一章とは違う一面が見れます!
「こんなでけえ、風呂俺初めだ!」
ウィルはそう言うと、服を脱ぎ散らし浴槽に走っていった。風呂は、とにかくデカかった。バラ風呂やシルクの風呂。中心にある風呂の湯は、大理石でできたライオンの口から、湯が出ていた。天井は、湯気のせいで、見えなかった。それほど、ここの天井は高いのだろう。俺も、服を脱ぎ捨てウィルを追いかけて走った。リヒトとグレンも既に浴槽に入っていた。グレンは、あのあとさっと、朝食を食べ一人で浴槽に向かった。リヒトも、朝食を食べ終えると先に行ってると声をかけ、皆より、早めに浴槽へ向かったのだった。グレンは、機嫌を直してるといいが…。湯気で視界が悪い中、リヒトとグレンを見つけた。シルクの風呂に入ってゆったりしていた。グレンも、少し落ち着いたように見えた。よく見ると、奥でウィルが泳いでいた。シルクの風呂は、白いからよく見えなかった。風呂の中で泳ぐってありなのか…?ウィルは、華麗なクロールをしていた。グレンもリヒトも、ちょっと迷惑そうだった。俺も、湯船に浸かるとするか。
「俺も、一緒にいいか?」
「いいよ、キリュウって結構マッチョだな。いいなぁ…。」
リヒトは、羨ましいそうに見ていた。リヒトは、全体的に身体が細かった。もしかしたら、今まで満足な食料を食べていないのかもしれない。リヒトは、出会った時から、少し気にかけていた。手首の包帯もそうだが、どこか、遠くを見つめているような目。時に見せる笑顔は、作り笑いのような無茶した笑顔…。俺も、こいつの役に立てたらいいんだが、下手に手を出して傷つけてしまうかもしれない。今はまだ様子を見てみよう。すると、グレンはウィルを気にしているようだった。
「なあ〜ウィル、お前の身体の悪魔ってどんなんだ?」
確かに、一体どんな力なんだ?名前だけ、聞いても、あまりパッとしない。すると、ウィルはよくぞ聞いてくれたという、表情で説明し始めた。
「俺の身体の悪魔は、自分の身体を自在に変形することができる。例えば、無茶苦茶マッチョになったり、デカくなったり、小さくなったりな」
すると、ウィルはさっき言った一連の動作を全て見せてくれた。頭一個分ある腕の筋肉を披露した後、4mぐらいの身長から10cmぐらいの身長に身体を変形させた。グレンとリヒトは、おお〜と言って自分とは、ちょっと違う力に感動した。俺もグレンもリヒトも自然系な能力だから、興味が湧いてきた。
「俺の力は、これだけじゃねえ…」
そう言うと、ウィルはリヒトの胸を触り始めた。すると、リヒトの胸が少し膨らみ始めたのだ。俺もグレンも驚いたが、リヒト自身が一番驚いていた。
「ちぃせえな、Bぐらいか?」
すげえ、自分の身体以外も変形できるのか。確かに、興奮はするが少し物足りなかった。なんて、言うか想像していたのと違う…。ウィルは、小さいリヒトの胸を揉んで、ガッカリしていた。リヒトは、顔を赤くして生まれて初めて胸を揉まれることに動揺しておとなしく胸を揉まれていた。揉まれている感触は、あるようだ。
「いつまで触ってるんだよ、いい加減に…。んっ!」
エロい…。ソヒィに引き続き、俺はなんてこと考えてんだ。でも、この場合は、リヒト自身じゃなくて、ウィルが、作り上げた胸に気を惹かれているんだ。ウィルさえ、いればこの男だらけの生活にも、花が咲くに違いない!俺きっとウィルとはいい仲になれる。ぜひ、友になってほしい!グレンは、くだらなさそうに、見ていた。そんな、グレンにウィルは、
「お前も、触るか?男なら一回はやってみてえもんだろ?」
「却下。そろそろ、やめたれよ。嫌がってんだろ。」
グレンは、やられ放題のリヒトをかばうかのように言った。ウィルはリヒトから手を話すと、元の身体に戻した。リヒトは、肩の力を抜くと、グレンに、「ありがとう」と言って、軽く微笑んだ。ウィルは、身体を洗い終えた、カスカとソヒィに目をつけた。まさか、こいつソヒィに手を出すんじゃあ!俺たちにその道はまだ早い!俺の焦り顏に気がついたのか、ウィルはカスカの胸を膨らせた。カスカは、表情一つ変えず
