うずまきの巫女   作:ショウユー

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毎度同じ芸の無い挨拶で申し訳ないですが、お気に入り登録をしてくださった方々、ありがとうございます。




ナルト、中忍試験の前兆 アマネと守鶴

アマネが目を覚ますと窓から暖かい光が差し込み、外から鳥の鳴き声が聞こえて来た。

今日もいい天気になりそうだとアマネは両腕を挙げ、伸びをしてベットから出た。

いつも通り寝間着から普段着に着替え、エプロンをつけてキッチンへ向かう。

今日の朝食は和風にしようと考え、ご飯が炊けている事を確認して冷蔵庫から材料を取り出す。

まずは魚を網に乗せ火をつける。次に鍋に水を入れ湯を沸かす。

その間にほうれん草を洗い、すり鉢に胡麻を入れする。荒く胡麻が擂れた所へ砂糖と醤油を入れて混ぜ合わせる。

沸騰した湯へ先程洗ったほうれん草を茎の方から入れていく。

隣の魚の焼き具合を見てひっくり返す。

茹で上がったほうれん草をザルにあけ冷水で一気に冷やし、ほうれん草の水気を絞りまな板へ乗せ切っていく。

味噌汁用の鍋に水を入れて火にかける。

先程すり合わせた胡麻と切ったほうれん草を和えていく。

魚が焼けたのを確認して火を止め、焼き魚を皿に盛る。

味噌汁の具は豆腐。鍋の水が沸騰したのを確認して豆腐をさいの目に切り鍋へ入れ、再び沸騰するのを待つ。

再び沸騰した豆腐の入った鍋に味噌を溶き、出汁の素を入れて火を止める。

ほうれん草の胡麻和えを小鉢に分け入れ、ご飯と味噌汁を椀によそい、出来上がった料理をテーブルに並べた。

 

料理をしている間、アマネは随分と料理も慣れたなぁ等と思っていた。前世では料理などする必要がなかったのである。この世界に来てナルトを育てるようになって料理を頑張って覚えたのだ。

 

並べ終えたところでナルトが朝の支度を終えてテーブルについた。

 

「おはよー、アマネ」

「はい、おはよう。珍しいね?起こす前に起きてくるなんて」

「んー、なんだかスッキリ目が覚めたんだってばよ!それより、和食なんて珍しいってばよ?」

「何となく和食が食べたかったのよ」

「へー。まっ、美味しそうだし冷めないうちにいただきます!」

「召し上がれ。私もいただきます」

 

二人とも手を合わせて挨拶をし、朝食を食べ始めた。

 

何時もは九喇嘛も一緒に食べているのだが、珍しくナルトから出てこなかった。

 

今日は珍しいことが続くなぁとアマネは思っていた。

そして、それはナルトが出かけた時に謎が解けたのだった。

 

 

 

「じゃ、いってきまーす!」

 

ナルトが元気よく玄関を飛び出していき、マッハ5ーーと叫んでいるのを聞いてアマネは納得した。

 

「成る程。中忍試験が始まるのね」

 

独り言の様に呟いたアマネにこれまた珍しく、内なる彼女は返答を返さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナルト達第7班は今日も無事に任務が終わり、戻ってきたところである。

波の国から帰って来てから何となくサスケが少しイライラしているのを感じているナルトとサクラ。

サスケがナルトに突っかかってくることはないものの、明らかに焦っている様だった。

そんなサスケを見てカカシはどうしたものかと少し悩んでいた。

 

上空に忍鳥が”ピーヒョロロ”と鳴きながら飛び去って行くのを確認したカカシは3人に本日の任務報告書を提出せにゃならんと言って解散を宣言した。

いつも任務後は修業をする3人だったが、サスケは「今日は帰る」と言って帰ってしまった。それを見ていたカカシも黙って瞬身の術で姿を消した。

 

サクラは何となくサスケを心配していたが、ナルトは気にせず今日はどんな修業をしようかなぁと呟きながら歩き出した。

 

歩き出したナルトは急に足を止めた。

 

「ん?ナルト、どうしたの?」

「あぁ…これ、どう思う?」

 

ナルトが指さしたところを見ると、岩の模様がついているのぞき穴が二つ付いた少し大き目な、明らかに”箱”がコソコソ?とナルトの後をつけて来た。ナルトが止まるとそれもピタッと止まる。

2人はそれを見てクスクスと笑いだした。

 

