機動戦士ガンダムAGE ZERO   作:ケンヤ

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第109話

 

 

 

 バロノークにレギオン・ミラージュを着艦させたエリスはアセムに連れられてバロノークの艦長室にいる。

 本来はバロノークの現艦長であるナトーラの部屋となるのだが、前からアセムの部屋として使われていた事もあり、今もアセムが使っている。

 エリスは艦長室のソファーに座る。

 レギオン・ミラージュに乗っていたエリスは相変わらずパイロットスーツを着用していなかった。

 かつて、フォルスと名乗っていた時と同じで動きやすさを重視した服装だが、今は髪をポニーテイルに纏めている。

 

「まずは確認だ。エリス・アスノで間違いないな」

「言った筈だ。今の私は亡霊女王だとな。それ以上でも以下でもない」

 

 アセムはエリスの対面に座り、まずはエリスが5年前に戦死したと思われていたエリスと同一人物である事を確認する。

 それ自体はキオがエリスだと言っていた事もあり最終確認ですでに確定している。

 

「あのレギオンはどこで手に入れた。ここに来たと言うのも偶然と言う訳ではないだろう?」

 

 アセムはエリスの言葉を軽く流して本題に入る。

 レギオン自体、製造はされている訳もなくベースとなったレギルスはゼハートのレギルスRとUIEに渡ったと思われるレギオンMの2機で量産型レギルスをベースをしているにしては高性能過ぎる。

 それだけでなく、エリスが砂漠に来たと言う事も偶然とは思えない。

 

「レギオンを手似れた経緯に関しては国家機密に当たる為、答える事は出来んな。生憎と私は父さん以外の命令を聞く気は無い」

 

 本当に国家機密なのかは定かではないが、エリスは腕を組んでドヤ顔で答える。

 それだけでもアセムは十分に情報を得る事が出来た。

 エリスは父以外の命令を聞く気は無いと言っている以上、今も父の命令……つまりはクライドの指示で動いていると言う事だ。

 クライドがバックにいるとすれば、レギオンの設計データを手に入れる事が可能な立場にありレギオンをあそこまで改良する事も出来るだろう。

 

「砂漠に舞い降りた理由も言えんが、UIEのMSを追って舞い降りたらキオがいたと言う事は私とキオは宿命と言う名の運命であろうな」

「UIEが何を企んでいるのか叔父さんは知っているのか?」

「知らん。私はただ連中を追っているだけに過ぎないからな」

 

 クライドがUIEをエリスに叩かせている事からクライドは何かしらの事を掴んでいると考えられるが、エリスは聞かされていないようだ。

 だが、クライドがエリスに話していないと言う可能性も考えられるが、本当に何か気づいているのであればフリットに何かしらの情報を伝えても良い為、本当にクライドは何も気づいていないと思われる。

 

「ただ、父さんはUIEはどう言う訳か、戦力を集めているとは言っていたな」

「戦力か……」

「父さんも結構やられているからな。案外、私にUIEを叩くように指示していたのもその報復と言う事かも知れんな」

 

 アセムにも心当たりはある。

 UIEの今までの行動の多くは戦力の確保に繋がっている節がある。

 クライドの特研にスパイを入り込ませてガンダムZERO Ⅱや大罪シリーズの設計データ、ノアの設計データ、ナイトルーパー改、ARISUシステム、量産型AGEビルダーなどを奪取している。

 他にも4機のプロトAGE-3も奪取している。

 それ以外だとネオ・ヴェイガンからもヴァレリによってガンダムレギオンMやヴェイガンギア、シドの残骸などがUIEに流れている。

 ネオ・ヴェイガンの残党兵の一部はUIEに流れたと言う不確定情報も来ている。

 今回の戦闘でも戦闘中にいつの間にか、アセムとキオが戦闘不能にしたネオ・ヴェイガン残党軍のMSが消えいていた。

 サタンが来たのもネオ・ヴェイガン残党軍をUIEに取り入れる為だとも考えられる。

 MS以外でもXラウンダーであるエリスなども勧誘している。

 それらは全てUIEの戦力の増強に繋がる行為になる。

 新型MSや高性能MSを奪い自軍の戦力として運用する事事態におかしな点はない。

 だが、ここまで執拗に戦力を確保しようとしている事を考えるとUIEの目的は戦力を確保した先にあるのではないかと考える事も出来る。

 

