「さてと、どれぐらい登っただろうな」
ユウ達はやっと階段と通路が終わり、部屋と思わしき扉の前にたどり着いた。だが、見たところ大理石のような石でできていてノブなどは見当たらなかった。
「…なあ、響、扉に触れてくれないか?」
「あ、はい」
モノは試しというように響はそっと扉に触れた――と、同時に扉が音もなく粒子となって消えた。やはりというべきかこの塔の鍵の一つ、天属の血を響とおそらくシゲルは受け継いでいるようだ。
「ここは…」
「鳥の巣?」
響とユウの感想通り、鳥の巣のような木で囲まれている室内。幸いというべきか先に進む扉はすぐ目の前にあった。
「…召喚」
しかし、2人のあとに入った釼都が部屋の真ん中まで歩くと音も立てずにマシンナーズピースキーパーを召喚して2人を突き飛ばした。
「うぐっ!?」
「きゃあ!?」
扉に激突するはずだった2人だが、その扉も飛ばされた響が触れた瞬間扉が開き、そして2人が室外に飛ばされると扉が出現して閉まった。
「いたぁ…」
「釼都!何してるの!!」
向こう側でユウが扉を叩く音が響いた。だが釼都は扉のところまで歩いてノックするかのようにして手で扉をたたいてユウの言葉を遮った。
「ユウ、前はこのまま先に行け。おそらくこんな扉も響だと開けられるはずだし文字もシゲルに読めるなら響も分かるはずだ」
「何言ってるの! 釼都も一緒に!!」
「…アンゲロスがいる。俺が相手をしてるうちに早く行け」
つまり、釼都は一人残ってアンゲロスの相手をするというのだ。確かにもう時間がない上にほかの仲間の安否も不明だからユウが進むしかないのだが。
「ッ…響、扉を!!」
たとえ釼都が相手をするとしても万丈目でさえ無事じゃない集団なのだ。一度合流したほうがいいと思ったユウに言われて扉に触れようとした響だが「ガツンッ!!」という何かが叩きつける扉の向こうから聞こえた鈍い音に一瞬驚いた。
ユウも釼都に何かがあったのかと呆然としていたが、すぐに響の手をとると扉に押し付けるようにして開けた。
「釼都…!?」
だが、そこに広がっていたのは木で出来た鳥の巣ではなく、まるで湿地帯のような観葉植物などが多い部屋だった。
―資料室―
「……状況は理解できました。ですがなんで貴方達は私と目を合わせようとしないのですか?」
意識を取り戻した紫苑。彼女は星光が表の時は基本的に意識を失ってる状態のため事情が把握できてなかったのだ。だから記憶の中では響とレイの制服の採寸の手伝いをしたたとに階段で意識を失ったら、十代と組んでデュエルをしていたということになっていた。
「いや、そのな…」
「ええ…」
十代の言動からおそらく星光が関わってると分かっていたがなぜライフを失った瞬間呼吸困難になったのか、ここがどこなのか、今現在置かれている状況はどんなのか、話を聞いてやっとわかったのだ。
しかし、その説明中も十代とルキは目が泳いでいるのだ。
「…十代、私に隠し事でもしてるのですか?」
「そうじゃない、っていうかそうなんだけど、違うっていうか…」
「…あの、その…」
ジト目で見つめられて十代は居心地が悪そうだった。彼としては男として、そのことを説明するのが恥ずかしいということだ。まあ、自覚してしまったらそれを意識しないようにするのは難しいが――
と、ここで恐る恐るとルキが手を挙げた。彼女としてもこの空気をなんとかしたいが、改善策を思いつくことができなかった。となれば、残る手は――
「その、紫苑さんが呼吸困難になって…私が回復魔法をかけたのですけど…呼吸を安定させるのに…その、人口呼吸を…」
「……ふぇ?」
えっ、という反応をした。そして自分の唇に手を触れてポクポクポクとその場面を考えていた。紫苑は十代とルキの顔を交互に見ているのに気づいたルキは慌てたように首を振った。
どっちが?というふうに確かめているようだった。
「わ、私は回復魔法の方に専念するから手一杯だったんです!!」
「……えっと、十代?あたな…私が意識を失っている時に…その…」
「…じ、人口呼吸…しました…」
その言葉に先ほどの十代と同じように顔をボフンッと赤くして紫苑がのたうちまわっていた。意識してるのなら、現在進行でやるのなら心のゆとりがあった。しかし意識がなく、そしてその場面を間違いなくルキに見られていたと理解すると乙女な彼女はとんでもない羞恥心にさらされていた。
「う~う~!!!」
「お、落ち着け! 人口呼吸しないと――」
「死んでなかったけどね。第一、試練が終わって命を落としたら意味がないでしょ?」
その言葉に十代が石のように固まった。目の前でのたうちまわっていた紫苑も動きを止めて今にも十代に殴りかかりそうなほどピリピリしていた――が、
「「「!!!!」」」
ハッとして振り返った。そこには面白いものを見たというようなルヒエが立っていた。
