドエネルギーを抉り切り、撃墜判定を受けたシュヴァイクは錐揉みしながら吹き飛んでいく。

 

 

  「くっ、我が隊の精鋭がジャパニーズ・コメディ・マンガ染みた吹き飛ばされ方を!」

 

 

  世界最強の五人と呼ばれるのは伊達ではない。だが、体全体を捻るように放たれた一撃は放ち終えた後の隙も大きい。クラリッサは大きく体勢を崩しているセレーナをロックしたレールカノンを放つ。

 

  それでも攻撃は当たらない。体勢を整えないままバーニアを全開にする。無論クラリッサの砲撃を見切ってのものではない。クラリッサ達の腕ならこれくらい狙えるだろうという推測からの、始めから決めてあった動きである。そこで更なるイグニッション・ブーストを行わなかったのは、操縦者の肉体的な限界を考慮してのものでもある。一対一なら兎も角、少なくともあと二人いるのだ。

 

  だがその程度の速度ではクリスチーネの対応できる範疇内だった。

 

 

  『ハルフォーフ、合図あるまで待機せよ。狙いは逸らすな』

 

 

  プライベート回線による思考通信。クリスチーネはクラリッサを温存し、攻撃力と機動力を両立させるテンペスタを、一時とは言え一人で対峙することを選んだ。

 

  ヴルカーンのアンロック・ユニットのロケットを発射、散弾による弾幕を展開する。相手の動きの選択肢を減らすためのもの。それが分かっていても、セレーナはそれに乗らざるを得ない。牽制用の火器ですら過分な火力を持つヴルカーンの攻撃をまともに受けていれば、テンペスタの防御力では見る間にシールドエネルギーを削り切られてしまう。

 

  だが、それが容易なら勝負はとうに着いている。桁外れに高い機動性を誇るセレーナのテンペスタを捉えるのは容易ではないのだ。

 

  セレーナはスピードを上げて、広がり切らないうちに散弾の間を潜り抜ける。開いている空間が広いうちに通り抜けることで、軌道の自由度を少しでも増やすために。対してクリスチーネは呟いた。

 

  読み勝った。

 

  クリスチーネはイグニッション・ブーストでセレーナに向けて突撃する。軌道の自由の確保にどれだけ腐心しても、全速力で前進しているのだから限度がある。更には遠距離戦に秀でた機体で、敢えて近接戦闘型の機体に近づくという行為は、セレーナの意表を突いた。

 

  だが、それでもその距離はセレーナの間合いである。ここで退くのは彼女の意地が許さない。加速し、速度を威力に上乗せするには近すぎるが、それがなくともセレーナの格闘センスは並ではない。機体に乗った運動エネルギーを、体の捻りだけで流れをコントロールする。

 

  万全とは言い難いが、それでも運動エネルギーの乗った一撃。対してクリスチーネは左腕を挙げる。肘の部分から近接戦闘用の直刀が伸び、テンペスタのナックルシールドとぶつかり合う。

 

  結果は直刀が砕け、その余力を持ってテンペスタのナックルシールドがヴルカーンに命中する。だが、タイミングをずらされた一撃はその威力を削げられ、当たり所も僅かにそれる。依然協力ながらも、本来の威力を失った一撃にヴルカーンは耐えきり、セレーナを抱きかかえるように拘束する。

 

  純粋なマシンパワーに於いてテンペスタはヴルカーンと比較できる水準にない。セレーナはすぐさまテンペスタのバーニアを全力で吹かし、推力でヴルカーンの拘束から逃れようとする。

 

  だが、テンペスタは動かない。ヴルカーンに押さえつけられているからではない。

 

 

  「あ、これ最初のアレか」

 

 

  動けない理由に思い至り、セレーナは苦笑いを浮かべるしかなかった。最初にやられた、ドイツの第三世代の機能だ。理屈はセレーナには分からないが、自身の体が完全に固定されてしまっている。

 

  仮に殆どの推力を一ヶ所に集中配置している戦闘機形態なら或いは力ずくで脱出できたかも知れないが、通常形態のテンペスタにその力はない。周囲に味方は居らず、自力での脱出は不可能。完全に詰んでいた。

