機動戦士ガンダムAGE ZERO   作:ケンヤ

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第38話

補給を終えたグノーシスはトルディアを出港し、トルディアを襲撃したヴェイガンの捜索を開始している。

 敵艦が光学迷彩を使っていると予測され、捜索は困難している。

 グノーシスの格納庫は二つに分かれれている。

 その片方にシドウ小隊のRGシリーズの4機が収容され、もう片方には新しく配属となったウルフの搭乗機のGバウンサーにガンダムZERO Ⅲα、アデルが収容されている。

 グノーシスの搭載機の中でアルベルトのアデルは唯一の量産機である為、今後の戦闘では戦力的に厳しいと予測され、次の戦闘までに改造が行われている。

 そんな中、エリアルドは先の戦闘で収集したデータから組み上げられたティアーズの戦闘シミュレーションで訓練をしている。

 

「くそ……」

 

 だが、何度やってもティアーズを相手にまともに戦う事が出来ない。

 機体性能では決して劣ってはいない。

 それでもティアーズに勝てないのは自分がガンダムZERO Ⅲαを扱えきれないからだ。

 機体性能が高いお陰でヴェイガンの量産機を相手では十分に対応出来るが、ティアーズやマリオンの様な高性能機とエースパイロットが相手では勝てない。

 

「あんまり根を詰めんなよ」

 

 シミュレーションが終わり、もう一度開始する前に機体の外からアルベルトが声をかける仕草が見えた為、エリアルドはハッチを開ける。

 ハッチが開くとアルベルトは持って来ていたドリングのボトルをエリアルドに渡す。

 

「済まない」

「熱心なのは良いけどさ、敵艦を見つけたら戦闘だぜ? そんときまで体力を温存しておくのもパイロットの仕事だろ?」

「分かってはいる……」

 

 アルベルトの言っている事も一理ある。

 尤も、アルベルトの場合は訓練をサボる口実である可能性が高い。

 しかし、先の戦闘で機体の性能を扱い切れていなかったエリアルドにそこまでの余裕はなかった。

 

「相変わらず、真面目なんだな。エリアルド」

 

 話している二人の会話にウルフが割って入って来る。

 エリアルドからはモニター越しでウルフの姿を確認出来るが、流石にモニター越しで会話をする訳にはいかないため、コックピットから降りて来る。

 

「お久しぶりです。ウルフさん」

「暫く会わない内にでかくなりやがって。前に会ったのはいつ以来だ?」

「俺が軍に入る時ですから、5年くらい前ですかね」

「5年か……そりゃ、餓鬼だったエリアルドもでかくなる訳だ」

 

 エリアルドからすれば、この5年間でそんなに大きくなった気はしないが、5年も会っていなかったウルフからすればエリアルドは大きくなったように思うらしい。

 

「でか、誰だよ。このおっさん」

「アルベルト、こちらはウルフ・エニアクル少佐、恐らくは俺達の上官として艦に乗艦されたんだ。余り失礼な事を言うなよ」

「そう言う事だ。次の戦闘からお前たちは俺の下で戦う事になる。そう言う訳だから、俺の指示には従って貰う」

 

 ウルフはそう言い、エリアルドとアルベルトとの顔合わせを済ませる。

 

 

 

 

 

 

 

 トルディアを出港し数日が経っている。

 その間にウルフ隊とシドウ隊の連携フォーメーションなどの確認をする時間を取る事が出来たが、その代わりに敵艦も補給部隊と合流し、戦力を整えている可能性も高くなっている。

 

「どんな小さな兆候も見逃さないでよ」

 

 グノーシスは本来は戦闘よりも試作機のデータ収集を主眼と置いているため、連邦軍の主力戦艦よりも遥かに高性能のセンサー類や索敵システムが搭載されている。

 今は、その力を総動員して、敵艦の捜索を行っている。

 

「グノーシスの目から逃れるとは流石ですね」

「そうね。そんな物を20年以上も前に実用化しているのだから、大したものだわ」

 

 ヴェイガンはそれだけのステルスシステムを25年前の蝙蝠退治戦役時には完成している。

 それだけヴェイガンの技術力は連邦軍の上を行っている証拠だ。

 エリーゼもその技術の出所は気にはなっているが、クライドも同様で場合によっては戦闘で敵の残骸を回収するように無茶な命令まで出ている。

 

「艦長! 恒星間レーダーに反応がありました!」

「流石、局長の開発したレーダーですね。試作とは言え、敵のステルスシステムに対抗出来るなんて……」

 

