―数週間前―
「辻デュエルですかぁ?」
ユウ達が精霊界へと渡り、優介が入院して雪乃たちがその介抱のために本島へと行って少し静かとなったアカデミアの食堂。
同じ女子生徒として仲がいい明日香から聞いた噂に如月は眉をひそめた。
「そうなのよ、その道を通るのなら誰であろうとデュエルを挑む。負けても特にはないんだけど、そのデュエリストの鬼気迫る威圧感に怯える生徒も多いらしいのよ」
「で、その調査をクロノス先生から頼まれたわけですかぁ」
度々クロノス教諭から学園内の問題ごとを明日香や万丈目は受けていたが、今回万丈目は『姫野椿の捜索』ということで休学中で明日香が動くことになった、というわけだ。
ノーバディも十代もおらず、実質的な今現在の学園のまとめ役が明日香のため、彼女としても早急に調査がしたかったのだ。
「そうですねぇ…噂であるのは一つだけなんですがぁ……うぅーん…」
「一つだけだけど、なに?」
「その犯人……実はぁ――」
―山道―
「キラー・ザウルスの攻撃!!」
「う、うわあああああ!!!」
イエロー生徒/LP1200→0
ジュラ紀のようなフィールドの中、刃物の頭部を持つ恐竜の攻撃で倒されたイエロー生徒。彼は起き上がると対戦相手から逃げるようにして立ち去った。
「っ……!!」
対戦相手――ティラノ剣山は勝ったのにその顔は浮かれなかった。
そう、辻デュエルの犯人はティラノ剣山だった。
『テメェが虎の威を借りるだけのデュエリストなら、必死に足掻いてる生徒よりも雑魚なんだよ』
「っ…!!」
ジェネックス本戦での釼都との戦い。本気とは言えない、彼のデュエルに敗北して言われた一言。
確かにその通りだった。翔とは違って剣山は『十代』という影に隠れているだけだった。
そして浮かれているところで釼都に足元を掬われての手痛い一撃。
ただ八つ当たりのごとくむしゃくしゃしてたのだ。
「ちょっと」
「あ?」
呼び止められた剣山。振り返るとブルーの制服に身を包んだ青髪で細身のあどけなさが残る顔立ちの生徒がいた。
「君だね、ここら辺で辻デュエルをしてるのは」
「…だったらなんザウルスか?」
剣山の言葉にその生徒はデッキをディスクにセットした。
「!!」
「デュエルしよう」
―同時刻:山道―
「剣山くんがね…」
「まあ、釼都先輩にこっぴどくやられてたみたいですからねぇ…情報だとこのあたり――」
剣山を探しに来た明日香と如月。彼が辻デュエルをしていた情報を元に場所を探していると少し離れているところでジュラシックワールドが発動されているのを見つけた。
「あちゃぁ…まだやってるみたいですねぇ…」
「はぁ…翔くんとはまるっきり違うわね」
翔はジェネックス大会後、兄であるカイザーと同じプロになるために様々な勉強を始めていた。デュエル以外にもプロに関することを調べている。と言っても無理なことはしておらず、自分のペースを守って図書室やパソコンルーム、果てはカイザーやエドと友好的なプロの話を聞いていた。
それも釼都からの『自分の行ける範囲で頑張って強くなれ』というアドバイスからで、それはまた別の話に。
明日香と如月はデュエル範囲内へと入って――そして驚愕していた。
「うそ…」
剣山
LP200 手札1枚
究極恐獣/ATK3300
大進化薬 伏せカード1枚
ジュラシックワールド
「なんザウルスか…なんで…!!」
ブルー生徒
LP4000 手札2枚
カオス・ネクロマンサー/ATK3000
漆黒のトバリ 伏せカード1枚
「罠カード、闇のデッキ破壊ウイルスを発動。フィールドのカオス・ネクロマンスターをリリースして、罠カードを3ターン破壊させてもらうよ」
「っ…伏せカードはミラー・フォースザウルス…!!けど、これでお前のフィールドはガラ空きザウルス!!」
そういうがブルー生徒は笑っていた。まるでここまで予想通りというように。
「ボクの墓地…おや、部外者かな」
「?」
剣山がその見ている方向に顔を向けるとそこにはさきほどやってきた明日香と如月がいた。
