機動戦士ガンダムAGE ZERO   作:ケンヤ

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第114話

 

 

 

 連邦軍とUIEの地球の存亡を賭けた決戦の火蓋は切って落とされた。

 連邦軍の艦隊から次々とMSが射出され、ノアを左右から挟み込むように展開している。

 対するUIEは旧式のMSを中心に左右の連邦軍のMSの対応と左右に展開した事で手薄となった中央から進軍する。

 

「お前ら! ヴェイガンの奴らに遅れを取るなよ!」

「ようやく、辿り付いたエデンをあんな物にやらせるな!」

 

 両軍のMSがついに激突して戦闘が開始される。

 先陣を切ったクランシェⅡの部隊が飛行形態のままドッズキャノンとドッズライフルを放つ。

 UIE側のアデルはシールドで防ぎながらドッズライフルで応戦する。

 クランシェⅡの後方からダナジンがダナジンキャノンを放ち、アデルのシールドを吹き飛ばしてクランシェⅡがビームサーベルでアデルを切り裂くが、すぐにアデルキャノンによって撃墜される。

 ダナジンの部隊がビームバルカンを連射してUIEの部隊を食い止めるも、ナイトルーパー改のドッズバズーカで撃墜される。

 ダナジンが撃墜される中、アデルマークⅡの隊長機がグラストロランチャーでナイトルーパー改を撃墜して体勢を立て直したダナジンがダナジンキャノンを放つ。

 ビームアックスを抜いたゼイ・ドゥがアデルマークⅡの隊長機に切りかかり、隊長機はビームサーベルで応戦しようとするもビームアックスで右腕を切り落とされるも、後退しながらシールドライフルでゼイ・ドゥを牽制するも背後から別のゼイ・ドゥのビームマシンガンで蜂の巣にされて撃墜された。

 

「隊長! この野郎!」

 

 隊長機を失ったアデルマークⅡは両腕のシールドライフルでゼイ・ドゥを攻撃する。

 ゼイ・ドゥはかわしながら、ビームマシンガンで応戦する。

 装甲の厚いアデルマークⅡにはビームマシンガンの攻撃など大した事は無かったが、ナイトルーパーのドッズバズーカで仕留められる。

 

「畜生が!」

「ふざけやがって!」

 

 アデルマークⅡがドッズライフルを放ち、アデルキャノンがドッズキャノンとミサイルを放つ。

 ゼイ・ドゥはビームマシンガンでアデルマークⅡを放つとダナジンがビームサーベルで腕を切り捨ててアデルキャノンのドッズキャノンで撃ち抜かれる。

 ダナジンはそのままダナジンキャノンを放ちドラドを撃墜するも、別のドラドとアデルの集中砲火で撃墜された。

 開戦し両軍が入り乱されての大混戦となる中、ラ・グラミスの司令部では各艦へと情報の伝達と指示を伝えている。

 

「ディグマゼノン砲の準備はどうなっている!」

「すでにチャージを終えています!」

「部隊に通達後ディグマゼノン砲で敵部隊を一掃する!」

 

 ラ・グラミスからすぐに各艦にディグマゼノン砲の発射が伝えられ、ディグマゼノン砲はノアに対して発射された。

 その一撃は射線上の連邦軍の戦艦をも巻き込んで射線上の敵を破壊して行く。

 一見、連邦軍が友軍をも犠牲にしたとも見える一撃だが、この事は事前に打ち合わせていた通りの対応であった。

 その為、射線上に展開されていた戦艦はダミーで外装だけで中身はデブリや使えないジャンクで構成されており、ダミーである事を悟られないように砲門だけは自動で数発撃てるようになっている。

 ディグマゼノン砲の一撃はノアに直撃するも、損害はほとんどなく、ノアの進路を変更させる事も速度を緩める事も出来てはいない。

 敵MSも一撃で100機近くは破壊したが、UIEの集めた戦力からすれば焼石に水だ。

 

「やはり大した損害は与えられんか……」

 

 敵の予想した数からディグマゼノン砲の一撃では大した戦果を挙げる事は出来ないと言う事は分かっていた。

 

「司令! 手薄になった中央からUIEのMS隊が接近しています!」

「分かっている!」

 

 ディグマゼノン砲を撃てばダミーの艦隊が焼失して、ラ・グラミスの中央ががら空きになる事は分かっていた事だ。

 すぐに予備部隊を投入して空いた穴を埋めるが、UIEはここぞとばかりに新型のゼイ・ドルグを一気に投入して来た為、次々と突破されていく。

 このままではノアに侵入する前にラ・グラミスが落とされてしまう。

 司令部が落とされる事があれば全体の士気に大きく影響し、確実に勝てない。

 

「仕方がない」

 

 アルグレアスは司令部の陥落と言う最悪の事態を回避する為に次の手を打つ事を決める。

 

「ジラード隊、出撃してくれ」

「私達は好きにやっていいのよね」

「ああ、ラ・グラミスの正面を守ってくれれば好きにやって構わん。だが、死んでも死守して欲しい」

 

