機動戦士ガンダムAGE ZERO   作:ケンヤ

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第67話

ホワイトファングに仕掛けるも逆にゼウスとアプロディテを撃沈させられたマドック達は別の場所を張っていたアポロンに回収された。

 その後、ノアからにいるダグ・アスノから連絡を受けていた。

 

「この前の戦闘の映像は見せて貰った」

 

 画面越しのダグは23年前、ノートラム防衛戦にUIEが乱入した時と変わってはいない。

 恐らくはこの23年間もコールドスリープをしていたのだと思われる。

 

「実にすばらしい!」

 

 ダグは興奮を隠し切れない様子だ。

 

「満足して貰えて恐縮です」

「奪取した新型機もさることながら、あの白いガンダム……あのガンダムは普通ではない!」

 

 マドックもそれは同意見だった。

 白いガンダム……ガンダムAGE-2Xはプロト3を4機とゼイ・ドゥMカスタムを同時に相手をして手玉に取っていた。

 機体性能以上にパイロットの技量である事はマドックも認めざる負えない。

 

「あの白いガンダムのパイロットは私が生み出した強化Xラウンダーに匹敵……否、それ以上の力を持っている。実に興味深い」

「そんな事があり得るんですか?」

 

 マドックは信じ難かった。

 強化Xラウンダーはダグによって人為的にXラウンダー能力や身体能力を強化された強化人間だ。

 その能力は普通のパイロットを遥かに凌駕して、扱いの難しい大罪シリーズのMSを完全に乗りこなす程だ。

 その強化Xラウンダー以上のパイロットがいると言うのだ、簡単に信じる事は出来はしない。

 

「実際にその可能性があるのだ。是非とも、あの白いガンダムのパイロットを捕獲して、徹底的に調査したいものだ」

「では、我々はこのままあの船を追撃すると言う事でよろしいのでしょうか?」

「いや……君たちには一度、ドレッドノートに帰投して貰う。そこで君とボリスとレーナにはアルベリックと共に閣下の警護の任務について貰う様にアルベリックからの通達だ」

「閣下のですか」

「らしいな。出資者や支援者が集まるパーティーに参加する様だ。他にはインウィディアとルクスリアの二人も連れて行くと聞いている」

 

 UIEには今でもその思想に共感し資金の提供や物資の支援を行うバックボーンが存在する。

 その為、UIEのトップであるフェオドール・カルティエはその出資者や支援者に対してゴマをする必要がある。

 

「その護衛に我らもですか?」

 

 少なくとも、アルべリックや強化Xラウンダーを二人もつける以上、自分達は必要ない様に思える。

 

「そう言う指示が出ているんだよ。私としても白いガンダムのパイロットの方が重要なんだがな。一応は開発費や必要な物を手配して貰っている手前、無視は出来んのだよ」

 

 ダグとしてはそんな事はどうでも良く、自身のMS開発を行いたいが、命令に背くとそれすらも行えなくなる。

 

「そう言う訳だ。君たちにはその後、ガンダムの追撃をさせる」

「分かりました」

 

 マドックはそう言って通信を終了する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 UIEの攻撃を切り抜けたホワイトファングはデブリベルトに姿を潜ませていた。

 その戦闘で受けた被害は決して軽くは無く、その損傷を修復するまでは下手に動いて敵と遭遇するのは非常に不味い。

 戦闘を回避する為の緊急的な措置として近くのデブリベルトに身を隠して損傷の修復に当てている。

 幸い、ブランベルグで十分な補給を受けている為、デブリベルトで潜んでも物資が不足する事は無かった。

 

「艦の損害の修復は8割程度が完了したとの事です」

 

 現在の修復状況をラウラがウルフに報告する。

 デブリベルトに身を隠してから、整備班が寝る間も惜しんでの修復作業で大方の修復は完了していた。

 

「クリフォードの方はどうなっている?」

「今も、フォルスにしごかれてしますよ」

 

 あの戦闘で自分からプロト3イノベーションで戦ったクリフォードはMSに乗らないと言う選択肢はすでになく、正規のパイロットとしての訓練を受けている。

 その上、出撃後の独断行動をウルフにこってり絞られて、その罰を含めてフォルスに機体のシミュレーターで訓練を受けされられている。

 

