遊戯王GX~ノーバディ・レコード~   作:銀猫

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新年、あけまして…

5人「「「「「おめでとうございます!」」」」」

いやぁ、短いようで長い一瞬の2014年でした。
作者自身、20歳を迎えることになりました。

酒交じりで書くことが最近あるので文章が可笑しくなることもあります。

ですが、そんな2015年も作者の作品をよろしくお願いします。


~第六章:アンゲロス編~
Turn95 沈黙の使者 前編


「ユウ、起きてるか?」

 

 

ドアをノックして釼都が声をかけた。ここはチーム科のノーバディの部屋だ。ユウの個人部屋を叩くが、中からは反応がない。しかし部屋の主は出てないことは間違いなかった。

 

 

「………」

 

「ダメ、そうだな」

 

 

ガシガシと頭を掻いてシゲルとともにため息をこぼす釼都。それはジェネックス本戦から1週間後だった。

 

 

 

―廃寮―

 

「…え?」

 

 

シゲルと釼都の言葉にユウは呆然としていた。逆に2人もユウが誰のことを言ってるのかわからないようだった。しかし、それはあり得なかった。

 

 

「だ、誰って…ノーバディの…け、釼都の妹だよ!」

 

「妹…って、紫苑意外に…??」

 

 

シゲルの言葉に釼都は首を横に振った。何かおかしいことになってる。そして、その事実から目をそらしたいユウは体に溜まったダメージなんて関係がないようにツバキを探すために飛び出した。

 

 

 

「え?ツバキって誰だ?」

 

 

十代にも

 

 

「シニョーラツバキ…とは誰なノーネ?」

 

 

クロノスをはじめとした教師たちにも

 

 

 

「誰のことかわからんが…」

 

 

転生者達、そして思いつく限りの友人達、ましては精霊も含めて全てに聞いた。

 

 

『…ごめん、誰のことなのかわからないや』

 

 

それは、相棒とも言える精霊のイナも同じだった。だが、全員が『姫野椿』のことを覚えてない、いや、そもそも最初からいなかったような反応だった。

 

 

「嘘だ…」

 

 

 

ツバキの部屋にも行った。だが、そこはまるで最初から使われなかったかのように何も残されていなかった。

 

そして、その日からユウは部屋を出なくなった。イナと神楽の話だとロクに寝ずにただ白紙のカードを眺めているようだった。

 

 

「どうだと思う?」

 

「……正直、何とも言えないな。俺やお前も覚えてないってことは本当にいないのかもしれない。けど…」

 

 

2人は自分の記憶の中で、ノーバディは4人、釼都をリーダーにシゲル、ユウ、紫苑で構成されていた。それは世界の矛盾で管理局との激闘を繰り広げていた4人が集まって作ったチームだった。

 

 

「俺も正直、今回のことはユウが信じきれないな…俺ひとりとかならともかく、全員って言うとユウの記憶の方を疑っちまう」

 

 

「ああ…そうだな…?」

 

 

釼都もシゲルに同じようで大部屋から出ようとしてシゲルが何かを見てじっとしているの気づいた。その目線の先は一つの扉――

 

 

「……………」

 

 

 

―購買―

 

「はい、これでおしまいね」

 

 

トメさんとセイコさん、そしてカミューラがレイと響の採寸を終えた。ジェネックスの優勝者の願いのした準備のためにこれが必要だった。

 

 

「それにしても良かったのかい?あんたらなら一般でも入れたんじゃないの?」

 

「はい、でも…その…わたし、この世界のこと何も知らないから…筆記が…」

 

「ボクは年齢制限が…」

 

 

優勝者の願い、それは『響とレイを入学させて欲しい』というものだった。もともと2人とも『自分を入学して欲しい』というものだったため、その願いに感謝して採寸をしていたというわけだ。

 

 

「そう、だね……私も最初、少し苦労したな…」

 

 

少し頭を抑えながら紫苑も自分の編入試験で苦労したことを思い出していた。

 

 

「あれ、紫苑御姉様?どうかしたんですか?」

 

「…………その前に、その御姉様ってなに…」

 

 

あからさま、ジェネックスで戦う前と態度が違うレイ。あの戦いのでレイ自身思うことがあったのか、御姉様と慕うようになったのだ。

 

 

「頭痛ですか?」

 

「…ジェネックスから少し…頭痛が…すいません、トメさん。部屋に戻ります」

 

「おや、お大事にね」

 

心配そうに見送った響とトメさんに片手で返事をして紫苑は購買から出た。だが、その近くの階段の踊り場で完全にふらついて――

 

 

「あっ――」

 

 

そこで『紫苑』の意識がブラックアウトした。

 

 

―童実野町:病院―

 

 

「この3年でそんなことがね…」

 

 

ずっとダークネスの世界に囚われていた優介は検査入院ということでこの病院の一人部屋にいた。そのベットサイドでは雪乃が3年間であったことを説明して、ジュードが持ってきた花を花瓶に生けていた。

 

「それと…」

 

 

チラッと雪乃はジュードを見た。彼も少しいいにくそうに指先で頬をポリポリ掻いている。

それに優介はひとつ大きなため息をついた。

 

 

「雪乃、俺はもう兄貴面をするつもりはない。3年間お前に寂しい思いをさせてきた、それの穴を彼に埋めてもらったのなら、彼のことを想い続けれるのならそうしたらいい。俺はお前がしたいようにしたらいいと思ってる」

 

「兄さん…」

 

「それに、闇の中でもわかったさ、君の光が。戦いの中で感じる君の声が。君なら雪乃を思ってくれるとな」

 

「…はい!」

 

 

 

その返事に、優介は狂気に染まってない笑みを浮かべた。すると、開けていた窓から風が入りサイドテーブルの上に置いてあったデッキの一枚がふわりと舞い、それを優介がキャッチした。

 

 

「そうだ、頼みがあるんだがこのカードを遊城十代に渡して欲しいんだ」

 

「これって…超融合?」

 

 

ジュード、そしてユウを苦しめた速攻魔法だ。だが、なぜこれを十代に?