「うーん、あんまり見せたないんだよね…仕方ない。魔法カードDDRを発動!手札を1枚捨てて除外されているモンスターを復活させる、ワイトキングを蘇生!!」
ワイトキング/0
「ワイトキングは墓地のワイトとワイトとして扱うモンスターに次1000ポイントアップする!!墓地にはワイトとして扱うモンスターが全部で7体、よって攻撃力は7000!」
ワイトキング/ATK0→7000
「攻撃力7000!?」
「バトルフェイズ、ワイトキングで究極恐竜へ攻撃!」
「うわああああああああああ!!!!」
剣山/LP200→0
圧倒的、その言葉しか出ない結果だった。
剣山も今の二年では上位に食い込む、ジェネックスで本線に残るほどの実力があるのだ。
最近のブルー生徒も多少は実力をつけ始めているがそれでもこの差は余りにも大きすぎる。
「さてと、明日香さん、多分辻デュエルのことを調べてるんですよね?」
「え、ええ…剣山君が容疑者って聞いてたんだけど…」
「ボクも辻デュエルが気になってたので調べたんで、クロノス教諭に連れて行くのならお願いしますね」
笑顔で立ち去ったブルー生徒。そう、明日香は彼のことを知っている。彼は気弱な性格でデュエルを含めて争いごとは苦手のはずだ。それこそ実力がありながら気弱だった大原と小原コンビのような存在のはず。
しかし、何かが違う、そんな気がしていた。
―回想終了―
「それからイエローのもともとの自分の部屋に閉じこもってるらしいの」
「そんなことが…」
校舎の出入り口にいた明日香と万丈目を見つけた十代は剣山について聞いていた。すると彼女は十代達がアンゲロスと戦ってた時に剣山が問題行為を行っていた事実を伝えた。
自分たちが精霊界で戦ってる間に剣山が自分を見失っていたとは思ってもなかった。
「ふん、だが剱都の言う通りだ。あいつは十代の影にずっと隠れていた、そして十代が強くなり、その存在が大きくなれば自分が強くなったと勘違いしている。そしてその責任はお前にもあるんだぞ、十代」
「お、俺?」
万丈目の指摘に十代が驚いたように聞き返した。明日香も同じ考えのようで腕を組んで軽くため息をついた。
「翔君の時はともかく、剣山君は後輩、しかも貴方は一年の時に代表に選ばれ、卒業デュエルも執り行う『実力者』になった。いうなれば上に立つ立場にあるはずなのに貴方、剣山君のことを咎めたりしなかったわよね?」
「うっ…で、でも翔の時も剣山の時も俺を兄貴呼ばわりするのはあいつらが勝手に――」
「それを拒絶しなかった時点でお前は手本となる立場になったって言ってるんだ。俺もノースに行く前は取巻や慕谷が問題行為に抵触しないように心がけていたし、キングになったときもそこには注意を払っていた」
確かに十代も知っている万丈目の元取り巻きである2人も十代などのレッド生を見下したりアンティを仕掛けたりはするが停学になるなどの問題行為をしたことはない。
「十代、剣山君のことはあなたが決着をつけなさい、彼の『アニキ』としてね」
―図書室―
「――変化なし、っすね」
翔は会議室の出入り口が見える図書室の席に陣取って動きを監視していた。机の上にはプロリーグに関する資料があり、他にも自身のデッキに相性がよさそうなカードのリストが置いてあった。
「ふぁ~…――今日はここまでっすかね」
欠伸をしながら翔は立ち上がって資料を整理し始めた。ふと、視線を向けると会議室の扉が開いて鮎川先生や鮫島校長が出てきた。
「―――あっ!」
ぼーっとしてしてた翔はそれを見て慌ててPDAを取り出した。
―イエロー寮―
「なあ、剣山知らないか?」
明日香と万丈目と別れた十代はイエロー寮へとやってきた。近くにいた顔見知りに聞くと彼は若干いやそうな顔をしていた。
「剣山のやつなら自分の部屋にいる。すげぇうるせぇんだよ、夜中にガンガンガンガン…」
「ガンガン?」
「むしゃくしゃしてるのか机とか椅子とか蹴っ飛ばしてるんだろうよ。苅山先生も注意してくれるけどまだやってんだ…」
樺山先生の名前を間違えながらも事の重大さを教えてくれた生徒と別れて十代は剣山の部屋へと向かった。
「うがあああああああああああ!!!!!」
「予想よりもひどいな…」