 アーノルドはグノーシスに搭載されているレーダーの一つの恒星間レーダーが敵艦を捉えた事に感心している。

 恒星間レーダーとは物体の移動時に影響を受ける恒星間物質の揺らぎを感知し、そこから移動している物体の位置を割り出すレーダーだ。

 理論上はヴェイガンの戦艦が光学迷彩を使い姿を消したところで移動を行えば、その位置を割り出す事が可能だ。

 しかし、恒星間物質の状況では全く役に立たない場合もある為、完全に実用化はされておらず、現在の連邦軍の所属の戦艦にはグノーシスにしか搭載されていないが、今回は上手く機能したようだ。

 

「浮足立たない。まだヴェイガンの戦艦だと判明した訳ではないわ」

 

 あくまでも恒星間物質の揺らぎを感知しただけで、ヴェイガンの戦艦ではなく民間船や海賊の戦艦などである可能性も否定できないが、その他のレーダーに反応がない事を考えるとヴェイガンである可能性が一番高い。

 

「ウルフ隊を様子見に出して、シドウ隊は待機」

 

 エリーゼが指示を出して、グノーシスは戦闘態勢へと移る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴェイガンの戦艦と思しき反応を捉えてから数十分でグノーシスは戦闘準備を終えていた。

 グノーシスの三基のカタパルトが開閉し、MSの射出の準備が始まる。

 

「俺達の任務はレーダーが捉えた物体の確認だが、高確率でヴェイガンだと予想されている。偵察気分じゃなくて戦闘をしに行くつもりで行くぞ」

 

 グノーシスの両端のカタパルトにはウルフのGバウンサーとアルベルトのアデル改が設置される。

 ウルフのGバウンサーはガンダムAGE-1の流れを汲むマッドーナ工房製のMSだ。

 全身がウルフのパーソナルカラーの白で統一され、シールドには赤い狼のマーキングがされている。

 高機動型のウェアのスパローを参考に設計され、背部には2基の開閉式バーニアスラスターを備えた一対の大型テールバインダーを搭載し高い機動力を持っている。

 右手には専用のドッズライフルに左腕にはシグルブレイドがついたシールドを装備し、両腰にビームサーベルと必要最低限の武装しか装備していないが、ウルフの高い技術力では十分だ。

 アルベルトのアデル改はアデルのウェア換装システムを活かし、両腕は試作のキャノンウェアが付けられ、脚部はスパローの物になっている。

 バックパックにはGバウンサーとアデルは互換性もある為バックパックを流用している。

 その上、Gバウンサーのドッズライフルと狼のマーキングを消したシールドを装備している。

 

「ウルフ・エニアクル。Gバウンサー……出るぞ」

「アルベルト・レクセル。アデル改……出ます」

 

 ウルフのGバウンサーとアルベルトのアデル改が射出され、中央のカタパルトにはガンダムZERO Ⅲαが射出準備に取り掛かる。

 グノーシスの中央カタパルトにはアブディエルの時に実装されていたアーマー換装システムが標準的に搭載されている。

 アームによってガンダムZERO Ⅲαの機体各部に青い追加装甲が次々と付けられていく。

 この青いアーマーはかつてのブリーズアーマーの発展形のライトニングアーマーだ。

 バックパックに追加の大型の高出力スラスターを4基搭載し、その他にもアーマー各部にスラスターが装備された超高機動アーマーとなっている。

 武装は両肩のアーマーには至近距離用のビームガトリング砲が両腕の装甲にはツインドッズガンが内蔵されている。

 バックパックの高出力スラスターにはミサイルが搭載され、腰のアーマーにはガンダムAGE-1スパローに装備されていた物を改良した短刀型のシグルブレイドが装備されてる。

 ライトニングアーマーの装備が終わるとスーパードッズライフルと専用のシールドが装備される。

 

「エリアルド・アスノ。ガンダムZERO R……出る」

 

 ガンダムZERO ⅢRが射出され、レーダーに反応のあった宙域に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウルフ隊の接近はすぐにヴェイガンの方でも察知していた。

 

「指令、敵の動きからこちらの位置を補足されていると思われます」

 

 メデルはMSが真っ直ぐこちらに向かっている事から、そう予測する。

 そして、それはマリオンも同様だ。

 

「だろうな……数は3か……これは偵察部隊か陽動部隊と言ったところか」

 