「まぁ、連中が何を考えているかなど私には知った事ではない。それよりもだ。キャプテン、私とレギオンを宇宙に上げる手筈を整えて欲しいんだが」

「こっちにも任務がある」

「関係ないな。私の事は何よりも優先されるのは世界的な常識と言える」

 

 バロノークは現在、司令部からの任務に就いている。

 UIEの横槍でネオ・ヴェイガンの残党軍に逃げられたがその任務が解かれたと言う訳ではない。

 その為、司令部の判断もなしに勝手に宇宙に上がる訳にはいかない。

 

「それにレギオンには大気圏突入能力はあっても離脱能力はないのだ。打ち上げ施設に向かうにしても何日もレギオンに乗ってたんだ。私でも疲れた」

 

 レギオン・ミラージュは単体での大気圏突入能力はあるが、大気圏を離脱する事は出来ない。

 だからこそ、エリスはバロノークを宇宙に上げるように言っている。

 エリスがレギオン・ミラージュでMSを宇宙に打ち上げる事の可能な施設に向かうと言う手もあるが、エリスは数日間もレギオン・ミラージュに乗っていた為、疲れているから嫌だと言う。

 アセムからしてみればエリスが疲れていようと関係はない。

 しかし、このままエリスを一人で野放しにして面倒事を起こされるのも面倒だ。

 ウルフからエリスがフォルスと名乗って傭兵だった時に何かと面倒事を巻き起こして来たと言う事は聞いており、今のエリスを見る限り確実に面倒事を起こすと言う事は目に見ている。

 

「分かった。司令部に話しを付ける。それで良いな」

 

 それが最大限の譲歩だ。

 面倒事を起こすのであれば自分の目の届くところに置いておく事が一番だ。

 幸い、エリスはキオならば比較的話しも通じるらしく、キオには悪いがエリスの手綱を持っておかせる事がベストだと考える。

 それでもアセムの独断でバロノークを宇宙に上げる訳も行かない為、司令部に話しを付けると言うのが現状で出来る最大限の譲歩だ。

 

「致し方がないか」

 

 エリスもそれで納得する。

 そして、後の事をアセムに任せると艦長室から出て行く。

 

「エリスさん」

「キオか」

 

 艦長室から出たエリスをキオが待っていた。

 エリスはキオと共にバロノークの展望デッキに移動する。

 その間、二人は口を開く事は無いが展望デッキについてエリスは外を眺めている。

 キオは頭の中でエリスに聞きたい事を整理すると口を開く。

 

「生きていたんならどうして僕に何も言ってくれなかったんですか」

 

 キオがまずエリスに聞きたかった事はそれであった。

 キオはこの5年間、エリスが死んだものと思いオリバーノーツに墓まで作っている。

 エリスの墓の前で決意が折れないようにしていたが、生きていたのであれば連絡の一つは欲しかった。

 

「そうだな……アスノ家の後継者として光の道を歩くキオに私と同じ闇の道を歩いて欲しくなかったのだよ。例えいずれ起こるであろうラグナロクを阻止する為であってもな」

 

 エリスは外を眺めながら憂いを帯びた表情でそういう。

 キオはフリットの孫、アセムの息子として期待を受けて光の道を歩いて来た。

 逆にエリスは人知れず生まれ、世界の闇の中で生きて影からUIEと戦って来た。

 その為、エリスはキオに自分と接触する事で闇の道に関わりを持つ事を避けたいと思ってキオに連絡しなかった。

 と言う事にしておいた。

 無論、ラグナロク……終末の日などある訳もない完全に口から出まかせである。

 

「そうですか……エリスさんは今までUIEと戦って来たんですね」

「私がMSに乗れるようになったのはつい最近の事だ。それまでは今までの無茶が祟ってまともに動く事すらままならん状況だったからな」

 

