うずまきの巫女   作:ショウユー

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アマネ

ヒルゼンは火影の執務室に戻り、思い出していた。

 

 

アマネ様が我らの元へ姿を現したのはナルトに九尾の封印が終わり、ナルトを抱きかかえミナトとクシナを手厚く葬っておった時じゃった。

突然、クシナそっくりの人物が現れた時は腰を抜かしそうになってしまった。

彼女は酷く憔悴した面持ちで儂の傍へ来て話し始めた。

 

「ヒルゼン様、お久しぶりで御座います」

「そ、そなたは」

「お忘れでしょうか?4代目様と一緒にお会いしております」

「!!そうであったの。…そうか、アマネ様か」

「えぇ。封印が解放されました」

「…そうか。此処で話す訳にはちと他の目がありすぎますな」

「そうですね。ヒルゼン様御一人で先に”あちら”へ向かっていて下さい」

「あい解った。そなたは?」

「少し、皆に私の事を忘れて頂いてから参りましょう」

「…では、後程」

 

 

そう彼女と会話をして、儂は驚いた雰囲気の部下たちに共はいらぬと告げてから能面堂へナルトを抱きながら移動した。

 

皆に忘れてもらうとは……どうするのか気になったが此処は大人しく移動しておいた方が賢明と判断してのことだった。

 

 

能面堂へ着いて5分も経たずに彼女はやって来た。

 

 

「お待たせしました。処置は済みましたので、私の事を覚えているものは誰一人としておりません。ヒルゼン様も私の事は内密に」

「そこまでして正体を隠さなければならないのかのぅ?」

「はい。ミト様からも注意なされたでしょう?」

「…そうであったな。随分昔の様な気がしてならぬな」

「そうですね。私がヒルゼン様と初めてお会いしたのは、ヒルゼン様が火影になり私の事がミト様に理解されて直ぐでしたからね」

「あの時アマネ様は5歳でいらっしゃったか」

「えぇ、ミト様から3代目火影様と紹介下さったのはその歳でしたね」

「流石に双子なだけあり、クシナにそっくりじゃな」

「そうですか。私は1度も逢ったことのない妹。それ程似ておりますか?」

「あぁ、ほんにそっくりですな。…して、これから如何なさいますかな?」

「私の手でナルトを育てたいと思ってます。クシナ達が暮らしていた家をそのまま使用させていただけるのであれば…」

「…それは構わぬが」

「良かった。その家には結界を張り巡らせますので、ご安心を。結界と言ってもそれ程強力なものではありません。そして私は義弟ミナトの妹、一般人として生活します」

 

そう言うと彼女はミナトに似た女性に変化した。

 

「アマネ様は何処まで忍術等の実力がおありなのか、一度手合わせしてみたくなりますな」

「ご冗談はよしてくださいませ」

 

クスクスと微笑みそう返されてしまった。その微笑みをみて彼女の力の底が全く測れなかった。言い知れぬ恐怖が湧き上がってくる。僅かに冷汗が出た。

 

「さて、そろそろ私の巫女としての力を見せなければならないようですね。今、あの”御方”に変わります」

「変わる?」

「えぇ、私はあの御方と共存しているようなものでして。1人の器(体)に魂が2つ入っているとでもいいましょうか。人柱力と同じ様な者ですね」

 

儂はその事を聞いて、更に嫌な汗が出てきてしまった。

 

「ご安心ください。あの御方はそれ程恐ろしい方では御座いません。詳しくはあの御方からお聞きになってくださいませ」

 

アマネ様は目を瞑り、神経を集中させていた。暫くすると、彼女が眩い光に包まれ其処から現れたお姿に思わず膝をついてしまった。

 

「……ふむ、そなたが。3代目火影か」

「はい。…貴方様は?」

「千手とうちはの祖先である者の母に当たるかのぉ。まぁ、妾はそういう存在じゃ。妾がそなたらの祖先にチャクラの事を話してしまっての。それが忍びの始まりじゃ」

 

そう聞いた儂は、瞬時に理解した。…この御方が居なければ、我々忍びが存在せなんだと。という事は、六道仙人様よりも遥かに格上の神という存在という事。

そして、この御方の御霊がアマネ様のお体に存在している。…アマネ様は、神となる存在だという事になるのだろうか?