 幾ら何でも3機で自分達に仕掛けるのは無謀過ぎる。

 こちらの位置を補足した方法はマリオンには分からないが、少なくとも光学迷彩を使っているファ・ボーゼ級の位置を割り出す相手が3機で攻撃してくる事は考え難い。

 可能性としてはこちらの位置を捉えた物の確実ではないために、直接確認する偵察部隊か、移動速度からかなりの高速戦闘に秀でたMSである事から、その機動力を使っての撹乱、陽動部隊であるかだ。

 

「指令、敵機の内一機はガンダムだと判明しました」

「ほう……ガンダムか……」

 

 マリオンは相手がガンダムだと言う事に興味を示す。

 機種は分かっていないが、速度から考えるにガンダムZERO Ⅲのどちらかだろう。

 識別コードが連邦軍だと言う事を考えると敵はトルディアで交戦したガンダムZERO Ⅲαであるだろう。

 

「面白い。この前の続きをしとうとするか、私が出る。エルピディオ、ついて来い」

「了解しました。フィルミーノとベアトリーチェも連れて行きます」

「好きにしろ。メデル、敵はこれだけで終わる訳がない。周囲を警戒しつつ、敵影を確認次第、MSを出撃させろ。後はお前に任せる」

 

 マリオンは後の指揮をメデルに任せるとエルピディオと共にブリッジを離れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……この感じ……」

「どうした。エリアルド」

 

 エリアルドは捕捉した宙域に接近していると何かを感じ取る。

 

「隊長、敵が来ます……数は4……全員Xラウンダーです!」

「やっぱビンゴって事か……それにしても全員がXラウンダーか……大層なお出迎えじゃなぇか」

「そんな事言ってる場合ですか……数もこっちよりも多いしXラウンダーって……」

 

 只でさえもXラウンダーは戦場では多くの戦果を上げるだけの能力を持っており、数でも向こうが勝っている。

 

「うろたえるな。Xラウンダーとは言え、数は4機だ。やれない相手じゃなぇよ。エリアルド、お前は先行して一発挨拶をかまして来い!」

「了解!」

 

 ガンダムZERO ⅢRは今まではGバウンサーとアデル改の速度に合わせていたが、一気に加速する。

 

「青いアーマーか……情報では青いアーマーは高機動型だったな……」

 

 マリオンはモニターに映るガンダムZERO ⅢRを見てそう言う。

 マリオンの後にはエルピディオの白いゼダスSにフィルミーノとベアトリーチェのゼダスSがついて来ている。

 二人のゼダスSはエルピディオのゼダスSとは違い全身が白い訳ではなく、機体の一部が白く塗装されているだけである。

 そして、フィルミーノのゼダスSのバックパックにはゼダスキャノンと呼ばれるビームキャノンが二基装備され、砲戦仕様の機体となっている。

 

「エルピディオ、ガンダムは私がやる。他の二機はお前たちで抑えろ」

「了解しました。行くぞ、ジーノ、ベアトリーチェ」

 

 ティアーズはガンダムZREO ⅢRに向かい、三機のゼダスSはGバウンサーとアデル改に向かっていく。

 

「行かせるか!」

 

 ガンダムZERO ⅢRはスーパードッズライフルをゼダスSに向けるが、ティーアズの妨害が入る。

 

「お前の相手は私が務めよう!」

 

 ティアーズはティアーズガンブレイドで切りかかり、ガンダムZERO ⅢRはシールドのビームソードで受け止める。

 

「野郎、ガンダムとサシで戦うつもりか」

「どうするんですか? 隊長」

「決まってる。エリアルドの援護に向かうぞ」

 

 エリアルドの方に向かったティアーズの戦闘データはすでにウルフも把握している。

 それ故にエリアルドが単機で交戦するのは危険だ。

 その為、ウルフがエリアルドの援護に向かおうとするも、三機のゼダスSがビームキャノンで牽制する。

 

「隊長! あの白い奴、トルディアで出て来た奴ですよ!」

「あいつか……ヴェイガンにしちゃぁ良い趣味してるが……誰の許可を得てその色を使ってんだ!」

 

 GバウンサーはエルピディオのゼダスSにドッズライフルを放つ。

 三機のゼダスSは散開し、ビームバルカンを放ちGバウンサーとアデル改はシールドで防ぐ。

 

「まずは、白いガンダムもどきを先に叩く。付いて来い」

 

 エルピディオ機とベトリーチェ機は両手にビームサーベルを展開してGバウンサーに突っ込んで行く。

 ベアトリーチェ機が切りかかり、Gバウンサーは回避しエルピディオ機が時間差で切りかかりGバウンサーはビームサーベルを抜いて受け止める。

 