「これで少しは羽根っ返りな性格が直ってくれればいいんだけどな」

 

 ウルフの見立てではクリフォードは直情的で喧嘩っ早い性格だ。

 ウルフ自身はそう言う奴は嫌いではないが、その性格は一つ間違えば艦全体の雰囲気を悪くする。

 それは艦長としての責任から避けたい。 

 クリフォードの性格を変える必要はないが、少なくとも戦場で命を預け合うパイロット同士は仲良くして貰い物だった。

 少なくとも、初陣の時の様な独断行動はしない程度にはキースにはクリフォードを躾けて欲しいと考えている。

 只でさえ、独断専行が大好きなフォルスがいる以上、これ以上の面倒事は止めて欲しい。

 フォルスは独断専行しようと、最低限の自分の役割は弁えている為、必要以上に言う事は無いが、クリフォードにそこまでの期待は出来ない。

 

「どうでしょうかね」

 

 クリフォードがただのバカか救いようのないバカになるかはクリフォード次第だった。

 ウルフの予測ではあの手の奴は鍛えれば伸びると踏んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホワイトファングの隠れているデブリベルトから少し離れたところにヴェイガンのファ・ボーゼ級戦艦「メナス」が停泊していた。

 メナスはかつて、地球侵攻軍の総司令官ゼハート・ガレットの搭乗艦であった為、彼のパーソナルカラーの赤で塗装されている。

 そのメナスのブリッジで一人の少年が機嫌を悪そうに端末に目を通していた。

 銀の髪に浅黒い肌はかつての船の主であるゼハートを思わせるが少年はゼハートよりも幼く見える。

 

「スラッシュ様。如何なされましたか?」

 

 スラッシュと呼ばれた少年の後でこの艦の指揮を取るヴァレリ・アダモフがそう聞くと持っていた端末をヴァレリに渡す。

 

「今回の補給リストだよ」

「ガフランにバクト……成程そう言う事ですか」

 

 端末には今回、メナスが受けた補給で新しく配備されたMSの一覧が記されている。

 そこにはガフランやバクトと言ったすでに戦場では大した役にも立たない旧式のMSが記されている。

 

「新型のダナジンを寄こせとは言わいさ……けど、ドラドの一機でも回して欲しかったよ。どうせ、地球種の血の混じっている俺のところにはセカンドムーン以外では殆ど使われない旧式がお似合いって事かよ」

 

 スラッシュは不貞腐れてそう言う。

 実際、スラッシュには地球の人間の血が半分流れている。

 それでも父がヴェイガンでも高い地位にあり、自身もXラウンダーの素質は無くともパイロットとしては非常に高い技術を持っている為、メナスを率いている。

 

「今は地球侵攻作戦の準備段階でドラド一機でも貴重な戦力なのですよ」

「分かってる。親父もそろそろ、起こされるって噂だ」

 

 スラッシュにもそれは十分に分かっている。

 ノートラム侵攻の失敗から23年かけてヴェイガンはコツコツと地球侵攻作戦の準備を始めていた。

 その準備も大詰めになっている。

 スラッシュの部隊に旧式のMSしか渡らないのは地球侵攻作戦の主力となる新型量産機のダナジンや何とか一線で活躍する事の出来るドラド、高い砲戦能力を持ったデファーズの正規採用機のレガンナーは地球侵攻作戦に投入されるのだろう。

 

「しかし、面白い機体が配備された様です」

 

 ヴァレリは端末をスラッシュに返す。

 

「ジルスベイン……聞いた事ない機体だな」

「ゼイドラをベースとした新型のXラウンダー専用機の量産タイプですよ。今回、配備されたのはその試作機の内の一機ですね」

「Xラウンダーね……」

 

 スラッシュはXラウンダーに対して余り言い感情を持ってはいない。

 ヴェイガンではXラウンダーは重用される。

 スラッシュの父のように優秀なXラウンダーであれば重用される事は問題は無いのだが、Xラウンダーと言うだけで大した実力もないのに重用されるのははっきり言って気に入らない。

