うずまきの巫女   作:ショウユー

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ナルト、幼少期―アカデミー時代

ナルトのアカデミー生活はそれ程楽しいものではなかったのかもしれない。

 

幼少期、ナルトは外で遊びたいと言い出した。それはそうだろう。

アマネはナルトにも、里の人たちからナルトがどの様に思われているのか解らせる時が来ているのかもしれないと思った。

心配だったが、危ない事してはいけない・危険と感じたら直ぐに帰ってくるように言い聞かせ、外へ1人で遊びに行かせた。

 

そして、やはりと言う結果だったのだ。

ナルトはあちこちに痣が出来ていた。ナルトに聞くと、転んでぶつけたなどと言い訳をしているが、どう見ても転んで出来たものでは無い痣ばかりだったのだ。

泣いているナルトを落ち着かせ、正直に話してごらんと優しく言うと、悲しい目をしてポツリポツリと話し始めた。

 

「ヒック…こうえんにいったの。そしたら、みんなぼくをみたとたんおこったかおになった…んだってばよ…いろんなこがいたけど…ぼくをみたとたん…にげてっちゃった。

そしたら、こわいかおしたおじさんが…ぼくにいしをなげてきたん…だってばよ…。こわいおじさんがたくさんになって、ぼくをたたいたり、けったりしてきたんだ。

…ぼく、わるいことしてないよっていったら、おじさんたちはぼくのこと、ばけものっていってた。ぼく、わるいことしてないよ!なんで…ぼくがたたかれなきゃいけないの?…あまね…おしえて?なんで?…」

「そうだね。ナルトは何にも悪くないんだよ。悪いのは怖がったり、恨んだり、憎んだりする人の心なんだ」

「こころ?」

「思う気持ちの事だよ。ナルトは怒られたら、怖いとか悲しいとか思うだろう?遊んだら楽しい、褒められたら嬉しいって思うのも、心があるからなんだよ。心って何か、わかった?」

「うん、わかった」

「で、なんでナルトが叩かれたりしたのかってのは、ナルトの中にしっぽが9本あるおっきな狐がいるんだ。その狐さんは、恨みや憎しみによって怖い狐さんになっちゃったの。

狐さんは、初めナルトのお母さんの中にいたんだよ。ナルトが産まれたときに悪い奴が来てね、お母さんの中にいた狐さんがお外に出されちゃったの。

それでね、その狐さんは悪いやつに騙されて、怒って大暴れしちゃっていろんな人を殺しちゃったんだよ。でね、ナルトのお父さんがその狐さんをナルトの中に閉じ込めて、里の人達を助けたんだ。

でも、家族や大切な人を殺された人達は狐さんの事を許せないんだよ。ナルトだって、私や火影のお爺ちゃんが殺されたら、どう思う?許せないだろう?相手が憎いだろう?

だから、里の人達はナルトの中にいる狐さんが憎いんだ、許せないんだ、怖いんだよ。ナルトをやっつければ、ナルトの中にいる狐さんをやっつけられると思ってるんだ。だから叩いたり、蹴ったりしてくるんだよ」

「ぼくのなかにいるきつねさんがわるいの?…あれ?…さっき、きつねさんはわるいひとにだまされたっていってたよね?…じゃあ、きつねさんはわるくない?」

「お利口だね、ナルトは。ちゃんとお話を聞いて、解ってくれた。偉いぞぉ」

 

アマネはナルトの頭をグリグリと撫でた。褒められたらナルトは『いたい、いたい!』と言いながらも褒められ嬉しそうに笑った。

 

「ナルトの中にいる狐さんは、怒ってるかもしれない。本当は外に出て遊びたいのかもしれない。でもね、その狐さんが外に出ちゃうとまた暴れて人が死んじゃうかもしれないよね?」

「…うん…それはかなしいよ」

「そうだね。悲しいね。だから狐さんはナルトから出してあげることは出来ないんだ。お父さんが頑張ってナルトの中に閉じ込めたんだからね。本当はナルトが里の皆を救ったんだ。だけど憎しみを消さないと、ナルトは皆に酷いことをされるよ」

「…どうしたら、ぼくはみんなにやさしくしてもらえるの?」

「そうだね、お父さんみたいに強くなって、火影様になれば皆が優しくしてくれると思うよ」

「おとうさん…そっか!じゃあ、ぼくもほかげになる!!」

「うん、その意気だ。でも、ナルト。火影になるには、たくさん勉強していっぱい修業しないといけないんだよ?できるのかな?」

「うん!がんばるよ」

 

 

その後は、勉強や修行三昧だった。友達を作りたかっただろうに。

里の人たちからの悪意の視線を感じるようになったナルト。隣にアマネがいる時はそれ程酷くないと感じることも出来た。

ナルトはとても利口だったのだ。どう振舞えば、どう大人を利用すれば良いのかを理性ではなく、感性で理解し自然と実践していった。

 

 

 

アカデミーに入学し、気の合う友達も少ないけど出来たようだ。何かとその友達とつるんで悪戯をしたり、授業をこっそり抜け出したりと…。

里にはアマネと一緒にしか行かなくなった。が、アカデミーに通うようになった時は一緒に行くわけにはいかない。そこで、ナルトは友達と一緒に通うようにした様だ。

友達が一緒なら攻撃はされないと、本能的に感じたのだろう。しかし、アカデミーが終わると一目散で帰宅する。スピードは中忍クラス。アマネから里の忍びからは攻撃はされないはずだから、寄り道しないで真っ直ぐに帰って来いと言われていた。

