機動戦士ガンダムAGE ZERO   作:ケンヤ

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第78話

エウバの街を飛び去ったフォルスのAGE-2X改はホワイトファングを探していた。

 とは言っても地球に落ちる時にホワイトファングがAGE-2X改に艦を寄せようとしていた事は見ていたが、何処に落ちたかまでは分からないので、フォルスの感で飛んでいる。

 レーダーの調子が悪い事やホワイトファングの艦体が白い為、雪山での視認性は非常に低いこともあり本当に進んでいる先にホワイトファングがいるかどうかも怪しい。

 それでも上空を飛んでいる事で向こうから自分を見つけさせると言う意味でも飛んでいる事には意味がある。

 

「吹雪く前に見つけたいのだがな……」

 

 また、吹雪になると視界が悪くなり、機体から降りる事は自殺行為である事は身に染みている。

 フォルスは病室から勝手に出てきた為、寝ている間に病衣に着替えさせられている。

 私服に比べると温かいがあ、吹雪の中で機体から降りるには対して変わらない。

 その為、吹雪になる前にホワイトファングと合流するか、安全を探したい。

 フォルスが周囲を探していると地上の方から、敵意を感じて機体を旋回させると地上から銃撃を受ける。

 旋回していた為、AGE-2X改に当たる事はなく、フォルスは地上の映像を拡大する。

 

「今度はザラムか……」

 

 地上にはザラムのMS「ジラ」がマシンガンを構えている。

 そのジラはエウバの街で見たゼノ同様に装甲が付いていなかったりとまともに整備されているようには見えない機体が殆どだった。

 ジラは上空のAGE-2X改に対してマシンガンを放つ。

 ジラのマシンガンの威力ではAGE-2X改がオリジナルのAGE-2よりも装甲が薄かろうと直撃でも装甲に傷を付ける事は殆どないが、かわして降下する。

 AGE-2X改はビームバルカンでジラの一体を戦闘不能にすると、MS形態に変形して降下しながらビームサーベルを両手に持つと二機のジラの頭部を切り裂き、ジラは倒れる。

 着地したAGE-2X改は両手のビームサーベルをジラ達の方に向ける。

 いつものフォルスならば、躊躇う事も無くジラを全機撃墜するのだが、今はいつ補給を受けられるのか分からない状態である為、無駄な戦闘は避けて最低限の威圧行為でジラ達と自分との力の差を見せつけて引かせようとしている。

 

「これで引かぬと言うのなら……」

 

 圧倒的な差を見せつけた事でジラ達の動きに明らかに動揺が見える。

 ここで引けば見逃すつもりでいるが、もしも戦闘を続けるのであれば手早く全滅させるつもりだ。

 

「大した力だな。流石はガンダムと言ったところだ」

「通信だと?」

 

 オープンチャンネルでの通信と共にジラ達は一斉に道を開けると他のジラよりも明らかに状態の言いジラがAGE-2X改の前に歩いて来る。

 フォルスはジラのパイロットの真意が分かりかねるが、ジラからは敵意を感じない為、警戒を解く事はないが通信に応じる事にした。

 

「ボクに何か用かい?」

「女だと……」

 

 通信越しの相手は声色から少し困惑していることが分かる。

 恐らくは、AGE-2X改のパイロットが女である事は想定していなかったからだろう。

 

「そんな事はどうでも良いよ」

「確かにな……それで穣ちゃんは何者だ? エウバの連中がガンダムを持っている訳がない。連邦軍か?」

 

 ジラのパイロットはガンダムの事は知っているらしく、エウバではガンダムを運用出来ない事は分かっている為、フォルスの所属を連邦軍だと考えていた。

 

「違うよ。ボクは通りすがりの傭兵さ」

「傭兵……」

 

 フォルスの傭兵と言う言葉を聞いたジラのパイロットは少し考えこむ。

 そして、機体を反す。

 

「ついて来て欲しい。依頼がある」

 

 ジラのパイロットはそう言い、他のジラを連れて移動を始め、特に断る理由もなく、話だけでも聞く気になったフォルスは警戒を続けながらもそれについて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホワイトファングが地球に降りて一週間の間に突貫作業で艦の補修作業を終えていた。