ほかにも融合使いなら紫苑もいるのに。

 

 

「そう、多分これは彼が持つことに意味がある。俺がダークネスとして渡った異世界でそう思ったんだ」

 

 

―アカデミア―

 

 

「十代、いくらお前が強かろうがこの光と闇の竜には勝てない!!」

 

 

万丈目の前にはユウ達の持つドラゴンと謙遜ない威圧感を持つ左右非対称のドラゴン。対峙する十代のフィールドにはネオスがいるが、状況は完全に万丈目に分がある感じだった。

 

 

「へへっ、けど勝負は最後までわからないぜ、俺の…」

 

『クリ!』

 

「あん、あにきぃ~!」

 

 

十代がドローしようとするとハネクリボーとおジャマイエローが割って入った。

 

 

「相棒?」

 

「なんだ、急に出てきて」

 

 

『クリリ!』

 

『あれ見てぇ~』

 

 

ハネクリボーとおジャマイエローが指差した先には紫苑がいた。だが、その様子はおかしく慌てるようにチーム寮へと向かっているようだった。

 

 

「紫苑?」

 

「急いでるな…何かあったのか?」

 

 

先日の戦いからまだ間もない。ジュードやユウ、優介はその傷は癒えておらず。そんな中彼女の慌てように危機感を持たないといえば嘘になる。一旦勝負を置いて2人も紫苑を追いかけた。

 

 

 

―チーム寮:ノーバディの部屋―

 

 

シゲルと釼都は寮を出てどこかに向かった。そして残ったのは自室で膝を抱えて座り込んでいるユウだけだった。

 

「……………」

 

『ユウ…』

 

 

あの日から、ろくに食事も睡眠も取らずユウは一日こうしている。限界が来て、気を失うようにして眠りについてもすぐに目が覚めてしまうのだ。

 

姫野椿が何も言わずに目の前で消える光景が悪夢となって休養を求めるユウに襲いかかるのだ。そのせいで余計に疲労が貯まるという負の連鎖で既に完全に疲弊してしまったのだ。

 

 

「なんで、どうして…みんな…ツバキを忘れてるんだろう…なんで…」

 

 

『…………』

 

 

神楽もイナもユウのいうツバキのことがわからない。そのため、ユウにかける言葉も見つからないのだ。

 

 

っと、誰かがドアをノックした。先ほどと同じようにシゲルと釼都かと思ったがそれにしては違うような――

 

 

「ここを開けなさい」

 

『紫苑?』

 

 

声は紫苑だったが、何か違和感を感じる。ユウはドアを見るが動こうとはしない。すると更に強くノックされた。

 

 

「もう一度言うわ、ここを開けなさい」

 

「…………」

 

 

今、誰とも会いたくないユウはドアを見つめるだけだった。シゲル達も諦めて行ってしまった。おそらく紫苑も―――

 

 

「……はぁ」

 

 

大きなため息――そして、ドアが吹き飛んだ

 

 

 

『『「………えぇっ!?」』』

 

 

バタンと大きな音と共に部屋の中に倒れた。その向こう、大部屋には見覚えのない杖を持った紫苑とユウ達と同じように驚いている十代と万丈目がいた。

 

 

「紫苑…?」

 

「いつまでそうしてるつもり?」

 

 

そうとは、引きこもっていることだろう。だが、それにユウは何も答えない。それに苛立ったのか、紫苑は杖を投げ捨てると座りっぱなしのユウの胸ぐらを掴んで持ち上げた。

 

 

「紫苑!?」

 

「いつまでそうしてるって聞いてるのよ!!貴方が諦めたら誰がツバキを探すって言うの!?恋人ぐらい自分で見つけなさいよ!!」

 

 

「…え?なんで、覚え…え?」

 

 

紫苑に聞いても、彼女はツバキを覚えてないと言っていた。ユウは名前しか出してないはずなのになんで紫苑はユウとツバキが恋人同士だったと知っているのか。感でいうとしてもはっきりと確信があるようだった。

 

 

―――いや、それ以前に目の前の少女は本当に紫苑なのか?

 

 

「はっきりって頭にきてるよ。『紫苑』の大事な家族を奪うなんて愚かなをことする輩を叩きのめしたい、そのためには貴方の協力が必要なのよ!!」

 

 

「…星光…」

 

 

そう、彼女は紫苑ではない。もうひとつの人格『星光』だった。

 

 

 

「……誰なんだ?」

 

 

そして、例によって星光が現れたときその場にいなかった万丈目はわからなかった。

 

 

 

 

「正直に言って、私もはっきりとは覚えてない」

 

 

扉の修理をしたあと、星光が持参したおにぎりを食べたユウと十代、星光について説明を受けた万丈目は彼女から話を聞いていた。

 

 

「私が表に出てる時、あの時の十代との戦いと修学旅行の時の記憶の中に姫野椿はいない。けど、私は紫苑が見てるものを同じように見ることができる。その中に、ツバキの姿がある」

 

「………どういうことだ?」

 

『ん~…つまり、直接的なツバキの記憶はないけど、間接的…紫苑がツバキと話してたりとかの記憶があるってこと?』

 

 