笑われて既にばれてしまっていることがわかった可愛い追跡者達は被っていた箱を外して姿を現した。其処から出てきたのは”猿飛木の葉丸”達3人だった。

 

木の葉丸は3代目火影の孫である。木の葉丸は毎日のように自身の家庭教師を振り切り祖父の火影に奇襲をかけていた。(構ってほしかったのだろう)

丁度その日、ナルトが下忍登録の書類をヒルゼンに聞きながら書いている時に木の葉丸の奇襲があった。木の葉丸は勝手に転び罠が仕掛けてあったと思い込み、側にいたナルトに謂れのない罪を擦り付けた。

ナルトは少し頭にきて木の葉丸の胸倉を掴んで「お前が勝手に転んだんだろーが!」と怒鳴りつけた。そこに木の葉丸を追いかけて来た家庭教師のエビスがナルトに「手を放さないか!このお方は火影様のお孫さんだぞ!」

などと怒鳴りつけて来た。ナルトは少し呆れたが、木の葉丸の殴れるもんなら殴ってみろと言っているような顔を見て遠慮なく木の葉丸の頭を引っ叩いた。その後色々あり、木の葉丸はナルトに懐いてしまったのだ。

 

「さすが俺が惚れた兄ちゃんだけの事はあるな、コレ!」

「オイ、惚れたとか言うな!気持ち悪いってばよ!!」

「そう言う意味じゃないんだなコレ!」

「そう言う意味だったらマジ勘弁して…」

 

そんなやり取りを見ていたサクラ。木の葉丸を見て生意気な子供だなぁなんて思っている。

 

「あなた達、ナルトに何か用なの?」

「うん!リーダー、これからヒマ?」

 

リーダーとはナルトの事である。仲良くなって面倒を見るようになってから、そう呼ばれている。

 

「うーん、修業しようかと思ってるんだけど…」

「今日、忍者ごっこしてくれるって言ってたじゃないかコレ!!」

「あれ?そうだっけか?(そんな約束した覚えはないってばよ…)」

「…ナルト、忍者が忍者ごっこって…」

「あっ、いや、遊びの延長って言うか…まぁ、こいつらの相手をしているだけだってばよ、サクラちゃん」

 

そう言ったナルトの目は「相手をしてやってくれって頼まれてるんだってばよーー!」と訴えかけていた。

その時、木の葉丸がサクラを指差して叫んだ。

 

「兄ちゃん、この姉ちゃん誰?もしかして、兄ちゃんのコレか?」

 

などとほざいて小指を立て、ナルトの脇を突いていた。

ナルトは違う違うと手を横に振りながら言った。

 

「彼女は俺と同じ班のサクラちゃん。俺じゃなくってもう一人の仲間のサスケって奴のコレだ。」

 

そのセリフを聞いたサクラは照れて「やだー!!」なんて言いながらナルトの背中を思いっきり叩いた。叩かれたナルトは軽く吹っ飛び、木の葉丸たちに心配されていた。

木の葉丸が「ホントに女かコレ?」なんて言ったもんだから、サクラが怒ったのも無理はない。そして始まったのが追いかけっこ。

ナルトは巻き込まれたも同然だが、木の葉丸達と一緒にサクラから逃げ出した。

 

全力で逃げていた木の葉丸が何かに勢いよくぶつかった。

ぶつかったのは他里の額当てをした、黒子の様な黒装束の顔に隈取がある忍びだった。

 

「いてーじゃん…」

 

隈取黒子の忍びは木の葉丸の胸倉を掴み、持ち上げていた。

 

「木の葉丸!!」

「いてーじゃん、くそガキ!」

 

すると、隈取黒子の隣にいた髪を4か所に結んでいる女の子が隈取黒子をなだめる。

 

「やめときなって!後でどやされるよ!」

「ごめんなさい。私がふざけてて…」

「ごめん!俺もちょっとその子と遊んでて追いかけっこをしていただけなんだ。放してあげてくれるか?」

 

隈取黒子はナルトの額当てを見て、木の葉の下忍と当てをつけた。

 

「うるせーのが来る前にちょっと遊んでみたいじゃん…」

「あの…その額当て、砂隠れの里の方ですか?今、つかみあげている子なんですけど…火影の孫ですよ?」

 

ナルトがそう話すと

 

「おい、カンクロウ!国際問題になるからその子を放せ」

「チッ、仕方がねーな…」

 