「…人口呼吸しなくても死んでなかった?」
「うん、面白そうだから黙ってたんだけどね」
今度は十代がのたうちまわって紫苑が顔を真っ赤に俯いて、ルキはものすごく気まずそうに顔をそらした。
それにルヒエはクスクスと笑っていた。
「そ、それよりも! まだやるんですか?それとも、私たちを案内しますか?」
「ん? なんもしない、ってか出来ないよ」
―鳥の巣―
「…? ユウ?」
扉の先にいたはずのユウの気配と声がなくなって釼都が怪訝に扉を叩いたが反応がなかった。先ほどの様子だともう少し説得が必要だと思ったが、先に行くとは思えなかった。
「…ユウたちに何かしたのか?」
「その前に自分の心配をしたらどうかな?」
釼都は目の前の女性に聞いた。だが彼女はやれやれというような仕草をするだけで答えなかった。
たしかに、目の前の相手を足止めするのが先だと判断し、倒してから聞けばいいと割り切った釼都はディスクを構えた。
「俺の心配?はっ、それはこっちのセリフだアンゲロス」
「…アラエルよ、アラエル・パズス。まさかこんなところまでやってくるなんてね」
そう言うと彼女は過去に精霊界でユウとの戦いで使用した羽の形をしたディスクを起動させた。
釼都はユウたちの消息も気になるが、その前に目の前の障害を対処することにした。
「…そういえばひとつ聞くが、お前が過去にユウと戦った奴か?」
「ええ…まあ、あなたとも会ったことがあるのだけどね」
ツバキのデッキを借りて管理局のザフィーラと戦ったとき、その戦いを釼都も見守っていた。しかし、ツバキとアンゲロスの記憶を失った釼都はそのことを覚えてないのだ。
「まあ、いい…いくぞ!!」
「デュエル!!」
―アラエルのターン―
「私のターン、ドラグニティ・トリブルを守備で召喚!」
ドラグニティ・トリブル/DEF300
小柄な鳥人、そう、彼女は過去にユウを倒した経験があると言っていた女性だと釼都は改めて認識した。ドラグニティと名のついたモンスター郡、それはチューナーを装備して戦うカテゴリーだとユウは言っていた。
「トリブルの効果、デッキからドラグニティ-ファランクスを墓地に送る」
「(早速か…ユウの話だと墓地から装備したり手札から装備したり色々なパターンがあるみたいだが…おそらく墓地に送ったのは出す手段があるってことだな」
「さらにフィールドのトリブルをリリース、手札のミスティルを特殊召喚!!このモンスターはフィールドのドラグニティをリリースすることで特殊召喚できる!」
ミスティル/ATK2200
登場した竜人は地面に腕を突き刺すとそこからボウガンのような小龍を引っ張り出した。小龍はミスティルの腕に装備するような形になった。
「ミスティルの効果、墓地のドラグニティと名のつくチューナー、ファランクスを装備!さらにファランクスは装備状態の時に解除してフィールドに特殊召喚できる!!」
ファランクス/DEF1200
腕から外れたファランクスはアラエルのモンスターゾーンで再び小龍となった。問題はレベル6のモンスターとレベル2のモンスターが並んだということだ。
「(いきなり来るか…!)」
「レベル6のミスティルにレベル2のファランクスをチューニング!渓谷に祀られし聖剣よ、龍の姿となりて主の道を切り開け!!」
☆6 + ☆2 = ☆8
「シンクロ召喚!!ドラグニティパラディン-カリバーン!!」
カリバーン/ATK2500
今度は青い体に剣をイメージした装備具をしたドラゴンが登場した。わずか1ターン目、しかも手札消費が2枚という少なさで登場したとなればやはりアラエルの力量が伺える。
「カリバーンはミスティルと同じ効果を持つ、墓地のファランクスを装備!さらにカードを伏せてターンエンド!」
アラエル
LP4000 手札3枚
カリバーン/ATK2500
ファランクス 伏せカード1枚
―釼都のターン―
「俺のターン、出し惜しみ無しで行くぞ!!マシンナーズ・ソルジャーを召喚!!さらにフィールドにほかのモンスターが存在しない場合、手札からマシンナーズ・マジシャンを特殊召喚!!」
マシンナーズ・ソルジャー/ATK1600
マシンナーズ・マジシャン/DEF1200
フィールドに2体のモンスター、そして片方はチューナーだ。本当に出し惜しみ無しで突っ込んでくる釼都をアラエルは微笑ましく見ていた。
「レベル4のマシンナーズ・ソルジャーにレベル4のマシンナーズ・マジシャンをチューニング!!時に仕える従者よ、力の一端を我に与えよ!!」
☆4 + ☆4 =☆8
「シンクロ召喚!!タイム・バトラー!!」
タイム・バトラー/ATK2700
釼都のフィールドには燕尾服に白い手袋とまるでどこかの屋敷の執事のような格好をした青年が優雅にお辞儀をしながら現れた。