イナの言葉に星光は頷いた。残念なことにツバキの姿が映った写真や映像が無いためそれに関して検証することができないが、星光が覚えているということでユウの心に少しの余裕が出来た。

 

 

「だが、それでも手がかりがない」

 

「そうだな、ユウと星光だけが顔を覚えてる感じだしな…」

 

 

根本的な問題は解決してない。4人がう~んと唸っているとユウが部屋に飾ってあったあるものに目がついた。

 

 

「そういえば…」

 

 

手にとったのは棚に飾ってあった因幡之白兎のぬいぐるみ。ジェネックス本戦が始まる前日、つまりツバキが消える前の日に彼女が抱えたものだ。

 

 

「それは?」

 

「三幻魔との戦いから少しして、僕とツバキが勝負したことがあるんだけど、その時に偶然異世界との扉が開いてツバキが吸い込まれたことがあるんだ。幸い、2日後に戻ってきたんだけどその時、向こうの世界で助けてくれた人からもらったらしいんだ」

 

 

あまりにも精巧にできてるそれはI2社がモンスターのぬいぐるみとして販売してもおかしくはないものだった。そして、おそらくこれが『姫野椿』が残した唯一のものだろう。

 

 

「…このぬいぐるみ、魔法の力を感じる…これは、ダークの魔法?」

 

「ダークって?」

 

「闇紅の魔導師の精霊だよ。ツバキのパートナーでもあるんだ」

 

 

そのダークが魔法を施した、一体何故?そもそもそれはいつなのか。ユウには魔法の素質はないため最初から魔法が施されていても感じ取れないかもしれない。

 

 

「…この魔法は…括りつけの魔法だね」

 

「括りつけ?」

 

「一言で言うとものを隠す魔法。媒体にした物体を箱にしてそれに対象を収めるって感じの魔法だよ。だからこうやって…」

 

 

星光は呪文を唱えて因幡之白兎のぬいぐるみを撫でるように手を添えると何かを掴んだ。

それは1枚のカードのようだった。

 

 

「これは…?」

 

「白紙のカード?」

 

「ユウのスピット・クロスってやつと同じか?」

 

 

3人がそう言うが、それがなんなのかユウにはわかった。だが、なぜそれがここにあるのか、なぜここに隠されていたのか――

 

 

「ユウ?」

 

「これツバキの、カード…だ」

 

 

そう言って星光の持つそれを触れようと手を伸ばした。その指先とカードの間から光がほとばしった。

 

 

「うおっ!?」

 

「なんだ!?」

 

「っ、この光は転移魔法…!?」

 

「眩しい…!!」

 

『目がぁ~――!!』

 

 

 

光が収まると、そこには星光がもっていたはずのカードがテーブルの上に残されているだけだった。

 

 

―世界の狭間―

 

 

「ここは…?」

 

「精霊界、じゃないよな」

 

 

4人と精霊たちは光が収まると先ほどまでとは全く違う場所にいることに気づいた。まるで魂の聖地のような場所だが、それにしては神殿などの建物も見当たらない。

 

 

 

「うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁ―――――!!!!」

 

 

「えっ?」

 

「上?」

 

 

上空の空間、そこにワームホールのような穴があいており、そこから一体のドラゴンが飛び出してきた。

 

 

「なんだ、あのドラゴン」

 

「ユウのスピット・クロスに似てるな」

 

 

そう言ってる間にそのドラゴンは消え、乗っていた2人の男女を振り落とした。

 

 

 

「え、ちょ、セイヴァースタァァァ―――げぶ!?」

 

「…………」

 

 

 

少年は先ほど消えた精霊の竜の名前らしきものを叫びながら落下し、顔面から落ちた。その横で白髪の女性は無言でキレイに着地した。

 

 

「………あー、うん。大丈夫?」

 

「…大…丈夫…だ…」

 

 

ユウの問いにそう言いながらも、少年はもぞもぞとポケットを探っているだけで動かない。

 

 

「はぁ、連斗。少しはしっかりとしてください」

 

 

女性は少年――連斗に手を向けると薄緑の光を発して彼の体を包み込んだ。どうやら回復系の魔法のようでむくりと連斗とは起き上がった。

 

 

「いてて、ありがとう。サレン」

 

「どういたしまして」

 

 

起き上がって周囲を見渡した連斗はユウ達の方へと振り返った。っと、彼らの格好を見て驚いているようだった。

 

 

「アカデミアの学生…って十代に万丈目?」

 

「えっ?」

 

「どうして俺の名を知っている?」

 

 

 

なぜ2人の名前だけ知ってるのかわからない。だが、反応を見て連斗は納得したようだった。

 

 

「あー、まあ、異世界のお前らの仲間だから…って言って信じるかな…」

 

 

 

信じてもらえるか半信半疑の連斗に十代と万丈目は納得、というような表情だった。現に彼らは過去に管理局のシグナムとの戦いの最中で異世界と、そこに住む自分たちの存在を知っていた。その世界は滅んでいるが同じような世界があっても不思議ではない。

 

 

「なあ、お前はなんていうんだ?」

 

「ああ、自己紹介がまだだったな。俺は静原連斗。別世界のアカデミアの生徒だ。こっちはサレン」

 

「はじめまして」

 

 

優雅に礼をするサレンは育ちがいいのはわかった。次はユウ達――といっても十代たちのことは知ってるからユウと星光だけだった。

 

 

「私は星光、もともとはこの体…紫苑に眠るもうひとつの人格よ」

 

「………………(明らかに、リリカルなのはの星光の殲滅者だよな。まあ、今はいいか…)」

 

 

「僕は聖牙夕」

 

 

 