「隊長!」

 

 アデル改はドッズキャノンで援護しようとするがジーノ機がゼダスキャノンで妨害する。

 

「俺の事は構うな! お前は自分の身を守ってろ!」

 

 Gバウンサーはエルピディオ機を蹴り飛ばしてドッズライフルを構えるが、ベアトリーチェ機がビームバルカンを放ち、Gバウンサーはシールドで防ぐ。

 アデル改もジーノ機にドッズキャノンを放って牽制しする。

 

 

 

 

 

 

 

 ウルフ隊が交戦を開始した頃、サブフライトシステムを使い大回りをして来たシドウ隊がヴェイガンの母艦に接近していた。

 それはヴェイガン側も察知しており、MSが展開している。

 

「うようよと出て来たわね」

「予想以上に数が多いな。作戦通りに行くぞ」

 

 4機はサブフライトシステムを乗り捨てると交戦を開始する。

 RGライダーがストライダー形態に変形するとビームガンとソードライフルを放ち、敵部隊は散開し、RGライダーに集中砲火を浴びせるが、RGライダーは集中砲火をかわして、戦場を撹乱する。

 ヴェイガンのMSがRGライダーに集中しているとRGキャノンがスナイパードッズライフルで撃ち抜かれる。

 そして、ジェノバースとRGブレイドが切り込む。

 RGブレイドが攻撃をシールドでドラドの拡散ビーム砲を防ぎ、ドッズライフルでドラドを破壊する。

 ジェノバースはスーパードッズライフルでガフランを撃ち抜く。

 

「数がいても旧式ばかりじゃ張り合いがないわね」

 

 RGライダーはMS形態に変形し、ソードライフルを連射する。

 

「……来る」

 

 ユーリアがそう言うと機体のレーダーに通常のMSよりも高速で接近する機影が4機確認出来る。

 

「まさか、本命が4機で来るとは……」

「全くだね。量産機ではない見たいだけどさ、4機で僕らを相手に出来ると思ってるなんて、地球種も馬鹿だね」

 

 接近しているのはウルフ隊と交戦しているエルピディオの部下のストラグル7の残りの4機のゼダスSだ。

 4機の内、セルジョ、デメトリオ、シルヴァーノのゼダスSは通常のタイプだが、ジーノのゼダスSはフィルミーノのゼダスS同様の砲戦仕様となっている。

 

「相手が4機だろうと、全てガンダムもどきだ。隊長と指令が厄介なガンダムを抑えているんだ。無様た戦いは出来ん」

「知るかよ! 相手が誰だろうがぶっ潰すだけだ!」

 

 シルヴァーノのゼダスSがビームバルカンを連射して敵に突っ込んで行く。

 

「どうすんの? アレ……」

「構わん。デメトリオ、セルジュ、お前たちは周り込め」

「了解」

 

 ジーノ機が飛行形態からMS形態に変形し、胸部のビームキャノンと背部のゼダスキャノンを放ち、デメトリオ機とセルジュ機が左右から周り込む。

 

「あれってXラウンダー専用機って奴ね……」

「正面の敵は俺が抑える。アスノは後方の砲撃型を、ラファルグとクレマンは左右の奴を抑えろ」

 

 RGブレイドはドッズライフルをシルヴァーノ機に放ち、回避した隙をついてユーリアのジェノバースがジーノ機に向かう。

 シルヴァーノ機はMS形態に変形しゼダスソードを付けてRGブレイドに切りかかり、RGブレイドは腰のシグルブレイドで受け止める。

 

「生意気なんだよ! 地球種の分際で!」

「機動力では劣るが出力ならこちらが上だ」

 

 RGブレイドはシルヴァーノ機を押し戻すとバックパックのビームガンを放ち、シルヴァーノ機は両腕でガードする。

 

「来ました……」

 

 レオーネは狙撃用のスコープからデメトリオのゼダスSに照準を合わせて引き金を引く。

 デメトリオ機は回避し、ビームバルカンで応戦しRGキャノンは左肩のシールドで防ぐ。

 

「これ以上、接近されると不味いですね」

 

 RGキャノンは両肩のミサイルを一斉掃射する。

 デメトリオ機はMS形態に変形するとビームキャノンとビームバルカンでミサイルを全て撃ち落とす。

 

「その機体は近接戦闘に弱いと見た」

 

