機動戦士ガンダムAGE ZERO   作:ケンヤ

130 / 155
第122話

 

 

 

 過労で倒れたリックの眠る病室に忍び込んだヴァネッサはリックを目掛けて折り畳み式ナイフを振り下ろした。

 しかし、そのナイフがリックに届く前に、ヴァネッサは手を止めた。

 後数ミリでリックに刺さると言う所でナイフが止まった。

 

「何をやっているの……私は」

 

 それはナイフを止めた事ではない。

 リックを暗殺しようとした事に対してだ。

 たった一度しか話した事がない相手に情を移した訳ではない。

 リックがガンダムのパイロットである以上は今ここで始末する事はネオ・ヴェイガンにとっては正しい選択と言える。

 だが、暗殺と言う方法は母に対して誇れるやり方とは言えない。

 母、ヴァニスは常にMSに乗って前線に出て戦い立ちはだかる敵は実力で打ち倒して来た。

 ここでリックを暗殺すれば、自身がガンダムに敗北を認めたような物だ。

 ナイフを振り下ろした瞬間にそんな事を思いヴァネッサはナイフを止めた。

 

「こんなやり方では母様に顔向けが出来ないわ」

 

 腐敗する連邦政府を打倒し、父であるヴェイガンの指導者フェザール・イゼルカントの信念を受け継ぎ地球を救う為に戦った。

 その過程で人の上に立つ者は自ら命を賭けねばならいと言う信念の元常に自らMSに乗り前線で戦い続けた武人であったと聞いている。

 そんな母を誇りとしている為、敵を暗殺するなどと言う考えに至った自分を恥じているとリックが目を覚ましかけた為、腕でナイフをリックから見えないように隠す。

 

「先輩?」

「倒れたって聞いたわ」

「そうなんですか……」

 

 リックは寝起きでぼんやりしていたが、辛うじてヴァネッサの事は認識できた。

 そして、病室の窓から見える外が暗いと言う事に気が付く。

 

「今、夜ですよね? どうして、ネッサ先輩がここに?」

「人ごみは好きじゃないの」

 

 コロニーが夜の時間に入っているのにヴァネッサはここにいる事を疑問に思うのは尤もな事だが、ヴァネッサの言葉で妙に納得してしまう。

 初めて会った時も立ち入り禁止区域にいた。

 立ち入り禁止区域は当然のことながら立ち入り禁止である為、普段は人が全くいない。

 人ごみが嫌いであるのなら、人のいない立ち入り禁止区域にいてもおかしくはないと思ってしまう。

 

「そうなんですか」

「そうよ。それより大丈夫?」

「はい。ご心配かけました。明日にでも退院できると思いますよ」

「無理はダメよ。無理をしてはいざという時に何も出来なくなるから。後、2、3日は休んでおいた方が良いわ」

 

 ヴァネッサとしてもそうしてくれた方が好都合だ。

 ジェレミア達に出した指示によるヴァネッサの回収作戦はかなり強引な作戦だ。

 その為、ガンダムの有無で作戦の成功率は大きく変わって来る。

 

「でも……」

「今日のところは帰るわ。くれぐれも無茶はしないようにね」

 

 休む事に不服そうなリックに釘を刺してヴァネッサは病室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リックが倒れてた翌日、襲撃から6日目の朝。

 レーアツァイトの管制室の空気はいつも以上に張りつめていた。

 少し前からネオ・ヴァイガンの母艦から数機のMSの出撃が確認できていた。

 その中の1機がナイトギラーガでドラドが3機だ。

 4機のMSは特に仕掛けて来る事もなく、コロニーの警戒宙域に侵入したところで動きを止めている。

 3機のドラドも前回のようなコロニーデストロイヤーのような装備は無く、攻撃の素振りも見せていない為、何の目的で出て来たのか分からずに不気味だった。

 

「2号機は?」

「最終調整中です」

 

 リックのガンダムが使えない以上、完成した2号機の準備をしておきたいが、肝心の2号機はまだ最終調整を終えていない為、使えない。

 

「睨み合っていても埒が明かないな。ブラック小隊を出して様子見だ。周辺警戒も忘れるなよ」

 

 アセムは一度、敵の反応を見る為にMSを出すように指示を出す。

 敵の狙いが分からない以上は一度刺激してその反応から推測するしかない。

 これがもしも、囮で睨み合いをさせての時間稼ぎであるのなら、こうしているのは敵の思う壺かも知れない。

 