「バトルフェイズ、タイム・バトラーでカリバーンに攻撃!!タイム・ワールド!!」
「リバース罠、イタクァの暴風を発動!!相手フィールドのモンスターをすべて守備表示に変更する!!」
タイム・バトラー/ATK2700→2000
カリバーンが羽ばたいてその風を受けたタイム・バトラーが体勢を崩したのか守備体勢に入った。
「ッ…ターンエンド」
釼都
LP4000 手札4枚
タイム・バトラー/DEF2000
伏せカード無し
―アラエルのターン―
「私のターン、ドラグニティ-ファランクスの効果、装備を解除して特殊召喚!!」
ファランクス/DEF1200
「さらに、ファランクスをリリース、ドラグニティ-プリムス・ピルスをアドバンス召喚!!」
プリムス・ピルス/ATK2200
今度はトリブルによく似た鳥人が鞭を振るいながら登場した。すると今度はアラエルのデッキからファランクスのようなドラゴンが飛び出すと三又槍となってプリムス・ピルスに装備された。
「プリムス・ピルスの効果、召喚成功時デッキからドラグニティ-ブランディストックを装備する、そして装備モンスターは2回攻撃が可能となる!!バトルフェイズ、プリムス・ピルスでタイム・バトラーに攻撃!!」
武器となったブランディストックをプリムス・ピルスは投擲した。それに守備形態のタイム・バトラーは釼都を守るようにして体を広げてその攻撃を受け止めた。
「だが、タイム・バトラーの効果、戦闘で破壊されたとき、墓地から素材としたモンスター1組が墓地に揃っていれば特殊召喚する、さらにデッキから古の対価を手札に加える!!」
マシンナーズ・マジシャン/DEF1200
マシンナーズ・ソルジャー/DEF1500
「ふーん、だけどブランディストックの効果でもう一度攻撃できる、プリムス・ピルスでマシンナーズ・ソルジャーに追加攻撃!!そしてカリバーンでマジシャンに攻撃!!」
「(タイム・バトラーの効果を使っても延命がギリギリだ…これが、かつてユウを打ち負かした女の実力か…!!)」
「カードを伏せてターンエンド」
アラエル
LP4000 手札2枚
カリバーン/ATK2500 プリムス・ピルス/ATK2200
ブランディストック 伏せカード1枚
―一方その頃―
「ユウさん、釼都さんはっ…?」
「(…部屋の感じがまるっきり違う、多分…あの部屋じゃない。塔の別の部屋に繋がってる…かな。多分釼都も気づいてなかったんだ…)」
部屋の雰囲気が全くと言っていいほど違う。おそらく、何らかの理由で扉の出入り口が変わってしまったのだろう。
もしかしたらこの部屋の場所が釼都のいる場所よりも低いかもしれない。
「…釼都は…万丈目も、僕に先に行けって言ってたんだ…だから、行こう」
心配そうな響だが、彼女は兄との約束で絶対に一人にならないと言った。だからそれを守るためにもユウについていくしかなかった。
―釼都のターン―
「(ったく…数ターンだけだが分かる。格上の相手だ、あいつは…格好つけて負けるなんて笑い種になりたくなぇな…!!)俺のターン!!相手フィールドにしかモンスターが存在しないため、マシンナーズ・エアロイドを特殊召喚する!!」
マシンナーズ・エアロイド/ATK1200
「そしてマシンナーズ・リサイクラーを召喚!!」
マシンナーズ・リサイクラー/ATK500
フィールドに3と2のレベルを持つチューナーと非チューナー、手札には古の対価があるが序盤で使うのは得策ではない。
「レベル3のエアロイドにレベル2のリサイクラーをチューニング!!機械の轟音と共に戦場を駆け回れ!!」
☆3 + 2 = 5
「シンクロ召喚、マシンナーズ・バギー!!」
マシンナーズ・バギー/DEF300
なぜかマシンナーズ・ソルジャーがバギーで登場した。何となくだがこの見てくれだと古代の機械戦車に乗る古代の機械兵士のようだった。
「シンクロ素材にしたマシンナーズ・リサイクラーの効果、エアロイドとソルジャーを除外してカードを2枚ドローする!!さらにバギーの効果、1ターンに1度、ライフを800ポイント払って手札のマシンナーズを1体特殊召喚する!!」
釼都/LP4000→3200
マシンナーズ・スライムボール/ATK200
釼都のフィールドにグニュグニュと機械でありながら弾力があるボールが転がっていた。
「スライムボールの効果、リリースすることで2体特殊召喚する、来い!!」
マシンナーズ・スライムボール/ATK200
マシンナーズ・スライムボール/ATK200
これでレベル1のモンスターが2体並んだ。そうなれば手札のあのカードが使える。
「発動コストのライフを半分払い古の対価を発動、フィールドの2体のスライムボールをリリース!!誘惑せし色欲の女神よ、彼の者を従えよ!!エンシェント・ルクスを特殊召喚!!」
釼都/LP3200→1600
ルクス/ATK?