カンクロウと呼ばれた忍は木の葉丸をナルトの方へと投げ渡した。

 

一部始終を木の上から見ていたサスケ。サスケの後ろには気配を消したもう一人の砂の忍がいた。

 

「つまんねぇー。…おぃ!そこの木の上に居る木の葉のお前、下りて来いよ。ちょっと俺に付き合うじゃん」

 

カンクロウは担いでいた何かを下していた。

それを見て隣の彼女は少し呆れていた。

 

「おいカラスまで使う気かよ」

 

カンクロウはサスケにターゲットを変えたようだ。

 

「カンクロウ、やめろ」

 

サスケの後方から声がかかる。それに驚いたのはカンクロウだけではなくサスケもだった。

木の枝に逆さまで現れた声の主。彼を見たカンクロウは「我愛羅」と彼の名前を言って冷汗をかいていた。

 

「俺の名は砂漠の我愛羅。おい、そこの髭面の金髪。お前、名前は何て言う」

 

大きな瓢箪を背負い寝不足なのか目には隈が出来ており、額には”愛”の文字が刻まれた我愛羅は、ナルトに向かってそう言った。

名を訪ねた我愛羅だったが、ナルトの事は己の中にいる守鶴が教えてくれていた為知っていた。

 

「俺の名前はうずまきナルトだってばよ」

 

そしてナルトも我愛羅が一尾の人柱力だと言う事を先程九喇嘛から聞かされていた。

 

「うずまきナルト、お前に話がある」

「おぅ、いいぜ」

「何処か2人で話せるところへ案内してくれ。カンクロウたちは先に宿泊先へ行っていろ」

 

ナルトと我愛羅は何故か2人で何処かへ行ってしまった。取り残された面々は何が何だかわからない状態だった。

強い奴と戦えそうな雰囲気だった所をナルトに持っていかれてしまったサスケは更に不機嫌になっていた。

 

 

 

 

 

 

ナルトは我愛羅と一緒に自宅へ向かっていた。それを陽鏡の術で見ていたアマネは焦っていた。

 

「なんで今、我愛羅を連れてくるのよ、ナルト!!」

「うわー…予定が狂いまくってるね」

「うっ…第3試験本線前の病院で我愛羅と接触する積りだったのに!!」

「そう言っても仕方がないって。もうじきやって来るからね。室内にでも結界張り直しておきなよ」

「そうだね…」

 

アマネは肩を落としながら結界札をリビングの四隅へ張っていった。

 

 

自宅へ向かっているナルトと我愛羅は無言だったが、尾獣達は違っていた。

お互いテレパシーで会話をしていた。

 

「おぅ、随分久しぶりじゃねーか」

「キシャー!九喇嘛は随分丸くなってるなぁ!」

「そう言うお前だって、丸くなってやがるじゃねーか!って丸いのは元々か。はっはっは!」

「あんだゴラァ!相変わらずじゃねーか!喧嘩売ってんのかオラァ!!」

「ふんっ!うるせーんだよ、この化け狸!」

「あ"ぁ?っんだ、この化け狐!!」

 

とまぁ、こんな具合である。

腹の中でお互い尾獣が暴れている。我愛羅は守鶴に五月蠅いと怒鳴り、ナルトは九喇嘛をなだめていた。そんな状態なのでお互い会話が出来ないでいた。

 

 

 

ナルトが我愛羅を連れて帰宅した。

 

「…お邪魔します」

「はい、いらっしゃい。ちょっと準備するから待っててね」

 

アマネはそう言うと結界術を発動させる。そして変化を解いた。

 

「アマネ、その姿久々だってばよ!」

「はいはい、その話は後ね。…我愛羅君、初めまして。うずまきアマネです。話は守鶴から聞いてるかしら?」

「はい」

「なぁ、なんだってんだ?」

「はいはい、今説明してあげるからね。…さて、我愛羅君。ナルトに少し説明をするので、そこでお茶をしていてくれるかしら?」

「…あぁ、わかった。手短に頼む」

 

アマネはナルトに今まで自分がしてきたことを話し、それを聞いてナルトは驚いていた。話し終わるとナルトから九喇嘛の分身が出て来た。

 

「おい、ナルト。お前は此処に居ても仕方がない。久しぶりに俺と遊ぶぞ!」

「わかったってばよ…じゃあ、あそこへ行くか」

 

そう言ってナルトは飛雷神の術で九喇嘛と遊べる結界が張ってある場所へ飛んで行った。

 