「分かりました」

「2号機の最終調整も急がせろ」

 

 敵の狙いによってはガンダムを出す必要もあるが、昨日リックが過労で倒れた以上、リック抜きでこの状況を打開しなければ今後の戦いも切り抜ける事は難しい。

 アセムは今回に限ってはリックを出すつもりは全くない。

 その為、ガンダムが必要な場合は2号機を出すつもりだ。

 

「ブラック小隊、出撃しました」

 

 レーアツァイトからハーマンの小隊が出撃してネオ・ヴェイガンのMSの方に向かって行く。

 

「隊長、MSが接近して来ます」

「ほう……決断が早いな」

 

 ネオ・ヴェイガンのMSでもブラック小隊の接近は補足していた。

 作戦ではこのまま時間を稼ぐ筈だったが、予想よりも早くレーアツァイトも動いて来た。

 

「ならば、こちらも対応する」

「はっ!」

 

 レーアツァイトが動いて来たとなれば、ジェレミア達も対応する。

 3機のドラドは尾のビームライフルで攻撃を開始する。

 

「各機、敵を撃墜する必要はない。追い払えればそれで良い!」

 

 ブラック小隊のハーマン機を除く4機のアデル・ガーディアはシールドで機体を守りつつ、ドッズキャノンで応戦する。

 あくまでも敵を追い払えればそれで良い。

 だが、初戦でナイトギラーガに隊を壊滅させられているハーマンは内心穏やかではないが、レーアツァイトのエースパイロットであるプライドでアセムからの指示に従っている。

 大学部の4年生ともなると、卒業して連邦軍に入隊した時の心構えなども教えられている。

 当然の事ながら、パイロットが自身の感情で上官からの命令を無視するなど言語道断であると言う事もだ。

 

「成程、そういう事か……こちらとしても都合が良い」

 

 アデル・ガーディアの攻撃から敵はこちらを無理に撃墜するのは無く、撃退出来れば良いと言う事を見抜いている。

 それは、ジェレミア達にとっても好都合な事だ。

 アセムの考えていた可能性の一つの通り、ジェレミア達は囮だ。

 レーアツァイトの目を自分達に引きつけている間にヴァネッサの回収部隊が別ルートからレーアツァイトに接近している。

 レーアツァイトに捕捉されないようにしている為、移動に時間がかかっているのでジェレミア達がいかに時間を稼ぐかで作戦の成功が変わって来る。

 

「各機、作戦通りに時間を稼ぐ。素人相手に当たるなよ」

 

 ナイトギラーガはビームシールドで攻撃を防ぎ、3機のドラドも各々で回避行動を取る。

 こちらの狙いが戦闘を長引かせる事であると気付かれないように各機は適度に反撃する。

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘が開始され、コロニー地下の隠し格納庫では新型ガンダムの最終調整をしている。

 ガンダムAGE-(ゼクス)2号機。

 ガンダムAGE-2をベースに開発した新型機だ。

 背中にはAGE-2では両肩についていたストライダー形態時の主翼となる4枚の大型可変翼と主にストライダー形態時に仕様する2門のシグマシスキャノンが搭載されている。

 右手にはストライダー形態時に機首となる専用のドッズライフル、左腕には先端が突起して打撃武器としても使え中央から開閉する事でビーム刃で対象を挟み切るシザーシールドが装備されている。

 両腕にはアンカーショット、両足にはビームカッター、頭部にビームバルカン、両肩にビームサーベルと固定装備を充実させている。

 白と青を基調となっている2号機はAGE-2の可変機構を受け継いだ高速戦闘用MSだ。

 ゼクスシリーズはFXを第四世代、FX-CSを第五世代として第六世代のガンダムとしてマリィによって設計されたガンダムである。

 その為、AGE-1からの流れを組んでいるリックのAGE-ZEROとは兄弟機に当たる。

 今までのAGEシリーズは世代を英数字で表記していたが、開発者のマリィの意向でローマ数字で表記され、ドイツ読みに変更されている。

 

「ガンダムは最終調整が終わり次第出すかも知れないからそのつもりでね」

「分かりました」

 