その名前を聞いて連斗とサレンは顔を見合わせた。どちらかというと驚きを確認するかのように、考えが合ってるのかどうか確かめるかのような仕草だった。

 

 

「なあ、もしかして…姫野椿の恋人のか?」

 

 

「「「「!!!」」」」

 

 

その名前は今現在4人が探してる存在だった。その答えはユウの行動で示された。彼は驚きながら、まるですがりつくようにして連斗に掴みかかった。

 

 

「ツバキを知ってるの!? ねえ、今どこにいるの!?」

 

「ちょ、落ち着け!」

 

「ツバキはなんで消えたの!? なんで、なんで!!」

 

「落ち着いてください」

 

 

必死に宥める連斗の横から、優しく、だがしっかりとユウの腕をサレンが掴んだ。それにユウの言葉がとまり、子犬のような泣きそうな顔でサレンを見上げた。

 

 

「たしかに私たちは姫野椿のことを知ってます。けど、そちらの事情は知りません。だから、何があったのか教えていただけませんか?」

 

 

「……今から1週間ほど前よ」

 

 

 

そこから、星光が代わりに一つ一つ説明をした。ジェネックス大会中にツバキが消えたこと。

 

ユウ以外がツバキのことを忘れていることと間接的な事情で星光は覚えていたこと。

 

彼女の残したぬいぐるみの中から一枚のカードが出て、この場所に飛ばされたこと。

 

 

 

「なるほどね…」

 

 

それを聞いて連斗は事情を把握したようだ。

 

 

「彼女が私たちの世界から無事に戻れてまたいなくなった、というわけですか」

 

「けどよ、俺たち全員がそのツバキのことを忘れるなんておかしいんじゃねぇか?」

 

 

たしかに、そのような兆しは何もなかった。いつの間にか忘れていた、それも全員。

管理局やエネミーズの仕業にしてもどこか回りくどい感じもする。

 

 

「たしかに、他者の記憶を消す、もしくは奪うのはそう難しいことではないですが、全員となるとそれは不可能に近い…」

 

「けど、姫野椿は実在する」

 

 

どうやら連斗とサレンはツバキのことを忘れてなんかはいないようだった。しかし2人が会ったのは1年以上も前、それなら手がかりは無いに等しい。

 

 

「心当たりならある」

 

「え?」

 

 

連斗はおもむろにそういった。それにサレンも驚いているようだった。しかし、彼はツバキをこの世界へ戻すために助力した、その時に――

 

 

「ツバキを元の世界に戻すためにダークからユウや元の世界の情報をもらったんだが、その中に気になるものがあった」

 

「気になるもの?」

 

「『塔』みたいなもので、どこかの辺境にひっそりと建っていた。その中にツバキが…なんていうか、変わった服を着て祈りを捧げてる場面だ。覚えは?」

 

 

4人とも、そんなものに心当たりはなかった。しかし、ツバキが過去にそういった場所に行ったことがある、としても腑に落ちない。なぜわざわざダークはそれを連斗に見せたのか。

 

 

「『塔』…」

 

「どうした?」

 

「……まさか…」

 

 

ひとつ、思い当たる節があった。過去に聞いたあの話。そして彼女の忠告。そうならばある程度の理由がつく。しかし、なぜ今になって――

 

 

「なにか思い当たるのですか?」

 

「……うん、まだ可能性だけど。けど、ここから先は僕たちの問題なんだ、僕たちで解決しないと、戦わないといけない」

 

 

「……ま、そうだな。俺も他の物語まで参入する気はないからな。こっちも色々とゴタゴタしてるから手を貸したくても間がないから…ただ…激励はすることはできる。デュエルしようぜ、ユウ。最後にお前の覚悟を見せてくれ、大切なものを最後まで諦めないっていう覚悟を」

 

「覚悟…うん、わかった」

 

「サレン、戻ってくれ」

 

 

連斗がそういうと、サレンが消えた――いや、光となって連斗のデッキへと入った。それに4人とも眼を見開いた。

 

 

「消えた?」

 

「もしかして、サレンって精霊なのか!?」

 

 

「まあな。さあ、やろうぜ」

 

 

 

構えた連斗。それにユウは少し離れてデュエルディスクを起動させた。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

―ユウのターン―

 

「僕のターン!スピリット・フィッシュを守備表示で召喚!!」

 

 

スピリット・フィッシュ/DEF1000

 

 

「カードを伏せて、ターンエンド!!」

 

ユウ

LP4000 手札4枚

スピリット・フィッシュ/DEF1000

伏せカード1枚

 

 

スピリット・フィッシュは墓地から蘇生できる効果を持っている。壁とはなりにくいがそれでも序盤の展開としてはいい手だ。

 

 

―連斗のターン―

 

「俺のターン(この手札…伏せカードが気になるところだが…)クリバンデットを召喚!!」

 

 

クリバンデット/ATK1000

 

フィールドに紫苑や十代のクリボーが海賊風な姿になったモンスターが出現した。クリバンデットの攻撃力とスピリット・フィッシュの守備力は同じ、つまりあのモンスターは攻撃するためのモンスターではないということになる。

 

 

「カードを伏せて、クリバンデットの効果発動!!召喚したターンのエンドフェイズにこのモンスターをリリースしてデッキの上から5枚のカードを見る、その中の魔法・罠を1枚手札に加えて残りを墓地へと送る。俺は禁じられた聖槍を手札に加えて残りは墓地に」

 

 

墓地に置かれた大量のカード。ユウもよく自分のカードを墓地に送ってそれを活用する戦法を用いる。つまり、連斗もそういった『第二の手札』を使用するデッキということになる。