 エリスがレギオン・ミラージュに乗れるようになったのはつい最近の事で今までは体を動かす事すら出来ない状態だった。

 それは薬を飲む事もなくXラウンダー能力を使い続けたせいでエリスの体は限界を超えていた。

 それでも戦う事が出来たのはエリスの執念が故であった。

 5年前、クライドによって回収された後はクライドによって体を治す治療を受けていた。

 その際に薬を飲む事もなくいた事でエリスの体は人為的に強化された部分に適応しようと細胞レベルで変化を始めていた事にクライドは気が付いた。

 そして、4年近くかけた治療でエリスの体は薬を飲まずとも維持できるようになっていた。

 しかし、その対価として遺伝子操作で人よりも長い寿命を持つエリスの寿命の大半を使ったため、エリスは後数年の寿命しか残されてはいない。

 

「その時の私に出来る事は考える事しかなかった。あの時、なぜ私がキオに負けたのかをな。決して勝てない相手ではなかった。だが、私は負けた。そんな時だ。父さんが参考資料を私に見せたのは」

 

 動く事の出来なかったエリスに出来る事は考える事しかなかった。

 体は動かずとも頭を動かす事は出来たからだ。

 キオとの戦いの敗因を考えるがエリスには理由が見当もつかなかった。

 その時、クライドがある物をエリスに見せた。

 それはクライドが子供の事に見ていたロボットアニメであった。

 元々、アスノ家はMS鍛冶の家系だが、クライドが本格的にMS開発に興味を持ったのがそのアニメだった。

 それをクライドはエリスに見せたのだった。

 

「それは作り物である筈だったが、私の心に響く物があった。そして、私はネットワークと通じてそれに関する資料を集め多くの同士の声に耳を傾けた。その過程で私は自分の見識の狭さを思い知ったよ。そして、ついに私は答えに辿り付いたのだよ。あの時の私の敗因……それは萌えだったと言う事にな!」

「燃えですか……」

 

 エリスはビシッとキオを指さして高らかにそういう。

 キオは今までの憂いていたエリスから一転した事に戸惑いを覚えつつも話しの腰を折る事はなく話しを聞く。

 

「そうとも、萌えだ! あの時の私の持つ属性は巨乳と言う事くらしかなかった。それは乳がデカければ誰でも得る事の出来る属性だ。しかし、キオは違った。あの時のキオには私が決して持ちえなかった属性を持っていた……それはショタと言う属性だ!」

「はぁ……そうなんですか」

「そうとも! 残念な事に私にはTSしない限りは得る事が出来ない属性だ……だからこそ、私は萌え属性を多数会得する事で補った。まずはポニーテイル! ニーソからの絶対領域のコンボ! 眼鏡を揃えた! だが勘違いするなよな! お前の為なんかじゃないんだからな!」

「そうですか……」

 

 流石にキオもエリスの言動について行く事が出来ずに適当に返事をする。

 エリスの言葉の言っている意味はまったく理解出来ない。

 取りあえず、ポニーテイルや眼鏡などは指を指している為、それの事を指しているのは分かる。

 そして、話しについて行けないキオはぼんやりとサングラスは眼鏡に含まれるのかと考えている。

 エリスはキオの反応を見て少し考える。

 

「キオにツンデレはダメか……ならば、これはどうだ。キオ君、お姉さんがイイをしてあげるわよ」

 

 今度は少し体をくねらせてそういう。

 エリスの意味不明が言動にキオは混乱して何も言えない。

 それを見たエリスは信じられない物を見てるかのように驚いている。

 

「馬鹿な……私の見立てではキオは年上好きと予測したんだがな……ならば、今度はこれでどうだ……お兄ちゃん」

 

 エリスはとびっきりの笑顔でキオとお兄ちゃんを言うがキオは困り果てている。

 

「エリスさん……流石にそれはきついですよ。そもそも、エリスさんの方が僕よりも年上じゃないですか」

「何を言う。私の方がキオよりも3つ程年下だぞ」

「はい?」

「まぁ、私の隠し切れない色香からそう思ってしまうのも無理はない。こう見えても私はピチピチの15歳の乙女なのだよ」

 

 正気を取り戻しかけたが、エリスのさらっと出た一言で混乱する。

 キオもエリスが普通に生まれた訳ではないと言う事は知っている。

 エリスの外見は10代の後半から20代の前半で5年前でそうという事は今は20代半ばだと思っていた。

 だが、実際はエリスが生み出されたのは15年前の事でエリスは自分で言っているように15歳である。

 