 管制室から2号機と出すかも知れないと言う事を聞いたキャロルはそう言いエイミーは少し緊張気味に答える。

 2号機が最終調整に入り、パイロットを志願したところ志願しや生徒は殆どいなかった。

 リックが倒れた事で今まで自分達がどれだけリックに頼り切りであった事に気づかされたエイミーは2号機のパイロットに志願した。

 志願者の中にはハーマンもいたのだが、大学部の4年生にもなるとアデル・ガーディアの操縦に慣れているが、2号機はAGE-ZEROと同様に最新のコックピットを採用している為。アデル・ガーディアとは操縦系統が少し違う。

 だが、高等部の1年生であるエイミーはシュミレーターの経験が少しあるくらいでハーマン程慣れている訳ではない。

 過去のシュミレーターの成績からエイミーは前に出過ぎる傾向にある為、機動力を活かして前面に出る事が多い傾向にあるので2号機との相性も良いと判断された。

 その上、2号機はいずれはリックのAGE-ZEROと組ませる事も考えている為、リックと友人で打ち解ける時間を必要としないエイミーは2号機のパイロットとしては最も適した人材だった。

 本人も2号機のパイロットに志願している事もあり、エイミーが2号機のパイロットに決定するまでには大した時間はかからなかった。

 

「緊張する必要はないわ。このガンダムはリック君のゼロ程じゃじゃ馬ではないし、普通に扱えれば戦えるわ」

「分かってますけど……」

 

 リックのAGE-ZEROは高レベルのXラウンダーが乗る事を前提としている為、Xラウンダーの反応速度に追いつけるように非常にピーキーな調整がされていた。

 しかし、ゼクスシリーズはXラウンダー用である4号機以外は非Xラウンダーが乗った時の事も考慮されている。

 その上で、高い戦闘能力を持っている為、普通に動かすだけでも十分な性能を発揮できる。

 だが、エイミーは操縦方法や機体特性の説明は受けているが、実際に動かして覚えるタイプであり、まだ一度も2号機を動かしてはいない。

 操縦方法はAGE-ZEROと同じである為、リックが初めてAGE-ZEROに乗った時に横から見ている為、大体は把握している。

 戦闘も直接戦った訳ではないが、リックが戦っているところを横から見ている為、戦闘がどういう物なのかは分かってはいる。

 それでも自身で戦闘用MSを動かすのも始めてで、いきなり実戦に出るかも知れないと言うのだエイミーが緊張するのも無理はない。

 

「とにかく、出撃するかも知れないと言う心構えだけはしておいてね」

 

 エイミーにそう言ってキャロルは2号機の最終調整に戻って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘が開始され、リックは戦闘が起きていると言う事は聞かされてず病室にいた。

 リックも空気の違いを感じ取ってはいるがそれが何なのかまでは分からずにいた。

 

「ねぇ、ジン、エイミーはどうしたの?」

 

 リックはお見舞いに来ていたジンにそう尋ねた。

 

「何だよ。俺だけじゃ不満なのかよ? まぁ、可愛い女の子にお見舞いに来て欲しいって気持ちは俺も分かるぞ。リックも何だかんだで男だって事だよな。尤も、そこでエイミーが出て来るってのには同意しかねるがな」

「そんなんじゃないって……」

 

 ジンがお見舞いに来てエイミーとは一度も顔を合わせてはいない為、尋ねたのだが見方によってはリックがエイミーにお見舞いに来て欲しいとも取れる。

 無論、ジンもそこまでの事はリックが考えていないと言う事は分かっているが、わざと茶化してエイミーがお見舞いに来ない事を誤魔化している。

 

「そんなにムキになるなって、男なら誰だってそう思う。俺だってそうだよ」

「だから違うって言ってるだろ」

 

 あくまでも茶化すジンにリックも口調が強くなって行く。

 その様子にジンは内心ではリックが元気になっている事に安心している。

 

「まぁ、リックは家庭の事情がアレだから女に苦手意識を持っているのかも知れないけど、少しくらいは遊んでもいいんじゃないか?」

「別に僕はそんなつもりはないんだけどね」

 

 ジンの言う事も尤もな事かも知れない。

 リックは元々、ジンのように気の知れた相手でなければ強く発言する事が出来ない方だ。

 特に異性に対してはその傾向が強い。

 そうなったのも家庭環境にあった。

 リックの父親であるキオは連邦政府の議員であると同時にかつてネオ・ヴェイガンの女帝ヴァニス・イゼルカントと当時13歳と言う年齢で一対一の戦いで勝利している。

 現在、最強のMSパイロットは誰かと言う話題になればフリット、アセム、キオは必ず出て来る。

 リックにとっては曾祖父であるフリットとは面識はなく、ただ凄い人物であると言う事しか知らない。

 だが、父親であるキオは母であるウェンディに頭が上がらず、アセムも過去の事から妻であるロマリーに負い目を感じている為、必要以上に強く出れない。

 幼少期からそんな父と祖父を見て来たリックにとって最強クラスのパイロットよりもウェンディやロマリーと言った女の方が強いと言う力関係を覚えてしまっている。

 それ故に異性に対して若干の苦手意識を持っていた。

 