雄叫びとともに物を叩きつける音が響いた。予想以上に荒れていることに十代は大きなため息をついた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…!!!」
「よっ、剣山」
部屋に入った十代はその部屋の惨状に目を疑った。
以前に一度、三沢の部屋のペンキ塗りのために内装等は見たことがあるのだがその原型がほとんどなかったのだ。
ベットはひっくり返り、机も投げ飛ばされ、部屋の小物が瓦礫のように散らばっていた。そして今叩きつけたばかりなのだろう、埃が舞ってる中心に残骸となった椅子の前にその脚を持って佇む剣山がいた。
「兄貴…」
「久しぶり、って言ったほうがいいか?最近バタバタしててたからなぁ」
ジェネックスが終了してから精霊界へと行き、そして戻ってきてからもツバキことアリエルのことや響、レイの入学の手伝い、と1年から2年になるときに比べたら忙しすぎるのだ。
ちなみにそれは十代だけではなく、各々が忙しかった。上・中学年の仲間の中で手が空いていたのは剣山を除くと優介の復学の手伝いぐらいしかやってないジュードや吹雪、荒木ぐらいしかいない。
「…俺を叱りに来たっすか」
「いや、そーじゃなくて…実際、様子が気になったぐらいでどうしたらいいのかわからないんだけどな」
だから万丈目に責任感がないといわれるのだろう。そういえば釼都も自分でけじめをつけろと言われていたような気がする。
「なあ、剣山。デュエルしようぜ。嫌なこともこれで忘れようぜ」
―一方―
「(校舎を出て…ブルー寮に行くかと思ったのですが…)」
「(森に入るみたいだね)」
リチャードの尾行を続けている紫苑とツバキ。一通り校舎の中を見回った後、男子はブルー、女子は女子ブルー寮へ宿泊する予定になっている。
そのため、ブルー女子寮へと行くのかと思ったがどういうわけかチーム寮がある森の方向へと向かっていた。
「(時折PDAや時計を見る限り誰かと待ち合わせでもしてるのでしょうか)」
「(誰かとって…誰と?)」
この学園で彼女のことを知る生徒はあまりいない。彼女に興味を持った数人の生徒と言葉を交わして仲良さそうにしてるのを見たが、それにしても納得ができない。
「(…考えられるのは一緒に来たほかの4人の生徒かコブラ…)」
「(あぁ…ほかの生徒に見張りはついてないからねぇ…)」
唯一見張っているのはコブラとリチャードだけ、ちなみにオブライエンはこっちに引き込んだのだがそのことを2人は知らない。
「(どうする?今からでも釼都にほかの生徒も見張ってもらうように頼む?)」
「(いえ…荒木さんの記憶が正しいのならほかの方々は無害のはず。そうなれば無駄に目立つ行動は控えるべきです)」
二人は小声で話しながら森の中を進むリチャードを追いかけた。しかし、実はこの三人が来る前にすでに二人の人間が入り、そして一人、この森に『出現』したのを誰も知らなかった。
―イエロー寮前―
「こうして、兄貴とデュエルするのは久しぶりザウルスね」
「ああ、お前がデュエルディスク狩りをした時以来だな」
十代と剣山のデュエルということを聞きつけた多くの生徒が集まった。しかしそのほとんどは十代の応援、剣山のほうは明日香が調査していた辻デュエルのこともあり、あまり味方に付くギャラリーはいなかった。
「行くぜ、剣山!!」
「いつでもいいドン!!」
「「デュエル!!」」
―十代のターン―
「俺のターン!!手札からクロス・ポーターを召喚!!」
クロス・ポーター/DEF400
いつぞや以来のN専用のサポートモンスターだ。しかし、あの十代が最初に守りと次につなげる戦術に観客は首を傾げた。
しかし十代は剣山のデッキを知り尽くしている、そのため序盤でどんな動きが効果的なのかも知っているのだ。
「ターンエンド!!」
十代
LP4000 手札4枚
クロス・ポーター/DEF400
伏せカード無し
―剣山のターン―
「俺のターン!!そんな壁モンスター、すぐにぶっ潰すドン!!手札のキラー・ザウルスの効果、このカードを手札から捨ててジュラシックワールドを手札に加える、そのまま発動だドン!!」