 幸い、損傷は思いの外軽く、ノートラムで積んできた資材だけでも十分に補修が出来るレベルではあった。

 その間にMSにて周囲の捜索や情報収集を行うが、フォルスに繋がる手掛かりは殆ど見つける事は出来なかった。

 

「アキラが得た情報によりますと、フォルスのガンダムはここに落ちたと思われます」

 

 ホワイトファングの艦長室でウルフに情報を整理して報告している。

 情報収集の結果、ホワイトファングから少し離れたところに何かが落ちた跡が残されていた。

 その跡には何も残されていなかったが、周囲に落ちていた物からフォルスのAGE-2X改がそこに落ちていた可能性が高いと判断出来る。

 

「だが……フォルスもガンダムも影も形も無いって訳か」

「はい。周囲に戦闘の痕跡がない事や、残されていた破片から判断するに、フォルスは自力で移動したと思われます」

 

 吹雪があった後なので、痕跡が消されているかも知れないが、戦闘が起こればそれなりに痕跡が残る事から戦闘はなかったと推測出来、更には周囲に飛び散った部品の量は少しで機体を動かすには支障がない程度と言う事から考えると、フォルスは自分で移動したと言う可能性が高い。

 

「これで何回目だ? あの馬鹿が行方を眩ませるのは」

 

 自分で動かなければ今ごとはフォルスとAGE-2X改を発見し、回収する事が出来、そうなればホワイトファングの補修が終わればこんなところはさっさとおさらばして、オリバーノーツを目指す事が出来たが、フォルスの行方が分からない以上は捜索をするしかない。

 その上、ここのところのフォルスは行方を眩ませる事が多く、その度に面倒事を持って来ている。

 その為、今回もまた面倒事に関わるか引き起こしている可能性が高い為、流石にウルフもうんざりしている。

 

「何度目でしょうね」

 

 それはラウラもまた、同じで少し前はフォルスが行方不明になるだけで正常な判断が出来なくなるくらいに取り乱していたが、今では冷静でいられるようになっている。

 

「捜索の結果、周囲にはザラムとエウバの集落がある事が判明しました」

「ザラムとエウバか……と言う事はこの辺りも戦場に成りかねんな」

 

 ウルフは蝙蝠退治戦役でザラムとエウバと共に戦った経験があるが、その時ザラムとエウバが共闘した事自体が奇跡の様な物で今もエウバとザラムが戦っている事は知っている。

 エウバとザラムの集落が近くにあると言う事はその両者が戦っている事は考えるまでもない。

 そして、フォルスが起こす面倒事にエウバとザラムが関係しているかも知れない。

 

「しかし、エウバとザラムのMSは恐れるに足りません」

「だが、あの馬鹿が絡んでくれば楽観は出来んだろ」

「……確かに」

 

 エウバはゼノ、ザラムはジラと言うのが一般的である為、すでにゼノもジラも性能的にホワイトファングの搭載機で十分に対処できる。

 だが、警戒すべきはフォルスの起こす面倒事だ。

 

「とにかくだ。フォルスをさっさととっ捕まえて、オリバーノーツを目指す事が先決だ。ホワイトファングの発進準備が出来次第、発進して馬鹿を探しに行くぞ」

「了解です」

 

 今、ここで考えていても埒がなく、無駄に時間を使っているとフォルスが何かをしでかすかも知れない為、早急にホワイトファングの発進を進める。

 

 

 

 

 

 

 ザラムの一団にフォルスは案内されて、フォルスが少し前までいたエウバの街とは違う街に案内された。

 ジラが街に入っても混乱が起きない事から、ここがザラムの街である事が分かる。

 その中でも一際大きい屋敷に案内される。

 フォルスはAGE-2X改から降りると、まずは着替えを要求した。

 相手も病衣のままMSに乗っていた事は詮索する事なく服が用意された。

 フォルスが今まで来ていた服に比べると動き難いが病衣に比べるとマシな為、フォルスはそれに着替える。

 着替えが終わると屋敷内の一室に通される。

 その部屋は屋敷の応接室と思われる部屋で調度品などには金をかけているように見えるが、見る人が見れば大した価値のない物ばかりだと分かるが、フォルスにその辺りの目利きは出来る訳もなく、興味もなかった。