「だから妹キャラは無理があったか……ならば、お姉さんキャラで行った方が無難か……」

「エリスさん……さっきから何をしてるんですか?」

 

 そろそろ、直接聞かねばエリスが延々と奇行を繰り返しそうなので直接行動の理由を尋ねた。

 

「仕方がない。私が集めた情報を提示してやろう。どの道、キオには扱えないからな。私が集めた情報によれば、女であるのなら言動だけで男を落とす事が出来るらしい。私も初めて知ったな。敵を攻撃する事なく撃墜する術が女に持っていると言う事をな」

 

 エリスはしたり顔でそういう。

 エリスが何を見てそう判断したのか分からないがキオには明らかに何かを間違えている気がしてならない。

 

「私は激しい修行の結果、それを体得する事が出来た。それに比べてキオ、お前は何だ。5年前は私を破ったショタと言う属性を失っているではないか。それを失った今のキオはただのキオに過ぎず、恐れるに足りんな。本当に時間とは残酷な物だな」

 

 エリスは再び憂いを帯びた表情で外を眺める。

 時間は残酷と言う事に関してはキオも同感だった。

 5年前のエリスはその理念こそは賛同する事が出来ず敵対してでも止めたいと思っていたが、その毅然とした態度はキオの中ではシャナルアとは別の大人の女性と言うイメージではあったが、5年後のエリスはその時の面影すらない。

 しかし、当の本人は仮面で素顔を隠さずとも見えない仮面で心を押し殺していた5年前よりも、今のエリスは活き活きとしている。

 

「して、キオ……暫く合わないうちに大きくなったな」

「え? そうですかね」

 

 今までの意味不明な言動から一転して5年ぶりの再会としては普通の言動に戻った事で逆に戸惑ってしまう。

 

「いやいや、5年前のお前はこん位だったぞ」

 

 エリスは自分の腰の辺りに手をやる。

 恐らくは5年前のキオの身長を示しているのだろう。

 エリスは少し大げさにしているが、実際エリスの言っている事もあながち間違いではない。

 5年前のキオはまだ13歳で今のキオは18歳だ。

 その5年でキオも成長し、今では身長はエリスよりも高くなっている。

 声変わりもしている為、戦闘中の通信は音声のみだった事もありエリスは一瞬、誰だか分からなかったほどだ。

 キオは自分の事なので余り自覚は無かったが、確かに5年前は自分よりもずっと大きく感じられたエリスよりも今の自分の方が大きいと言う事に気が付く。

 

「人の成長とは不思議なものよな。あの時の小僧が今ではここまで成長して……はっ、これが母性と言う物か! フッ……妹属性に加えて姉属性だけでなく母属性まで私は体得してしまったか……本来なら併せ持つ事の出来ない属性を体得すした私はまさに圧倒的ではないか! 私の抑えきれない才能が怖いな」

 

 キオの成長をシミジミと感じていたエリスが再び珍妙な事を言い出すが、流石にキオも慣れたのか特に何かを言う事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 エリスの情報をアセムはすぐにラ・グラミスにいるフリットに伝えている。

 今までUIEに関する情報はほとんど無い為、エリスからの不確定情報でも無いよりかはマシだ。

 

「今まで戦力を増強する事は戦術の基本だから当たり前だと思っていたが、その先に何かあると言う可能性は考えてはいなかったな」

 

 フリットの方でもUIEの目的を考えてはいたが、戦力を確保する事はどんな作戦を実行する為にも必要な事である事から戦力を集めると言う事事態は重要視はしていなかった。

 エリスからの情報は今まで意図的に排除していた可能性を再び浮かび上がらせる事になる。

 

「それが事実であるとすれば連中は相当な戦力を溜め込んでいる筈だ」

 

 量産型AGEビルダーで5年間にゼイ・ドゥやナイトルーパー改と言ったコストのかからない量産機であれば大量に生産できる。

 そして、UIEにはARISUシステムを持っている為、MSは作っただけ戦場に投入できる。

 

「エリスは宇宙に上がりたいと言っているがどうする。父さん、このままエリスを野放しにするのは危険だと俺は思う」

「同感だ」

 

 フリットもアセムの意見に異論はない。

 エリスの力は強大で野放しにすればどんな面倒な事になるか分からない。

 ただでさえ、復興やUIEの事もある為、エリスには連邦軍の目の届かないところで勝手に動かれるくらいなら、バロノークに乗艦しアセムに監視させておいた方が良い。

 