 

 

連斗

LP4000 手札4枚

モンスターなし

伏せカード2枚

 

 

「なんだアイツ、フィールドにモンスターを残してないぞ」

 

「(伏せカード…予想通りならあれは攻撃反応系、それか蘇生系のカード。クリバンデットは基本的には魔法・罠を手札に加える効果。だが逆に言えばモンスターを墓地に送る効果にもなる)」

 

 

万丈目の横で星光は静かに連斗の戦術を分析していた。

 

 

 

―ユウのターン―

 

 

「僕のターン!!(モンスターなし、問題は伏せカード…なら…)手札からスピリットモンスター和魂を召喚!!」

 

 

和魂/ATK800

 

 

先日の優介との戦いで召喚した荒魂によく似た緑の人魂が召喚された。それを見て少し連斗は驚いているようだった。というのも、最近ユウがスピリットモンスターを持っていると知っている人が現れることもなかったため無理もないが。

 

 

「レベル4の和魂にレベル2のスピリット・フィッシュをチューニング!!精霊と魂に一つにし、古の魂よ飛び上がれ!!」

 

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

 

「シンクロ召喚!!飛び上がれ、聖霊鳥シルフィ!!」

 

 

シルフィ/ATK2500

 

 

フィールドにいつぶりなのか緑の美しい毛並みの鳥が出現した。それを見てさらに一層連斗が驚きながらも楽しそうにそのモンスターを見ていた。

 

 

「へぇ、スピリットのシンクロモンスター…おもしれ、ツバキといいお前といいなかなか楽しいことやるんじゃねぇか!」

 

「そう言っていられるのも今のうちだよ、シルフィの効果発動!!手札のスピリットモンスター、満月巫女をコストにフィールドのカードを手札に戻す、対象はその伏せカード!!」

 

 

シルフィが翼で風を生み出すとそれが伏せられたカードに向かって強力な衝撃波となって飛んだ。

 

 

「戻されるのはお前の方だ、チェーンして選択されたリバース罠、強制脱出装置を発動!!このカードはフィールドのモンスターを手札に戻す、シルフィをバウンス!!」

 

 

突然現れた宇宙ロケットのような装置にシルフィが吸い込まれると爆散し、シルフィがユウの手札へと飛ばされた。

 

 

「ッ…シンクロモンスターは戻されたとき、エクストラに行く。だけどシルフィには効果でフィールドを離れたとき墓地のスピリットかスピリットモンスターを特殊召喚する効果がある、スピリット・フィッシュを守備表示で召喚!!」

 

 

スピリット・フィッシュ/DEF1000

 

「(……ん?スピリットかスピリットモンスター…スピリットモンスターって特殊召喚できないはずだよな?)」

 

「フィールド魔法、魂の聖地―スピリット・フィールド―を発動!!」

 

 

 

徐々にフィールドがユウのホームである神秘的な神殿へと変わっていった。

そして墓地の和魂が除外された。

 

 

「このフィールド魔法はスピリットモンスターの特殊召喚を可能にし、さらに墓地のスピリットモンスターを除外することでレベル4以下のスピリットを効果を無効にして特殊召喚できる!!」

 

「そういうことか…(スピリットのデメリットを消すフィールド魔法…厄介だな)」

 

「和魂を除外して満月巫女を特殊召喚!」

 

 

満月巫女/ATK1500

 

 

フィールドにウサギ耳の和服の女性が出現した。だが、効果を持たないとするとただの攻撃力1500のモンスターとなるだけだった。

 

 

「そして、和魂を召喚したターン、僕はもう一体スピリットを召喚できる!犬神を召喚!!」

 

 

犬神/ATK200

 

 

「レベル3の満月巫女とレベル2の犬神にレベル2のスピリット・フィッシュをチューニング!!

精霊に仕えし魂よ、今ここに聖霊として呼び覚ませ!!」

 

 

☆3 + ☆2 + ☆2 =☆7

 

 

「シンクロ召喚!!聖霊師ネファルロ!!」

 

 

ネファルロ/ATK2700

 

聖霊師ネファルロは墓地のカードを除外することで効果を発動できるモンスターだ。だがいま現在墓地にはモンスター、その効果は手札をすべて戻して新たにドローするリロード効果。

 

 

「けど、攻撃力は十分、バトルフェイズ!!ネファルロで直接攻撃!!」

 

「リバース罠、ガードブロック!!戦闘ダメージを0にしてカードをドロー!!」

 

 

ネファルロの魔力弾はユウも使うダメージ無効の壁に遮られてしまった。

 

 

「(まだ連斗のデッキがわからない…様子見するしかないや…)メイン2でテイク・オーバー・ファイブを発動、デッキの上から5枚のカードを送ってターンエンド」

 

 

ユウ

LP4000 手札0枚

ネファルロ/ATK2700

伏せカード1枚

スピリット・フィールド

 

―連斗のターン―

 

 

「俺のターン、召喚僧サモンプリーストを召喚!」

 

 

サモンプリースト/DEF1600

 

 

過去に星光が十代との戦いでも使用した魔法使いが現れた。すると連斗は先ほど手札に加えた禁じられた聖槍を墓地に捨てた。

 

 

「サモンプリーストの効果!手札の魔法カードを捨てることでデッキからレベル4のモンスターを召喚できる、俺はサイレント・マジシャンLv4を召喚!!」

 

 

サイレント・マジシャンLv4/ATK1000

 

 

フィールドに可憐な少女が出現した。ユウがそれがツバキのようにかぶって見えた。だが、連斗はそれに気づかずにターンを進めた。

 

 

