人は見かけによらないねー   作:ヤグルマ

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どうも、ヤグルマです。
第五話、むいちゃいました。


第五話

高校二年生の夏休み。

皆さんいかがお過ごしだろうか?

プール、花火、祭り等々・・・

きっと同級生のみんなは楽しみまくっていることだろう。

俺?俺のことなんてどうでもいいじゃないか。

 

「リク・ラク ラ・ラック ライラック、来たれ氷精!闇の精。闇を従え、吹雪け。 常夜の氷雪 闇の吹雪!!」

 

「ちょ!?ノックスくん!現実逃避してる場合じゃない!!なんかすごいのが来たってぇぇぇぇ!!!」

 

あぁ、高畑さんがまた吹っ飛んでる。俺のほうに・・・って!?

 

「うおぉぉぉぉ!!」

 

思いっきり横に跳んで高畑さんを避ける。ローリングして体制を立て直した瞬間目の前にはエヴァさん。

 

「考え事とは余裕だなノックス!」

 

エヴァさんの腕から俺の顔へ放たれる突きをギリギリで避けて左手でその手で掴み、引き寄せるように引っ張りながらその顔に裏拳を叩き・・・こむ瞬間にエヴァさんに右腕を掴まれその腕力だけで投げ飛ばされる。

 

「くっ、そう簡単には・・・がっ!?」

 

咄嗟に受け身を取ることに成功したが、後頭部に衝撃が走り膝をつく。ぼやける視線の先には氷漬けの高畑さんとそれを踏んでるエヴァさん。背後には・・・

 

「ケケケッ、背後ガオ留守ダゼノックス。」

 

茶々ゼロのこと・・・わす・・れてた・・・。

 

 

第五話【最強の肉体】

 

 

「い、生きてる。僕はまだ生きている。あぁ、なんてすばらしいことなんだ!!!」

 

隣でそんなことを言いながら涙を流している男性。名前を高畑・T・タカミチという。

一か月前に6歳くらいの子供と一緒にここに来た人で、なんでも昔あのナギ・スプリングフィールドと旅をしていたそうだ。

 

そんな人がなんでここで俺と一緒にエヴァさんにぼこぼこにされているかというと、ある技の習得のためである。

 

「大丈夫か、高畑さん?貴方の目的は生き残ることではなく、咸卦法や無音拳とやらを習得することだったはずだぞ?」

 

「それはわかってるんだ。まだまだ時間はかかりそうだけど、咸卦法は何とかコツがつかめてきたし、無音拳のほうも使えるようにはなってきたよ。両方とも実戦にはまだ使えなさそうだけど。」

 

何とか冷静になったのか、話し始める高畑さん。まだ会ってひと月しかたってないのに妙に老けてきた気がする。まぁ、理由はわかりきってるんだが。

 

「高畑さん、そろそろ向こうじゃ夕方くらいだ。そろそろ出よう。」

 

そうだね、と言いながら立ち上がる高畑さんと一緒に歩いていけば、一つの魔法陣が見える。そこで立ち止まり光に包まれれば、次に見えるのは木造の部屋だった。

俺たちを待っていたのか、エヴァさんが目の前にいる。

 

「やっと起きたか。あの程度でそれではまだまだだな。」

 

そう言い捨てると、部屋から出ていくエヴァさん。ふと振り返るとそこにはさっきまで俺たちがいた場所のミニチュアがあった。

 

「ほんと、便利なのか不便なのかわからんね。」

 

このミニチュア、実は中に入ることができる。しかも、この中での一日は外の世界での一時間という優れもの。しかし、一度入ったらこの中で一日たつまで出られないというデメリットもある。

中は大変広く快適に過ごせる空間となっているため、今回のような修行にピッタリの代物である。そんな理由もあってか、俺はたまに、高畑さんは毎日利用している。

 

今回は俺の実戦訓練で最近技が形になってきた高畑さんと共闘して、エヴァ、茶々ゼロコンビと戦うことになったのだが、まさか共闘してもあんなに差があるとは思わなかった。

 