 

「スラッシュ様。付近のデブリベルトに戦艦と思しき反応をキャッチしました」

 

 クルーの一人がそう言い、モニターにはデブリベルトに身を潜ませるホワイトファングの姿が映されている。

 

「白い戦艦って目立つな。アレで隠れているつもりか?」

 

 艦体を真っ白に塗装されているホワイトファングは非常に目立つ。

 

「如何します? アレは連邦の船では無い様ですが」

「それでも地球種の戦艦なんだろ? 親父が起きる前に戦果の一つでも多く上げておきたいからな」

「それでは出撃しますか?」

「ああ。敵の戦力が分からんから、俺とそうだな……そのジルスベインとやらの力を見ておきたい。一先ず二機で十分だろ」

 

 スラッシュはそう言い、ブリッジを離れる。

 

 

 

 

 

 

 

 メナスの格納庫には配備されたばかりのMSが置かれている。

 その殆どがガフランやバクトと言った旧式のMSだが、2機だけ違い機体が置かれている。

 一機はスラッシュの搭乗機のゼイドラだ。

 ゼイドラは23年前にゼハートが搭乗し、地球に降下した物を回収してスラッシュの搭乗機として、運用されている。

 もう一機が新しく配備されたジルスベインだ。

 ジルスベインはゼイドラとほぼ同一の機体で試験段階中の新型のビットとそれを制御するXトランスミッターが追加されている事以外はゼイドラと代わりは無い。

 

「お前がアレのパイロットか?」

 

 スラッシュはジルスベインの近くにいた見慣れない女に声をかける。

 女はパイロットスーツを着ている為、パイロットであると簡単に予測は出来る。

 

「本日付けでメナスに配属されました。ティアナ・ギュンターです」

 

 ティアナはスラッシュにヴェイガン式の敬礼をしながらそう言う。

 スラッシュはティアナを値踏みするように見るが、見た目ではパイロットとしての技量は図れない。

 

「すぐに出るぞ」

 

 スラッシュはぶっきら棒にそう言いゼイドラのコックピットに乗り込む。

 

「スラッシュ様。今回もミューセルは使わないつもりですか?」

「あんな物は要らない。アレが無くとも俺は十分にゼイドラを乗りこなす事が出来ているだろ」

 

 スラッシュのパイロットスーツにはミューセルが搭載していない。

 その為、スラッシュはXラウンダー専用機のゼイドラをXラウンダー能力を無しで乗っている。

 自身がXラウンダーに覚醒したのならまだしも、ミューセルで人為的にXラウンダー能力を得る事が気に入らないからだった。

 

「そうですが……」

「話がそれだけなら、俺は出るぞ」

 

 スラッシュは整備兵を追い払うと機体のハッチを閉じる。

 

「スラッシュ・ガレット。ゼイドラ……出る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴェイガンが仕掛けようとしている事を知らないホワイトファングではシミュレータールームでクリフォードとライルの訓練が行われている。

 二人とも実戦経験がないが、ライルの方がMSの搭乗時間も長く、シミュレーターでの訓練時間もないが為、ライルの方がスコアは良いが、ライルと歳も近い事からクリフォードは対抗意識を燃やしている事もあってか、シミュレーターを重ねるごとにスコアを伸ばしていく。

 それに触発されたのかライルのスコアも少しづつ伸びて来ている。

 

「これで君たちは20回目の戦死だね」

 

 シミュレーターが終わり、それをモニターで見ていたフォルスがそう言う。

 

「くそ……また落とされた」

「ハァハァ……」

 

 クリフォードもライルも疲れた表情をしている。

 すでに何時間もぶっ続けでシミュレーターで訓練をしているのだ無理は無い。

 

「それじゃもう一回言って見ようか」

 

 フォルスはサングラスでイマイチ表情は見えないが、声の感じから清々しい笑顔で言っているのは分かる。

 

「俺らを殺す気かよ……」

「死なない為にボクは心を鬼神にして君たちにシミュレーターをやらせていると言うのに……」

 