「そしてカードを3枚伏せて魔法カード、命削りの宝札を発動!!自分の手札が5枚のなるようにカードをドローし、5ターン後のスタンバイフェイズにすべての手札を捨てる」

 

「ここで手札増強…!!」

 

 

展開力に長けているというようなデッキでもないはずなのに、連斗の動きが止まらない。

ユウの伏せられているカードはカウンター罠でもなければ相手の動きを妨害するようなカードでもないからだ。

 

 

「レベルアップ!を発動!!」

 

 

「あれは!」

 

「レベルモンスターのレベルを上げるカード…そしてフィールドのサイレント・マジシャンは進化する…!!」

 

 

万丈目もアームド・ドラゴンというレベルモンスターを所持している。その驚異は身をもって知っている十代も驚いていた。

 

 

「静寂なる魔術師よ…時を超え最強の魔術師となれ!!進化せよ、サイレント・マジシャンLv8!!」

 

『はぁぁ!!』

 

 

サイレント・マジシャンLv8/ATK3500

 

 

フィールドに成長したサイレント・マジシャンが出現――したのだが、それは明らかに精霊だった。しかも、その姿には見覚えがあった。

 

 

「まさか」

 

「サレン!?」

 

 

4人は驚いていると彼女は優雅に一礼して改めて自己紹介を始めた。

 

 

『改めまして、私はサイレント・マジシャンの精霊。名前をサレンといいます』

 

『すごいよ…サイレント・マジシャンの精霊は高位の存在なんだ』

 

『それを使役できるなんて…連斗はやっぱり只者じゃない…!!』

 

 

精霊たちはサレンの精霊としての実力を知っていた。それこそかの有名なブラックマジシャンなどの精霊と同等の力を持っていると言っても過言ではない。

 

 

「バトルだ、サイレント・マジシャンでネファルロに攻撃!!サイレント・バーニング!!」

 

「うっ…わああああああ!!!!」

 

 

ユウ/LP4000→3200

 

 

一撃で攻撃力2700のネファルロが破壊された。

 

 

「ターンエンド、さあ。どうする、ユウ!!」

 

連斗

LP4000 手札4枚

サイレント・マジシャンLv8/ATK3500 サモン・プリースト/DEF1600

伏せカード3枚

 

 

―ユウのターン―

 

 

「僕のターン!!(攻撃力3500、しかもこっちの魔法カードの効果を受けないモンスター…)」

 

 

戦いの義という儀式。人知れず行われたそれだったが、ユウは何度かモクバからその話を聞いたことがあった。それが名も無きファラオだとは知らなかったが、その中でサイレント・マジシャンというカードについても聞いたことがあった。

 

 

「スピリットモンスター、神楽を守備表示で召喚!!」

 

 

『出番だよ!』

 

 

神楽/DEF450

 

 

フィールドに出現した神楽。しかしそれが単なる時間稼ぎということが目に見えている。

方や攻撃力3500、方や守備力450。どちらが優位に立ってるのか十代たちにもわかっていた。

 

「さらにカードを伏せて、罠カード、八塩折之酒を発動!!このカードは相手の墓地の魔法カードを選択して、そのカードと同じ効果として発動できる!!僕は、命削りの宝札を選択!!」

 

「(墓荒らしのノーコストバージョンか…強力だが、デメリットはスピリット以外の攻撃封じ、実質的にスピリットデッキじゃないと使用できないな)」」

 

 

 

ユウの手札は0枚。この効果でユウがドロー出来るのは5枚。このドローでどう転ぶか連斗や見守っていた3人たちも息を飲んだ。

 

「カードを5枚ドロー!!……ターンエンド!!」

 

 

「なっ」

 

「何もしない…?」

 

 

ユウ

LP3200 手札5枚

神楽/DEF450

伏せカード2枚

スピリット・フィールド

 

ユウが何もしないことに全員驚いている。このターンは既に召喚権を使用していたため、モンスターと発動できない魔法カードだけ引いたのかもしれない。だが、何か腑に落ちない。

 

 

―連斗のターン―

 

 

「俺のターン、サモン・プリーストの効果を発動!!手札の禁じられた聖槍をコストにデッキからフレムベル・マジカルを召喚!!」

 

フレムベム・マジカル/ATK1400

 

 

「さらに、クリバンデットを召喚!!」

 

 

クリバンデット/ATK1000

 

 

最初のターンに召喚された悪魔が再び現れた。しかし、今は攻撃に転じるつもりのようだった。

 

 

「レベル4のサモン・プリーストにレベル4のフレムベム・マジカルをチューニング!!

逆巻け、我が復讐の黒炎!!沈黙の中で、勝利を齎せ!!」

 

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「シンクロ召喚!!メンタルスフィア・デーモン!!」

 

 

メンタルスフィア・デーモン/ATK2700

 

 

 

「シンクロモンスター…!!」

 

「攻撃力2700…、なかなか厄介だな…」

 

 

フィールドにデーモンの名を持つサイキック族のモンスターが出現した。モンスターを召喚することができるサモン・プリーストを素材にしたということは、このターンで決めに来るつもりなのかもしれない。

 

「バトルフェイズ、メンタルスフィア・デーモンで神楽に攻撃!!