剣山の背後が彼のホームである恐竜の住む世界、ジュラシックワールドへと変貌していった。
「そしてセイバーザウルスを召喚、フィールド魔法の効果で攻撃力がアップするドン!!」
セイバーザウルス/ATK1900→2200
「バトルフェイズ、セイバーザウルスでクロス・ポーターに攻撃!!」
「っ…だが、破壊されたクロス・ポーターの効果でデッキからN・グラン・モールを手札に加えるぜ!」
グラン・モール、その強力な効果は剣山も重々承知している。しかしセイバーザウルスはレベル4の通常モンスター、グラン・モールは召喚しやすい高攻撃力モンスターとは相性は悪い。
「俺はさらにカードを伏せてターンエンドだドン!!」
剣山
LP4000 手札3枚
セイバーザウルス/ATK2200
伏せカード1枚
ジュラシックワールド
―十代のターン―
「俺のターン!(あの伏せカード、たぶん…)手札からE・HEROエアーマンを召喚!!効果でデッキからE・HEROキャプテンゴールドを手札に加えてそのまま捨てるぜ」
「そのカードは確か…」
エアーマン/ATK1800
手札に加わったカードが捨てられるとデッキから一枚のカードが手札に入った。
「そしてフィールド魔法、スカイスクレーパーを発動!!」
今日から変わったルールにより、フィールド魔法はお互いに作用されるようになった。そのため、十代の背後には近未来的な摩天楼、剣山の背後には古代的なジャングルというミスマッチな構図が出てきた。
「そして、バトルフェイズに移る、エアーマンでセイバーザウルスに攻撃!!スカイスクレーパーの効果で攻撃力が低いE・HEROが攻撃するとき、攻撃力が1000ポイントアップする!!」
「っ…!!」
エアーマン/ATK1800→2800
剣山/LP4000→3400
「(攻撃を受けて、発動しない伏せカード、ってことは間違いなく…)俺カードを2枚伏せてターンエンドだ」
十代
LP4000 手札3枚
エアーマン/ATK2800→1800
伏せカード2枚
―剣山のターン―
「俺のターン!!始祖鳥アーキオーニスを召喚!」
始祖鳥アーキオーニス/ATK300
フィールドに出たのはユウの因幡之白兎と同じ直接攻撃モンスターだ。しかし、この状況で十代を直接攻撃したところで大した痛手にはならない。ということは――
「手札から、超進化薬・改を発動!!フィールドの鳥獣族モンスターをリリースして手札から恐竜族モンスターを特殊召喚する、来い、超伝導恐獣!!」
超伝導恐獣/ATK3300→3600
一気に上級モンスターを召喚した剣山。しかし、その流れも十代には読めていた。
「行くザウルス、超伝導恐獣でエアーマンに攻撃!!」
「くぅ…」
十代LP4000→2200
一気にライフを半分近くまで削られる大ダメージ、しかし、十代は慌てることなく伏せられているカードを使った。
「リバース罠、ヒーローシグナルとN・シグナルを発動!!」
「2枚同時!?」
すると緊急事態にヒーローを呼び出す信号と危機的状況にそのサポート要員を呼ぶ狼煙が同時に上がった。
「戦闘でモンスターが破壊されたときE・HEROとNを1体ずつ特殊召喚する、現れろ、プリズマー!!グロー・モス!!」
プリズマー/ATK1700
グロー・モス/ATK300
フィールドに出たのは2体のモンスター。それを見て剣山が伏せカードを発動しようとして苦虫をかんだかのように動きが止まった。
「その伏せカード…たぶん、俺のモンスターの特殊召喚に反応する狩猟本能なんだろ?」
「! なんで――」
なぜわかったのか、その理由はひとつしかなかった。
「そのデッキは俺と最初に出会った時のままだから、攻撃に反応せず、ダメージを受けても使わなかったのなら、考えられるのは狩猟本能ぐらいだからだ」
リビングデッドの呼び声などの可能性もあったが、発動をためらったというところを見るからにフリーチェーンのカードもなさそうだ。
「そして俺が特殊召喚したタイミングはダメージステップ、狩猟本能は発動できない。手札にはダークティラノか究極恐獣があるんだろ?」