 部屋の中央に机とソファーが置かれており、ソファーには若い男が座っており、その後ろには二人の男が待機している。

 座っている男が通信をして来たジラのパイロットである事はすぐに分かり、後の男は護衛なのだろう。

 だが、護衛の男はフォルスを見て気を緩める辺りは、実力は大したことはないのだろうとフォルスは思いつつも若い男の対面のソファーに座る。

 

「それで依頼って何かな? 先に言っておくけど、ボクは安くないよ」

 

 フォルスがそう言い、若い男はアタッシュケースを机の上に置くとアタッシュケースを開くと中には金塊が詰まっていた。

 話の流れからすると、この金塊がフォルスへの依頼の依頼両なのだろう。

 

「話だけでも聞いて上げるよ」

 

 ジラの状態からザラムもまた、懐が厳しい事が分かる為、それでもこれだけの金塊を用意してまでフォルスに依頼とすると言う事はそれだけの依頼と言う事でフォルスは聞くだけは聞いてみる気にはなった。

 だが、依頼の内容によっては金塊だけは奪っておく気にもなっている。

 

「単刀直入に言うが、我々と共にエウバと戦って欲しい」

 

 男の依頼はフォルスの予想通りである為、差ほど驚く事はない。

 少し前まではエウバの街におり、そこでザラムと戦っていると言っていた以上、彼らがその相手である事は誰でも予測がつく事だ。

 

「エウバね……まぁ、ザラムの敵はエウバってのは当たり前だけど、君らも良くやるね」

「この辺りは先祖代々、我々ザラムの土地だと言うのに奴らは図々しくも居座り、最近は卑劣にも吹雪に紛れて我らを闇討ちする始末だ。ここまで卑劣な手を使われては傭兵を使ってでもエウバはこの土地より排除しなくてはならないからな」

「へぇ……」

 

 フォルスはザラムの依頼に大した興味はなかったが、男の話に興味を持つ。

 男の話はエウバの街で老婆に聞いた話とか食い違っている。

 どちらも、相手が吹雪に紛れて闇討ちを受けたと言っている。

 その言い方からどちらも一方的に闇討ちを受けているように聞こえる。

 考えられる可能性はどちらかが嘘をついているかだ。

 しかし、フォルスはXラウンダー能力で相手の感情をある程度を読み取ることは可能だ。

 それにより、老婆も男も嘘は付いていないと判断出来る。

 それでも相手がXラウンダーでなければ完全に相手の心の内を読み取ることは出来ない為、器用に嘘をついて誤魔化している可能性もあるが、老婆も男も見た感じではどちらもそれが可能には見えない。

 となれば、ザラムとエウバの双方が相手が吹雪に紛れて闇討ちを受けていると思っていると言う事になる。

 そこから導きさせる新たな可能性はエウバでもザラムでもない第三勢力の存在だ。

 その第三勢力が吹雪に紛れてザラムとエウバの双方を闇討ちする事で双方を本格的に戦わせようとしているのかも知れない。

 連邦軍とヴェイガンを戦わせるのであれば、ある程度は理由も考えられるが、ザラムとエウバを戦わせる理由は余りない。

 その為、その第三勢力に興味が出て来た。

 

「君たちの事情には興味はないけど、その依頼は受けるよ」

「そうか! 助かる!」

 

 フォルスが依頼を受けた事でガンダムを味方につけたも同然で、ザラムの勝利を確信した男は興奮気味に立ちあがる。

 そんな男の様子にフォルスは興味はなく、第三勢力の事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 フォルスを見送ったスラッシュはエウバに力を貸す事にしていた。

 ヴェイガンの地球侵攻作戦が本格化すれば、いずれは敵として撃つ事になるが、今だけは故郷の為に戦うエウバを放ってはおけなかったからだ。

 それに関してはスラッシュはザラムを撃つ事で今の内に地球の戦力を削ぐ為だと理由付けとしている。

 

「この先か……」

 

 スラッシュはエウバのゼノと共にザラムの街に隠れつつも接近していた。

 先頭のゼノが様子を見ているとマシンガンで撃ち抜かれる。

 

「待ち伏せか!」

 