「これが、身体の悪魔の力か…。」
と言って、自分の胸に目をやった。でけえ…。D?いや、Eカップだ!リヒトとは、大違いだ!ウィル自身も、驚いている様子が伝わった。何で、こんな違いがあるんだ?それは、ともかくカスカの胸に俺は気が吹っ飛びそうだった。
「ウィルとキリュウの脳内に異常発生が起きている。脳内が、ピンク色で染まっている…。ん?ウィル、胸がしぼみ始めたぞ。」
ウィルは、顔真っ赤にして、風呂から、上がった。ウィルは、いろんな意味で疲れたのだ。さっきも俺たちに自分の力を披露してくれたからな。俺も、そろそろ上がるとするか。シルクの風呂上がろうとした時、足を踏み外した。やべえ、転ける!カスカが、相変わらず無表情で見つめている顔が、遠ざかっていくのが、わかった。
「痛てえ、」
どうやら、足をくじいたようだ。グレンが、大爆笑している。あはははと風呂の湯を叩いている。くそっ…あいつめ!!右足は、赤く腫れ始めた。シルクの湯は、滑るなあ。それだけ、いい湯だってことが痛いほどわかったぜ…。早く、上がって冷やさなきゃいけねえな。あまり、酷くなっても困るからな。すると、ソヒィが俺の元に駆けつけ、声をかけた。
「大丈夫?僕に任せて!じっとしていてね。」
そういえば、ソヒィは回復の悪魔だったけ。回復の悪魔の力も、みてみてえし、別に大した怪我じゃねえが、お言葉に甘えて治してもらうとするか。ソヒィは、赤く腫れ上がった部分を手で包むように、触った。その瞬間、エメラルド色の光がソヒィの手から放たれた。ソヒィは、目を閉じて、集中していた。痛みが、その光に吸い込まれるかのように、なくなっていった。痛みは、なくなり腫れも、すっかり無くなっていた。その瞬間、ドッと歓声が上がった。俺も、ソヒィの便利な力に感動した。ソヒィは、顔を真っ赤にして俯いた。
「ありがとな、ソヒィ」
俺は、恥ずかしながらもソヒィに礼を言った。ソヒィは、俯いていた顔を上げ、天使スマイルを見せてくれた。座っていた俺を起こそうと、手を指しにべてきた。相変わらず、可愛いな…。俺は、ソヒィの手を取るとゆっくり立ち上がった。それと同時に、グレンとリヒトもシルクの風呂から出てきた。俺は、ウィルが待つ脱衣所へ向かった。いい湯だったな。そして、いい胸も見れたしな。俺は、タオルで全身を拭き、用意された服を着た。あいつらとお揃いかよ…。兵の服か?動きやすそうだ。部屋で過ごす時は、これを着とけっていうことだな。上は、白で下は黒。シンプル過ぎるのにもほどがあるだろう。それにしても、皆仲良くお揃いとか…。グレンも同じことに不満を持ったのか、鋭い目つきで舌打ちをした。お〜怖い怖い。あいつ怒ろらせたら、やべえな。きっと…。俺は、脱衣所のドアを開けた。重てえドアだな。俺が、今まで見てきたドアは、木でできていたはずだが…。ドアの目の前には、セシルが立っていた。やっときたかというような表情で、
「キリュウ、グレン、リヒト、ウィルに用がある。付いて来い。」
一体、どういう組み合わせだ。なんか、やらかしたか?俺たちは、おそるおそるついていった。コツコツと靴を鳴らしながら、セシルは広い廊下の真ん中を堂々と進んでいった。その小さい後ろ姿は、とてもたくましく、心強いものであった。俺たちが連れてこらっれたのは、兵のトレーニング室であった。ダンベルが山のようにあり、兵が汗を流しながら、トレーニングに励んでいる。そういうことか、俺たちの力は戦闘向けだから、ここで自分の力を高めろというわけか。ソヒィは、回復だから、戦闘向けじゃねえし、カスカは、精神だから相手の作戦を読んだり、次の行動を読み取ったりするやり方がある。だから、俺たち4人が連れてこられたのだ。
「お前たちは、ここで自分の武器を見つけてほしい。もちろん、武器無しの素手でやり合う戦法でも構わない。自分の力と融合できる自分にあった武器を見つけてこい。いい武器が見つかったら、僕の方でもっといい武器に変えてやる。」