 モニターにジラードが映される。

 5年前の戦いでエリスの指示で連邦軍に投降した親衛隊は未成年であったシェリーを除き、全員が拘束され収監されていた。

 だが、連邦軍は少しでも戦力を確保する為に元ネオ・ヴェイガンの親衛隊に現在の状況を戦力が必要である事を告げた。

 ジラードは過去の一件を許すつもりはないが、ヴェイガンの地球人類の抹殺はともかくUIEの地球を破壊すると言う事には賛同する事は出来ずに、出撃後は独自の判断で行動する事と当時使っていた専用のレギルスを用意する事で連邦側に加わった。

 

「分かったわ。勝手にさせて貰うわ」

 

 ジラードは司令部との通信を終える。 

 すでにレギルスGで待機しており、指示が出ればいつでも出れるようにはなっていた。

 

「そう言う訳だから、私達も出るわよ」

「全く……釈放早々、厄介な戦場に駆り出されたわね」

「全くよ! こっちは花の高校生活がもうすぐ終わるってのにさ!」

「だが、戦いに勝たねば高校生活どころか地球が終わるだな」

 

 元親衛隊は出撃前ではあるが特に緊張は見られずいつも通りだ。

 ラ・グラミスの格納庫のハッチが開閉すると4機のレギルスは出撃する。

 

 

 

 

 

 

 

 ディグマゼノン砲の攻撃でラ・グラミスの正面の防衛が手薄となり、そこからUIEのMS隊がラ・グラミスの方に進撃している。

 その先陣を切っているのが、レーラのゼイ・ドルグだ。

 レーラのゼイ・ドルグはゼイ・ドゥLカスタム同様にバックパックに4基のビットを装備している専用機だ。

 

「邪魔よ!」

 

 レーラ機がドッズライフルでクランシェⅡを撃ち抜き、4基のビットが展開される。

 

「踊りなさい!」

 

 4基のビットは次々と連邦軍のMSを撃墜して行く。

 Gブラスターがレーラ機にシグマシスライフルを放つが、レーラ機は回避してGブラスターの四方からビットで攻撃する。

 被弾してバランスを崩しているところにレーラ機はビームアックスでGブラスターを破壊する。

 

「マドックとボリスの仇!」

 

 アデルマークⅢのビームをシールドで防ぎビットでアデルマークⅢを破壊する。

 アデルマークⅢを撃墜するとドッズライフルでジェノアスⅡを撃ち抜く。

 連邦軍のMSを撃破して行くが、ラ・グラミスから出撃して来たジラード隊が到着する。

 

「アンタ達には恨みはないけどね」

 

 レギルスGがレギルスライフルを放ち、ゼイ・ドルグを破壊する。

 

「新手!」

 

 連邦軍の増援にレーラはすぐに対応する為にレギルスGにドッズライフルを放ち、レギルスGはシールドで防ぐ。

 

「カスタムタイプは私が抑える。他は任せたわ」

 

 レギルスGがレギルスライフルで応戦する。

 

「私は勝手にやらせて貰う。連邦の言う事をそこまで聞く義理はないからな」

 

 コーデリアのレギルスCはゼイ・ドルグをレギルスブレードで両断すると戦列から離れてノアの方に向かって行く。

 

「ちょっと!」

「好きにさせなさい。私達は好きにやって良いらしいから。何だったらシェリーも勝手に動いても良いのよ」

 

 シェリーのレギルスSがレギルスサイズを振るい、タチアナのレギルスTがレギルスランチャーのドッズライフルを放つ。

 コーデリアは始めからアルグレアスの指示に従うつもりは毛頭なく、勝手に動くつもりであったらしい。

 

「ふざけないでよ! こんな戦場で単独行動とはあり得ないし!」

 

 乱戦になっている以上、隊を離れての単独行動は自殺行為にも等しい。

 シェリーにはそんな真似をする事は到底出来ない事だ。

 

「そう言う、タチアナはどうなのよ?」

「私は上からの命令に従うだけよ」

 

 レギルスランチャーのチャージを終えたレギルスTがレギルスランチャーを放ち、射線上の敵を一掃する。

 レギルスランチャーの発射後にレギルスランチャーで開けられた穴をすぐにUIEのMSが埋めてしまう。

 

「だからここは死んでも死守するわ」

 

 レギルスTはレギルスランチャーのチャージの時間を稼ぐ為に左手のビームバルカンを放ち、レギルスSはレギルスビットを展開しながらレギルスサイズを振るう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘が開始されて本格的に乱戦となる頃、別ルートからノアに接近していたディーヴァとアブディエル改も戦闘宙域に接近している。

 ディーヴァはノアの下から潜りこむように接近し、アブディエル改はノアの右舷から接近している。

 

「アスノ隊長、作戦宙域に到着しました。出撃お願いします」

 