 フォルスは落ち込んだ様な言動を取るがその声は弾んでいる。

 

「フォルスさんの言う通りだぞ。シミュレーターで落とされても死なないが、実戦で落とされれば死ぬんだ」

 

 ライルはそう言って操縦桿を握る。

 落とされれば死ぬと言われればクリフォードもサボる訳にはいかない。

 クリフォードも操縦桿を握り、シミュレーターを再開する。

 

「フォルス。流石にやり過ぎだろう。シミュレーターのレベルの設定も新兵には高すぎだ」

 

 その様子を見ていたキースがシミュレーターが始まった事を確認してからそう言う。

 フォルスのシミュレーターの設定は新兵にしてはレベルが高く設定されている。

 これではシミュレーターをクリアする前に撃墜されて終了するのが落ちだ。

 

「そうかい? 敵はこっちの力量に合わせてくれないんだよ。すぐにある程度の戦力になって貰わないと困るのはキースだろ? ボクは新人のお守が御免だよ」

「お前な……」

 

 キースは流石に呆れる。

 この訓練も二人を強くするためよりも、フォルス自身が戦闘で楽をする為の物と言う。

 フォルスの性格上、それは間違いないだろう。

 それでも敵がこっちの事情を汲んではくれない事は確かだ。

 

「だが、今敵が攻めてくればあいつらはまともに戦えんだろう」

「早々、敵の攻撃がタイミング良く来ないさ。来てもボク一人で十分だしね」

 

 ハードな訓練によりライルもクリフォードも疲弊している。

 今、MSに乗って戦う事は出来ないだろう。

 

「そうは言うがな……」

「キース……ごめん。タイミング良く敵が来たみたいだ」

 

 フォルスが何かを感じとったらしくそう言う。

 すると艦内に警報が鳴り響く。

 それは接近中のヴェイガンのMSを補足したからであった。

 

「仕方がないね。宣言通りボクが一人で相手をするしかないか……」

 

 ライルとクリフォードが戦える状態ではない為、先ほどの宣言通りフォルスとキースの二人が出撃して、残りの二人はアラートにて待機する事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホワイトファングに接近するゼイドラとジルスベインはデブリベルトを高速で移動している。

 ゼイドラはデブリを縫うように移動するが、時々、デブリに当たりそうになっているが、ゼイドラの後方からはティアナのジルスベインは余裕でついて来ている。

 スラッシュはその様子を見ながら、少なくともティアナはXラウンダーと言うだけで重用されているパイロットではなく、重用されるだけの技量を持っている事は確認出来た。

 

「スラッシュ様。敵が来ます」

「アレは……ガンダムか!」

 

 モニターには二機に接近するガンダムAGE-2Xが映されている。

 その後方では伏兵を警戒してホワイトファングの近くで待機しているGバウンサーが映されている。

 

「あのガンダムは……父さんが仕留める事の出来なかった奴か」

「気を付けて下さい。スラッシュ様……あのガンダムのパイロットもXラウンダーです」

「関係ない! アイツを落としてやるよ!」

 

 ゼイドラはゼイドラガンを撃ちながら、AGE-2Xに向かう。

 ジルスベインも敵が複数の事を警戒して、その後ろからゼイドラを追いかける。

 

「敵はゼイドラが二機……一機は違うのかな? まぁどちらにせよ。倒すだけだけどね」

 

 AGE-2Xは攻撃をかわしてハイパードッズライフルを放つ。

 ハイパードッズライフルなら多少のデブリは突き抜ける事が出来る。

 二機は散開してAGE-2Xを挟み込むように陣取り、ゼイドラがゼイドラソードで切りかかる。

 

「ガンダム! お前を倒せば親父に良い手土産になるんだよ!」

 

 AGE-2Xはビームサーベルで受け止める。

 

「このパイロット……良くやるね。Xラウンダー能力もないのにさ」

 

 フォルスはゼイドラに乗るスラッシュにXラウンダー能力の適正がない事を気付くがそれと同時にXラウンダー能力がなくてもXラウンダー専用機を扱える程のパイロットである事も感じ取る。