アマネは後少し待っていてねと我愛羅に言い、自室へ行って巫女の衣装に着替えて来た。

 

 

「お待たせしちゃってごめんなさい。守鶴の分身を出せるかしら?」

「やった事がない。…が、彼奴が出来たのだから、俺にも出来るだろう」

 

我愛羅の瓢箪から砂が出て来てミニチア守鶴を作り出した。かなり久々に娑婆に出られて喜んでいる守鶴。

 

「私も、あの方に変わるから待ってね」

 

アマネが目を瞑ると光が溢れ出し、光がアマネを包むとアマネの姿が変わっていた。

 

「…ふむ、守鶴や。久しぶりじゃの」

「母上だぁ!!俺、母上の言いつけ守っていたぞ!!」

「うむ。見ておったぞ。…そなたが、守鶴の人柱力か?」

 

彼女は我愛羅を見て話し掛けたが、我愛羅は何も言えず手が震えていた。

 

「(これ程の存在に出くわしたことがない…何だ…このこみ上げる感情は…だが、不思議と落ち着く)」

「我愛羅、どうした?母上が話しかけてるんだ、返事ぐらいしろって!」

「よいのじゃ、守鶴。我愛羅…と言ったか。妾を怖がるでない。妾はこの世界の総ての母なるもの。何もしないから安心せい」

「………」

「そうか、それ程までとは妾も甘かった様だ。もうじき満月も近いであろう。その時は分身の守鶴を表に出しなさい。そして守鶴と遊ぶのじゃ。さすれば其方の衝動は抑えられるはずじゃ」

「はい…ありがとうございます」

「さて、守鶴。その状態でアマネにチャクラを渡すことが可能か?」

「おぅ!へーきだって。任せてよ、母上!!」

「うむ。では頼むぞ」

 

彼女はアマネに体を返し、アマネの意識が戻って来た。

 

「お話は済みましたか?」

「あぁ。俺を抑える方法が聞けた。有難い」

「それは良かったですね。…さて、守鶴。お願いできますか?」

「おぅ!!」

 

守鶴はアマネに向けて拳を出し、アマネは守鶴の拳に掌を当てる。

 

「守鶴、少しで構いません。我愛羅君はこれから中忍試験でしょ?力は残しておいてください」

「んぁ?大丈夫だ。我愛羅はそんなに軟じゃねぇよ。片方の俺を押さえつけるために大分力が付いてる。問題ねぇ」

「そうですか。ありがとうございます」

 

アマネに1/4程のチャクラを渡した守鶴。かざした手から尾獣特有の赤黒いチャクラが少しだけ漏れていた。

 

「こんなもんか?」

「…ふぅ。えぇ、此れであの方も安心されましょう」

「…あの…」

「はい、なんですか?我愛羅君」

「彼奴…ナルトの事なんですが」

「あぁ、貴方と殆ど同じ境遇ですよ。里の民からは九尾の化身だと恐れられ、恨まれ嫌われています。それでもナルトは里の皆を嫌う事が出来ない。寧ろ好かれるように努力しています。父親が愛した里を守りたいのでしょう」

「…俺は、父親に何度も殺されかけている。俺が信頼していたやつも俺を裏切った。どうしても信じることが出来ない。奴らは俺の事を兵器としか見ていない」

「貴方は兄弟がいます。彼女らは貴方の事を恐れている反面、心配もしていますよ。少しだけ、兄弟だけでも良いのです。心を開いて話してみてください。恨みの塊のような守鶴とも会話が出来ているのでしょう?きっと大丈夫ですよ」

「…そうなのだろか?」

「貴方の父親は影。影は己の子供だけでなく、里も守らなければならない。貴方が守鶴を完全制御出来るようになって欲しかったのだと思います。風影殿は不器用な方の様ですね」

「父が不器用?…俺にはよく判らない。だが、貴女が言うのであれば姉たちと話をしてみようと思う」

「そうですね。それが良いと思いますよ。さて、そろそろ戻らなければ砂の方々が心配なさるでしょう。私も目を付けられては困りますしね」

 

アマネは苦笑して我愛羅に宿へ戻る様に勧める。我愛羅も頷き、ナルト宅を出た。

 

 

 

 

我愛羅が出て行ったあと、アマネは結界札を剥がしながら己の中に堪った尾獣達のチャクラが一つになるのを感じていた。

 




次はやっと中忍試験に入れます。
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