次に戦う時のためにも、高畑さんと戦術の相談をするべきなのかもしれないな。

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「それじゃ、そろそろ明日菜君を迎えにいくよ。」

 

「あぁ、お疲れ様。たまには彼女を遊びにでも連れて行ってやったほうがいいぞ。」

 

「はは、今度実行するよ、それじゃ。」

 

 

あぁ、という言葉とともにドアが閉じられる。

彼と会ってもう一か月か。本当に早いものだな。

 

あの日、僕が明日菜君を連れてこの麻帆良学園を訪れた時、初めて会ったのが彼だった。

 

「保護者・・・には見えないな。妄想するのは自由だが、実行するのはどうかと思うぞ。」

 

そういいながら110番しようとする彼を必死で説得してなんとか学園長室まで案内してもらった。話し方は冗談ぽいのに行動は本気だからな彼は。

 

そのあと学園長先生に事情を説明して、明日菜君を学校に学校に通わせることができたので、僕は以前世話になった人の家に行くことにした。エヴァのことだ。

 

といっても、いままで家に行ったことなんてないので探すのに一苦労だったが、なんとか彼女の住んでいるというログハウスを見つけた。

 

チャイムを鳴らすと少しして、足音が聞こえる。

 

「はい、どなたでしょうか・・・おや。」

 

ドアを開けたのはさっきの彼であり互いにポカンとしてしまった。

 

エヴァがまだいないということで一度出直そうとしたが、せっかくだから入って待っててくれとのことなのでお言葉に甘えた。エヴァとどんな関係なのか気になったのでね。

 

いざ聞いてみると、昔彼女に助けられた子供で、彼にとってのエヴァは姉みたいなものだという。

これには驚いたし、エヴァへのイメージが変わったきがした。

僕も昔の話をすると思ったより食いついてきたのでそのまま色々と話していくうちに仲良くなった。

 

それ以来よく話す仲になり、たまにあのミニチュアの中で修行を手伝ってもらっていた

 

しかし、彼とエヴァの戦いはすごい。

エヴァは吸血鬼という種族の長所と長年の経験を生かしたコンボを叩きこみ、彼はそれを最低限の動きで傷つきながら隙を見つけると魔力で足元を爆発させて突っ込んでいく。

 

そんなことをすれば足はズタボロだが、エヴァ相手にはきっとそうでもしないと届かない。

そういえば初めてその戦法をしたときはエヴァにこっぴどく怒られていたな。その光景は弟を心配する姉みたいでほっこりしたものだ。

 

だから次の戦いでは足元の爆発をフェイントに瞬動で背後に周り武装解除を試みる。タイミングはばっちりだったが、影のゲートで逃げられ背中を蹴られる。

 

少しずつ、ほんの少しずつだが差が縮まっていく光景をみて、その才能に嫉妬する。

自分もあれくらいの才能があったらもしかしたら・・・そんなことを考える。

 

しかし、結局そんなことを考えても意味はない。今できることをしなければ。

 

 

今度は、あんなことにならないように。

 




お疲れ様です。五話でした。

お気に入りがとうとう100を超えました。皆さんの声援に頑張ってこたえていきたいと思います。
もちろん、自分のペースでですが。

それでは、ご意見、ご指摘、ご感想、お待ちしております。


2015/10/21
居合拳→無音拳
修正いたしました。ご指摘いただいた方、ありがとうございます。

ノックス
現在17歳(目覚めて12年)。友達はそこそこ、彼女はまだいない。
前世含めていない歴50年のベテラン。魔法使いなのは当然。

エヴァンジェリン
もはや姉さんな人。相変わらずのスパルタっぷり。

茶々ゼロ
久々の登場。一番喜んでいるのは僕です。

高畑・T・タカミチ
絶賛修行中。書いてて楽しかったけど。おじさんになったらもっと楽しくなる。

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