 ダークハウンドで待機していたアセムにブリッジのナトーラから作戦宙域に到達したとの知らせが入る。

 すでに戦闘が開始されて事は知っていた。

 事前に聞いていた情報だと、すでに多くの犠牲者が出ていてもおかしくはない。

 その犠牲を無駄にしない為にもここからはアセム達が戦局を動かなくてはならない。

 ダークハウンドがバロノークのカタパルトに固定される。

 

「アセム・アスノ。ガンダムAGE-2 ダークハウンド……出る」

 

 ダークハウンドが射出され、それに続きバロノークからMSが射出される。

 

「アリーサとマックスさんは俺の援護、ジョシュア達はバロノークの護衛を任せる」

 

 ダークハウンドはストライダー形態に変形してディーヴァの方に向かい、アリーサとマックスのアデルマークⅡもそれに続く。

 バロノークはディーヴァの前方に配置されている為、艦体の接近を補足したUIEの部隊が迎撃に向かって来る。

 ダークハウンドはドッズガンを連射して弾幕を張ってUIEのMSを食い止める。

 ドッズガンの威力は低い為、ガフランのような旧式のMSを撃破できてもナイトルーパー改のような重装甲のMSを食い止める事は出来ない。

 だが、それを補うようにバロノークの護衛を任せて来た後方の部隊のブライアンとデールのGブラスターのシグマシスライフルの援護射撃が行われる。

 対して正確な砲撃と言う訳ではないが、敵の数が多い為、十分な支援となる。

 

「こりゃ僕たちも負けてられないね」

「まだ、世代交代には早いってところを見せつけてやるよ!」

 

 ダークハウンドについて来たアリーサとマックスのアデルマークⅡもドッズライフルでUIEのMSを撃墜する。

 ダークハウンドはドッズガンを連射してアンカーショットをナイトルーパー改に引っ掛けて電流を流す。

 本来、アンカーショットの流せる電流は大した威力は無く、パイロットを感電死させる事は難しくパイロットへのダメージとMSの精密機器へのダメージを目的にした武器だ。

 その為、ARISUシステムで動かされている無人機には精密機器への攻撃は致命的となり、電流を流されたナイトルーパー改は動かなくなる。

 アンカーショットをナイトルーパー改から外してドッズランサーでドラドを貫く。

 

「アスノ隊長、こちらに高速で向かって来る機影があります! 数は……3!」

「あれか!」

 

 ノアから新たに接近する機影が補足される。

 モニターに映像が映し出される。

 そこにはゼイ・ガルム、ヴェイガンギア、ガンダムレギルスMが映し出されている。

 

「くそ! 面倒なのが出て来た!」

 

 いずれはエース機の投入も予想はしていた。

 UIEはディーヴァに対して3機の高性能機を一気に投入して来た。

 これが1機づつであるのなら対応も楽だったが、3機も同時に投入されると厄介でしかない。

 ダークハウンドはストライダー形態に変形すると、3機の方に向かう。

 ダークハウンドの接近に気が付いた3機の内、ゼイ・ガルムがファンネルをダークハウンドに差し向ける。

 ダークハウンドはMS形態に変形すると、ドッズガンを撃ちながらファンネルの攻撃を回避する。

 

「よくぞ、かわした!」

「アルベリッヒ・・バルベルか!」

 

 ゼイ・ガルムはビームソードを抜いて、ダークハウンドはドッズランサーで迎え撃つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディーヴァの後方でディーヴァの護衛についていたファ・ザードにもUIEのMS隊が接近して来ている為、ファ・ザードのMS隊の出撃準備が始まっている。

 

「ゼハート様、接近するMSの中にヴェイガンギアとレギルスMがいます」

「分かった。俺の方で対処する。フラムはファ・ザードが沈まぬようにする事だけと考えろ」

「はっ」

 

 バロノークからゼイ・ガルムはダークハウンドが抑えているが、ヴェイガンギアとレギルスMはディーヴァを素通りしてファ・ザードに向かっていると情報を得ている。

 恐らくはディーヴァの後方に配置されているファ・ザードを落とす事でディーヴァの背後を取りたいのだろう。

 

「ゼハート・ガレット、ガンダムレギルスR……出る」

 

 レギルスRが射出され、ギラーガ改、FXバウンサーが射出される。

 

「俺がヴェイガンギアを押さえる。スラッシュはレギルスMを任せる。ティアナはファ・ザードの守りに専念しろ」

「レギルスM……ヴァレリの奴が出て来るってのか」

 

 レギルスMのパイロットがヴァレリとは限らないが、ヴァレリであるとスラッシュは何となく確信している。

 ヴァレリはかつて、自分を切り捨てた相手だ。

 スラッシュにとっては許せない相手とも言える。

 

「スラッシュ、レギルスMのパイロットがヴァレリだとしても余り気負うな。お前はお前の戦いをすれば良い」

「親父……ああ、分かってる!」

「死ぬなよ」

「親父こそな」

 

 レギルスRとギラーガ改は接近するヴェイガンギアとレギルスMの方へと向かって行く。

 

「ヴァレリ!」

 