 

「ふむ。理解はしてもらえたようじゃが、ちと誤解があるようじゃな」

「誤解と申しますと?」

「アマネの事じゃ。アマネと妾は同じ存在では無い。アマネは妾の力の総てを使えぬ故。人の身体で妾の力を使うと体が壊れてしまうからのぅ」

「……お名前をお聞かせいただけるのでしょうか?」

「妾の名か…すまぬが、伏せておきたいの。後、伝えておかねばならぬ事があるの。いや何、九尾の事じゃ。ナルトの体には九尾がおるが、そのチャクラ量は通常の2/3程じゃ。残りはアマネに封印されておる」

 

儂は初めてその話を聞いて驚いた。ミト様は何も仰って下さらなかったからだ。

 

「クシナに九尾が封印される前、妾がミトに進言したのじゃ。アマネは、此れから力(チャクラ)を集めてもらわねばならぬ故な。そしてミトにも口止めをして負った」

「そうでありましたか。解り申した。ナルトの保護者、兼教育係をアマネ様にお願いします」

「うむ。解ってくれて何よりじゃ。さて、妾は表の事象には関与せぬ故、何か有ればアマネを通す。この場にて話を聞いてもらおうぞ。それと、くれぐれも妾の事はお主のみ心に留めておいてほしい」

「御意」

 

儂の返事を聞いてこの御方はアマネ様に体を返したようだ。アマネ様は先ほど変化された(偽)ミナトの妹の姿に戻っていた。

 

「納得していただけましたか?」

「うむ。しかし」

「ヒルゼン様御一人にご負担をお掛けして申し訳ございません。くれぐれも書に残したり、ダンゾウ様等他の者には知られぬようお願い致します」

「……あい解った」

 

偉い事実を知ってしまった。書に残せぬことが悔しいのぅ。

話し終わると、結界が解除されたのだろう。今まで話していた空間から、能面堂へと景色は変わっていた。

とてつもない結界術だった事が伺えた。これもあの御方のお力なのだろう。

 

 

アマネ様はナルトを愛おしそうに胸に抱き、儂の案内でミナト達夫婦が住んでいた住まいへと移った。

 

 

 

 

 

 

それから6年か、早いものじゃ。遠眼鏡の術でナルトの様子を伺う。…何やらずっと監視されておる様な気がするのぅ。…アマネ様か。儂の術など赤子のようじゃ。

 

ナルトは教室で悪戯を仕掛けたが、引っ掛からない教師に舌打ちしてつまらなそうにしていた。ナルトは年相応なやんちゃであった。しかし授業が始まると直ぐにウトウトしはじめ、しまいには机に突っ伏して寝ている始末。

アマネ様も様子を見ているだろうが、このことを注意する積りもないのじゃろう。ナルトにはアカデミーの内容は全て教わったものばかり。しかし、真面目に授業を受けるつもりが全くないようじゃ。

まぁ、3歳頃よりアマネ様から英才教育を受けている。アカデミーには遊びに来ているようなものじゃてなぁ。そのせいか、ナルトの成績はドベ。キチンとこなせばトップは間違いないだろうに…性格なのかのぅ。

 

クラスメイトにはドベと揶揄われておるが、全然気にした様子はなく何処吹く風だ。能ある鷹は爪を隠すを実践しているのか、はたまた面倒なだけなのか…計り知れない。

 

 

 

 

遠眼鏡の術の様な物、まぁそんな次元じゃないんだけど。私が使っている術は彼女に教わった陽鏡術。簡単に言っちゃえば、この術はこの星のあらゆる場所を見ることが出来る術。まぁ、術と言うよりは技?