魅惑の女性とも言うべきモンスターが釼都のフィールドにまるで舞を踊るかのように表れた。その舞に見惚れたのかカリバーンの様子がおかしかった。
「ルクスの効果、相手フィールドのモンスターのコントロールを得てその攻守をコピーする、ラスト・アリュール!!」
ルクス/ATK2500
これでアラエルのフィールドにはプリムス・ピルスのみとなった。
「バトルフェイズ、カリバーンでプリムス・ピルスに攻撃!!」
「リバース罠、龍具投擲 ブランディストックを破壊してカリバーンを破壊する!!」
龍具投擲
通常罠
(1)自分フィールドの魔法・罠ゾーンに存在する「ドラグニティ」カードを破壊して相手フィールドのカードを1枚破壊する
プリムス・ピルスがブランディストックをまるで槍投げのようにカリバーンに向けて投擲した。
カリバーンはいきなりの襲来に対応できなくて胴体に突き刺さった。
「ならルクスでプリムス・ピルスに攻撃だ!!」
「くっ…!」
アラエル/LP4000→3700
プリムス・ピルスを破壊したが予想外にアラエルの被害が少ない。しかしこれでアラエルのフィールドががら空きとなった。
「カードを伏せてターンエンドだ」
釼都
LP1600 手札3枚
エンシェント・ルクス/ATK2500 マシンナーズ・バギー/DEF300
伏せカード1枚
―アラエルのターン―
「私のターン、ドロー!なかなかやるね、さすがチーム・ノーバディのリーダー」
「…煽ってるのか?」
怪訝そうな釼都の言葉にアラエルは「いやいや」と笑っていた。
「やっぱり、メンバーを引っ張るリーダーはそうでないと。ドラグニティ-アキュリスを召喚!!効果で手札のドラグニティ-ミリトゥムを特殊召喚して自身を装備する!!」
ミリトゥム/ATK1700
細長い剣を持つ鳥人が赤い子竜の鳴き声に呼応されるかのように登場するとアキュリスは細長い槍になって装備された。
「ミリトゥムの効果を発動、装備状態のドラグニティ-アキュリスの装備を解除して特殊召喚する!!」
アキュリス/ATK1200
先ほどのファランクスの効果を付与するモンスターで一気に展開してきた。
「レベル4のミリトゥムにレベル2のアキュリスをチューニング!!渓谷より先陣を斬る翼をはためかせ、風の剣を振るえ!!」
☆4 + ☆2 = ☆6
「シンクロ召喚、ドラグニティナイト-ヴァジュランダ!!」
ヴァジュランダ/ATK1900
「召喚成功時、効果で墓地に存在するファランクスを装備する!!そして手札からドラグニティの神槍をヴァジュランダに装備する!!」
ヴァジュランダ/ATK1900→2500
「攻撃力が上がった…っ!」
「神槍は装備したモンスターのレベル×100ポイントの攻撃力を上昇させる、さらに1ターンに1度効果でデッキからドラグニティを装備できる、コルセスカを装備!!さらにヴァジュランダの効果を発動、ファランクスを墓地に送ってヴァジュランダの攻撃力を倍加させる!!」
ヴァジュランダ/ATK2500→5000
「攻撃力5000…!!」
過去に釼都、そして紫苑のタッグを倒した響ことアイリスの召喚した最強モンスターSinトゥルースドラゴンと同じ攻撃力。若干のトラウマ発現に釼都は息を呑んだ。
「バトルフェイズ、ヴァジュランダでエンシェント・ルクスに攻撃!!」
「やられてたまるかァァァ!!!マシンナーズ・バギーの効果、リリースすることで相手モンスターの攻撃力を1000ポイントダウンさせ、さらに墓地に存在するマシンナーズ・ソルジャーを手札に戻す!!」
マシンナーズ・バギー
シンクロモンスター
星5/地属性/機械族/ATK1900/DEF300
(1)1ターンに1度、ライフを800ポイント払うことで手札の「マシンナーズ」モンスターを特殊召喚することができる。この効果を発動したターン、このモンスターは攻撃を行うことができない。
(2)相手モンスターの攻撃宣言時、このモンスターをリリースすることでそのモンスターの攻撃力を1000ポイントダウンさせる。
(3)このモンスターがカード効果で墓地に送られた場合、墓地に存在するチューナー以外の「マシンナーズ」モンスターを手札に加える。
ヴァジュランダ/ATK5000→4000
「うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
釼都/LP1600→100
バギーの特攻にヴァジュランダがたじろいだおかげか、ルクスへの攻撃が若干逸れた。だがそれでも釼都に襲い掛かった衝撃波は大きく、吹き飛ばされた彼は木を大きくめり込ませてとまった。
「ぐっ…ゲホッ、ゲホッ!!」
「なかなかしぶといね、コルセスカの効果を発動!!装備モンスターが戦闘で相手モンスター破壊した時、装備モンスターの属性・種族と同じモンスターデッキから手札に加える、対象はドラグニティ-ミョルニル。ターンエンド」
アラエル
LP3700 手札1枚
ヴァジュランダ/ATK4000→2500
ドラグニティの神槍 コルセルスカ
―釼都のターン―
「グッ…(体があちこち痛ぇ…肋骨に罅逝ったかもな…)俺のターン!!墓地のエンシェント・ルクスを除外して古の対価を手札に回収し、リバース罠、時の箱(タイムボックス)を発動!!」
釼都の手札に加わったカードがまるで鍵となるようにして封印の黄金櫃に似た箱のスリットに入った。それと同じようにデッキのカードが箱に封入されると箱が地面に沈んだ。
「このカードは手札の古の対価とデッキのカードを1枚除外して2ターン後の自分のターン、このカードの発動するときに除外した2枚のカードを手札に加える!!」
時の箱
永続罠
(1)手札の「古の対価」とデッキに存在するカードを1枚選択してそのカードを裏向きで除外する。
(2)2ターン後の自分のスタンバイフェイズ、このカードを破壊してこのカードの効果で除外したカードを手札に加える。
(3)ほかのカードの効果で破壊された場合、デッキからカードを2枚ドローする。
「マシンナーズ・ソルジャーを召喚、効果で手札のマシンナーズ・メガフォームを召喚する!!」