 ギラーガ改はレギルスMにギラーガスピアで切りかかる。

 レギルスMは腕のシグマシスキャノンでギラーガスピアを受け止める。

 

「スラッシュか……あの時、死んでいれば良かった物を!」

 

 レギルスMはギラーガ改を弾き飛ばす。

 接触通信で相手がヴァレリであると知ると、スラッシュの頭に血が昇る。

 

「ヴァレリ! お前だけは俺が!」

 

 ギラーガ改はギラーガスピアを分割して短槍にしてレギルスMに突撃する。

 

「ガンダム……破壊する」

 

 ヴェイガンギアは接近するレギルスRにデルタゲイザーを放つ。

 レギルスRはレギルスビットを展開して、攻撃を回避する。

 

「ヴェイガンギア……ヴェイガンのMSの元になったMS。ならば、俺がこの手で破壊する!」

 

 レギルスRはレギルススピアーを構え、ヴェイガンギアに向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ノアの右舷から接近するアブディエル改にもUIEのMSが迎撃に向かい戦闘が開始されている。

 アブディエル改の護衛についているホワイトファングからMS隊が出撃して防衛に当たっている。

 

「お前ら! とにかくアブディエルに敵を近づけさせるなよ!」

 

 ウルフのGファングがハイパードッズライフルでゼイ・ドゥを撃ち抜いてシールドのビームソードでナイトルーパー改を両断する。

 AGE-3 トラインがシグマシスキャノンの一斉掃射で敵を薙ぎ払うが、敵は次から次へと出て来る。

 

「ちっ……次から次へと湧いて来やがって、だがな!」

 

 GファングがハイパードッズライフルでUIEのMSを撃墜するが、大して数を減らす事は出来ない。

 後方からジェノアスキャノンⅡのドッズキャノンとGバウンサーのドッズライフルの援護射撃があるが、それでも撃墜出来る数は多くはない。

 

「ウルフ艦長、このままじゃ」

「弱音を吐いてんじゃねぇ! とにかく落とせ!」

「分かってますけど!」

 

 AGE-3 トラインはシグマシスキャノンを可能な限り連射する。

 Gファングもハイパードッズライフルを連射する。

 

「クリフォード! 気を付けろ! 何か来るぞ!」

 

 ウルフは本能的に何かが来ると言う事を感じている。

 すると、警告音と共にウルフは機体を動かす。

 

「おいおい……何だ。ありゃ?」

 

 先ほどまで、Gファングのいたところに小さい影が横切る。

 

「機体コード……ベルゼブブ、クライドの奴が設計した奴か!」

 

 機体のデータベースに敵のデータが残されている。

 大罪シリーズの最後の1機であるベルゼブブだ。

 ベルゼブブの最大の特徴はその小ささだ。

 従来のMSの半分以下の大きさしかなく、武装は掌に内蔵されているビームバルカンのみだ。

 機体の下半身は推進装置となっており、背部にはハエの羽根を思わせる光波推進システムが搭載されている。

 ベルゼブブの両手にはビームバルカンからビームサーベルが展開されている。

 

「私の側に付かなかった愚か者達が……私の手で粛清してくれよう」

「この声……」

「ジェラールか!」

 

 ベルゼブブに乗っていたのはクリフォードの父、ジェラールであった。

 本来は強化Xラウンダーでなければまともに動かす事は出来ないが、ジェラールはUIEの手によって強化Xラウンダーとなり、ベルゼブブのパイロットとして戦場に投入された。

 

「クリフォード、やれるな?」

「……やります」

 

 クリフォードは操縦桿を強く握り締めて覚悟を決める。

 戦闘が開始される前に、ウルフに言われた事を思い出す。

 

「俺はアイツを一発、ぶん殴ってやる!」

「その意気だ!」

「落ちこぼれを老いぼれに何が出来る」

 

 ウルフとクリフォードはジェラードと対峙する。

 

 

 

 

 

 

 アブディエル改の方に向けられたUIEの高性能MSはベルゼブブだけではない。

 大罪シリーズの1機でノートラム防衛線に投入されたアスモデウスも投入されている。

 アスモデウスは左腕のハサミでアデルマークⅢの腕を両断して右手のビームクローでアデルマークⅢを貫く。

 そして、尾のニードルガンを放つ。

 クランシェⅡはビームサーベルで弾こうとするも、腕に突き刺さりニードルガンに仕込まれているウイルスによって機体が動かなくなり、その隙に右手のビームガンでクランシェⅡを撃墜する。

 

「見つけた……」

 

 次々とMSを撃墜するアスモデウスにユーリアのジェノブレイズがツインドッズガンを放ちながら、突っ込んで来る。

 ジェノブレイズはドッズガトリングライフルを連射する。

 

「デシルの仇は取らせて貰う」

「この感じ……ノートラムにいたXラウンダーね」

 

 アスモデウスはビームガンでジェノブレイズを牽制する。

 

「義姉さん!」

「エリアルド、こいつは私がやる」

 