 

 

炎を纏った腕で神楽に殴りかかったメンタルスフィア・デーモン。神楽は両手で障壁を生み出してガードしていたが、その上から破壊されてしまった。

 

 

「さらに、メンタルスフィア・デーモンは破壊したモンスターの攻撃力分、ライフを回復する!!」

 

 

「ッ…神楽の攻撃力が200…200ポイントのライフゲイン…だけど、破壊された神楽の効果!!このターンのバトルフェイズを終了させる!!」

 

 

連斗/LP4000→4200

 

 

「(やっぱり効果持ちか…けど、これならスクラップ・ドラゴンの方が良かったかもな…)カードをセットし、エンドフェイズ、クリバンデットの効果を発動!!デッキトップ5枚を確認、その中から真炎の爆発を手札に、残りを墓地へ送る」

 

 

「計10枚の圧縮…自分のデッキをなくすつもりか?」

 

「(…まるで墓地にカードを送るのが目的…けど、一体何を…)」

 

 

連斗

LP4200 手札4枚

サイレント・マジシャンLv8/ATK3500 メンタルスフィア・デーモン/ATK2700

伏せカード3枚

 

 

―ユウのターン―

 

「僕のターン!!テイク・オーバー・ファイブの効果でさらにカードを1枚ドロー!!スピリット・バードを召喚!!効果でデッキからスピリットモンスター、大和神を手札に加える!!」

 

スピリット・バード/DEF0

 

 

「そして、墓地の犬神を除外して大和神を召喚!!」

 

大和神/ATK2200

 

 

「さらに墓地の満月巫女を除外することでデュエル中に1度だけスピリット・フィッシュを特殊召喚することができる!!」

 

 

スピリット・フィッシュ/DEF1000

 

 

これでレベルの合計は――8。それに気づいた3人ははっと驚いた。

 

 

「レベル6の大和神にレベル2のスピリット・フィッシュをチューニング!!

大いなる魂よ!砕かれし魂と共に光の風を纏いその身を現わせ!!」

 

 

☆6 + ☆2 =☆8

 

 

「(くっ!?この衝撃…来るのか…!?)」

 

 

リングの中を通る6つの星。その光景を見ていた連斗に強力な威圧感なものが襲った。

そしてユウの顔を見るとその目が赤く染まっていることに気づいた。その力はまるでかつてツバキと戦ったときに召喚されたカオス・レッド・ドラゴンのようだった。

 

「シンクロ召喚、舞い上がれ!!スピット・シルバー・ドラゴン!!」

 

『ガァァァァァァァァ!!!』

 

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500

 

 

 

出現したモンスター、先ほどこの空間にやってきた時に連斗が乗っていたセイヴァー・スター・ドラゴンと似た雰囲気を持つモンスター。それの美しさに連斗は息を飲んだ。

 

 

「さらに、リバース罠、シンクロン・スピリット・パワーを発動!!フィールドにシンクロモンスターが存在するため、墓地のネファルロを除外することで自分のシンクロモンスターの攻撃力を500ポイントアップする!!」

 

 

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK2500→3000

 

 

スピットの攻撃力が上昇するも、サイレント・マジシャンLv8には届いていない。しかしこれ以上攻撃力を上昇する手段もない。

 

 

「バトルフェイズ、スピット・シルバー・ドラゴンでメンタルスフィア・デーモンに攻撃!!スピリット・ブラスト!!」

 

「ッ…!!」

 

 

連斗/LP4200→3900

 

 

「そして永続魔法、精霊龍の翼壁を発動!!このカードはフィールドにスピットが存在する場合、自分のチューナーの数だけ攻撃を無効にできる!!」

 

 

フィールドにはスピリット・バードが存在するため、1度だけ攻撃を止めることができる。だが、サイレント・マジシャンは相手の魔法効果を受け付けない。そのため、このカードで止めることは不可能だ。

 

 

「カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

ユウ

LP4000 手札4枚

スピット・シルバー・ドラゴン/ATK3000 スピリット・バード/DEF0

伏せカード2枚 シンクロン・スピット・パワー 精霊龍の翼壁

スピリット・フィールド

 

―連斗のターン―

 

「俺のターン(問題はあの伏せカードか。精霊龍の翼壁と…あのカードで二重の盾か。なら)俺は魔法カード、真炎の爆発を発動!!このカードは墓地に存在する守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する!!」

 

「可能な限り!?」

 

「インチキ効果もいいかげんにしろ!!」

 

「それお前のセリフじゃないから!!」

 

 

発動されたカードに十代と万丈目が驚いているが、連斗はおそらく彼にしか分からないツッコミを入れた。すると彼の墓地から4体のモンスターが出現した。

 

 

フレムベル・ヘルドック/ATK1900

 

フレムベル・パウン/ATK200

 

フレムベル・ベビー/ATK800

 

フレムベル・マジカル/ATK1400

 

 

「一気にチューナー2体にモンスター2体…!!」

 

「レベル4のフレムベル・ヘルドックにレベル1のフレムベル・ベビーをチューニング!!

リミッター解放、レベル5!レギュレーターオープン!スラスターウォームアップ、OK!アップリンク、オールクリアー!」

 

☆4 + ☆1 =☆5

 

 

「カモン、TGハイパー・ライブラリアン!!」

 

 

ハイパー・ライブラリアン/ATK2400

 

 

電子書籍のようなものを片手に司書のような風貌の魔法使いが出現した。その光景を見て十代がコテと首を傾けて星光に質問した。

 

 

「なあ、あの口上なんて言ってるんだ?」

 

「説明してもわからないでしょ」

 

「うっ…」

 

 

事実のため、何も言えない十代であった。

 

 

 

「そして、リバース罠、リビングデッドの呼び声を発動!!墓地のクリバンデットを特殊召喚する!!」

 

 

クリバンデット/ATK1000

 

 

フィールドに三度目の海賊が出現した。またデッキ圧縮をするのかと十代は思ったがクリバンデットは通常召喚のみ発動できる効果だ。つまり――シンクロ素材だ。

 

 

 

「レベル1のフレムベル・パウンとレベル3のクリバンデットにレベル4のフレムベル・マジカルをチューニング!!