攻撃力は超伝導恐獣よりも低い最上級モンスター。そしてそのうちのダークティラノが剣山の手札にあった。
「っ…」
「…ターンエンドか?」
十代の言葉に剣山は手札を一瞥して目を伏せた。
「エンドザウルス…」
剣山
LP3400 手札1枚
超伝導恐獣/ATK3600
伏せカード1枚
―十代のターン―
「俺のターン、プリズマーの効果を発動!エクストラデッキのグロー・ネオスを選択してデッキのE・HEROネオスを墓地に送り、このターンネオスとして扱う、リフレクト・チェンジ!!」
プリズマー→ネオス
「そして、手札からグラン・モールを召喚!!」
グラン・モール/ATK900
これでグラン・モールで超伝導恐獣を手札に戻してプリズマーとグロー・モスで攻撃すれば一気にライフが削れる――
「…剣山、先輩として、お前のアニキとして教えてやるよ。人は立ち止まったらそこまでだ、だから前に進むんだ!!俺はフィールドのグロー・モス、グラン・モール、そしてネオスとして扱うプリズマーでトリプル・コンタクト融合!!」
「3体のコンタクト融合!?」
驚いている間に宇宙空間へと飛び上がった3体は一つになり、そして消えた。いつもならそこからネオスの融合体が登場するはずなのだが――
「消えたザウルス…?」
「どこを見てるんだ、剣山。もう俺のネオスはフィールドにいるぜ!」
そう言われて十代のフィールドを見るが、そこにはネオスの融合体と思わしきモンスターはない。
「どこに…」
「これが生命を司る力、リーフ・ネオス!!」
そう宣言したと同時に地面から巨大な樹が伸びた。文字通り世界樹のような大きさのその樹の根元からまるで木の根でできた鎧に大きな杵を持つ自然の力を身に宿したネオスが出現した。
リーフ・ネオス/ATK3000
「――はっ、リバース罠、狩猟本能を発動!!相手の特殊召喚に成功したとき、手札の恐竜族モンスターを特殊召喚するドン!来るザウルス、ダークティラノ!!」
ダークティラノ/DEF1800→2100
フィールドに最上級恐竜族モンスターが2体、しかしダークティラノはフィールド魔法の効果を受けても攻撃力2900、超伝導恐獣は3600とはいえスカイスクレーパーで突破されてしまう。
「カードを伏せてリーフ・ネオスの効果を発動!!自分フィールドと相手フィールドのカードを1枚ずつ手札に戻すことができる、そして戻した相手のカードによって効果が変わる、モンスターを戻した場合このターン俺のフィールドのモンスターは2回攻撃することができる!!」
「なっ――」
E・HEROリーフ・ネオス
星9/闇属性/戦士族/攻3000/守2500
「E・HERO ネオス」+「N・ブラック・パンサー」+「N・グロー・モス」
自分フィールド上に存在する上記のカードをデッキに戻した場合のみ、
融合デッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードは必要としない)。
「E・HEROリーフ・ネオス」の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1)自分フィールドのカードと相手フィールドのカードを選択して発動する。選択したカードを持ち主の手札に戻す。
その後、フィールドのモンスターを選択して、戻した相手フィールドのカードによって以下の効果を得る。
●モンスターカード:このターン1度のバトルフェイズ中に2回攻撃することができる。
●魔法カード:相手プレイヤーを直接攻撃することができる。
●罠カード:守備表示にする。
(2)エンドフェイズ時にこのカードを融合デッキに戻し、フィールドのすべてのカードをすべて手札に戻す。
十代のフィールドのセットされたカードと剣山のダークティラノが手札に戻った。
「バトルフェイズ、リーフ・ネオスで超伝導恐獣に攻撃、ユグドラシル・トマホーク!!」
リーフ・ネオス/ATK3000→4000
「うわああああああああああ!!!!」
剣山/LP3400→3000