「エイミーとは普通に話せるし……」

「まぁ、エイミーはエイミーだしノーカウントだろ」

「それ、エイミーが聞いたら怒るよ」

 

 異性に苦手意識を持つリックだが、不思議とエイミーとは普通に話す事は出来た。

 ジンはそれはエイミーの事を異性として見ていないからだと言うが、そんな事は無いと思っている。

 リックもエイミーの事は普通に可愛いとは思っている。

 それ以外でも少し前に知り合ったヴァネッサともエイミー程ではないが、普通に話せた。

 それらの事からリックはジンが言う程、自分が異性に対して苦手意識を持ってはいないと主張したい。

 

「言わねぇってだからお前も黙っとけよ」

「分かってるよ。言ったら僕までとばっちりを受けかねないし……」

 

 リックもそんな事を言えばエイミーが怒り、その矛先が自分にも向かうと言う事は分かっている為、エイミーに告げ口をする気はない。

 リックはコロニー全体のいつもの違う空気を感じながらジンの下らない話しに適当に相槌と打っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブラック小隊とネオ・ヴェイガンの戦闘を管制室で見ていたアセムは敵の動きを不審に思っていた。

 ブラック小隊のパイロットも実戦慣れをして来ているが、それでもナイトギラーガが積極的に落としに来ないと言うのはおかしい。

 当初はガンダムを警戒して余力を残す為とも考えられたが、ここまで積極性に欠ける戦いが続けば余力を残すと言うよりも戦闘を長引かせたいと言う意図を感じる。

 

「周囲の索敵はどうなっている?」

 

 戦闘を長引かせたい理由として考えられる理由は二つだ。

 一つ目は戦闘を長引かせる事でパイロットを消耗させる事だ。

 だが、ガンダムならいざ知らずアデル・ガーディアのパイロットなら疲弊させる必要はなく、撃墜した方がダイレクトにこちら側に被害を与える事が出来る。

 二つ目の理由は囮だ。

 戦闘を長引かせる事でこちらの注意を囮に向けさせる事で、別働隊が何かしらの作戦行動を取ると言う可能性だ。

 一つ目の可能性が低いのであれば二つ目のナイトギラーガは囮であるのなら、確実に別働隊がいる筈だ。

 

「戦闘宙域の反対方向にMSの反応です! 数は3! 内1機はダナジンです!」

 

 アセムの予想通り別働隊が戦闘宙域からコロニーに接近していた。

 数は3機だが厄介な事に1機はダナジンだ。

 ダナジンは今となっては旧式に入るが学生がアデル・ガーディアで相手にするには厳しい相手だ。

 

「すぐに部隊を向かわせますか?」

「いや、これも陽動である可能性がある。待機中のパイロットは搭乗機にて待機させて2号機を出す」

 

 この3機も陽動である可能性がある以上は下手に部隊を動かす訳にはいかない。

 その為、まだ部隊編成に組み込まれていない2号機を出す事にした。

 2号機は足も速い為、速やかに敵MSの元に向かう事も可能で他に別働隊がいた時も対応に使う事も出来る。

 すぐに2号機の最終調整が完了したかを確認し、すでに終えている為、2号機の出撃準備に入った。

 

 

 

 

 

 

 2号機の出撃命令が下された事でエイミーが2号機に乗り、2号機はリフトでコロニーの外に繋がるダクトに移動している。

 出るかも知れないと分かってはいたが、本当に出撃する事になりエイミーも否応なく緊張して操縦桿を強く握り締めている。

 

「2号機も高機動型とはいえ、装甲は強固だから多少の被弾は問題ないけど、気を付けてね。コックピットに穴が開いただけで終わりだから」

「分かってます」

 

 エイミーもリック同様にパイロットスーツのサイズが無い為、制服のままで2号機に乗っている。

 キャロルはノーマルスーツを着ての出撃を進めたが、リックもパイロットスーツを着ないでガンダムに乗っている為、エイミーも自分も同じ条件で乗ると言って敢えてノーマルスーツも来ていない。

