あの惨劇の犯人、雨生龍之介が逮捕されてから三日たった、冬木市にある冬木ハイアットホテルでは、少年ウェイバーとその師にあたるケイネスとの作戦会議が開かれていた。
「先生、僕が思うにこの衛宮切嗣って人と言峰綺礼って人、この二人が経歴からして、危ない気がします」
お互いにソファーに座り紅茶を飲みながら、師と危険人物は誰なのかと、どこから攻めるのかを話し合っていた。
「あとは今回のバーサーカーのマスターだ、マキリが参加しないと言ったのには私は信頼できないのだ、マキリは聖杯などいらん、と御託を並べてはいるが聖杯戦争のシステムにまで介入したんだ、魔術師としての課題も聖杯さえあれば・・・」
そしてウェイバーも続けて。
「聖杯を利用した根源の渦・・・ですよね?先生」
そう、魔術師の到達点が魔法と呼ばれるモノで簡単に説明するならば、科学で代用できるものは魔術で科学で代用できないものが魔法であり、この世界の魔術師が目指すモノである、その魔法を使うためには世界の外側にいかなければいけないのだがその入口とも言えるのが根源の渦なのだ。
「ん?坊主に坊主の師よどうした?」
この弁当が入った袋を下げている赤い髪の大男・・・今回の聖杯戦争に招かれた、ウェイバーのサーバントのライダーである、真名はアレキサンダー三世かの征服王イスカンダルである。
「主よ、報告しますライダーと共に昼食の買い出しに行ったさい、主がまとめていた資料に載っていた女を町中でみつけました」
この黒子が特徴的な男、この男はウェイバーの師のケイネスが召喚したランサーで真名はケルトの英雄、ディルムッド・オディナである。
「そうかいよいよ・・・か、ウェイバー君あの買い上げた工場に拠点を移そうここにはデコイを置いておくから準備を」
「はい、先生」
昼食の後、拠点を工場に移し、礼装を保管し封印して、ウェイバー少年はケイネス師の遠縁の親戚のマッケンジー氏の家に行き、ケイネス師はホテルへと戻っていった。
「さぁ来るならこい、アインツベルンの娘婿よ私にも守るものがあるのだ、ソラウとお腹の子供にあうまで私は死ぬわけにはいかない・・・」
ケイネスは確信を抱いていた、あの魔術師殺しの衛宮切嗣ならば必ずや工房を破壊しにくるはずだ・・・と。
そのころロンドンでは。
「もう少しであえるわよ・・・ケイネス」
臨月へと達していたソラウ女史・・・いやエルメロイ夫人は聖母のように微笑みながらお腹をなでていた。
「元気に生まれてくれたらそれでいいのよ?ふふ、あ・・ ・いま足を蹴ったわ」
その後に生まれてきたのはお父さんによく似た元気な男の子だったんだとか。
その男の子とウェイバー少年とロードの少女とウルクの女神を巻き込んだ騒動もあるのだがまだまだ先でまた別の物語である、結末としては結果的にはウェイバー少年を英霊の座へと引き上げるとともにウルクの女神と二人揃って活躍するようになったとかどうとか、話は戻って。
冬木の空港には寂れたコートを着こなす男とクールビューティーと言える女が歩いていた。
出口へと歩いていると男が。
「ここからは別行動だ、アイリとセイバーの元に行ってやってくれ。」
女は答えた。
「はい、では作戦を開始します」
こうして、役者は揃った。
(あぁ僕は負けるわけにはいかない、アイリを犠牲にするのだから負けられないんだ、イリヤのためにも世界のためにも僕は諦めないよ、だから見ててくれシャーレイ・・・いや姉さん)
空港を出たあと、タバコを喫む男の目からは決意の思いがあふれていた。
さあ次はいよいよ倉庫での戦いですよー。