ソルジャー/ATK1600
メガフォーム/ATK2600
戦士に並走するかのようにして戦車の形をした人型のロボットが出現した。
「バトルフェイズ、メガフォームでヴァジュランダに攻撃だ!!」
「ッ…やるね」
アラエル/LP3700→3600
「まだだ、ソルジャーで直接攻撃だ!!」
「くっ、きゃあああ!!」
アラエル/LP3600→2000
やっとライフを半分削ることができた。しかし釼都のライフは100、攻撃力があまり高くないソルジャーを残すのは得策ではないのは明白だった。
「メガフォームの効果、リリースしてデッキからキッズを特殊召喚する!!そしてレベル4のソルジャーにレベル3のキッズをチューニング!!」
☆4 + ☆3 = ☆7
「シンクロ召喚、マシンナーズ・メタルコング!!」
メタルコング/DEF2400
その名のとおり鋼鉄の体でできたゴリラが登場した。だがこのモンスターは攻撃力が2700、守備力が2400の効果を持たないシンクロモンスターだ。
とはいえ、既に攻撃を終えてほかに有用なモンスターもない上、ヴァジュランダのような瞬間的に攻撃力を爆発的に上昇させるモンスターが登場するなら攻撃表示で出すのも危険だった。
釼都
LP100 手札3枚
マシンナーズ・メタルコング/DEF2400
時の箱
―アラエルのターン―
「ドロー、手札から調和の宝札を発動!!攻撃力1000以下のドラゴン族チューナーモンスター、ミョルニルを墓地に送ってカードを2枚ドローする!!」
「(手札交換、情報アドを潰してきたか…)」
「ドラグニティ・ドゥクスを召喚!!このモンスターはヴァジュランだと同じく墓地のドラグニティを装備することができる、ファランクスを装備!!さらにフィールドのドラグニティと名のつくカード1枚につき攻撃力が200ポイントアップする!!」
ドゥクス/ATK1500→1900
微々たる上昇、だがその目的は攻撃力の強化ではなくてファランクスを装備することだったのは明白だ。
「ファランクスの装備解除!!」
ファランクス/DEF1200
これで再びフィールドにレベル6の組み合わせができた。
「レベル4のドゥクスにレベル2のファランクスをチューニング!!渓谷より貫きし神風の槍よ、敵の心臓を射抜く翼となれ!!」
☆4 + ☆2 = ☆6
「シンクロ召喚、ドラグニティナイト-ゲイボルグ!!」
ゲイボルグ/ATK2000
今度はドゥクスが槍をモチーフにした白いドラゴンに跨り登場した。だが攻撃力はドゥクスより毛が生えた程度、問題はその効果がどのようなものなのかだ。
「バトルフェイズ、ゲイボルグでマシンナーズ・メタルコングに攻撃!!」
「攻撃力が低いモンスターで…効果破壊か、攻撃力強化…!!」
「そう、ゲイボルグはバトルを行うとき墓地の鳥獣族モンスターを除外することでその攻撃力を吸収する効果がある、墓地のドゥクスを除外して攻撃力上昇!!」
ゲイボルグ/ATK2000→3500
ゲイボルグに跨ったドゥクスが槍を振るうとメタルコングの装甲の一部が剥がれた。ゲイボルグはそこに狙いをつけて突撃を仕掛けた。
「くっ…!!(バトルを行うとき…つまり俺の攻撃からも発動する、あいつの墓地には攻撃力2300のプリムス・ピルスがいる、下手な攻撃ができない…!!)」
「さあ、この一突必殺のゲイボルグをどう破るのか、見させてもらうわ…ターンエンド!!」
アラエル
LP2000 手札1枚
ゲイボルグ/ATK2000
伏せカード無し
―釼都のターン―
「俺のターン!!(手札のカードが少ない…けど、ゲイボルグなら突破はできる!!)マシンナーズ・ジェットを召喚!!」
ジェット/ATK1000
「さらに死者蘇生を発動、マシンナーズ・リサイクラーを蘇生させる!!そして手札のカーネルはマシンナーズが特殊召喚されたとき自身を特殊召喚することができる!!」」
リサイクラー/ATK500
マシンナーズ・カーネル/ATK800
これで合計レベルが5か8となる。そうなれば釼都もさらなる展開ができる。
「レベル3のジェットとカーネルにレベル2のリサイクラーをチューニング!!機械の軍勢を敷き、鋼鉄の剣を振るえ!!」
☆3 + ☆3 + ☆2 =☆8
「シンクロ召喚!!マシンナーズ・プライム!!」
マシンナーズ・プライム/ATK2500
赤い大きな大剣を持ち、トラックと一体化したような司令官が登場した。確かに攻撃力ならゲイボルグに勝っているがカウンターで攻撃力を上げられたら釼都は敗北してしまう。
「リサイクラーの効果、墓地のスライムボール2体を除外してカードを2枚ドローだ!!」
「ふふっ、それでゲイボルグを突破できるカードは引けたかしら?」
アラエルの問いに釼都はにやりと笑った。このドローでゲイボルグを突破しようとは思ってなかったからだ。
「カードを1枚伏せて、マシンナーズ・プライムでゲイボルグに攻撃!!そしてプライムの効果、攻撃宣言時、相手モンスターの効果を無効にする!!」
「…なるほどね」
アラエル/LP2000→1500
確かにこの効果があればゲイボルグを突破できるのは簡単だった。そしてアラエルの手札はわずか1枚。
ここからの逆転は難しいはずだった。だが、それでも釼都は気を抜かなかった。
釼都
LP100 手札2枚
マシンナーズ・プライム/ATK2500
時の箱 伏せカード1枚
―アラエルのターン―
「私のターン。圧倒的な状況になっても気を抜かないのね」
「…ああ、お前たちの実力は知ってる。『勝負はただ1枚のドローで負けることがある、その運は人には測れないからな』」
釼都の言葉にアラエルは驚いたように目を見開いてどこか納得したように小さくため息をついた。
「やっぱり、貴方は貴方ね。じゃあこれが最後の私が持つ力――魔法カード、ミラクル・シンクロ・フュージョンを発動!!」
「(来る、ユウを倒したモンスター…!!)」
