2016年もゆるーくやっていきますので、改めてよろしくお願いします。
そんなこんなでお年玉の十一話です。
新学期。
それは新たな一歩を歩みだす時期であり、過去にできなかったことへのリベンジの始まりの季節でもある。
俺はほかの人より少しフライングして教師をやっていたが、手続き上は今学期から正式な教師になる。
不安がないわけではないが、それよりも楽しい気持ちでいっぱいだ。
「ノックス、とうとうこの時がきた。」
いつものように寝起きの悪いエヴァさんを起こしに行けばすでに起床しておりしっかりと制服まで来ている。これはいったい何事だと驚く間もなくエヴァさんが話し始めた。
「十五年もこんなつまらん牢獄にとらわれてきたが・・・それも今日で終わる。私は、この呪いを解く!!」
「あ・・・あぁ、その・・・そうか。」
「なんだその気のない返事は!?お前はうれしくないのか!?」
なぜか怒られた。いや、決してうれしくないわけはない。どんな方法かは大体予想はつくが、別に死者が出るわけでもない。だからあんまり気にしてはいないのだが・・・。
「とにかく、今日の夜に奴は私を探そうとするだろう。その時に私と茶々丸で奴を叩く。お前は邪魔が入らんように近くで隠れていろ。」
「あぁ、それは無理だ。」
「そうか、それならしかたな・・・なにー!?」
エヴァさんがテーブルを両手で叩き紅茶の入ったカップが揺れる。慌てて自分のカップを抑えている間にエヴァさんはテーブルに飛び乗り俺の胸ぐらをつかんで思いっきりゆすり始めた。
「なんだ無理って!お前は私の弟だろう!?ここの正義の魔法使いにでも毒されてしまったのか!なんか言わんかぁぁぁ!!」
「い、いやま、まって、え、エヴぁさっ、く、首!首がしまっ」
「即答で断りおって!奴か、タカミチのせいか!?おのれあのおっさんねじ切ってやる!!それとも姉離れか!?お姉ちゃんより好きな人でもできたのかぁぁぁ!!」
支離滅裂なことを叫ぶ姉。アワアワしながら一部始終を録画している茶々丸。腹を抱えて笑っている茶々ゼロ。
意識が朦朧としてきた俺。
「マスター、ノックスさんが白目をむいています!」
「なに!?の、ノックスー!死ぬなー!!」
「キケケケケケッ!朝カラ体ノ張ッタ漫才トハ愉快ダナァオイ。」
この時の最後の光景は優雅な朝とは到底思えないほど混沌としていた。
第十一話【ネギ先生の初めての戦い】
「それで、なぜ断ったのか詳しく聞かせてもらおうか。」
現在俺は床に正座させられている。正面には我が姉、背後にはドSなガイノイド、俺の頭の上には呪い人形が座っている。
「いや、その・・・もうすぐ大停電があるだろう。その際の警備のための打ち合わせがあってだな。」
「そんなもの断ってしまえ!どうせボーっとしていて気づいたら決まっていたとかそういうオチだろう!」
なんでそのことを知っているのだろうか。いや、長年一緒に過ごしていたらわかってしまうものなのかもしれんが。
「いや、しかしだな。教師としてはそれを撤回するわけにもいかないのだが・・・。」
「勝手に決められたんだ、勝手に休んでしまえ!それでも悪の魔法使いの弟か!」
だめだ。全く聞く耳を持たない。やっぱり適当な口実では断れないか・・・。
「・・・わかった。正直に話そう。」
「それでいい。で、なぜ断る?」
鋭い眼光が俺に突き刺さる。下手なことを言えば俺の体は宙に浮き、地面に戻るころには屍になっているのだろう。
「そもそもな話だが・・・今回の戦い、俺が必要とは思えない。」
だからと言って嘘をつくつもりはないが。
「ほう、なぜそう思う?」
「まず第一に、相手が弱い。いくらあの男の息子といえど、ただの子供に何か抵抗ができるとは思えない。まして相手は力のほとんどを封印されているとはいえ最強の一角であるエヴァさんだ。ただでさえ勝ち目はないのにダメ押しに茶々丸というパートナーがこっちにはいる。ここで俺が入ったらもはやいじめだ。」
「うぐ・・・確かにそうだな。あのぼーやを相手にするには確かに戦力過多だろう。しかし私は悪の魔法使いだ。これぐらいしても問題はない。」
「二つ目、茶々丸や茶々ゼロと違って俺とエヴァさんの戦い方は合わない。」
「そうだな。貴様と私はナギとは違う究極の砲台である魔法使いタイプだ。私がそう育てたからな。だが、今のお前ならその枠組みもいらんだろう。」
魔法使いには二つのタイプが存在する。
一つは長い詠唱による大きな火力を一番に考えた『魔法使い』タイプ。
チーム戦を主としている魔法使いはこちらのタイプが多い。
もう一つは身体強化などの補助魔法を自らに付加し接近戦で相手を打倒する『魔法剣士』タイプ。
こちらは一人での戦闘を好む魔法使いのタイプである。
といっても、あくまでこれは大雑把に分類分けしただけなので、これに当てはまるものしかいないわけではない。
俺を例に例えるなら、元々近接格闘は前世で空手や柔道などをやっていたので、今世ではそれを活かして相手の攻撃を躱しながら詠唱を行う移動砲台のような戦い方をしている。
この場合、先ほどの二つのタイプの中間になるわけだ。
「最後に、せっかく教師になったのに教師の仕事を放棄するのはできる限り避けたい。そもそもエヴァさんが負けるとは微塵も思っていないと信じているんだ。俺はパーティの準備でもしておくよ。」
「そ、そうか・・・って当たり前だ!私があんなガキにまけるか!!」
エヴァさんが顔を真っ赤にしながらそっぽを向く。朝からほっこりしてしまった。
「さて、そろそろ学校に行かなければ。頑張れ、エヴァさん。」
皆に見送られながら家を出発する。エヴァさんとネギ先生が、恐らく今夜激突する。
家族を応援するべきか、子どもを助けるべきか・・・答えの出せない瞬間は何度か経験しているが、これに慣れる日は俺には来ないのかもしれない。
それでも、自分で決めたのだから成し遂げたい。
子どもたちが笑って大人になれる学校にしなければ・・・。
とりあえず、次の授業に集中しなければ。次は・・・ネギ先生のクラスか・・・。
何の問題も起きなければいいが・・・。
とうとう始まりました。エヴァVSネギの序章です。
今回は全然話が進まなかったです。
なかなか思うようにキャラが動かせない。
展開は頭の中である程度できていますが、いざ文章にしようとすると難しいですね。
読解力を・・・!なんかすんごい知識を・・・!
それでは、ご意見、ご指摘、ご感想、お待ちしております。