それだけ、言うとセシルは再び広い廊下の真ん中を歩き、戻っていった。あいつも、いろいろ忙しそうだな。それはともかく、武器か…。ぱっと見、刀、弓矢、銃、短剣、鈍器があった。俺は、素手の方でいいかもな…。融合させようがねえし。俺の大地の悪魔の力は、大地そのものを操ることができる。地震を起こしたり、山を作ることができる。こんな力だし、俺は、素手で行く戦法にした。グレンは、刀が気に入ったのか、刀を振り回していた。おいおい、こっちに飛んでくるんじゃねえか。すると、鋭い刀に、更に鋭い氷河がコーティングされた。ただでさえ、鋭い刀が更に、鋭くなった。すげえ、これがセシルのいう、自分の力と融合させることか。グレンは、慣れた手つきで刀を更に振り回して、
「俺は、これにする。いい奴と取り替えてくれんだったけな。どんな奴か楽しみだ!」
早いな…。もともと、刀を使っていたのか?グレンは、見るからに身体付きが良く、きっと、どこかで自分を高めていたのだろう。ウィルも、素手でやり合う戦法でやっていく様子だし、あとは、リヒトだけか…。リヒトは、弓矢か短剣で迷っているようだった。あまり、武器に慣れていないリヒトには、弓矢がいいかもしれないが、華奢な身体に短剣は、超お似合いだった。リヒトは、腕を組んで首を傾げた。
「どっちがいいかな?でも、俺弓矢も短剣も使えないし…。」
「実際にやってみればいいだろ。」
グレンは、もたもたしているリヒトの手を掴み、弓矢と短剣を持って広いスペースへ行った。グレンは、まず、リヒトに弓矢の持ち方を教えたあと、「放って」と言った。教え方が雑にも、ほどがある。しかし、リヒトは、矢に自分の力である稲妻と共に、的に命中した。周りにいた兵も、びっくりしているようだ。俺とウィルも一瞬何があったか分からなかった。初めてでこれだったら、弓矢の方に決定だな。しかし、グレンは納得のいく顔をしていなかった。矢が命中した的を見て、
「矢は、いいとこに刺さったが、力がなさ過ぎて全然、的にめり込んでない。ダメだ。」
俺は、的に近づいた。本当だ。3cmぐらいしかめり込んでいない。これじゃあ、敵に刺さったとしても、ちょっと、痛いぐらいなかすり傷になってしまう。グレンは、短剣をリヒトに持たせると、自分との1対1をやると言った。リヒトは、不安そうな顔で短剣を持った。すると、グレンは短剣でリヒトに向かって攻撃し始めた。リヒトは、とっさに避けると短剣に稲妻を走らせてから、グレンに攻撃し始めた。グレンは、それを楽々と避け、再びリヒトに攻撃した。リヒトは、またしてもそれを避けた。リヒトは、自分の動きもコントロールできてるし、相手の動きを見て、瞬時に攻撃から避けていた。ただ…それは、始めだけだった。
「どうした?リヒト動きが鈍くなってるぞ。」
リヒトは、息を上がらせていた。身体の細いリヒトには、体力があまりなかったのだ。リヒトは、動きが鈍ってるまま、グレンに攻撃した。が、グレンは攻撃してきたリヒトの手首を掴むとそのまま、地面にリヒトの身体を押し倒した。グレンは、うつ伏せになったリヒトの身体に乗った。短剣を持っている手はグレンに押さえつけら、身動きができなかった。グレンは、リヒトの首筋に短剣を当てた。リヒトは、ビックと身体を震わせた。首筋から、汗が垂れていた。
「俺の勝ちだ。」
その瞬間、ドッと歓声や拍手が巻き起こった。いつの間にか、周りには兵がグレンとリヒトの1対1を見物していた。グレンは、リヒトから降りると、
「動きは、悪くない。ただ、体力が全然ねえな。まあ、弓矢よりこっちの方がいいだろう。」
リヒトは、そのまま立ち上がり、
「俺も、短剣の方が良かったよ。ありがとな、いろいろ教えてくれて。」
一体、グレンは何者なんだ。昔、なんか軍みてえな物やっていたのか。まあ、どっちにしろリヒトにいい武器があって良かったぜ。グレンとリヒトは、自分に合ったいい武器が見つかったことをセシルに報告しに行った。一体、どんな武器に変身してくるだろう。やっぱり、城が用意するだけあって、きっといい武器なんだろう。俺も、選んでいた方が良かったか?まあ、いいや。俺は、そのままウィルと今朝いた部屋に戻った。