ユウとシゲルも所持しているシンクロモンスターを素材とするミラクルフュージョン。現在夕夜が所持しているスピット・オブ・ロードと新たにペガサスから貰い受けたソウル・オーガー・ドラグーン、その両方共強力な効果を秘めている。
「墓地のヴァジュランダとコルセルスカを除外融合!!その聖剣を身に宿し、数多の軍勢を率いて散りし魂を神槍へ捧げろ、ドラグニティパラディン-エクスカリバー!!」
エクスカリバー/ATK3000
フィールドに聖騎士の名を持ち数多くの洗浄を駆けた騎士が登場した。ユウの話ではこのモンスターがアラエルのエースである可能性が高かった。
「エクスカリバーの効果は召喚成功時、墓地に存在するドラグニティと名の付くチューナーを任意の枚数装備する!!アキュリス、ブランディストック、ミョルニル、ファランクスを装備!!さらに墓地に存在するカリバーンはエクスカリバーが召喚された時、装備することができる!!」
ドラグニティ・パラディン-カリバーン
シンクロモンスター
☆8/風属性/ドラゴン族/ATK2500/DEF2000
ドラゴン族チューナー+チューナー以外の鳥獣族モンスター1体以上
(1)このモンスターが特殊召喚に成功したとき、墓地に存在するドラゴン族チューナーモンスターを任意の枚数装備することができる。
(2)自分のフィールドに「ドラグニティ・パラディン-エクスカリバー」が特殊召喚されたとき、墓地に存在するこのモンスターを装備することができる。
(3)このモンスターを装備したモンスターは以下の効果を得る。この効果は無効化されない。
・攻撃力を1000ポイントアップし、相手の効果モンスターの効果を受け付けない。
エクスカリバー/ATK3000→4000
一気に5体のモンスターを装備したエクスカリバー。しかし、その効果は無効化されており、問題はエクスカリバー自身の効果だった。
「エクスカリバーは装備されているチューナーの枚数だけ攻撃することができる!!」
「4000の5回攻撃…ッ…化け物めッ…!!」
伏せカード1枚ですべての攻撃を止めきれる可能性は低い。おまけに釼都のライフはたったの100。
「これであなたの未来は閉じる。バトルフェイズ、エクスカリバーでマシンナーズ・プライムに攻撃!!聖なる槍撃1!!」
エクスカリバーは槍を構えると一点突破の突きをプライムへと放った。
「まだ俺は自分の未来をあきらめてない!!リバース罠、シンクロ・ストライクを発動!!このカードはフィールドのシンクロモンスターを選択し、そのモンスターを召喚するために使用した素材の数だけ攻撃力を500ポイントアップさせる!!」
マシンナーズ・プライムに使用された素材は3体。つまり攻撃力を1500ポイントアップさせることになる。
マシンナーズ・プライム/ATK2500→4000
「攻撃力は同等…だけどエクスカリバーの効果!!このモンスターが破壊されるとき、装備しているドラグニティを2枚破壊することで無効にすることができる!!」
エクスカリバーの槍から2つの光が飛び出るとプライムの剣を受け止めた。だがプライムもその光をはじくとエクスカリバーから距離を取った。
「そしてマシンナーズ・プライムは1度だけ破壊を無効にできる!!」
マシンナーズ・プライム
シンクロモンスター
☆8/地属性/機械族/ATK2500/DEF2000
「マシンナーズ」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1)攻撃宣言時、相手モンスターの効果を無効にする。
(2)このモンスターは1ターンに1度、戦闘では破壊されない。
「(なるほどね、同士打ちだけどエクスカリバーは装備されてるチューナーが剥がれるから攻撃回数が減る…2枚になったから残り攻撃回数は2回…だけど、モンスターを残すのは得策じゃない)追加攻撃、聖なる槍2!!」
「ッ…(やっぱりモンスターを潰しに来た…!!だが、これで破壊無効効果はなくなる…!!)」
残る装備がカリバーンだけとなり、2枚取り除くことが不可能になってしまった。
「残念、ミョルニルの効果を発動!!このカードは墓地に存在するときドラグニティと名の付くカードを除外することでフィールドのモンスターに装備することができる!!」
ドラグニティ-ミョルニル
チューナーモンスター・効果
星2/風属性/ドラゴン族/ATK1000/DEF800
「ドラグニティ-ミョルニル」の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1)このカードが墓地に存在する場合、墓地の「ドラグニティ」カードを除外することで自分フィールドのモンスターに装備カード扱いとしてこのカードを装備することができる。
神槍を除外して再びエクスカリバーの槍に光が一つ灯った。これで再びカリバーンとミョルニルの2枚の装備がエクスカリバーに装備された。
「カードを伏せてターンエンド!」
アラエル
LP1500 手札0枚
エクスカリバー/ATK4000
カリバーン ミョルニル 伏せカード1枚
―釼都のターン―
「俺のターン!!スタンバイフェイズ、発動後2ターンを迎えた時の箱を破壊し、古の対価とカードを手札に加える!!」
これで釼都の手札は5枚、そのうち1枚は現状使うことのできない魔法カード、つまり残り4枚のカードでアラエルを倒さなければならない。
「(攻撃力4000の3回攻撃を受け止めきれる自信はねぇ…このターンで仕留める…!!)」
「(おそらくこのターンで決めに来る。それと止めたら…私の勝ち)」
たった一息、間を置いて釼都は墓地のカードを取り出した。
「墓地のマシンナーズ・ジェットの効果!!墓地に存在する限り1度だけ手札のモンスターを特殊召喚することができる!!」
「カウンター罠、透破抜き!!相手が発動させた墓地・手札で発揮する効果を無効にして除外する!!」
墓地へとエクスカリバーが風で作った槍を投擲するとマシンナーズ・ジェットのカードを貫いた。これで釼都の攻め手が一つ減った。
しかしそれと同時にアラエルの伏せカードがなくなった。