 ユーリアにとってはアスモデウスはデシルの仇である。

 その為、アスモデウスだけは自分の手で倒したい。

 だが、大罪シリーズはどれも例外なく高性能である為、ユーリア一人では危険でもあった。

 

「だけど!」

「エリアルド……あれ」

 

 エリアルドはユーリアの援護に行きたいが、ベルゼブブとアスモデウス以外にUIEはシドを3機投入している。

 シドの性能は一般兵では対処する事は出来ず、このままではアブディエル改やバロックスが沈められてしまう。

 

「こっちは私、一人で良い。エリアルドはシドを任せた」

「……分かった」

 

 どちらも危険な状況だが、シドの方は自分がいかないと確実にどうにもならない。

 エリアルドはユーリアが勝つ事を信じてファムのゼイ・ドルグと共に3機のシドの対応に当たる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ノアに侵入する為にノアに出来る限り接近しようと試みているアブディエル改ではあるが、接近すればするほど、ノアの砲火が強まる為、アブディエル改が接近出来る限界になりつつある。

 ここからは2機のガンダムを射出して、クライドとフリットが自力で内部に侵入して貰うしかない。

 アブディエルのカタパルトが開閉し、すでにカタパルトにはクライドのF-ZEROとフリットのAGE-1 グランサが固定されている。

 

「さて……アリス、頼んだぞ」

「心得ています」

「クライド、無茶はしないでよ」

「こんなところで死ぬ気は無いさ」

 

 ようやく、最強のガンダムが完成したのだ、クライドはこんなところで死ぬ気は毛頭ない。

 クライドの頭の中には両親の復讐と一族の汚点を注ぐ事、そして、完成したガンダムZERO Zを歴史に残す事しかない。

 まずは、復讐とダグ・アスノを仕留める事から始める。

 

「クライド・アスノ、フルアーマーガンダムZERO……出るぞ」

 

 アブディエル改からF-ZEROが射出される。

 

「フリットも気を付けてね」

「分かっています。私もまだ死ぬ訳にはいきませんからな」

 

 この戦いが終わったところですぐに世界が平和になる訳ではない。

 確実に数年は世界は混迷するだろう。

 それの解決の目途が立たないうちはフリットも死ぬ訳ではいかない。

 

「フリット・アスノ、ガンダムAGE-1 グランサ……出る」

 

 グランサも射出され、2機はノアへと向かって行く。 出撃した2機はノアの砲火を掻い潜りながら侵入口を探す。

 グランサはグラストロランチャーでノアの砲門を潰す。

 ノアの砲門の全体数からすればノアの戦力を削ぐ事にはならない。

 

「砲門は潰せるのだが……」

 

 

 グラストロランチャーを放つが、ノアの装甲を破壊する事は出来ない。

 2機の火器でグランサのグラストロランチャーが最も威力が高い為、グラストロランチャーで破壊出来ないのなら他の火器を使っても無駄に終わるだろう。

 

「どっかのハッチを探すのが近道か……」

 

 ノアの装甲を破壊して、内部に侵入出来ないとなると、ノアのMSや戦艦が出入りするハッチを探してそこから侵入するしかない。

 

「アレは……」

 

 ハッチを探すクライドはノアの船体にある物を見つける。

 それはノアの全体からすれば蟻程も小さい為、危うく見逃す程のものだ。

 

「アイツの執念の成せる業か……」

 

 クライドはそれが何なのか、分かっている。

 ノアの船体にはブラッディゼイドラの腕が突き刺さっている。

 火星圏での戦闘時にブラッドがノアに特攻した時に突き刺さった物だろう。

 普通なら突き刺さる事はないが、腕のシグルクローが偶然にもノアの装甲の継ぎ目の部分に刺さったのだろう。

 それが、未だにノアに突き刺さっている。

 ノア全体からすれば取るに足りない損傷だった事からUIEは気づかなかったのか、修理する程でないと判断されたのかブラッディゼイドラの腕がそこに突き刺さっている。

 腕が突き刺さらない可能性、突き刺さっても地球圏に来るまでに腕が取れてクライドが気づかない可能性、UIEが腕に気が付いて修理する可能性、それらの可能性が考えられたが、それらが起こる事は無かった。

 それらが行い可能性は天文学的だ。

 それを引き起こしたのはブラッドの執念であるとクライドは非科学的だと思いつつもそう確信させる物があった。

 

「フリット、あそこを狙えるか?」

「分かった!」

 

 グランサはノアに突き刺さるブラッディゼイドラの腕を狙いグラストロランチャーとシールドライフルの最大出力で放つ。

 グランサの放った砲撃は目標に直撃して爆発を起こす。

 元々、腕が突き刺さっていたのは装甲の継ぎ目で装甲を直接狙うよりも強度は脆い事もあって、ノアの船体に大穴が空いた。

 

「ここからなら侵入出来そうだ。兄さん」

「全く……あいつの執念が初めて俺の役に立ったな」

 