リーフ・ネオスの一閃に超伝導恐獣が切り伏せられ、地面に伏した。そしてリーフ・ネオスが地面から生えたもう一本のトマホークをつかんだ。
「リーフ・ネオスの2回目の攻撃、ユグドラシル・クロス・トマホーク!!」
「うああああああああああああああああああ!!!!!」
剣山/LP3000→0
圧勝、まさにそういう結果だった。周りを見守っていたギャラリーたちもその結果は納得していた。というのも十代は上学年の中でも屈指の実力者、先日のジェネックスでもプロ・アマが入り乱れた中でのベスト4という結果だ。
「また、負けたザウルス…」
「剣山、俺って言葉で説明するの苦手だからさ…釼都や万丈目みたいなことを言いにくいけどこのままじゃダメだってことはわかるか?」
「……………」
十代が言いたいことはわかってる。ジェネックスで釼都に言われ、そして足元をすくわれたからだ。
だが、それでもわからないのだ、何をどうしたらいいのか。
「迷ったら誰かに相談して道を探すのも悪くないぜ。釼都や吹雪さんも相談に乗ってくれるだろうし…」
「…そう、ザウルスっすね…すこし、考えるドン」
剣山なりに一人で考えたいこともあるのだろう。しかしデュエルをする時とは違い、迷いがなくなった顔で十代も一安心だった―――
「あれ?」
ふとPDAを見ると何度も着信が入っていた。と、また着信が入った。
「も、もしもし?」
『馬鹿野郎!!どこほっつき歩てやがる!!』
どこか慌てた釼都の声、彼の背後を見る限りアジトにいるようだが――
「ど、どこってイエロー寮だけど…」
『はぁ!?お前コブラの監視はどうしたぁぁ!!――ってそれどころじゃねぇ、すぐに今から送る地図の場所に行け、翔があぶねぇ!!』
「えっ!?」
切れた通信、画面には翔からの受信記録がずらりと並んでいた――
「……あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
そう、翔からのだ。
剣山とのデュエルでまったく気づいていなかったのだ。
―二十分前―
「…………」
「(アニキ、なにしてるんっすか!!)」
コブラを尾行する翔はPDAを恨めしそうに見ていた。十代からコブラが会議を終えたなら教えてくれって言われていたのだが、一向に連絡がつかないのだ。残念ながら翔は雪乃も尾行メンバーの一人だとは知らなかった。
「(それにしても、どこに…)」
釼都からコブラのことを通達されたが、十代たちと違い特別な力もないためこうして尾行するしかないのだ。
「(――そうだ、釼都君っす!!)」
十代の尾行が聞いた話に関係してるとすれば釼都の指示の可能性が高い。
そうだとすれば釼都からの指示を仰げるかもしれないと思った。
できる限り音を立てずにPDAから釼都のアドレスを引っ張り出した。
『もしもし、どうかしたのか?』
「大変なんっすよ、コブラがチーム寮近くの森の中にいるっす」
小声で木の陰からコブラの姿を覗く翔。釼都はその報告に言葉を失っていた。
『森のなかって…は?十代は?』
「アニキに会議が終わってコブラが出たら教えてくれって言われたんっすけど、連絡がつかないっすよ…」
『あのバカがぁ…!!』
釼都の低い声に翔はトラウマを思い出して震えた。釼都の向こうでおそらくユウとシゲルのため息が聞こえた。
『翔、悪いけどPDAのGPS機能をつけて尾行を続けてくれ、すぐにユウとシゲルが――がざびgl』
「えっ!?」
突然ノイズが走ったと思えば釼都との通信が途切れてしまった。それに気を取られたせいか、コブラも見失ってしまった。
「なにがっ…」
「ん?」
翔が振り返ると、そこに一人の男性が立っていた。黒いローブを靡かせ、緑の髪を掻き上げていた男性――その姿に見覚えがあった。
「お前は!!」
「なんだ、見つかっちまった」
そこにいたのは――以前レッド寮存続をかけた戦いでエドとデュエルをしたエネミーズの幹部『コンダクター』の一人、チェルトだった。
本当にどうしよう…
シゲル「いきなりどうした」
今の遊戯王のARC-Vでエドと明日香が登場して新規カードが出てきてるよね?