 

「バロノークはただちに宇宙に上がって貰う。新たな任務として火星圏より帰還予定であるディーヴァとアブディエルの出迎えを頼みたい」

 

 バロノークを宇宙に上げる際の名目上の任務としてフリットは火星圏から戻って来るクライドを乗せたディーヴァとアブディエル改との合流を命じる。

 数時間前に火星圏のセカンドムーンからある程度のデータ収集を終えた為、地球圏に帰還すると言う報告を受けていた。

 ディーヴァとアブディエル改はマーズレイを無効化して長年に渡る戦争を完全に終わらせる為には必要不可欠なデータを持っている為、重要な戦艦だ。

 もしも、その2隻が沈められてデータが失われるようならば、再び長い年月をかける必要がある。

 戦争を早期に終結させるためには確実にデータを持ち帰らなくてはならない。

 エリスの背後のクライドがいると言うのであればエリスを迎えに送るのも一つの手だ。

 

「正式な指示は追って伝える」

 

 アセムはフリットとの通信を終える。

 キオが配属されてネオ・ヴェイガン残党軍との交戦だけで終わる筈だった任務だが、ここに来て思わぬ方向に進みそうであった。

 

「しばらく休暇は取れそうにないな」

 

 司令部の方でトラブルがなければ次はそのまま宇宙に上がる事になる。

 そうなればまともに休暇を取る暇はないだろう。

 願わくばこの任務が更なる大事にならない事を願った。

 

 

 

 

 

 

 

 UIEの超ド級戦艦ノアのブリーフィングルームにフェオドールはアルベリッヒの報告を受けていた。

 この5年間は連邦軍とまともに戦う事なくネオ・ヴェイガン残党軍や反連邦勢力の吸収に力を入れていた。

 

「総帥。ダグ・アスノより報告がありました。かねてより行っていたガンダムの強化が完了し、シドやレギルスタイプのMSの量産化により我が軍のMSの総数は約1億となりました」

 

 この5年でノアの生産ラインと量産型AGEビルダーをフルに回転させた事でUIEのMSの総数や約1億となっていた。

 その大半がARISUシステムを搭載した無人機だ。

 1億のMSの中にはネオ・ヴェイガンから得た情報から量産したシドやガンダムレギルスも多くはないが含まれている。

 その他にもネオ・ヴェイガン残党軍を吸収する際に持ち込まれたヴェイガンのドラドやガフランと言った旧式MSからダナジンのような一線で活躍できるMSもある。

 それ以外でもレガンナーや連邦軍のMSであるクランシェやアデル系、ジェノアス系のMS、反連邦勢力のMSであるシャルドール系や今や骨董品の域となっているザラムやエウバのMSまで戦闘で使われてたMSはほぼ揃っている。

 独自に製造したゼイ・ドゥやゼイ・ドルグ、ナイトルーパー改などの量産機も大量に製造されている。

 さらに、大罪シリーズが3機とプロトAGE-3が3機、ガンダムTHE END、ゼイ・ガルム、ヴェイガンギア、ガンダムレギルスM、強化改造をされたガンダムZERO Ⅱを合わせて連邦軍の総戦力と正面切って戦いその中で奇跡が起きても絶対に負けない戦力をUIEは集めていた。

 

「そうか。アルベリッヒ、今ブレイクアース計画を実行に移した場合の勝算は?」

「確実に我が軍の勝利でしょう」

 

 アルベリッヒは断言する。

 1億のMSを相手に今の連邦軍の戦力では確実に勝てる。

 それだけの戦力を長年かけて集めた。

 

「分かった。私達の行う事は未だ人類が一度も犯した事のない大罪を犯す事になるだろう。だが、それでも私は人類の進化の為には必要な事であると考えている」

「同感です」

「ノアの乗り組み員に通達してくれ。我々はこれよりブレイクアース計画を実行に移す!」

 

 確実に連邦軍に勝つ事の出来る戦力が用意できた事でフェオドールはついに兼ねてより計画していた『ブレイクアース計画』の実行を決意する。

 それにより人知れず地球の存亡をかけた戦いが動きだした。

 

 

 

 

 

 

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