 RGキャノンのスナイパードッズライフルの狙撃をかわしてデメトリオ機はビームサーベルでスナイパードッズライフルを切り裂く。

 そして、もう片方のビームサーベルを振るいRGキャノンはシールドで受け止めるが後方に吹き飛ばされる。

 RGキャノンは後方に下がりながら、ビームガンを放つがデメトリオ機は回避する。

 

「素早いですね……RGキャノンとは一番相性の悪い敵ですね」

 

 RGキャノンは後方支援に特化しているため、敵に接近されるとやり難い。

 その為、ゼダスSの様な高機動型の敵とは単機では相性が悪い。

 

「ですが、そう簡単にやられて上げる訳にもいきません」

 

 RGキャノンはビームサーベルを抜いて応戦する。

 

「地球種が生意気にも可変機を使う事が許されると思ってるのかい?」

 

 セルジュ機はストライダー形態のRGライダーに背後からビームバルカンで攻撃する。

 

「女を後ろから狙うなんて、なって無いわね。これは少し教育が必要ね」

 

 RGライダーはバックパックのビームガンを後方に向けて放つ。

 完全に不意と疲れたセルジュ機はMS形態に変形して腕で防ぐが、その隙にRGライダーもMS形態に変形し、ソードライフルを振るう。

 

「舐めるなよ! 地球種が!」

 

 セルジュ機はビームサーベルで受け止めるが、RGライダーは至近距離でビームガンを撃ち込む。

 ビームガンの威力は低いため、致命傷を与える事は出来なかったが、セルジュ機にダメージを与える事は出来る。

 

「良くもこの僕の機体に傷を!」

 

 セルジュ機はビームバルカンを乱射しながらゼダスソードでRGライダーに切りかかるが、RGライダーはストライダー形態に変形してかわし距離を取る。

 

「今更逃がすかよ!」

 

 セルジュ機も飛行形態に変形してRGライダーを追う。

 シルヴァーノ機を突破したジェノバースはジーノ機にスーパードッズライフルを放つ。

 

「来たか……」

 

 ジーノ機はジェノバースの攻撃をかわして、ビームバルカンを放つ。

 ジェノバースはビームサーベルを抜いてシールドで防御しながら突っ込む。

 

「お前は私が倒す」

「この感じ……敵もXラウンダーか……ならば、後の為にここで仕留めさせて貰う」

 

 ジーノ機はビームサーベルで受け止めて二機は距離を取る。

 

「ファンネル」

 

 ジェノバースは4基のドッズファンネルを射出し、ジーノ機を包囲し攻撃する。

 ジーノ機もそれに対応してかわす。

 

「ビット兵器か……面倒な物を持っている」

 

 ジーノ機は両腕のビームバルカンでドッズファンネルを落としていくが、ジェノバースは腕のグレネードランチャーをジーノ機に撃ち込む。

 ジーノ機は腕でガードし、その隙にジェノバースは接近してビームサーベルを振り下ろす。

 ジーノ機もビームサーベルを抜いて受け止めて、ゼダスキャノンを放ちながら、後方へ引くがジェノバースはゼダスキャノンをかわしながら、ビームサーベルを振るいジーノ機もビームサーベルで受け止める。

 

 

 

 

 

 

「艦長、奪取されたベータの反応は未だにありません」

 

 ウルフ隊とシドウ隊が交戦状態に入り少し経つが、目的のガンダムZERO Ⅲβの反応は確認できていない。

 ウルフ隊は苦しい状況だが、シドウ隊はXラウンダー部隊をばらす事である程度は優位に戦闘を運んでいる。

 状況的に五分五分と言えなくもないが、この状況でガンダムZERO Ⅲβを投入すれば確実に戦いの流れはヴェイガンに傾くだろう。

 それなのに敵は一向に投入する気配がない。

 すでに奪取されてから数カ月が経っているため、機体のデータは取り終えて後は実戦データを集めたい頃だと思うが、それでも投入の気配はない。

 

「出て来ないですね……もしかしたら、あの艦は外れですかね」

 

 ここまで待っても投入しないと言う事は投入しない理由があるか、始めからガンダムZERO Ⅲβを搭載していないかだ。

 エリーゼ達はトルディア防衛戦で離脱した事から攻撃して来たファ・ボーゼ級が回収したと予測していたが、その前提が間違っていた可能性も考えられる。

 

「そうね……これ以上の戦闘を続ける必要はないわね。MS隊に帰還命令を出して」

 

 ファ・ボーゼ級にガンダムZERO Ⅲαがない可能性が出て来た以上、これ以上の戦闘を続ける意味はない。

 その為、エリーゼは一度撤退して情報を整理をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

「エリアルド! 帰投命令だ!」

「分かってます!」

 