 突破口を開いたのが蝙蝠退治戦役時に散々悩まされたブラッドの執念だと言う事は複雑ではあるが、もうブラッドの執念に悩まされる事は無い為、最後くらいはその執念に感謝しつつも、クライドとフリットはノアの内部に突入する。

 ノアの内部には戦艦でも移動可能な広さの通路もある為、MSが進むには十分な広さの通路だ。

 

「クライド様、次の分かれ道を上にその次の正面の道を進んでください」

 

 アリスの案内でクライドとフリットは先に進む。

 UIEの手によってある程度は変えられているが、設計図と大きく変える事は出来ない為、ある程度は道も分かる。

 

「何だ……嫌な感じがするな」

「兄さん、この先に何がいる」

 

 敵と遭遇する事もなく、順調に進んでいるがそれが逆に嫌な予感を感じさせる。

 アリスの案内で進んでいる二人は機体を止める。

 

「そう簡単に行かせてはくれないらしいな」

「だが、俺達としても好都合だ。フリット」

 

 2機の目の前には2機の進路を塞ぐようにガンダムTHE ENDが立ちはだかっている。

 ここまで敵の遭遇しなかったのは2機をここで抑える為で無駄な戦力を使う気がなかったと言う事だ。

 ガンダムTHE ENDを相手にするには旧式のMSを改良している2機では厳しい為、正しい判断を言える。

 しかし、クライドにとっては好都合な展開だ。

 ガンダムTHE ENDには生体ユニットとして二人の両親を殺し故郷を破壊したナーガが使われている。

 クライドとしてはナーガを始末するのは自分でなくてもナーガが確実に死んでくれればそれで良かったが、自分の手で葬れればそれが一番だった。

 今はフリットを二人しかいない為、ナーガを兄弟で始末する事が出来る。

 目の前の敵は強大だが、クライドにとっては邪魔者が入らずに両親と故郷の仇を討てる好機でもあった。

 

「フリット、こいつはここで俺達で仕留める。異論はないな」

「当然だ。奴を倒させねば先に進めんからな」

 

 遠い昔、ナーガに両親と故郷を奪われた兄弟は自分達の運命を変えた敵と対峙した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディーヴァから出撃したアビス隊は護衛艦からの支援もあり、ディーヴァの守りながら交戦している。

 クランシェカスタムがドッズライフルでアデルを撃ち抜き、デレク機とジョナサン機もディーヴァに取りつこうとしているMSを撃ち落す。

 デレク機とジョナサン機が撃ち漏らしたMSをジェノアスOカスタムが撃墜する。

 何とか敵を抑えているが、更に投入されたプロトAGE-3 ストライダーとプロトAGE-3 ダブルバレットに苦戦している。

 ストライダーはその機動力を活かして護衛をかき乱して破壊し、ダブルバレットは火力でディーヴァを脅かしている。

 

「隊長! あの2機を何とかしないとこっちが持ちませんよ!」

「分かっている!」

 

 クランシェカスタムはビームバルカンで牽制しつつ、ダブルバレットにドッズライフルを放つが、ジェノアスⅡが間に入りジェノアスⅡが破壊される。

 

「無人機が邪魔で……」

 

 ダブルバレットの動きは脅威となる程ではない為、砲撃の隙をついて狙う事は可能だが、その度に無人機が間に入り攻撃が届かない。

 無人機ごと攻撃するのはクランシェカスタムでは火力が足りず、ダブルバレットに近づき過ぎるとディーヴァの守りが疎かになる。

 

「アビス隊各機、今からガンダムを出撃させます。出撃後、フォトンブラスターにてガンダムの進路を切り開きます。支援を頼みます」

「了解した。オブライトさん、デレク、ジョナサン、聞いたな。俺達はガンダムの出撃の援護に入る」

 

 クランシェカスタムは飛行形態に変形するとドッズキャノンを放ち、ナイトルーパー改を撃墜し、デレク機とジョナサン機もドッズキャノンを放ち、ジェノアスOカスタムがシールドで攻撃を防ぎながらドッズライフルを放つ。

 そして、ディーヴァのカタパルトのハッチが開閉する。

 

「私達の任務は敵防衛部隊を突破し内部に突撃して破壊工作か……容易いな」

「簡単に言わないでください。エリスさん」

 

 キオとエリスの役割は敵MSを1機でも多く撃墜した上でノアの内部に突入する事だ。

 クライドとフリットとは違い2人の仕事はシステムの掌握ではなく、内部破壊だ。

 ノア程の大きさの戦艦ならば少しくらい破壊したところで全体からすれば問題はないが少しでもノアの戦力を削ぐ事と指揮系統を混乱させる事が目的だ。

 

「それに僕たちは無理に突入する必要はないですよ」

「小さい事を言うな。雑魚が幾ら集まったところでそれは私に無双される為に用意されたに過ぎん。それに戦場の主役はこの私だ。爺さんどもに良い恰好はさせん」

 

 2人は敵の数を減らす事が最大の役割である為、無理にノアに突撃する必要はない。

 しかし、エリスは自分が目立ちたいが為にノアの内部に突撃してノアを破壊する気でいるようだ。

 