「(問題は次だ!!)魔法カード、機甲部隊の休憩所を発動!!手札のレベル5のマシンナーズ・ゼロを墓地に送ってカードを2枚ドロー!!」
引いたカード、それだけではアラエルに勝つのは不可能だった――手札だけでは。
「魔法カード、古の対価を発動!!」
「なっ…そのカードはフィールドのモンスターを素材にするカードのはずよっ!?あなたのフィールドにモンスターはいない!!」
そう、フィールドのモンスターを素材とする古の対価。だがそれは通常の場合だ。
「墓地のタイム・バトラーを除外して効果を発動!!古の対価の素材を手札のモンスターで代用することができる!!」
タイム・バトラー
シンクロモンスター
☆8/闇属性/魔法使い族/ATK2700/DEF2000
(1)このモンスターが相手によって破壊された場合、墓地から素材としたモンスター1組があれば特殊召喚する。
その後、デッキから「古の対価」を手札に加えることができる。
(2)自分が「古の対価」の効果でモンスターをリリースする場合、
このモンスターを除外することで手札のモンスターでリリースすることができる。
この効果でリリースされたモンスターは除外され、相手は戦闘ダメージを受けない。
「タイム・ストッパーとマシンナーズ・サーチャーをコストにエンシェント・グリーを召喚!!」
エンシェント・グリー/ATK50
釼都/LP100→50
これで釼都の残り少ないライフは半分となった。しかし今となっては100も50もさほど変わりがない。
「エンシェント・グリーは召喚成功時、墓地の一番上のカードを手札に加えるかドローするかを選ぶことができる!俺はドローを選択する!!」
「そうね…(透破抜きも惜しいけど墓地で発動するカードはもうほぼない)私もドロー」
「そして墓地のタイム・ストッパーの効果を発動!!墓地にエンシェントモンスターが存在しないのなら古の対価を手札に加えることができる!!」
タイム・ストッパー
効果モンスター
星1/地属性/魔法使い族/ATK500/DEF0
「タイム・ストッパー」の効果はデュエル中に1度しか使えない。
(1)このモンスターが「古の対価」でリリースされた場合、自分の墓地にエンシェントモンスターが存在しないのなら、墓地に存在する「古の対価」を手札に加えることができる。
これで再び釼都は古の対価を使えるようになった。だがそれでもモンスターが足りなすぎる。そうなれば――奪うしかない。
「憤怒の傀儡を発動!!俺のフィールドにエンシェントモンスターが存在する場合、アラエルの墓地から前のターンに破壊したドラグニティ・ゲイボルグを特殊召喚する!!」
ゲイボルグ/ATK2000
登場したゲイボルグだが釼都のデッキに存在する鳥獣族はエンシェント・ヴィアタだけ、しかも攻撃力が0のため効果を発動するのは不可能だった。
「マシンナーズ・リペアを通常召喚!!」
マシンナーズ・リペア/ATK200
これで合計レベルが8――そうなればあのモンスターが登場する。
「レベル6のゲイボルグにレベル2のリペアをチューニング!!機械の魂を持つ翼竜よ、その鋼鉄の翼で仲間を敵の脅威から守りたまえ!!」
☆6 + ☆2 =☆8
「シンクロ召喚!!クロック・ゴールド・ドラゴン!!」
『グルゥゥゥアァァァァァァァァ!!!!』
フィールドに鋼鉄の体と無数の機関銃を体から生やし、獰猛な瞳でアラエルを睨むドラゴンが出現した。
クロック・ゴールド・ドラゴン/ATK2300
「クロック・ゴールド・ドラゴンの効果発動!!相手フィールドの面川表示の魔法・罠――カリバーンとミョルニルを破壊する!!」
「しまっ――!!」
クロックの放った無数の弾丸で2枚のカードが破壊され、とうとうエクスカリバーの槍から光が消えた。
エクスカリバー/ATK4000→3000
「そして手札から古の対価を発動、フィールドのクロック・ゴールド・ドラゴンとエンシェント・グリーをリリース!!その身を纏は嘗ての罪(ざい)、時を越え、その狂気を解放せよ!!」
☆8 + ☆2 =☆10
「エンシェント・クロック・ドラゴンを召喚!!」
釼都のフィールドのクロックの罪である鋼鉄の拘束具がすべて破壊されるとその中より本来の姿であるドラゴンが出現した。
エンシェント・クロック・ドラゴン/ATK2900
釼都/LP50→25
「墓地の古の対価の効果、エンシェント・グリーを除外して回収して、エンシェント・クロック・ドラゴンの効果を発動!!手札の古の対価を墓地に送り除外されてるモンスター1体につき攻撃力を500ポイントアップさせる!!」
除外されてるのは全部で7体、よって3500ポイントアップする
エンシェント・クロック・ドラゴン/ATK2900→6400
「攻撃力6300…!!」
「バトルフェイズ、エンシェント・クロック・ドラゴンでエクスカリバーに攻撃、ジェノサイド・バースト!!」
「クッ…!!」
このターン、タイム・バトラーを使用してたため戦闘ダメージは発生しない。
そして釼都の手札はたったの1枚、これ以上の戦術を組み立てるの不可能だった。
「ターンエンドだ!!」
釼都
LP25 手札1枚
エンシェント・クロック・ドラゴン/ATK6400→2900
伏せカード無し
エンドフェイズを迎え、エンシェント・クロック・ドラゴンの攻撃力も元の数値へと下がってしまった
「ふっ…」
釼都の猛攻が終わり、ここからアラエルがどのような手に打って出るのか。そう緊迫した雰囲気が場を支配していたが釼都の赤い目を見て彼女は静かに笑って手をデッキの上に――
「サレンダーよ」
「…は?」
一瞬、言ってる意味がわからなかった。グリーの効果で何をドローしたのかわからないがあのデッキには攻撃力が2900にダウンしたエンシェント・クロック・ドラゴンに勝つ手段はまだあるはずだった。
「…テメェ、何を考えてるんだ…!いや、そもそも何が目的何なんだ!!ザフキから聞いたアンゲロスの目的とユウから聞いた今までのお前たちの行動、それにザフキが万丈目にした試練のようなこともしてない、まるで噛み合ってねぇ!!