 

 

  「これはちょっとずるくない、お宅の新型?」

 

 

  「私もそう思うが、味方だから文句は言わないさ」

 

 

  スピードが命のテンペスタ・カルド。動くことさえできなければ打たれ弱い的と化す。高火力を誇る二機の攻撃に、沈むに時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

  演習を終えれば、次いで参加各国の関係者を集めての立食パーティーが催される。各々が個人的なパイプラインの構築に勤しみ、将来の国益、という建前で自身の利益追求の布石を打ち続ける中、セレーナはクリスチーナと会場の壁際で言葉を交わしていた。

 

 

  「今度、IS学園に行くそうだな」

 

 

  「ああ、ミーちゃんが今向うに居てね。立候補が通って良かったよ」

 

 

  演習とは言え、一戦交えた後とは思えないほど気負いのない様子だった。

 

 

  「ついでに、チフユにも聞きたいことあるし」

 

 

  セレーナの言う聞きたいことに関して、クリスチーネはその答えを知っている。だからといって、それを伝える心算は彼女にはなかった。更に言えばセレーナは織斑千冬から直接質問の返答を貰うのが目的なのだ。

 

 

  「それはそうとして、だ。ロシアのあの話、聞いたか?」

 

 

  「んあ?何をとち狂ったのか、日本人を代表にしたこと?」

 

 

  「それも大概だけど違う。その後のロマノフのことだ」

 

 

  ソフィア・ロマノフ、嘗てロシアの代表として第二回モンド・グロッソに参加、千冬と決勝で当たる筈だった相手である。

 

  アラスカ条約発効前に、実戦に於けるISの効果を推し量ろうとしたロシア政府が、彼女をチェチェンとの戦闘に投入、通常兵器しか持たないチェチェン軍に対し、圧倒的な戦果を挙げた。だが、それを無責任に囃し立てたマスコミの存在などもあり、『チェチェンの魔女』と忌み名されていた彼女は、この大会で栄誉を掴むことで自身の謂われなき悪評を拭い去ろうとした。それどころか『偽りのブリュンヒルデ』という不名誉な称号を押し付けられてしまった。

 

  あまつさえ、彼女の悪評に関し、政治的な理由から代表の座を他国の小娘に奪われ、名誉挽回は絶望的となっていた。

 

  このソフィア・ロマノフのことは二人も一応は気にかけていた。直接会ったのはモンド・グロッソや他の行事のときくらいだが、その決勝で起こった事が、事だったというのもあった。織斑千冬やセレーナ、クリスチーナと同じく『世界最強の五人』に名を連ねながら、彼女だけが実力相応の名誉を得られる機会に恵まれていない。

 

 

  「失踪したそうだ。『バーバ・ヤーガ』ごとな」

 

 

  「……それを私に伝えた理由は」

 

 

  洒落にならない上に、表沙汰にもできない厄介事。

 

 

  「決まっている。ロマノフが馬鹿なことをした場合、対処するのは恐らく私かお前だ」

 

 

  「だよな。チフユはIS学園だし、あの監獄暮らしは気まぐれ過ぎるしな~」

 

 

  世界最強の五人。彼女たちに比肩しうる人材が育っていない現状、その対処も同じ五人の内が投入されるだろう。IS学園で教師をしている千冬や、軍属でないもう一人は動かし辛い。

 

  楽しみを控えた状態で知らされた、盛大な厄介事に、セレーナは溜息を吐いた。

 

 

 

 

  後書き

 

  新しいガンダムが面白くて仕方ない今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?どうも、郭尭です。

 

  うん、変形シーン難しいです。主人公の姉の機体の変形機構はリ・ガズィを参考にアレンジしたのですがどうだったでしょうか。作者の知る限り、アレが一番人間の身体構造上無理のない変形が可能かと思ったので。

 

  今回は拙作の世界観に於けるISの軍事的立ち位置と、拙作に於ける最強クラスの操縦者の話でした。

 

  主人公たちの目的は宇宙開発ですが、ISが兵器として扱われている以上、軍やテロの話は触れない訳には行けないかな、と。

 

  それでは今回はこの辺で、また次回お会いしましょう。

 

 

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