「ガンダムの出撃後にフォトンブラスターを使う。射線上に入るなよ」

「誰に物を言っている。グルーデック艦長、この私が友軍の砲撃に当たるなど間抜けはせんよ。私程のパイロットとなれば友軍の砲撃が勝手に避けてくれる」

 

 そんな話しは聞いた事は無いが、フォトブラスターキャノンの射線に入らないと言うのならそれで良い。

 

「エリス・アスノ。ガンダム、出る」

「キオ・アスノ。ガンダムAGE-FX、行きます」

 

 2機のガンダムがディーヴァより射出されてディーヴァもフォトンブラスターキャノンの発射準備に入る。

 出撃した2機はすぐに分散する。

 フォトンブラスターキャノンが発射されるまで少し時間がある為、その間は少しでも敵の数を減らさないといけない。

 2機が固まって行動する必要も無い為、2機は散開した。

 今回の戦闘ではFX-CSはダイダルバズーカを装備している。

 FX-CSは攻撃の正確さは高いが、決定的に火力が低い。

 それは高い火力はキオの戦い方には適さないからだ。

 しかし、今回は高い火力を必要とし、大半が無人機である事かた急遽ダイダルバズーカが用意された。

 

「キオ、エリス、プロトタイプのAGE-3が厄介だ。そいつらを頼む」

「分かりました。セリック隊長」

「雑兵の分際でと言いたいが仕方がない」

 

 どうせ数を減らすのであれば厄介な敵を仕留めて欲しい。

 エリスがダブルバレットの方に向かい、キオがストライダーの方に向かう。

 FX-CSはストライダーにダイダルバズーカを放つ。

 だが、ストライダーは攻撃をかわしてビームバルカンで反撃して来る。

 その程度の攻撃はCファンネルを使わずともFX-CSの装甲に傷をつける事は出来ない。

 

「新型のガンダムか……固いな。だが!」

 

 FX-CSはダイダルバズーカを連射する。

 ストライダーは無人機ではない為、キオは直撃させる気はなく、被弾させる程度で狙いをつけている。

 ダイダルバズーカは急遽用意した装備である為、他の装備程精密な攻撃が出来ない為、ストライダーは軽くかわしている。

 

「人が乗ってさえいなければ……」

 

 無人機であれば当てる事は容易いがストライダーは無人機ではない。

 それがキオの足枷となり、ストライダーを相手に手こずる事となっていた。 

 一方のエリスの方も手こずっていた。

 ダブルバレットにスタングルライフルを放つが、無人機が盾となる。

 ガンダムZERO Zのスタングルライフルの威力なら1機くらいなら問題なく破壊してダブルバレットを撃破出来るのだが、長期戦に備えてスタングルライフルの威力は最小限に調整されている。

 それでもMSの火器としては高い火力だが、何機も無人機の盾で威力は削られている為、ダブルバレットは容易に回避が出来る。

 

「引きこもりが」

 

 接近戦に持ち込もうとしても敵が多い為、近づく事も難しい。

 敵が攻撃して来るのであればそれに合わせて攻撃する事も出来るがダブルバレットは攻撃をして来る素振りは見せない。

 どうやらガンダムZERO Zを消耗させるまでは自分を危険に晒す真似はしないようだ。

 ガンダムZERO Zは頭部のビームバルカンを放つ。

 牽制用のビームバルカンでもMSの装甲を貫くには十分な威力があり、それで敵を撃墜するのには十分だ。

 接近して来たゼイ・ドゥの横っ腹をガンダムZERO Zは蹴り飛ばす。

 普通のMSならそれで装甲をへこますところだが、ガンダムZERO Zの一撃はゼイ・ドゥの胴体を粉砕して破壊する。

 そして、スタングルライフルを放つが、無人機を破壊するだけでダブルバレットまで届く事は無い。

 本来なら圧倒的な性能差で無双する予定だったが、ダブルバレット1機も落とせずに手間取っている為、エリスは次第にイラついて来ている。

 

「雑魚は雑魚らしく、私の活躍に花を添えていれば良い物を!」

 

 エリスはこれ以上、手間取る事が我慢できずにモードZEROで一気に片を付けようとする。

 

「陛下!」

 

 だが、コーデリアのレギルスCがガンダムZERO Zの元に飛んで来る。

 

「その圧倒的な力、もしやと思いましたが生きておられたんですね! 陛下!」

「コーデリアか」

 

 ジラード隊から離れたコーデリアはここまで戦闘しつつ来たらしい。

 コーデリアにはXラウンダー能力はないが、本能的に自身が生涯仕えると心に決めたエリスが戦場にいる事を察していたらしい。

 ヴァニス・イゼルカントは正式に5年前に死んだ事になり、ヴァニスがエリスとして生きていると言う事は公になっておらず、その関係性も一部の関係者しか知らない事でコーデリアが知る事は出来ない。

 それでも尚、ガンダムZERO Zに乗っているのがヴァニス・イゼルカントであると分かった事にエリスは関心を通り越して軽く引いた。

 