 グノーシスから帰投命令が出るが、ガンダムZERO ⅢRはティアーズの相手をすることで精一杯で帰投出来る状態ではない。

 ガンダムZERO ⅢRはシールドのビームキャノンを放つが、ティアーズはかわしてティアーズガンブレイドを振るい、ガンダムZERO ⅢRはシグルブレイドで受け止める。

 

「前よりは腕を上げたが、まだ私と戦いには早いな! ガンダム!」

 

 ティアーズはガンダムZERO ⅢRを蹴り飛ばしてティアーズガンブレイドを連射し、ガンダムZERO ⅢRはシールドで防ぐ。

 

「ちぃ……」

 

 ウルフも援護に向かいたいが、三機のゼダスSの妨害で向かう事が出来ない。

 

「お前たちの相手は我々だ!」

「邪魔くさいんだよ!」

 

 Gバウンサーはドッズライフルで牽制するが、ガンダムZERO ⅢRの元にだけは行かせてはくれない。

 

「どうするんですか? 隊長! このままじゃ俺達も引くに引けませんよ!」

「んな事は分かってんだよ。とにかく、邪魔なこいつらを先に叩くしかねぇだろ!」

 

 Gバウンサーはドッズライフルを連射して、アデル改も大型キャノン砲を放つ。

 

「この前の戦いはまぐれであったか!」

 

 ティーアズはティアーズガンブレイドを何度も振り下ろし、ガンダムZERO ⅢRはシールドで防いでいるが、シールドが耐え切れなくなり破壊される。

 

「今はお前の相手をしている暇はない!」

 

 ガンダムZERO ⅢRはバックパックのミサイルを全弾撃ち尽くす。

 ティアーズはティアーズガンブレイドを連射してミサイルを確実に撃ち落としていき、残りは胸部のビームバスターで一掃した。

 そして、ガンダムZERO ⅢRは両手にシグルブレイドを持ち、バックバックのスラスターを最大出力で使い加速する。

 

「流石は機動力特化型だな! だが……機動力のみで私に対抗出来ると思うな!」

 

 ガンダムZERO ⅢRのスピードは脅威的だが動きは直線的でマリオンならば見切れない訳がない。

 ティアーズは突っ込んでくるガンダムZERO ⅢRにカウンターでティアーズガンブレイドを突き出す。

 ガンダムZERO ⅢRの速度的にこの一撃をかわす事は不可能に思えたが、ガンダムZERO ⅢRは紙一重のところで回避する。

 

「この距離でかわしただと!」

 

 そして、右手のシグルブレイドでティアーズの右腕を切り裂くとティアーズの腹部に左手のシグルブレイドを突き刺す。

 シグルブレイドを突き刺すとそのまま手放してティアーズを蹴り飛ばす。

 

「マリオン様!」

「余所見してんじゃねぇよ!」

 

 ティーアズがダメージを受けた事でティアーズの方に気が言っていたエルピディオ機にGバウンサーが接近して、ビームサーベルを振るう。

 エルピディオもとっさに回避しようとするがかわし切れずにエルピディオ機の両足がGバウンサーのビームサーベルで切り裂かれた。

 そして、アデル改が三連装ミサイルを放つ。

 

「隊長!」

 

 ベアトリーチェ機がエルピディオ機の間に割って入り腕でミサイルをガードする。

 その隙にGバウンサーとアデル改は離脱し、ガンダムZERO ⅢRも戦闘宙域から離脱する。

 

「マリオン様!」

 

 撤退する敵を無視してエルピディオはマリオンの元に向かう。

 

「案ずるな。無事だ」

 

 ティアーズは右腕を切り裂かれて腹部にシグルブレイドが突き刺さっているが、爆散の危険性もないが、これ以上の戦闘の継続も出来そうにない。

 

「メデル、状況はどうか?」

「指令の予測通り、4機のMSの攻撃がありました。残りのゼダスSを全て投入し対応しました。すでに連邦軍のMSは撤退しています」

「そうか……追撃は不要だ。我々に連邦の相手をしている暇はない。私達が帰投後にすぐに宙域を離脱する」

「了解しました」

 

 元から補給を終えたファ・ボーゼ級は連邦軍を相手にする訳ではなく別の目的がある為、撤退する連邦軍を追撃する理由はない。

 ティアーズと三機のゼダスSを回収したファ・ボーゼ級も目的の為に戦闘宙域を離脱して行く。

 

 

 

 

 

 

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