そう、ライフが減りようが釼都が敗北に近づこうか何も起こらないのだ。それ自体可笑しいのだ。
勝負に集中していたため忘れていたが、アンゲロスは試練を仕掛けてくるのだ。
「答えろ、『本当』の目的は何だ!!」
「何、か…なんだろうね、私も、あの子も、みんな…何を考えてるんだろう」
どこか、物思いに深けているアラエル。その表情はどこか悲しそうで、天井を見上げた。
その表情、釼都はどこかで見たような気がした。幼い頃、まだ父親が生きている時に、引き取られた――つ―――き―――が―――
「(…だれ、のことだ…?)」
「…どこかで、助けてくれるんじゃないかなって」
まるで頭の中にノイズが走ったような釼都は頭痛に顔をしかめた。しかし、アラエルの言葉の意味が分からなかった。助けるとはだれのことなのか。
「あの時は、みんな同じものを見てたはずなのに今だとみんな、別の方向を見ちゃってるや」
そう言うとアラエルはデッキの一番上のカードを引き、それを釼都へと投げた。だが、距離があったためかそれは釼都の目前で地面についた。だが、絵面が上のそのカード――そして追いかけるようにしてもう一枚、アラエルの最後の手札のカードが並ぶようにして地面に散らばった。
「これは…」
「そう、貴方の本気の刃は私のライフを貫いた」
「ドラグニティアームズ-レーヴァティン」「ゴッドバードアタック」
共に強力でありながら単体では意味をなさないカードだ。これではアラエルはエンドフェイズをそのまま迎えて次のターンの釼都の攻撃でライフがなくなっていた。
だが、彼女はそれをドローする前から本能で悟っていたのだ。いや、自分から願っていたのかもしれない。
「目的…か。なんだったんだろうね…240年も経ったら忘れちゃった」
まるで照れ隠しのように笑うアラエル。だが、釼都はそのアラエルの笑い顔の裏に、まるで全員がツバキを忘れたという事実を知ったユウに似た顔があるのに気付いた。
「240年前…いったい何があった? お前達がその時に今回の一件を考えた何かが起こったんだろ?」
「…そうね、ただそれはすべてが終わってから話すわ。私たちだけじゃないからね、この問題は…」
そうひとつ、疲れたため息をついて天井を見上げたアラエルは何を見つめていたのか。
「…ユウにも、シゲルにも、貴方にも、関係があることだからね」
その呟きは、他のメンバーの安否を心配する釼都の耳には入らなかった。
釼都「今回は俺とアラエルか…」
実はこの戦いはだいぶ前から考えてた、やりたいことが少しできなかったけど。
紫苑「どういうことですか?」
釼都のクロック・ゴールド・ドラゴンは他の4体と比べて場を制圧するようなほどの火力や効果を秘めてるわけじゃない、いわゆる一種のメタ効果に近い感じなのね。
シゲル「…だがそのメタ効果が有効的になる相手はいる」
そう、例えば永続罠とかのロックや装備カードを多用するデッキとか。
ユウ「そうか、ドラグニティは装備多用だからクロックの効果が十二分に発揮されるんだ」
そういうこと。それにノーバディのリーダーVSアンゲロスのリーダーっていうトップの戦いでもある。
実を言うとアラエルにもアクセルシンクロさせようと思った。
シゲル「なんでだ」
釼都「シンクロモンスターにシンクロモンスターのチューナーをチューニングだと、まさか…!!」
アラエル「ふふ、アクセルシンクロができるのが彼らだけじゃないわ」
という流れを作たかったがエクスカリバーを出したかったから没にした。
さて、次はユウの試練ですが…実はまだ半分ほどしか出来てない。
紫苑「結構手間取ってますね」
早めに言っておくと相手のデッキは完全にオリジナルカードで固められてるので…既存カードはモンスターでは1枚ぐらいかな
ユウ「1枚?」
で、終わり方を3つほど考えてるんだけど、どれにするか試行錯誤しながらやってるんだ…
もしかしたら年末更新は無理かもしれない…ちなみに3話に跨りそう…
シゲル「長いな」
まあ、正確には2.5話ぐらい。
というわけで次回お楽しみに~