「良くぞ。私の元まで来たな」

「当然です。私は陛下と共にあります故」

「良く言った。ならば、命ずる。あのガンダムタイプはお前に任せる。あれを仕留めた後、ディーヴァの護衛に回れ」

「はっ! このコーデリア、命に代えても陛下のご命令を実行してご覧に見せましょう」

 

 もうじき、ディーヴァがフォトンブラスターキャノンの発射が行われる為、エリスは面倒事をコーデリアに丸投げした。

 コーデリアもかつてネオ・ヴェイガンを崩壊させたディーヴァを守るように指示をされるが、エリスの言う事もあってあっさりと了承する。

 

「任せたぞ」

 

 コーデリアにダブルバレットを任せたエリスはディーヴァの方に向かう。

 

「キオ!」

「はい! 済みません! セリック隊長!」

「分かっている。ここは俺達に任せて、キオはエリスと行け!」

 

 ストライダーに苦戦しているキオもフォトンブラスターキャノンが発射される為戻る。

 そして、ディーヴァからフォトンブラスターキャノンが発射され、射線上の敵MSを消滅させていく。

 フォトンブラスターキャノンの掃射が終わるとすぐにキオとエリスはノアに向かって行く。 

 

FX-CSがダイダルバズーカを放ちガンダムZERO Zはスタングルライフルを放つ。

 フォトンブラスターキャノンで数を減らしても元の数が多い為、敵は次から次へと進路を塞いで来る。

 

「鬱陶しいハエどもが……キオ、バーストモードで突っ込め」

「僕がですか?」

「そうだ。突っ込むのは男の役目だ」

 

 敵の数が多くこのままではじり貧でノアに突撃する為には何かしらの打開策が必要だ。

 モードZEROはエリスの体に負担をかける為、切り札として多用は出来ないが、FX-CSのバーストモードのリスクは攻撃力の強化に伴い敵を殺してしまう可能性が格段に上がる事だが、無人機しかいない戦場ではリスクとはならない。

 

「分かりました!」

 

 FX-CSはダイダルバズーカを捨てるとバーストモードを起動させる。

 青く発光するFX-CSはノアに向かって一直線に突撃し、その後ろにガンダムZERO Zが付いている。

 バーストモードを起動しているFX-CSはまさにビームの塊で進路上の敵を容赦なく破壊して真っ直ぐ突き進む。

 そして、ノアに激突する。

 グランサのグラストロランチャーでは傷が付かなかったノアの装甲だが、バーストモードのFX-CSの体当たりには耐え切れずノアにFX-CSは内部まで貫通している。

 

「流石、男の子」

 

 その穴からガンダムZERO Zは内部に入る。

 内部にはすでにバーストモードを解除したFX-CSが待っている。

 

「これからどうするんです?」

「決まっている。派手に暴れるぞ」

 

 ガンダムZERO Zはスタングルライフルの出力を通常時に戻して放つ。

 ノアの内部の外壁を破壊し、ガンダムZERO Zは突き進む。

 

「エリスさん! 待ってください!」

 

 さっさと壁を壊しながら先に進むエリスをキオが追いかける。

 壁をいくつも破壊して突き進んでいるとやがてガンダムZERO Zは広い空間に出る。

 そこにはビルが多く建てられており、交通手段にしているのかモノレールのレールや緑などがあり、まるでコロニー内のようだった。

 

「ここは居住区ですかね」

「そのようだ。今は人がいないゴーストタウンのようだがな」

 

 そこがノアの居住区である事は容易に想像がつく。

 これ程の巨大な戦艦だ、内部に人が済む町があっても不思議ではない。

 今は戦闘中な為か人がいると言う感じではない。

 

「さて、キオ……観光をしている暇はないようだ。中々の歓迎をしてくれるみたいだな」

 

 居住区で二人を待ち構えていたのはガンダムZERO Ⅱ改だ。

 5年前にエリスによって損傷したガンダムZERO Ⅱを改造している。

 バックパックのビームの翼を廃止して、シドが移植されている。

 胸部のフォトンブラスターキャノンも通常のビームキャノンに変更されている。

 左腕にはゼイ・ガルムのシールドを装備している。

 

「悪いが人類の進化の為に君たちはここで私が仕留めさせて貰う」

 

 ガンダムZERO Ⅱ改に乗るフェオドールはヴァレリ経由でUIEに渡ったミューセルを被っている。

 無論、フェオドールもミューセルを使えば自分の脳が破壊される危険性があると言う事は理解している。

 その危険性を知った上でXラウンダー能力を持たない為、ミューセルを使ってでもエリスとキオをここで倒そうとしている。

 

「答えはNOだ」

「地球を破壊するなんてそんな事が許される訳がありません! 僕たちが必ず防いで見せます!」

 

 エリスとキオはフェオドールと対峙する。

 地球の存亡を賭けた戦いはそれぞれの戦場でエースが激突し新たな局面を迎える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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