古びた竜よ、自らの体が粉々になろうと最後まで使命を果たせ!」

 

 

☆1 + ☆3 + ☆4 = ☆8

 

 

「シンクロ召喚、スクラップドラゴン!!」

 

 

スクラップ・ドラゴン/ATK2800

 

 

「ハイパー・ライブラリアンはお互いにシンクロ召喚に成功すると、俺はカードをドローできる」

 

 

「ツバキのライブラリー・マジシャンと同じ系統の効果…!!」

 

「(まずいね、ユウのデッキはスピリット主軸のシンクロ系統、あのモンスターをどうにかしないと連斗の手札が増え続ける)」」

 

「そしてスクラップ・ドラゴンの効果を発動!!対象がいなくなったリビングデッドとそのさっき伏せたカードを破壊する!!」

 

「っ…(スピットの破壊無効はモンスターだけ…選択されたカードを守りきれない…!!)」

 

 

 

スクラップ・ドラゴンがリビングデッドを文字通りスクラップに変えるとそれをユウの伏せカードにめがけて放った。そして伏せられていたくず鉄のかかしが破壊されてしまった。

 

 

「あぶねぇ…(くず鉄のかかしは厄介なカードだ…最初のクリバンデットでサイクロン落ちてるから破壊できてよかった…)」

 

「(ちょっと、まずいかもね)」

 

 

「バトルフェイズ…サイレント・マジシャンでスピット・シルバー・ドラゴンへ攻撃!!サイレント・バーニング!!」

 

 

「リバース罠、スピリットの誘導を発動!!僕のフィールドにスピリット・フィールドが存在すれば攻撃対象を僕が選択できる、スピリット・バードへ変更!!」

 

 

スピット・シルバー・ドラゴンを守るかのようにスピリット・バードは攻撃の間に割って入り、そして攻撃をくらってガラスのように粉々に砕けた。

 

だが、スピット・シルバー・ドラゴンは無傷だった。

 

 

 

「(2重で防御策をとっていたか、結構慎重派なのか…)ターンエンドだ」

 

 

連斗

LP3800 手札4枚

サイレント・マジシャンLv8/ATK3500 スクラップ・ドラゴン/ATK2800 ハイパーライブラリアン/ATK2400

伏せカード2枚

 

 




というわけで、今回と次回はコラボ回となります。

ユウ「ツバキの消失…夢じゃなかったんだ…」
紫苑「ですが、その手掛かりを連斗が持っていましたね」
最初、連斗の役割を別のキャラがやる構想がありましたが、コラボするのにちょうどよかったから変更しました。

シゲル「最初からいくと、ユウ以外はツバキの存在に疑問を持っている感じなのか…」
いきなりそういう人がいるといわれても記憶にないからね。それが言い出したユウ以外覚えてないから。

釼都「ジェネックス大会はどっちが優勝したんだ?」
脳内では決まってるんだけど、それは秘密です。
紫苑「秘密なんですか?」
それは後で説明する。

ユウ「優介さんは病院か…」
原作で遊戯が御伽とDDDをやったあとで入院した病院ですね。
早めに言っておくとこの章は転生者ほぼ出番がないです。
というか、最初はユウと紫苑だけで中盤まで行く予定でした。
シゲル「無茶じゃね?」
プロット作成であきらめた。それと今後作品の裏の話、今回のジェネックス大会とか原作でいう日常編的なことをアザー・レコードで書きます。
現状考えてるのは「ジェネックス決勝」「入院中の優介を襲撃するエネミーズ」「響の悩み」の3つです。現状は最後のがすぐにできそうだからそれを優先してる。

星光「なぜ私が本編とここに?」
前回言い忘れてたけど、光の結社編から12日後の戦争編までのようにユウが消えたのと同じようにツバキもあとがきにも出てこないようになります。その穴を星光で埋めてもらいます。
釼都「本編に出た理由は?」
彼女が言ってたように星光はツバキの存在を覚えていました。ちなみに前回の予告の「2人」とはユウと星光です。

星光「私が取り出したツバキのカードとは?」
ぶっちゃけると、『コスモス』のカードです。
シゲル「ぶっちゃけすぎだろ、神のカード残していったのか」
このカードの意味も今後の謎だね。

そして平行世界のデュエリストの迎合
ユウ「連斗…」
彼は向こうの世界でとある理由でセイヴァースターに乗り、過去の世界に行く途中でした。
ちなみに作中で連斗が言ってるのは一度ダークの記憶を奪って、それを返却する際に見たものです。
いろいろと誤解を生みそうだからそれを連斗は言ってませんが。

そしてデュエル解説へと

まず、今回の連斗のデッキは基本的にはサイレントさんからいただいたデッキレシピを基にしてます。
釼都「基本的にって、違うカードがあるのか?」
現状的にガードブロックだったりと、複数サポート系のカードがある。そして1枚のオリカ。
星光「謎の含みだね」

釼都「ちなみに途中の連斗のツッコミは何だ?」
メタです。

次回予告

平行世界の使者、静原連斗。
高速シンクロとサイレント・マジシャンを披露する連斗はさらにサイレント・マジシャンの新たな光を見せつける。

一方のユウも逆転のチャンスを探していた。
極限を迎えた2人の戦いは何を導くのか―――

「よし、揃った!」

だが、この戦いに隠された目的とは――

「ええ、礼を言います。異世界のデュエリスト」

次回Turn96 沈黙の使者 後編
最強カードは「サイレント・コスモ・マギア」
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