 突然の奇襲にゼノは対応出来ずに立ち往生しているが、そのままでは格好の的である為、ゼイドラが前に出る。

 ゼイドラはマシンガンの銃撃を両腕でガードする。

 ゼイドラの装甲をマシンガンを貫く事はなく、ゼイドラは銃撃を受けつつも突っ込んでゼイドラガンを放つ。

 ビームがジラの頭部を撃ち抜いて倒れると、左手にビームサーベルを展開して、別のジラの腕を切り裂き、ゼイドラガンを向けるが、ゼイドラガンを撃つ前にゼイドラは衝撃と共に吹っ飛ばされる。

 

「やぁ。また、会ったね」

「お前……」

 

 ゼイドラを吹き飛ばしたのはフォルスの乗るAGE-2X改であった。

 使えないハイパードッズライフルを腰にマウントして、手にはマシンガンの内蔵されているモーニングスターを持っている。

 ゼイドラを吹き飛ばしたのは持っているモーニングスターだったらしい。

 

「何で……」

「何でってボクは傭兵だからね。依頼を受ければ何処にだって付くのは当然だと?」

「お前だって連中のやった事は聞いているだろ!」

「だから何?」

 

 スラッシュはエウバの事情しか知らない為、闇討ちを行っているザラムに手を貸している事を非難するが、フォルスからすればどうでも良い事だった。

 AGE-2X改はモーニングスターを振り下ろして、倒れているゼイドラを攻撃するが、ゼイドラは回避して立ちあがる。

 ゼイドラはゼイドラガンを向けるが、それを撃つよりも早く、AGE-2X改は地面に向けてモーニングスターに内蔵されているマシンガンを連射して動かして雪を巻き上げる。

 

「なっ!」

 

 舞い上がった雪で機体の白いAGE-2X改の姿は視認し辛く、距離が近い為、レーダーも余り役に立たない。

 AGE-2X改の姿を見失っていると、背後からモーニングスターでゼイドラを殴り飛ばす。

 その一撃では致命的な損傷を与える事は出来ないが、不意打ちである為、衝撃はモロに受ける。

 

「後ろかよ!」

 

 ゼイドラは吹き飛ばされながらも、後を向いてゼイドラガンを撃つが、AGE-2X改は姿勢を低くしてかわす。

 

「残念」

 

 AGE-2X改はシールドで雪を掬いあげて、ゼイドラの頭部に投げつける。

 ゼイドラの頭部に雪が当たると一瞬だけだが、視界が悪くなりその隙にAGE-2X改はゼイドラに接近してモーニングスターで殴り飛ばす。

 ゼイドラは倒れ込み、起き上がろうとすると、ゼイドラの首元にAGE-2X改はビームサーベルを付きつける。

 

「ボクの勝ちだね」

「くっ……」

「さて……どうするかな」

 

 スラッシュに完勝をしたが、アスノ家の血を引いているスラッシュを殺す訳にも行かず、だからと言ってザラムとエウバが引いてくれそうもない。

 すると、上空から大量のミサイルが降り注ぐ。

 AGE-2X改はミサイルを回避するが、倒れているゼイドラにミサイルの直撃を受けるが、コックピットのある頭部を腕で守る。

 

「何だ!」

「来たのかな?」

 

 ミサイルの雨の直撃を受けたゼイドラは損傷はなく、AGE-2X改もミサイルの範囲から飛び退いていた為、被弾はしていない。

 

「アレか……」

「何だよ……アレは……」

 

 ミサイルの雨が止むとミサイルを撃って来た敵に正体が明らかになる。

 MSを遥かに上回る巨体だが、それ以上に異様な姿をしている。

 本体が分からないくらいにジラやゼノの上半身や下半身を纏っている。

 

「マンモン……だけど、随分と愉快な事になっているね」

 

 フォルスにはその機体に心当たりがあった。

 クライドが設計した大罪シリーズの一機で「マンモン」だ。

 マンモンはMSなどを自身に取り込む事が出来るMSだ。

 その為、今まで取り込んだジラやゼノを取り込んだが為に異様な姿となっている。

 そこから、今までザラムとエウバを吹雪の中、闇討ちしていたのはマンモンである事が分かる。

 吹雪の時に闇討ちしていたのは、視界が悪い吹雪の時でなければ、エウバとザラムと戦わせる事で、マンモンの存在を隠す事が出来なかったからだろう。

 更に良く見るとヴェイガンのドラドなどや連邦軍のジェノアスⅡやアデルも見える。

 