 

「すでに接近中の敵MSの位置情報は送られているわ。分かる?」

「大丈夫です」

「現場まではストライダーフォームで移動して。その形態ならMS形態の5倍の推力があるから」

「はい」

 

 キャロルからの指示を受けている間に2号機はダクトに到着し、ハッチが開く。

 エイミーは一息ついて自分を落ち着かせる。

 

「エイミー・バートン、ガンダム2号機、出ます!」

 

 2号機は宇宙に出るとストライダー形態に変形して別働隊の方に向かう。

 ストライダー形態の加速にも慣れる頃には、別働隊が見えて来る。

 

「あれね……」

 

 別働隊が見えたところでエイミーはトリガーを引いてドッズライフルを放つ。

 全く狙いをつけていなかった為、当たる事は無いが別働隊に自分の存在を教える事は出来た。

 別働隊の3機も敵が来た事を察知して、2号機の方を警戒して足を止める。

 2号機はそのまま別働隊の3機を追いぬいてMS形態に変形する。

 

「何とか追いついたけど……」

 

 ここまでは機体を真っ直ぐ飛ばす事に専念できたがここからは敵を倒さなければならない。

 一応は武装も頭に入れているがどの装備がどの程度の威力を持つかなどは余り理解しているとは言い難い。

 

「ここから先は出たとこ勝負!」

 

 2号機はドッズライフルを構えて放つ。

 3機のMSは散開してビームバルカンを放り2号機はシールドで守る。

 

「ちょ! いい加減に!」

 

 シザーシールドで攻撃を防ぎながらドッズライフルを連射して反撃するも当たらない。

 

「ああもう! めんどくさい!」

 

 2号機はドッズライフルを腰につけると肩のビームサーベルを抜いて、3機のMSに接近する。

 バックパックのシグマシスキャノンを放って牽制すると近くのドラドに接近する。

 ドラドはビームサーベルで応戦しようとするもその前に胴体をビームサーベルで切り裂いて破壊する。

 

「どんなもんよ!」

 

 1機目を破壊するが、ドラドとダナジンはビームバルカンを放つ。

 2号機は直撃するも損傷をする事は無い。

 

「そんなちまちまと鬱陶しい!」

 

 ビームバルカンの攻撃を気にする事なく、2機目のドラドにビームサーベルを突き刺す。

 ドラドからビームサーベルを抜いて最後のダナジンに向かって行く。

 

「リックにばかり守って貰わなくても!」

 

 ダナジンはダナジンキャノンを放つが2号機はシザーシールドで受け止めて速度を落とす事なく突っ込む。

 ダナジンはビームサーベルを展開して2号機を迎え撃つ。

 2号機はダナジンの片腕をビームサーベルで切り落として、シザーシールドを展開すると、ダナジンのもう片方の腕を切断する。

 そして、脚部のビームカッターを使った蹴りでダナジンに止めを刺した。

 

「これで終わったの……」

 

 3機の敵MSを撃墜して、周囲には他のMSは確認できない。

 その戦闘を脱出の準備を整えていたヴァネッサが見ていた。

 戦闘中のドサクサに紛れてノーマルスーツを拝借し、単独でコロニーを脱出した後に別働隊に回収される手筈ではあったが、2号機によって別働隊が全滅した為、ヴァネッサは母艦まで戻る事が出来なくなっていた。

 

「あれが2号機とやらの性能……動きは素人だったけど性能は高いようね」

 

 直接戦闘を見ていたが、2号機の動きは機体性能に任せた戦いで実戦経験の少ない素人である事は分かった。

 それでもドラド2機とダナジンがあっさりと撃墜されている。

 

「帰りの足がなくなったから潜入は継続ね。回収部隊が全滅したと言う事はジェレミアも撤退する筈ね」

 

 指示では不測の事態が起きた時は戦力の無用な消費を防ぐ為に撤退するように言ってある。

 別働隊がヴァネッサを回収する事なく全滅した事は不測の事態だと判断するには十分だ。

 迎えが来れない以上はコロニー内に戻り潜入を続行するしかない為、ヴァネッサは再びコロニーに戻る。

 その後、ジェレミアはヴァネッサの指示通りに母艦まで後退し、ネオ・ヴェイガンが後退した事で2号機やブラック小隊もコロニーまで後退して戦闘は終結した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。