それを忠実に守っている。それはそうだろう。何せ、自分の命にかかわることだ。だから、友達と遊べるのはアカデミーだけ。少し寂しいと感じてはいた様だ。

里への悪戯はしていない。それは、里の人達を煽るような事だと判っていたのだ。

アカデミーから帰れば、修業である。クタクタになるまで…。当然、アカデミーの授業中は寝ることになる。ナルトは自分の力を隠し続けた。力でねじ伏せても解決しないことを学んでいたのである。

 

アカデミー2年目になって、担当の教師が変わった。ナルトの悪戯は段々とレベルが上がっていき、何度注意しても聞かないナルトに担任教師は辟易して交代を頼んだのだ。交代した教師はうみのイルカ中忍だ。彼は、人格者であった。

初めはナルトに対して最初の教師と同じ様な対応をしていたが、前任者との違いは良くナルトの事を見ていたことにあるのだろう。ナルトは、朝はまず教師へ罠を仕掛ける所から始まる。休み時間は積極的に友達と遊び授業中は寝る。時には脱走。

なぜ、授業中寝てしまうのかが気になり、ナルトと個人面談をしたのだった。ナルトから話を聞くと、アカデミーを帰った後は修業をしていると言った。そして、限界近くまで体力を使ってしまうので寝てしまうとナルトはイルカに話した。

テストの時も同じ様で、テスト中も寝ていることが多い。ナルトが、座学を理解しているのかが気になり、ナルト専用のプリントをやらせてみると全問正解だった。だが、ナルトは気にしておらず成績はドベで良いと言い切った。

また、体術の忍び組手も全力ではやらないと…なぜ、全力を出さないのかと聞いたら、力の無いものに力を使う事は無いと言い切った。ナルトの本当の実力が知りたくなり、火影様に頼み演習場を借り誰にも見られないようにしてナルトと組み手をしてみた。

するとナルトは生き生きと忍び組手をイルカと始め、遠慮なく来い!と言えば、全力を出してくれた。イルカはナルトの実力は自分より上と判断し、組手を中断。これなら確かにアカデミーはつまらないものだろうと感じた。

更に、なぜ悪戯や朝の罠を仕掛けるのかと聞いてみれば悪戯は面白いから…罠は教師の実力を知りたいのと気を引きたいからと言う意味合いが感じ取れた。成程、罠はレベルが徐々に上がっているのは感じていた。ゆっくりと相手の実力を測っていたのだろう。

悪戯は、面白いと言っていたが教師たちの反応をみて、怒られたかったのかもしれない。ナルトは叔母と一緒に住んでいるとは言え、実の親ではない。甘え切れていないのだろう。他の大人に自分の存在を認めてほしかったのだと、火影様に報告しに行った時に理解した。

ナルトの事が判り、それからは他の生徒たちと変わらぬ対応をしていった。ナルトはそれが嬉しかったのか、どんどん悪戯のレベルが上がって行った。イルカは遠慮なくナルトを怒鳴りつけ、拳骨をくらわす。担任教師との関係は良好だと言ってよかっただろう。

 

 

悪戯坊主ではあるが、正義感がとても強いのもナルトだ。どの時代にも虐めは存在する。後輩たちが虐められているのを見れば、助けていった。同級生も然り。同じクラスでも大人の目を掻い潜って虐めは存在している。

それが、女の子同士の虐めでも状況が最悪になる前にナルトは止めていた。普段の授業態度や成績は悪いが、それ以外は大人しく悪戯をしている以外は大人びて見えたのだろう。それなりに女子からの人気もあった。

笑顔は親しい友達と担任のイルカだけに向けられる。その笑顔は太陽が輝いているような笑顔であった。その笑顔を自分にも向けてほしいと考える女子はいたのだろう。

だが、ナルトは悪意には敏感だが、好意には疎かった。それはナルトに封印されている九尾の影響もあったのだ。

 

 

そんな、極少数の友達と信頼できる1人の教師が得られただけでもアカデミーに通わせたかいがあったとアマネは思っている。ナルトは子供が親に、今日は何があったと話すように素直に色々と語っていた。

 

ナルトが内なる九尾に出会ったのは、幼少期に修業を始めて暫くしてからだった。

アマネにきつい修行をされられ、体力が限界に近くなり気絶されられた時に九尾と会ったとナルトが後に教えてくれた。

初めは九尾とまともに会話が出来なかったと、涙目になりながら話してくれたのだ。

その後は、寝ている時に会えることが増えたと喜び、次第に九尾との会話が成立する様になったようだ。

どんな会話がなされたのかは、後に影分身を覚えナルトに分身体を外に出して貰った九喇嘛から話が聞けた。

それからは九喇嘛も落ち着き、アマネが作り出した結界の中で存分にナルトと術比べをしたり、模擬戦をしたりと楽しんでいた。

 

 

ある時、ナルトと共に一楽へラーメンを食べに行くと、そこには担任教師のイルカがいた。

イルカは、アマネに会うのは初めてであり、彼女を見て大層目を丸くしていたのだ。

その様子を見たナルトは大爆笑したり、大爆笑されて顔を赤くしたイルカだったり。

その後、ナルトのアカデミーでの様子をイルカがアマネに話しナルトがバツの悪そうな顔をしたりと楽しい食事をしたりした。

 

 

そんな色々な体験をしたナルトのアカデミー生活もそろそろ終わりが近づいてきていた。




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