そらそうだ。相手は神様だもの。思えばとんでもない人に連れてこられたものだ。えぇはい、私は転生者です。それも、異世界から連れてこられました。まったくねぇ…私、前世と言いますか。そこで死んじゃったんですよ。

で、あーやっと成仏出来て輪廻の輪に入れるんだぁ。なんて思ってたらね。この人(神)が現れて”ちょっと手伝ってね”ってウインクされて気軽に引っ掴まれて此処へ来ちゃったみたいな?

訳解らんから、せつめーを求めると。……ここはNARUTOの世界っつーじゃん?で、うずまきクシナの母親の腹に居るクシナをちょっと複製したそうな。そこへ私と彼女の魂を放り込んだそうで。

それを聞いた私は思わず口を大きく開けて阿保面を晒してしまったさ。

なんで、私の魂が必要なんじゃ~って叫んだら、「私は本来この世界に干渉しちゃいけないんだけど六道仙人(ハゴロモ)、孫に助けてほしいってお願いされて、手を貸しちゃってさ」で、出来たのが尾獣達なんだって。

その尾獣は彼女にとって子供達と一緒なわけで、その子たちが悪用されようとしてるから助けちゃおう!てきな事らしい。で、そのお手伝いを私にしろと。神様権限か何か知らんが、ふざけんな!!って赤ん坊のアマネの体の中で魂同士の喧嘩をしてました。

え?神様に喧嘩売るな?知るかって。だって神だってーなら干渉すんな!って話でしょ?それを彼女の勝手に巻き込まれたわけだし。…まぁそんなこんなで和解に3年くらいかかっちゃいましたよ。

 

で、アマネは私なんだけどずーっと体の中で魂での喧嘩をしていたから体と魂のリンクをしてなくってね?まぁ本能で体の方は動かしていた訳だ。死ぬようなことは無いけど、感情が一切ない生きている人形の様な状態が3年続いた訳。

周りは心配してんじゃね?とか思ってたら、此処には伝承があったらしい。ま、此れも彼女(神)が孫に言って作らせたんだと。用意周到なこって。で、そのおかげと生まれてすぐに彼女が出現して対策をとったんだ。それが、封印。

私は必要最低限の人以外と接触を断たれ、隔離されたのさ。あーぁ。折角この世界の登場人物に会えると楽しみにしてたのに、その時会えたのは”うずまきミト”と当時から火影をしていた”ヒルゼン”。そののち、会えたのがクシナの旦那の”ミナト”のみ。

ミナトに会えた時は感動したなぁ。だって、私の位置からすれば、義理の弟ってことだよ?ミナトは私の存在を知った時、随分と阿保面を晒していたね。そらそうだ。奥さんと同じ存在がもう一人いて、その存在を一切知らなかったんだから。

ミナトはクシナにも話していいかって彼女(神)に懇願してたけど、それを許すはずがない。私と彼女(神)はこの先、何が起こるか知っている。それを根本から変えることは許されない。だから、ミナトには諦めてもらった。

だけどミナトと話していると、クシナは何となく判っているようだと言っていた。流石双子という事か…あれぇ?これ、クシナの複製なんだから双子って訳じゃないよね?その辺どうなんだろうなぁ。まさに生命の不思議。

 

流石に色々疑問に思ってるだろうから、2人が死に九喇嘛と共にナルトに封印された後で、精神世界で彼らに会って説明しました。まぁ、納得してくれて今はナルトの中で九喇嘛の真核と共に封印されているのです。

まぁ、彼女が介入して九喇嘛さんが大人しくなってナルトと友達になったので九喇嘛の封印(あの檻ですよ)は取っ払われたのよ。だから分身体でモフモフ九喇嘛さんに触れられるのだ。幸せですよ、私は(ハート)。




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