「あのMSは……ガンダムか? 面白い。あれもマンモンの一部にしてやるか」

 

 アヴァリツィア・グリードはAGE-2X改を機影を見てそう言う。

 マンモンは敵を取り込めば取り込む程、その力を増していく、理論上はその上限はない。

 マンモンは元から装備されている4基の大型クローアームを展開する。

 そして、AGE-2X改を取り込むべくクローアームで掴みかかるが、AGE-2X改は飛び上がって回避し、モーニングスターのマシンガンを連射するが、直撃を受けたクローアームには傷一つ付いていない。

 

「やっぱ、これじゃ無理だね」

 

 AGE-2X改は着地をして、ゼイドラも立ちあがる。

 

「くそ……何なんだよ。アイツは!」

「あれが吹雪に紛れて闇討ちしていた奴だよ」

「ザラムじゃなかったのかよ」

「違うね。あれはUIEのMSだね」

 

 マンモンの周囲のジラやゼノは周囲にマシンガンを乱射する。

 AGE-2X改とゼイドラは回避するが、ジラやゼノは回避しきれずに次々と撃墜され、運良く撃墜を免れたMSをマンモンがクローアームで掴み、自身に取り込む。

 

「MSを……」

「成程……ドクターも面倒なMSを設計した物だよ。スラッシュ、あの腕に捕まると取り込まれるよ」

 

 ゼイドラはゼイドラガンを撃つが、マンモンに届く事はない。

 マンモンにはMSを取り込む以外にも電磁フィールドの展開が可能だったり、光波推進システムなども搭載されている。

 

「あれにビーム兵器は効かないよ」

 

 AGE-2X改はマシンガンを放つ。

 マンモンに取り込まれたジラやゼノは取り込まれてはいるが、装甲が強化されている訳ではない為、マシンガンの直撃で破壊される。

 だが、破壊されたMSの下にはまだMSが出て来る為、焼け石に水であった。

 

「あんな化け物にどうすりゃいんだよ!」

「とにかく攻撃するしかないね」

 

 AGE-2X改はマシンガンでマンモンを攻撃するが、ジラやゼノを破壊出来るが、ヴェイガンや連邦軍のMSの装甲を貫く事は出来ない。

 マンモンはクローアームを振るい、周囲のMSを蹴散らし、AGE-2X改とゼイドラは空中に逃げる。

 マンモンは更にクローアームでAGE-2X改を掴もうとして、AGE-2X改はマシンガンを撃ちながら、空中で回避するが一基目をかわすが、二基目まではかわし切れずに、クローアームに捕まりかけるが、ビームがクローアームに直撃する。

 クローアームまでは電磁フィールドに守られてはいなかった為、クローアームは撃ち抜かれ破壊される。

 

「ようやく来たね」

「お前はつくづく面倒事の渦中にいるな」

「やだな。それじゃボクが面倒事が好きなように聞こえるじゃないか」

 

 これだけ派手に戦闘をしていれば、当然、ホワイトファングでも戦闘を補足する事は出来る。

 戦闘を補足したホワイトファングはその戦闘でAGE-2X改の反応を補足して駆けつけたと言う事だった。

 すでにMSが射出されて戦闘に加わる。

 GバウンサーとジェノアスキャノンⅡはウェイボードに乗り、Gバウンサーはハイパーバズーカを装備して来ている。

 

「フォルス。訳の分からんデカブツにヴェイガン、エウバにザラムと状況はどうなっている?」

「あのでかいのだけが敵で良いよ。キース」

「了解だ」

 

 ライルのジェノアスキャノンⅡがドッズキャノンを放つが、電磁フィールドに阻まれる。

 アキラのクランシェもドッズライフルを放つが、やはり電磁フィールドによって阻まれる。

 

「ビームが効かない……」

「あれにビーム兵器は効かないよ。実弾を中心に攻めないとね」

 

 実弾兵器を持たないクランシェはマンモンの攻撃を引きつけて、ジェノアスキャノンⅡは三連装ミサイルを放ち、Gバウンサーもハイパーバズーカをマンモンに放つ。

 更にはホワイトファングからのミサイルを受ける。

 

「雑魚どもが!」

 

 マンモンはクローアームを振りまわす。

 