紫苑「新規D-HEROや融合HERO、それとサイバーエンジェルですね」
それに伴って未OCGカードがOCG化され始めてるよね。この前のズシンやプラネットみたいな
剱都「ああ、そうだな。けど前話で投稿後にOCG化されたのはもう仕方ないみたいに言ってなかったか?」
うん、投稿後にね…たださ、一枚だけそう言えないカードがある。
ユウ「え?」
正直あのカードがOCG化されるとは思ってなかったからいろいろとやってしまったからねぇ…
ツバキ「何のカードなの?」
未発売だけど情報公開されたんだよねぇ…『D-HEROダークエンジェル』が
5人「あっ…」
特殊すぎる効果だし、D-HEROの強化はないだろうと思ってたからチューナーにしたり外見を変えたり効果を追加したりしたから…
Neptuneとジ・アースはOCG化されてたし、そのほかのは今後出てくる予定はなかったからいいんだけどさすがにダークエンジェルは無理、絶対出てくる。
剱都「デストロイガイもあるしな…作中のを変更できないのか?」
考えたけど設定的に無理…天照大神ならともかく
ツバキ「天照大神?最近出た上級スピリットの?」
実はTurn9で低レベルでオリカとして出してるんだよね。まあ、それ以降は出してないからそっちはいいんだけどね。
とりあえず、ダークエンジェルに関してはOCGカードもあるけどオリジナルカードで行きます、じゃないとストーリーが成り立たない。
さて、それじゃあ作中説明へと移ります。
ユウ「まずは僕たちが精霊界にいるときに起こった出来事だね」
正直剣山はこの作品だと準レギュより出番がない。
シゲル「お前は剣山に恨みでもあるのか?」
というよりも無名称で恐竜族強化があんまりないから…オリカ作るのならその戦いを別の人にやらせた方が絵になるし…
紫苑「それよりも辻デュエルですか…」
というよりも剣山の初登場のように通る相手にデュエルを仕掛けるみたいな感じです。
あまりの気迫にクロノスが調査を依頼するほどです。
で、デュエル内容は置いて最後の部分ですね。
ユウ「十代の馬鹿…」
シゲル「翔が尾行か…で、コンダクターのチェルトと遭遇…やばくね?」
やばいです。
ただ、次話は遅れると思います。
剱都「なんでだ?ストックがないのか?」
いや、次の次…と言ってもそっちは説明回でデュエルはないんだけど作ったのね。ただ次話のデュエル内容だけ変更するから。
ツバキ「なんでまた」
イメージと違う感じがしたから。
紫苑「デュエル内容ですが、剣山のほうは…」
デッキ内容的に変化が見られないんだよね、アニメだと。
シゲル「問題は十代の方だが…あれは本当に十代か?」
若干に二十代…いうなれば十五代と言ったところかな?
以前の一葉とのわだかまりの解消やルヒエとの戦いで一皮むけた感じです。
ユウ「あのネオスは…」
以前のラグナ・ネオスやアエル・ネオスみたいなオリジナルトリプル融合体です。
剱都「これで既存とは別のパターンができたな」
さてと、来月までに次の話投稿できたらいいなぁ…
シゲル「そういえば、月一投稿まだギリギリだったな」
一応遊戯王OCG復帰し始めたんだけど、まだ執筆のモチベがね…
そういえば、遊戯王二次小説『沈黙の使者』のサイレント=フリートさんがまたコラボをしてくれました。
ユウ「僕とツバキが向こうの世界に行く話だね」
一応時間的にはこの前の幕間になります。おそらく本編にもかかわってくる部分があると思うので良ければそちらもどうぞ!
次回もお楽しみに!