人は見かけによらないねー   作:ヤグルマ

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初めまして、ヤグルマと申します。
なんとなく書き始めましたので面白いかはわかりませんが、よろしくお願いします。



プロローグ

俺の人生は普通だった。

 

いや、決して不満があったわけじゃない。特に不満もなかったし、とんでもない不幸があったわけじゃない。

辛かったのは両親の葬式ぐらいなもんだろう。

 

俺は結婚はできなかったが弟が結婚し、姪っ子の面倒をよく見ていたので満足している。

あ、もちろん変態的な意味ではない。俺はロリコンではないのだ。

 

そんな俺の人生も、もうすぐ終わろうとしている。

 

「ヒグッ・・お、おじさん・・・死なないでよぉ・・・っ!」

 

「兄貴・・・クッ」

 

涙を流す二人を見て、とても申し訳ない気持ちと・・・とてもうれしい気持ちで胸がいっぱいになる。

あぁ、俺はこんなにも愛されていたのか・・・幸せだなぁ。

 

もう二人の顔は見えないが、顔は忘れない。

声も聞こえなくなったが、耳が覚えている。

姪っ子に握られていた感覚も消えたが、温かい。

 

このまま、ゆっくり沈んで・・・

 

 

「おっめでとうございまぁす!」

 

殺風景な部屋の中で立っていた。

 

 

「え、あの・・・は?」

 

訳が分からないよ。なんだここは?

天国?極楽?どちらにしてもワンルームアパートはないだろう。いろいろ台無しだ。

 

「貴方は見事、【神様のイカサマなしお疲れ様グランプリ】略してカカプリ!の出場者に選ばれましたっ!イッエーイ!どんどんぱふぱふ~!」

 

話についていけない。なんなんだこの・・・某桃のお姫様にそっくりのコスプレイヤーは?

そんな俺の心配もよそに桃姫様はノリノリで話し出す。

 

「ルールはとっても簡単!新しい人生を生きるだけ!もちろん、次の人生が生きやすいように特典もつけちゃいまーっす!」

 

新しい人生と言われても・・・ついさっき人生を堪能したばかりでお腹いっぱいというか、なんというか・・・

 

「あ、あの・・・すいません」

 

「お、さっそく特典選びですか?何にします何にします!?」

 

桃姫はバインダーをスカートの下から取出し紙を挟んで詰め寄ってくる。近い、絡みづらい。

 

「いや、その・・・とりあえず、次の人生はまだいいです。」

 

「ほうほう、次の人生はいらない・・・ふぇ?」

 

なんかこっち向いて固まってしまった。バインダーは手から滑り落ちて小さな音を立てる。そんなに俺の言ったことが衝撃だったのか・・・。

 

「え、えぇぇぇ!?なんでそんなこと言うんですか!?転生ですよ!ハーレムですよ!生前ではありえないカワイイ女の子たちが思いのままなんですよ!?」

 

「は、はぁ・・・転生とか特典とやらには興味ないですし、一人の女性を愛せたならそれでいいですし、なんで俺の恋愛事情知ってるのか気になりますが・・・まぁ、とりあえず楽しく生きていけましたし・・・。」

 

少し冷静になってきたから言うが、この桃姫言うことがとても失礼だ。天使か何かわからないが、いきなり出てきて人の人生にイチャモンつけるとは・・・

 

「え、でも、橘田琢磨【タナダタクマ】さんの人生ってとてもh「ちょっとまて」・・あ、あの・・・なにか?」

 

「俺の名前は真田作楽【サナダサクラ】だ。」

 

 

あ、また沈黙した。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「も、申し訳ありませんでしたぁ!!」

 

俺の目の前で桃姫が土下座している。聞いた話によると、本来此処に来るのは俺のような普通の人間ではなく、とても不幸な人生を歩んできた人間なんだとか。それをこの桃姫改め神様見習い、フィーテナ嬢の名前の間違いにより俺が呼ばれてしまったとのこと。ちなみに橘田という青年は俺の乗るはずだった渡し船にのって行ってしまったらしい。ついでに送られる魂は決められているらしく、俺の席を橘田青年が使ってしまったためもう送れないらしい。つまり・・・。

 

「俺はこの訳の分からんワンルームから動けない・・・ってことでいいのか?」

 

「そ、その・・・ほんとにすいません。」

 

過ぎたことを悔やんでもしょうがないので軽い気持ちで質問したら、どうやら落ち込んでしまったようだ。

 

「もういいさ、許そう。ところで、新しい人生はわかるが・・・【グランプリ】とはなにかな?」

 

そう、さっきから気になっていたことがある。

【神様のイカサマなしお疲れ様グランプリ】のことだ。

神様の→そのまま神様主催ということだろう。

イカサマなし→これは死者に対しての売り文句のようなものか?

お疲れ様→これも死者に対してのねぎらいの言葉・・・だと思う。

グランプリ→これがわからない。

ルールが死んだ人間を転生させるのはわかった。しかしグランプリは競わせるものだというなら、具体的に何を競わせるというのか・・・。

 

「あ、えっと、その・・・」

 

「俺はさっきのことは許した。男が一度行ったことを簡単には破れないからな。」

 

「えぅ、えっと・・・」

 

「しかし、俺は決して温厚なタイプじゃない。グランプリは競わせるものだが・・・もし採点の為に人の人生をのぞき見するなら・・・怒るぞ?」

 

フィーテナ嬢の顔が青ざめる。まぁ、俺の頭ではそれくらいしか思いつかないが、顔を見る限り間違いではないのだろう。

 

そのあとフィーテナ嬢がぽつぽつと話し始めた内容は、無駄にドロドロとしたものだった。単純に言うなら、政治家に似ている。

 

神様になるために神様見習いたちが、不幸な人生を送った若者たちに力を授け生き返らせる。その世界で一番目立つことをした人間の担当神様見習いが、新しい神様になれるというものだった。

 

目立つことというのは英雄になれるような功績でも、恐ろしい悪行でも構わないらしい。

 

舞台は毎回変わるようだが、選ばれたその世界はなんと哀れなことか・・・。

 

しかし、悪行・・・か。

 

「フィーテナ嬢、簡単な交渉をしよう。」

 

「交渉、ですか?」

 

「あぁ、君が神様になるために俺に協力を求めるならば、いくつかの条件を呑んでほしい。」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「・・・いってしましました。」

 

先ほどまで彼がいた場所を見つめる。まさか、本当に協力してくれるとは思わなかった。

 

まぁ、この人はなんだかんだ言って気にしないのだろう。

その行いが、私たちのつまらない争いの優劣をつける結果になろうとも・・・。

 

 

彼のプロフィールが書かれた紙をみて、少し笑みがこぼれた。

しかし、すぐに気を引き締める。

 

『誰かが傷つく可能性があるのなら、俺はそれを放っておけない』

 

彼がやるといったのだから、私も頑張らないと・・・!

 

 

 

 

 

名前:真田作楽【サナダサクラ】

性別:男

享年:38歳

身長:188センチ

死亡理由:子供を守り車に轢かれる

職業:警察官




書きました。
見て下さった方、ありがとうございます。
次からは原作キャラと絡ませられたらいいなと思っております。


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