「無茶苦茶だね」

 

 AGE-2X改はモーニングスターをマンモンに投げつける。

 モーニングスターはマンモンに直撃し、そこには電磁フィールドの発生装置がある。

 モーニングスターの直撃でマンモンは電磁フィールドを張る事が出来なくなり、クランシェ、ジェノアスキャノンⅡ、ゼイドラのビームの直撃で次々と纏っているMSが破壊されていく。

 AGE-2X改はストライダー形態に変形すると、ビームバルカンを放ちながらマンモンに向かっていく。

 マンモンはクローアームで向かえ撃つが、AGE-2X改はMS形態に変形すると両手にビームサーベルを抜いてクローアームにビームサーベルを突き刺し、クローアームを切り裂きながら、マンモンに接近して、マンモンの周囲のMSを切り裂きながら、マンモンに取りつく。

 

「ここまで接近すればどうにも出来ないよね」

 

 マンモンは基本的に取り込んだMS以外ではクローアームしか武装は持ってはいない。

 それ故に懐に飛び込まれると何も出来なくなる。

 すると、マンモンのハッチが開閉し、アヴァリツィアがコックピットから降りて来る。

 アヴァリツィアは両手を挙げており、投降の意思を見せている。

 アヴァリツィアはここで死ぬくらいなら、投降してでも生きようとしている。

 

「投降だと? だがお前を生かす理由はないな」

 

 アヴァリツィアはいざとなればUIEの情報を手土産にする気も辞さないが、フォルスからすればそんな情報に意味はない。

 AGE-2X改はビームサーベルでアヴァリツィアごと、マンモンに突き刺す。

 幾ら強化Xラウンダーとは言え、ビームサーベルの熱量に耐える事は不可能な為、アヴァリツィアは一瞬で蒸発してビームサーベルはマンモンのコックピットに突き刺さり、AGE-2X改はビームサーベルを抜いてマンモンから飛び退く。

 そして、ホワイトファングが主砲を放ちマンモンに直撃し、周囲のMSもマンモンに集中砲火を浴びせる。

 それによりマンモンの所々から火を噴き、やがて完全に沈黙する。

 

「終わったのか?」

「みたいだね」

 

 マンモンは沈黙し、パイロットはフォルスによって殺されている為、マンモンが動く事はない。

 

「さてと……ボクはホワイトファングに帰るけど、スラッシュはどうするんだい?」

「どうって……」

 

 マンモンが暴れたせいでザラムもエウバも壊滅的な打撃を受けている。

 その為、これ以上の戦いは難しく、スラッシュもいつまでもエウバと共に戦う訳にも行かない。

 

「何ならボクらの船に来るかい?」

「は?」

 

 スラッシュは一瞬、耳を疑う。

 スラッシュがホワイトファングに仕掛けた事が分かっているのにそのスラッシュを船に招くなど正気の沙汰ではない。

 だが、フォルスから見ればクライドの孫であるスラッシュをこんなところにおいて行けば後で何を言われるのか分かった物ではない。

 

「ああ……ホワイトファングに仕掛けた事なら気にしないで良いよ。被害は殆ど受けてないからね。構わないだろ? 艦長」

「……勝手にしろ」

 

 ウルフの方もフォルスの面倒事にすでに慣れている為、ゼイドラのパイロットをホワイトファングで受け入れる事に表立っては反対はしない。

 どの道、反対したところでフォルスはそれを通す事は目に見えている。

 ならば、ここは素直に受け入れて、スラッシュ次第で対応を決めた方がマシであった。

 

「分かった」

 

 地球に潜んでいる友軍がこの辺りにいるか分からない上に下手に接触する事は友軍の位置を知られる危険がある。

 それはホワイトファングに乗艦し、ゼイドラのデータを取られる事や自分が拘束される事よりも不味い。

 どの道、自分の持っている情報は殆どなく、自分から機密情報が漏れるのは殆ど無い。

 それらを踏まえると、ここはフォルスに従った方が懸命だ。

 上手く行けば宇宙に戻れるだけでなく、ガンダムに関する有益な情報も得る事が出来るかも知れない。

 

「決まりだね」

 

 ホワイトファングのMS隊はホワイトファングに帰投し、スラッシュもぞれに続いて行く。

 

 

 

 

 

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