 

「もう一人はXラウンダーか……」

 

 ジルスベインがビームサーベルでAGE-2Xの背後から迫るが、AGE-2Xはゼイドラを蹴り飛ばして回避する。

 

「逃がさない!」

 

 ジルスベインは新装備のジルスベインビットを展開する。

 ジルスベインビットは従来のビット兵器の様な小型砲台を遠隔操作する物ではなく、ビームを球体状に射出してそれをビットとしてコントロールすると言うものだ。

 ティアナのジルスベインは試作段階の機体である為、まだ数基のビットしか展開する事は出来ない。

 展開したジルスベインビットはAGE-2Xを追尾する。

 

「これは……ビット兵器なのか? ヴェイガンも面白い物を作るね」

 

 AGE-2Xはジルスベインビットをかわしつつ、デブリに当たる事まで待とうとするが、ティアナが正確にコントロールしているジルスベインビットはデブリを上手く避けて当たってくれる様子は無く、ハイパードッズライフルでデブリを破壊してその破片がジルスベインビットに当たり、ジルスベインビットはデブリの破片を破壊してなくなる。

 

「どうやら、そのビットはミサイルの類と考えれば良いって事か」

「余裕かましてんじゃねぇよ! ガンダム!」

 

 ゼイドラがゼイドラソードを振るいAGE-2Xはビームサーベルで受け止める。

 

「君も中々、面白い相手だね」

 

 AGE-2Xはゼイドラを弾き飛ばすとジルスベインがジルスベインガンを連射して来る為、デブリを盾にして防ぐ。

 その後、ゼイドラがビームバスターでデブリごと、AGE-2Xを狙う。

 AGE-2Xはストライダー形態に変形してデブリに隙間を移動し、ゼイドラとジルスベインはゼイドラガンとジルスベインガンを連射しながらAGE-2Xを追う。

 

「ちっ……素早い!」

「落ち着いて下さい。相手がガンダムといえども一機です」

 

 ゼイドラとジルスベインの二機はAGE-2Xを追いかけるもデブリで視界が悪く、デブリをかわしつつ追いかけている為、AGE-2Xを見失ってしまう。

 AGE-2Xを見失った事で立ち止まり周囲を警戒するが、ジルスベインをAGE-2Xは背後から蹴り飛ばす。

 ジルスベインは蹴り飛ばされながらも、ジルスベインビットを射出してAGE-2Xに差し向ける。

 至近距離であった為、ティアナは少なくとも一発は当たると確信するが、それをAGE-2Xはビームサーベル一本を神掛かったビームサーベル捌きで全てのジルスベインビットを叩き落とした。

 その後、ゼイドラがゼイドラガンでAGE-2Xを牽制する。

 

「そう言う使い方も出来るんだね。今のは少し焦ったよ」

 

 そう言うフォルスは全く焦っている様子は無い。 

 

「今の攻撃を防いだ……」

「これがガンダムの力か……どうりで親父が手こずる訳だ」

 

 スラッシュとティアナは噂でしか聞いた事の無かったガンダムの力を今、実感している。

 

「スラッシュ様。ここは一度、撤退して体勢を整えるのが良いかと……」

「確かにな……コイツを相手にするには二人では厳しい」

 

 スラッシュの父の前にガンダムの首を手土産にしたかったが、功を焦って返り討ちになる事は避けたい。

 一度はガンダムを前に熱く成りかけたが、AGE-2Xの力の前に冷静さを取り戻している。

 

「ここは撤退するぞ。ティアナ」

「分かりました。スラッシュ様」

 

 ゼイドラとジルスベインはビームバルカンでAGE-2Xを牽制する。 

 AGE-2Xもすでに敵に敵意のない事を感じており、デブリで防ぎ防ぎ切れない攻撃をシールドで防いでいる。

 

「撤退か……懸命な判断だよ。中々面白かったから今日のところは見逃してあげるよ」

 

 ゼイドラとジルスベインが完全に撤退する事を確認するとAGE-2Xもストライダー形態に変形してホワイトファングへと帰投する。

 

 

 

 

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